みらい(新人医療事務)
「連携管理加算」ってレセプトで時々見かけるんですけど、これって何の加算なんですか? 名前だけだとちょっとイメージがつかめなくて。
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。連携管理加算は、単独では算定できない加算なんです。「薬剤総合評価調整管理料」という医学管理料の注書きに定められた加算で、この管理料を算定するときに、条件を満たせば上乗せできる仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
単独では算定できないんですね。じゃあまず、その土台になっている薬剤総合評価調整管理料がどんなものか知る必要がありそうです。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。薬剤総合評価調整管理料は、入院中ではない患者さんで、内服薬が6種類以上、4週間以上継続して処方されている方を対象に、医師が処方内容を総合的に評価し、その結果として内服薬の種類数を2種類以上減らし、その状態が4週間以上続くと見込まれる場合に、月1回算定できる管理料です。令和8年度の医科点数表では250点とされています。
みらい(新人医療事務)
250点が土台の点数なんですね。連携管理加算はそこにどう関係するんですか?
あおい(元・医療事務)
処方内容を調整するときに、患者さんが受診している「別の保険医療機関」や「保険薬局」に照会したり、逆にそちらから情報提供を受けて調整・評価を行い、その結果を先方に情報提供したりした場合に、連携管理加算として50点が上乗せされます。院内だけで完結する調整ではなく、他の医療機関や薬局と連携した調整であることがポイントです。
連携管理加算とは
みらい(新人医療事務)
もう少し具体的に、どんな場面で算定候補になるのか知りたいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表の告示では、次のように定められています。「処方の内容の調整に当たって、別の保険医療機関又は保険薬局に対して、照会又は情報提供を行った場合、連携管理加算として、50点を所定点数に加算する。ただし、連携管理加算を算定した場合において、区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)(当該別の保険医療機関に対して患者の紹介を行った場合に限る。)は同一日には算定できない。」というのが条文の文言です。
みらい(新人医療事務)
「照会又は情報提供」っていうのは、具体的にはどんなやり取りを指すんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、もう少し詳しく書かれています。薬効の類似した処方や、相互作用のある処方などについて、患者さんが受診している他の保険医療機関や保険薬局に照会を行った場合、あるいは逆に他の保険医療機関等から情報提供を受けて処方内容の調整や評価を行い、その結果を先方に情報提供した場合に算定するとされています。つまり「聞きに行く」「聞かれて答える」の両方向のやり取りが対象になり得るということですね。
みらい(新人医療事務)
なるほど、一方通行の連絡だけじゃなくて、双方向のやり取りが想定されているんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし、これはあくまで「算定候補になり得る」という整理です。実際の診療内容が要件に当てはまるかどうかは、個々のケースごとに確認が必要になります。
対象となる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでも対象になるか、まず範囲を確認したいです。
あおい(元・医療事務)
当サイトが整理している範囲では、連携管理加算は診療所・病院のどちらでも対象になり得ますが、入院中の患者には対象外で、外来(入院中の患者以外)の患者が対象です。薬剤総合評価調整管理料自体が「入院中の患者以外の患者」を対象にした管理料なので、その注加算である連携管理加算も同じ枠組みの中で考える必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象医療機関 | 診療所・病院(外来診療を行う保険医療機関) |
| 対象患者 | 入院中の患者以外で、内服薬6種類以上・4週間以上処方されている患者 |
| 在宅医療での算定 | 訪問診療のみを念頭にした加算ではなく、外来管理の枠組み |
| 年度 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
病院でも診療所でも対象になり得るんですね。逆に、対象にならないのはどんなケースですか?
あおい(元・医療事務)
例えば、入院中の患者さんの薬剤調整は、この管理料自体の対象外なので連携管理加算も対象外の可能性が高いです。また、院内だけで処方を見直して、他の医療機関や薬局とのやり取りが発生していない場合も、連携管理加算の要件には当てはまらない可能性があります。この場合でも、薬剤総合評価調整管理料自体(250点)は別途、要件を満たせば算定候補になり得ます。
点数とコード(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数の整理を見てみたいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表に基づく整理はこちらです。

| 区分 | 名称 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| B008-2 | 薬剤総合評価調整管理料(土台の管理料) | 250点 | 月1回 |
| B008-2 注2 | 連携管理加算(上乗せ加算) | 50点 | 薬剤総合評価調整管理料の算定と同時 |
みらい(新人医療事務)
連携管理加算は単独のコードというより、薬剤総合評価調整管理料の「注」として存在しているんですね。
あおい(元・医療事務)
そのイメージで合っています。医科診療行為マスター上は連携管理加算にも管理コードが割り振られていますが、レセプトの考え方としては「薬剤総合評価調整管理料250点+連携管理加算50点」という組み合わせで算定される加算という理解が実務的です。数字コードの細部については、自院のレセプトコンピュータや医科診療行為マスターで確認するのが確実です。
点数だけ見て判断しないための確認ポイント
薬剤総合評価調整管理料の算定が前提: 連携管理加算だけを単独で算定することはできません。まず土台の管理料が算定できる状態かを確認しましょう。 併算定の除外規定: 連携管理加算を算定した日に、区分番号B009診療情報提供料(Ⅰ)(当該別の医療機関への患者紹介の場合に限る)を同一日に算定することはできません。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出とか、事前の手続きは必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、連携管理加算そのものについて、独自の施設基準の届出は求められていません。ただし、これは「連携管理加算だけを見た場合」の整理です。薬剤総合評価調整管理料には、情報通信機器を用いた医学管理を行う場合の別区分(注3)があり、そちらは別途、地方厚生局長等への施設基準の届出が必要とされています。自院がオンライン診療の枠組みで算定する予定があるかどうかも含めて、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
「届出不要」と聞くと少し不安になります。本当に何もしなくて大丈夫なんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
届出が不要だからといって、記録や算定要件の確認が不要というわけではありません。むしろ届出がない分、算定のたびに「今回のケースが要件に当てはまるか」を診療録やカルテできちんと確認・記録しておくことが重要になります。最終的な判断は自院の届出状況や診療内容と照らし合わせて確認してください。
施設基準は加算単位で異なる
薬剤総合評価調整管理料の情報通信機器を用いた医学管理(注3)には別途施設基準の届出が必要です。連携管理加算自体に届出が不要だからといって、管理料本体の算定方法すべてに届出が不要というわけではありません。自院がどの算定方法を取るかで確認すべき範囲が変わります。
算定のタイミングと注意点(併算定の制限)
みらい(新人医療事務)
タイミング面で気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず薬剤総合評価調整管理料自体が月1回の算定なので、連携管理加算もその算定と同じタイミングで扱われることになります。次に、連携管理加算を算定した場合、同一日にB009診療情報提供料(Ⅰ)(当該別の保険医療機関へ患者を紹介した場合に限る)を算定することはできません。
みらい(新人医療事務)
診療情報提供料と連携管理加算、どちらを算定するか迷うケースもありそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。同じ「他の医療機関とのやり取り」でも、患者さんを紹介する目的で情報提供を行った場合と、処方内容の照会・調整のために情報のやり取りを行った場合とでは、算定できる項目が変わってきます。どちらに当てはまるかは、実際の診療内容に即して個別に確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
あと、内服薬の種類数の数え方も気になります。
あおい(元・医療事務)
留意事項では、頓服薬は内服薬の種類数から除外すること、服用開始から4週間以内の薬剤は調整前の種類数から除外することなど、細かいルールが定められています。また錠剤・カプセル剤・散剤・顆粒剤・液剤は1銘柄ごとに1種類として数えるとされています。連携管理加算の前提となる薬剤総合評価調整管理料そのものの算定要件を満たしているかを、先に確認しておく必要があります。
よくある取り漏れの例
他の医療機関・薬局とのやり取りの記録漏れ: 照会や情報提供を行っていても、診療録にその経緯が明確に記載されていないと、算定の根拠が説明しにくくなります。 B009診療情報提供料(Ⅰ)との重複算定: 同一日に紹介目的の診療情報提供料(Ⅰ)を算定していないか、レセプト作成時に確認が漏れやすいポイントです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定、つまり令和6年度から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲を確認しましたが、連携管理加算および土台となる薬剤総合評価調整管理料について、令和6年度(2024年度)改定からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。ただし、これは「当サイトが収録している範囲で見つからなかった」という意味であり、疑義解釈や告示の細部改正まで完全に網羅した比較ではありません。
みらい(新人医療事務)
変更が無いなら、これまでと同じ考え方で大丈夫そうですね。
あおい(元・医療事務)
基本的な考え方は同じで良いと思いますが、点数や算定要件は改定のたびに見直される可能性があるものです。「変更なし」という整理も、あくまで令和8年度時点で確認できた範囲での情報として捉えて、最新の告示・通知は都度確認するようにしてください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
フローにするとこんな流れになります。

自院で確認する順番
まず患者さんが薬剤総合評価調整管理料の対象(入院中の患者以外・内服薬6種類以上・4週間以上処方)に当てはまるか確認する。 処方内容の総合調整の結果、内服薬が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれるか確認する。 その調整にあたって、別の保険医療機関または保険薬局への照会、あるいはそちらからの情報提供に基づく調整・評価を行ったか確認する。 同一日にB009診療情報提供料(Ⅰ)(紹介目的)を算定していないか確認する。 すべて満たしていれば、連携管理加算の算定候補として院内で最終確認を行う。
みらい(新人医療事務)
こうやって順番に見ていくと、抜けなく確認できそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に「他の医療機関・薬局とのやり取りがあったかどうか」は記録に残っていないと後から判断しづらいので、日々の診療録への記載を意識しておくと安心です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
連携管理加算だけを単独で算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
できません。連携管理加算は薬剤総合評価調整管理料(B008-2)の注2に定められた加算で、土台の管理料の算定が前提になります。単独算定はできない仕組みです。
みらい(新人医療事務)
情報提供の相手が薬局の場合でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項の文言では「別の保険医療機関又は保険薬局」とされているので、薬局とのやり取りも対象になり得ます。ただし、実際のやり取りの内容が要件に当てはまるかどうかは、個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者にも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
薬剤総合評価調整管理料自体が入院中の患者以外を対象にした管理料なので、連携管理加算も入院中の患者については対象外の可能性が高いです。入院患者の薬剤調整については、別の入院向けの加算区分が定められている場合があるため、そちらの一次資料で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
なお、薬剤の総合評価・調整と連携という考え方自体は、他の場面にも似た仕組みがあると聞きました。
あおい(元・医療事務)
そうですね。例えば向精神薬調整連携加算のように、別の点数区分・別の対象患者を前提とした、連携を伴う加算も存在します。名称が似ていても算定の土台となる管理料や対象が異なるため、混同しないよう、それぞれの一次資料で個別に確認するようにしてください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。