退院時共同指導料1とは何ですか?
みらい(新人医療事務)
「特別管理指導加算」って聞いたのですが、まず退院時共同指導料1そのものがよくわかっていなくて……。
あおい(元・医療事務)
退院時共同指導料1(区分番号B004)は、入院中の患者さんが退院した後の在宅療養をスムーズに始めるための加算です。患者さんの退院後の在宅療養を担う医療機関(在宅療養担当医療機関)の医師や看護師などが、入院している病院の医師・看護師などと一緒に、退院後の療養について説明・指導を行い、文書で情報提供した場合に算定します(令和8年度・厚生労働省告示第69号)。
みらい(新人医療事務)
算定するのは在宅療養担当医療機関の側なんですね。入院病院ではなく。
あおい(元・医療事務)
そうです。退院後の在宅を担う側で算定するのがポイントです。点数は在宅療養支援診療所の場合は1,500点、それ以外の場合は900点で、当該入院中1回が算定候補です。


みらい(新人医療事務)
1,500点と900点で、200点の差があるのはなぜですか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養支援診療所は、24時間対応や訪問診療など重い体制を持っている診療所のことです。その体制を反映して点数が高く設定されています。どちらの区分に該当するかは、地方厚生局への届出状況で確認が必要です。
特別管理指導加算とはどんな加算ですか?
みらい(新人医療事務)
本題の「特別管理指導加算」について教えてください。
あおい(元・医療事務)
退院時共同指導料1(注2)に規定されている加算です。令和8年度の告示では「注1の場合において、当該患者が別に厚生労働大臣が定める特別な管理を要する状態等にあるときは、特別管理指導加算として、所定点数に200点を加算する」と定められています(令和8年厚生労働省告示第69号)。
みらい(新人医療事務)
200点を加算するんですね。つまり、在宅療養支援診療所なら合計1,700点、それ以外なら1,100点ですか?
あおい(元・医療事務)
計算上はそうなります。ただし、算定候補になるかどうかは退院時共同指導料1の算定要件をすべて満たしたうえで、患者さんが「特別な管理を要する状態等」に該当するかの確認が必要です。
特別管理指導加算の基本情報(令和8年度)
- 区分番号: B004 注2
- 点数: 退院時共同指導料1の所定点数に200点を加算
- 算定タイミング: 当該入院中1回(特定の疾病等の患者は2回まで)
- 届出: 不要(届出要件なし)
- 施設基準: 特別な届出施設基準なし
- 前提条件: 退院時共同指導料1(注1)の算定要件をすべて満たすこと
「特別な管理を要する状態等」とはどんな状態ですか?
みらい(新人医療事務)
「特別な管理を要する状態等」って何が含まれるんでしょう? 広い気がして……。
あおい(元・医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める」とされており、告示・通知で具体的な状態等が定められています。在宅医療・訪問看護の領域で同様の「特別な管理」の概念と同じ体系で整理されており、退院後に継続的な管理が必要な医療処置が必要な状態等が対象として想定されています。
みらい(新人医療事務)
具体的にはどんな状態が含まれますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料(告示・通知)で明確に定義されているものとして、在宅医療・訪問看護関連の告示が参考になります。退院時共同指導料1・注2の「特別な管理を要する状態等」は、退院後に継続的な処置・管理が必要な患者を対象とする趣旨です。具体的な状態の確認は、施設の関係部署や審査支払機関、または最新の公式通知でご確認ください。個々の患者さんが該当するかの判断は、担当医師・医療スタッフが一次資料に照らして確認する必要があります。
「特別な管理を要する状態等」の判断は要確認
対象となる「別に厚生労働大臣が定める特別な管理を要する状態等」の具体的な内容は、告示・通知の最新版でご確認ください。個別の患者さんへの該当可否は、医師・管理者が一次資料を参照して判断する必要があります。
退院時共同指導料1の算定要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
特別管理指導加算を算定するには、まず退院時共同指導料1の要件を満たさないといけないんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。算定要件の確認ポイントを整理します。
自院で確認する順番
- 入院中の患者について、退院後の在宅療養を担う保険医療機関(在宅療養担当医療機関)の保険医または保険医の指示を受けた看護師等・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士が対応する
- 患者の同意を得る
- 退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、入院中の保険医療機関の医師・看護師等と共同して行う
- 文書により情報提供する
- 当該入院中1回の制限内であることを確認する(厚生労働大臣が定める疾病等の患者については2回まで算定可能)
- 患者が「特別な管理を要する状態等」に該当するかを一次資料で確認する(特別管理指導加算の追加要件)
みらい(新人医療事務)
「共同して行う」というのは、具体的にはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養担当医療機関のスタッフと、入院中の病院のスタッフが、同じ場(または情報通信機器を使った形)で一緒に患者さんへの説明・指導を行うことです。どちらか一方だけで済ませるのは要件を満たしていない可能性があります。共同指導の方法・記録のとり方は、最新の留意事項通知で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
文書による情報提供も必要なんですね。どんな内容の文書ですか?
あおい(元・医療事務)
退院後の在宅療養に必要な情報を記載した文書です。詳細な様式や記載要件は留意事項通知(保医発)で確認してください。
算定回数の制限と「2回算定」ができる場合
みらい(新人医療事務)
基本は1回限りとのことですが、2回算定できる場合があると聞きました。
あおい(元・医療事務)
告示によると、「別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者」については、在宅療養担当医療機関の医師または指示を受けた看護師等が入院中の病院の医師等と1回以上共同して行う場合に、当該入院中2回まで算定できるとされています(令和8年度・告示69号 注1)。
みらい(新人医療事務)
「厚生労働大臣が定める疾病等」というのは、特別管理指導加算の「特別な管理を要する状態等」と同じですか?
あおい(元・医療事務)
別の概念です。「疾病等」は算定回数(2回まで)に関わるもの、「特別な管理を要する状態等」は特別管理指導加算(+200点)に関わるものです。どちらも告示・通知で具体的な内容が定められています。両方の確認が必要なケースもありますので、留意事項通知をしっかり確認してください。
算定回数と加算は別要件
- 算定回数(1回 or 2回): 「厚生労働大臣が定める疾病等」の患者かどうか
- 特別管理指導加算(+200点): 「厚生労働大臣が定める特別な管理を要する状態等」の患者かどうか
2つの「別に厚生労働大臣が定める〇〇」は別の告示で定義されていますので、それぞれ別に確認が必要です。
併算定の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
一緒に算定できないものはありますか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年度・注3)によると、退院時共同指導料1を算定する場合、次の点数は別に算定できません。
| 算定できないもの | 区分番号 |
|---|---|
| 初診料 | A000 |
| 再診料 | A001 |
| 外来診療料 | A002 |
| 開放型病院共同指導料(Ⅰ) | B002 |
| 往診料 | C000 |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ) | C001 |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅱ) | C001-2 |
みらい(新人医療事務)
往診料や訪問診療料と同日には算定できないんですね。気をつけないと。
あおい(元・医療事務)
共同指導を行う当日に往診や訪問診療を行った場合は、どちらの算定が適切か確認が必要です。同日の算定の可否については、留意事項通知や疑義解釈で確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定で、退院時共同指導料1や特別管理指導加算は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)告示第69号で確認した範囲では、退院時共同指導料1の基本的な算定要件・点数(在宅療養支援診療所の場合1,500点、それ以外900点)および特別管理指導加算(+200点)は、一次資料の範囲で確認できている構造から大きな変更は確認されていません(確認日: 2026-06・告示69号ベース)。
令和6年度改定(前回)からの差分確認について
令和6年度(2024年度)から令和8年度(2026年度)の改定差分の全体像は、厚生労働省の「個別改定項目について」等の一次資料で確認することをおすすめします。点数・施設基準以外に、算定要件・対象・事務要件等の変更がある場合があります。改定通知・留意事項通知の最新版が公式情報です。
みらい(新人医療事務)
わかりました。変更がないからといって、油断しないで公式資料を確認することが大切なんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。点数が変わらなくても、要件や様式が変わるケースはよくあります。毎改定、必ず一次資料の確認をお願いします。
よくある取り漏れと確認ポイント
みらい(新人医療事務)
特別管理指導加算を取り漏れやすいケースはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れパターン
- 退院時共同指導料1は算定しているが、特別管理指導加算を見落としている: 患者が特別な管理を要する状態等に該当しているのに+200点を加算していないケース
- 「共同指導」の要件を満たしていない: 在宅療養担当医療機関と入院中の病院とが実際に共同して指導していない
- 文書情報提供を忘れている: 共同指導を行っても文書での情報提供を忘れると算定要件を満たさない
- 算定主体の確認ミス: 退院時共同指導料1は在宅療養担当医療機関で算定する(入院病院ではない)
- 患者の同意の確認漏れ: 患者の同意を得ることが算定要件
みらい(新人医療事務)
特に「算定するのは在宅側」という部分を間違えそうです……。
あおい(元・医療事務)
よくある混乱ポイントです。退院時共同指導料2(B005)は入院中の病院側で算定する点数ですが、退院時共同指導料1(B004)は在宅側で算定します(退院時共同指導料2の点数は最新の告示・点数表でご確認ください)。二つのセットで覚えておくとわかりやすいです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「退院時共同指導料1の特別管理指導加算 算定要件」を調べているとよく疑問になることを聞かせてください。
あおい(元・医療事務)
では整理しますね。
みらい(新人医療事務)
特別管理指導加算は届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示で確認した範囲では、施設基準の届出は必要とされていません。退院時共同指導料1自体も、在宅療養支援診療所の届出済みの場合は高い点数(1,500点)が算定候補になりますが、その届出の有無で区分が決まります。特別管理指導加算200点自体に対応する専用届出は確認されていません(一次資料ベース)。
みらい(新人医療事務)
特別管理指導加算は訪問看護の特別管理加算と同じ対象患者ですか?
あおい(元・医療事務)
訪問看護の「特別管理加算」(訪問看護療養費)と、退院時共同指導料1の「特別管理指導加算」は、それぞれ別の告示に基づく別の点数です。対象状態等の区分が共通する部分もあると考えられますが、それぞれの一次資料(告示・留意事項通知)を個別に確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
在宅療養支援診療所の届出がない診療所では、特別管理指導加算だけ算定できますか?
あおい(元・医療事務)
退院時共同指導料1の算定区分は「在宅療養支援診療所の場合1,500点」「それ以外の場合900点」ですが、届出なしでも要件を満たせば900点区分で算定候補となります。特別管理指導加算は退院時共同指導料1の算定を前提に+200点が加算される仕組みですので、900点区分でも要件を満たせば特別管理指導加算が算定候補です。ただし、個別の届出状況・要件の充足は必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
退院した当日に往診した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示(注3)では「往診料は別に算定できない」とされています。退院時共同指導料1を算定した日と同日に往診料を算定することは、告示上できないと解釈されます。個別の状況については留意事項通知・疑義解釈をご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
退院時共同指導料1の特別管理指導加算が自院で算定候補になるか確認したいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や患者さんの状態を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。退院時共同指導料1 特別管理指導加算の算定要件は「退院時共同指導料1の要件+患者が特別な管理を要する状態等に該当する」という2段階の確認が必要ですので、チェッカーを活用してください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。