連続呼気ガス分析加算ってどんな加算ですか
みらい(新人医療事務)
「連続呼気ガス分析加算」という名前を初めて見たんですけど、これって何をする検査に付く加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは単独の検査ではなく、D211「トレッドミルによる負荷心肺機能検査、サイクルエルゴメーターによる心肺機能検査」を行ったときに、条件を満たせば上乗せできる注加算です。トレッドミルや自転車型のエルゴメーターで運動負荷をかけながら、呼気ガスを連続的に分析する場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
D211という検査に「追加でこれもやったら加算できますよ」というイメージですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)のD211の項には、「運動療法における運動処方の作成、心・肺疾患の病態や重症度の判定、治療方針の決定又は治療効果の判定を目的として連続呼気ガス分析を行った場合には、連続呼気ガス分析加算として、520点を所定点数に加算する」と書かれています。
みらい(新人医療事務)
つまり、ただ呼気ガスを測ればいいわけじゃなくて、目的がはっきり決まっているんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。運動処方の作成、病態・重症度の判定、治療方針の決定、治療効果の判定のいずれかを目的として行う必要があります。目的があいまいなまま実施しても、算定候補として整理しづらくなる可能性があるので、カルテには目的を明記しておくと安心です。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
この加算、うちのようなクリニックでも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、診療所・病院のどちらでも、外来・入院の場面で対象として扱われています。D211自体がトレッドミルやサイクルエルゴメーターという設備を使う検査なので、実際に算定候補になるかは、そうした機器を用いた負荷心肺機能検査を実施しているかどうかがまず前提になります。
みらい(新人医療事務)
在宅医療の場面ではどうですか?
あおい(元・医療事務)
在宅の診療報酬体系の中では、この加算は対象として整理されていません。ただし、「在宅では一切算定できない」と明言する一次資料の記載を確認したわけではなく、D211がトレッドミル等の院内設備を用いる検査であることから、在宅の実施形態とはなじみにくいという整理です。在宅の患者さんに関連して疑問が出た場合は、対象外の可能性が高いことを前提にしつつ、自院の状況で確認しておくのが安全です。
みらい(新人医療事務)
患者さんの対象疾患は決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の文言では「心・肺疾患の病態や重症度の判定」という表現があるので、心疾患・肺疾患に関わる運動負荷検査が想定されています。具体的な病名までは告示に列挙されていないので、対象疾患を限定的に書くことは避けたいところです。個別の患者さんが対象になるかどうかは、D211を実施する目的に照らして判断することになります。
みらい(新人医療事務)
場面ごとに整理してもらえると助かります。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している範囲では、こういう整理になります。
| 場面 | 対象の整理 |
|---|---|
| 診療所 | 対象として整理 |
| 病院 | 対象として整理 |
| 外来 | 対象として整理 |
| 入院 | 対象として整理 |
| 在宅医療 | 対象として整理されていない(対象外の可能性) |
点数はどう構成されていますか(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数の組み立てがちょっと複雑そうです。整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
図にすると分かりやすいので、まず見てください。

あおい(元・医療事務)
基本になるのはD211そのものの点数で、そこに条件を満たした場合だけ連続呼気ガス分析加算520点が上乗せされる、という構造です。
| 区分 | 内容 | 点数 | 年度 |
|---|---|---|---|
| D211 | トレッドミルによる負荷心肺機能検査、サイクルエルゴメーターによる心肺機能検査(基本点数) | 1,600点 | 令和8年度 |
| D211 注3 | 連続呼気ガス分析加算(運動処方作成・重症度判定・治療方針決定・効果判定のいずれかが目的の場合) | +520点 | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
加算だけを単独で算定することはできないんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。連続呼気ガス分析加算はD211の「注」に定められた加算なので、D211を算定していることが前提になります。D211を実施していない日に、この加算だけを算定候補として考えることはできません。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出とか、必要になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している範囲では、この加算について施設基準の届出は必要な項目として扱われていません。D211自体も、特別な施設基準の届出を求められている検査ではないという整理です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出なしでいつでも算定していいということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは言い切らないようにしたいところです。届出が不要とされているとしても、トレッドミルやサイクルエルゴメーターなどの実施体制、記録の残し方、算定要件の目的の明記など、確認すべき点は残っています。最終的には自院の届出状況・実施体制と、審査支払機関の判断にあわせて確認していただくのが確実です。
届出不要でも確認は必要
施設基準の届出そのものは不要な整理ですが、「届出がいらない=何も確認しなくてよい」ではありません。運動処方作成・重症度判定・治療方針決定・治療効果判定のいずれの目的で連続呼気ガス分析を行ったかを、カルテ等に明確に残しておくことをおすすめします。
算定のタイミング・回数・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングとか、同じ日に他の検査をしていたらどうなるとか、注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
D211自体の規定として、負荷の回数や種類にかかわらず所定点数により算定するとされています。これはD211本体の算定単位の考え方なので、連続呼気ガス分析加算も同じD211の枠組みの中で扱われます。
みらい(新人医療事務)
他の検査との関係はどうですか?
あおい(元・医療事務)
D211の規定には、「区分番号D200に掲げるスパイログラフィー等検査又は区分番号D208に掲げる心電図検査であって、同一の患者につき当該検査と同一日に行われたものの費用は、所定点数に含まれるものとする」という文言もあります。これはD211自体の規定であって、連続呼気ガス分析加算そのものを名指しした併算定除外の条文ではありません。ただし、D211を算定する日にD200のスパイログラフィー等検査やD208の心電図検査を同時に行っていると、その費用がD211の所定点数に含まれてしまい、別に算定できなくなります。連続呼気ガス分析加算はそのD211に上乗せする加算なので、同日にD200・D208を行っていないか、あわせて確認しておくと安心です。
併算定は慎重に確認を
D200のスパイログラフィー等検査、D208の心電図検査を同一患者に同一日で行った場合、その費用はD211の所定点数に含まれ、別に算定できません。連続呼気ガス分析加算を検討する際は、同日の検査内容もあわせてレセプト担当者と確認しておくことをおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、連続呼気ガス分析加算そのものの点数や算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更を示す資料は確認されていません。令和8年度の告示に記載されているD211・連続呼気ガス分析加算の内容が、現時点で当サイトが確認できる最新の規定です。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と言い切っていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重にしたいところです。「変更が確認されていない」というのは、当サイトが収録している一次資料の範囲での話です。個別改定項目の解説など、より詳細な資料まで突き合わせた結果ではないので、変更がまったく無いと断定するものではありません。気になる場合は、厚生労働省の改定関連資料で最新情報を確認していただくのが確実です。
改定差分の確認ポイント
点数や算定要件が同じに見えても、施設基準・対象患者・様式などの周辺ルールだけが変わっている改定もあります。連続呼気ガス分析加算については、当サイトが確認した範囲でそうした変更点も見当たりませんが、最新の告示・通知は都度ご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医院で確認するとしたら、どの順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
流れにするとこうなります。

自院で確認する順番
まずD211を実施しているか確認: トレッドミルによる負荷心肺機能検査、またはサイクルエルゴメーターによる心肺機能検査を行っているかを確認します。 連続呼気ガス分析の目的を確認: 運動処方の作成、心・肺疾患の病態や重症度の判定、治療方針の決定、治療効果の判定のいずれかを目的としているかをカルテで確認します。 同日の他検査を確認: 同じ患者さんに同じ日でD200のスパイログラフィー等検査やD208の心電図検査を行っていないか確認します。 記録を整えて算定候補として整理: 目的・実施内容をカルテに残したうえで、レセプト担当者と最終確認します。
みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、抜け漏れが減りそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特に目的の記載が抜けていると、あとから「なぜこの加算を算定したのか」を説明しづらくなるので、実施のたびに目的を書き残す運用にしておくとスムーズです。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
逆に、取り漏れが起きやすいパターンってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、D211を実施しているのに、連続呼気ガス分析加算の存在自体に気づいていないケースです。D211の点数だけで完結してしまい、注に定められた加算を見落としてしまうことがあります。
取り漏れ例1: 加算の存在に気づいていない
D211を算定していても、運動処方の作成や重症度判定などを目的に連続呼気ガス分析を行っていれば、520点の加算が算定候補になる可能性があります。D211の点数だけで終わらせていないか、一度確認してみてください。
取り漏れ例2: 目的の記載が曖昧
連続呼気ガス分析を行った記録はあっても、「何のために行ったか」がカルテに明記されていないケースがあります。運動処方作成・重症度判定・治療方針決定・効果判定のいずれかに該当することを、記録として残しておくことをおすすめします。
同じ検査加算カテゴリの関連項目
みらい(新人医療事務)
検査に関する加算って他にもありますよね。あわせて確認しておいた方がいいものはありますか?
あおい(元・医療事務)
同じ「検査加算」のカテゴリには、次のような項目もあります。運動負荷検査そのものではありませんが、検査系の加算を横断的に確認しておくと取り漏れを減らせます。
| 加算名 | カテゴリ | 概要 |
|---|---|---|
| 冠微小循環評価加算 | 検査加算 | 循環器系の検査に付随する加算 |
| 外来迅速検体検査加算 | 検査加算 | 外来での迅速な検体検査に付随する加算 |
みらい(新人医療事務)
なるほど、検査加算はまとめて見ておいた方がいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。連続呼気ガス分析加算に限らず、実施している検査に付随する加算を見落としていないか、定期的に棚卸ししておくのがおすすめです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問させてください。D211を算定していない日でも、連続呼気ガス分析加算だけ算定できますか?
あおい(元・医療事務)
それは難しいと考えられます。連続呼気ガス分析加算はD211の注に定められた加算なので、D211を算定していることが前提になります。D211を行っていない日に加算だけを算定候補として扱うのは、一次資料の構造から見て整合しません。
みらい(新人医療事務)
在宅診療をしているクリニックでも、外来の患者さんにD211を実施すれば対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
外来で実施するのであれば、対象として整理されている場面にあたる可能性があります。在宅医療の枠組みの中でこの加算を扱うのは対象外の可能性が高いですが、外来診療の中でD211を実施する場合とは分けて考えていただくのがよいと思います。
みらい(新人医療事務)
届出をしていないと、この加算は算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している範囲では、この加算に施設基準の届出は求められていません。ただし届出の要否は改定や運用で変わることもあるので、算定候補として扱う前に、自院が確認している最新の届出関連資料と突き合わせておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。D211の実施状況や連続呼気ガス分析の目的を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。