みらい(新人医療事務)
院長から「外来腫瘍化学療法診療料を算定してるうちの診療所、連携充実加算も取れるんじゃないか」と言われたんですが、正直よくわかっていません。連携充実加算ってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
連携充実加算は、外来腫瘍化学療法診療料1の「注8」として設定されている加算ですよ。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、月1回150点です。抗悪性腫瘍剤の副作用の発現状況や治療計画をまとめた文書を患者さんに渡し、状態を踏まえた指導まで行った場合に算定候補になる、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
「注8」っていうのは、外来腫瘍化学療法診療料そのものとは別の点数ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。外来腫瘍化学療法診療料という本体の点数に、条件を満たしたときだけ上乗せできる加算という関係になります。当サイトが収録している一次資料の範囲では、厚生労働省の医科点数表(告示)に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、1のイの(1)又は(2)を算定した患者に対して、当該保険医療機関の医師又は当該医師の指示に基づき薬剤師が、副作用の発現状況、治療計画等を文書により提供した上で、当該患者の状態を踏まえて必要な指導を行った場合は、連携充実加算として、月1回に限り150点を所定点数に加算する。」と定められています。
みらい(新人医療事務)
「1のイの(1)又は(2)」というのが、対象になる患者さんの条件なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。外来腫瘍化学療法診療料1のイは、抗悪性腫瘍剤を投与した場合の点数区分で、(1)(2)は初回から3回目までの投与にあたる部分です。点数表には次のように点数が並んでいます。
連携充実加算の対象になる点数区分(令和8年度)

| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 1のイの(1) | 初回から3回目まで(静注製剤等の場合) | 801点 |
| 1のイの(2) | 初回から3回目まで(その他の場合) | 351点 |
| 1のイの(3) | 4回目以降(静注製剤等の場合) | 451点 |
| 1のイの(4) | 4回目以降(その他の場合) | 201点 |
| 連携充実加算(注8) | (1)又は(2)を算定した患者への上乗せ | 150点(月1回) |
みらい(新人医療事務)
なるほど、4回目以降の(3)(4)を算定した日は連携充実加算の対象にならない、ということですか?
あおい(元・医療事務)
条文の書きぶりを見る限り、対象は「1のイの(1)又は(2)を算定した患者」となっているので、その理解で確認を進めるのが良さそうです。ただし個別の算定判断は自院のレセプト担当と診療内容の突き合わせが必要なので、あくまで確認が必要な点として押さえておいてください。
みらい(新人医療事務)
施設基準はどうなっているんですか?「別に厚生労働大臣が定める施設基準」というのが気になります。
あおい(元・医療事務)
そこが実務上いちばん重要なところです。当サイトが収録している厚生労働省の留意事項通知の範囲では、連携充実加算の算定要件として「『注8』に規定する連携充実加算については、外来腫瘍化学療法診療料1を届け出た保険医療機関において、外来腫瘍化学療法診療料1のイの(1)又は(2)を算定する日に、次に掲げる全ての業務を実施した場合に月1回に限り算定する。ア 化学療法の経験を有する専任の医師又は化学療法に係る調剤の経験を有する専任の薬剤師が必要に応じてその他の職種と共同して、患者に注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤等の副作用の発現状況を評価するとともに、副作用の発現状況を記載した治療計画等の治療の進捗に関する文書を患者に交付すること。」と示されています。
みらい(新人医療事務)
「専任の医師又は専任の薬剤師」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。しかも文書には記載すべき項目が細かく決められています。同じ通知の範囲では、交付する文書に含める事項として、実施しているレジメン、レジメンの実施状況、投与した抗悪性腫瘍剤等の投与量、主な副作用の発現状況、その他医学・薬学的管理上必要な事項が挙げられています。さらに、その文書を他の保険医療機関の医師・薬剤師や保険薬局の薬剤師に提示するよう患者さんに指導すること、他院や保険薬局から情報提供を受けた場合には必要な分析・評価を行うことも業務として求められています。
連携充実加算で見落としやすいポイント
連携充実加算は「文書を渡すだけ」では要件を満たさない可能性があります。レジメン・実施状況・投与量・副作用の発現状況(Grade等)・その他必要事項という複数項目を含む文書であるかどうか、様式を自院で確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトの整理でも届出が必要な加算として扱っていますし、条文自体が「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることを前提にしています。外来腫瘍化学療法診療料1の届出をしている医療機関が対象になりますが、連携充実加算そのものについて別途の届出手続きが必要かどうかは、自院が届け出ている内容と地方厚生局への確認が必要な部分です。断定はできないので、まずは自院の届出書類の記載内容を確認してみてください。
みらい(新人医療事務)
よく似た名前の加算があると混乱しそうです。何か注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
良い視点です。実は同じ外来腫瘍化学療法診療料の「注9」には、連携充実加算とは別の「がん薬物療法体制充実加算」という加算があります。当サイトが収録している範囲の条文では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、1のイの(1)又は(2)を算定する患者に対して、当該保険医療機関の医師の指示に基づき薬剤師が、服薬状況、副作用の有無等の情報の収集及び評価を行い、医師の診察前に情報提供や処方の提案等を行った場合は、がん薬物療法体制充実加算として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。」と定められています。
みらい(新人医療事務)
点数も要件も違うんですね。150点の連携充実加算と、100点のがん薬物療法体制充実加算、別物として扱わないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。名称も点数区分の番号(注8と注9)も違うので、レセプトで混同しないよう注意してください。
似た加算との混同に注意
連携充実加算(注8・150点)とがん薬物療法体制充実加算(注9・100点)は、同じ外来腫瘍化学療法診療料の中にある別の加算です。どちらも「1のイの(1)又は(2)を算定した患者」が対象になりますが、実施すべき業務内容が異なります。算定候補かどうかは、実際に行った業務がどちらの条文に対応するかで確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
自院で確認する順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、次のような順番で確認するとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番(令和8年度)

自院で確認する順番
- 外来腫瘍化学療法診療料1の届出を行っているか確認する
- 対象となる患者が、外来腫瘍化学療法診療料1のイの(1)又は(2)を算定する日に該当するか確認する
- 専任の医師又は専任の薬剤師が、副作用の発現状況を評価し、治療計画等を記載した文書を患者に交付できる体制になっているか確認する
- 文書に記載すべき項目(レジメン・実施状況・投与量・副作用の発現状況等)が様式に含まれているか確認する
- 交付した文書を他の医療機関・保険薬局に提示するよう患者に指導する運用になっているか確認する
- 月1回の算定回数制限を管理する仕組みがあるか確認する
みらい(新人医療事務)
回数制限についても教えてください。
あおい(元・医療事務)
条文の中で「月1回に限り」と明記されているので、同じ月に複数回算定することはできない、という理解で確認を進めるのが良さそうです。同じ患者に対して外来腫瘍化学療法診療料1のイの(1)又は(2)を月に複数回算定する場合でも、連携充実加算は月1回が上限になる可能性があるので、レセプト側の管理ルールを確認しておくと安心です。
取り漏れが起きやすい場面
専任の医師・薬剤師による副作用評価と文書交付を実施していても、交付した文書の控えや患者への指導記録が残っていないと、算定根拠を後から示しにくくなります。文書の写しを診療録等に残す運用にしておくと、取り漏れや査定リスクの両方に備えやすくなります。
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、連携充実加算そのものに変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、連携充実加算の点数(月1回150点)や算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・当サイトが収録している厚生労働省の一次資料ベース)。ただし今後の官報告示や疑義解釈で内容が更新される可能性もあるので、算定前には最新の公式資料も確認しておくと確実です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
つまり「今回から新しくできた」わけではなく、以前からある加算という理解でいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが収録している範囲では、連携充実加算という区分自体は令和8年度改定より前から医科点数表に置かれてきた加算です。今回の確認では、点数・算定要件のいずれについても大きな変更点は見当たりませんでした。とはいえ、これは「当サイトが収録している一次資料の範囲」での確認結果であり、告示や通知の全文を継続的に見ていく必要がある点はご留意ください。
みらい(新人医療事務)
併算定については何か注意点がありますか?
あおい(元・医療事務)
連携充実加算そのものについて、当サイトが収録している一次資料の範囲では、注8の要件(届出・専任の医師又は薬剤師による評価と文書交付)以外に特別な併算定の制限は確認されていません。ただし外来腫瘍化学療法診療料本体には別の算定ルールがあり、そちらとの関係を含めて確認したい場合は、外来腫瘍化学療法診療料 の解説や告示・留意事項通知の該当箇所をあわせてご確認ください。連携充実加算は、本体の算定要件を満たした患者に対して、注8の要件を別途満たす必要がある加算という位置づけです。
個別の算定判断は自院での確認が必要
どの区分を算定できるか、専任の医師・薬剤師の配置が要件を満たしているかどうかは、医療機関ごとの体制や診療内容によって異なります。この記事の内容だけで算定可否を判断せず、自院の届出内容や診療録の記載状況と照らし合わせて確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
薬剤師が中心になって文書を作成・交付してもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
条文では「当該保険医療機関の医師又は当該医師の指示に基づき薬剤師が」文書提供と指導を行うとされています。医師の指示に基づく薬剤師の関与という形が条文上の前提になっているので、運用フローの中に医師の指示が組み込まれているかを確認しておくとよいと思います。
みらい(新人医療事務)
外来腫瘍化学療法診療料1を届け出ていない医療機関でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
条文上、連携充実加算は「外来腫瘍化学療法診療料1を届け出た保険医療機関」であることが前提になっています。診療料1の届出がない場合は、まずそちらの届出状況を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
がん薬物療法体制充実加算と連携充実加算は同じ月に両方算定できますか?
あおい(元・医療事務)
それぞれ別の条文(注8・注9)に基づく加算で、要件を満たす業務内容も異なります。同時算定の可否については、両方の業務を実際に実施した記録があるかどうかも含めて、自院での確認と公式資料の突き合わせが必要な部分です。この記事では断定を避け、確認が必要な事項として扱います。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。外来腫瘍化学療法診療料そのものについて詳しく知りたい場合は、外来腫瘍化学療法診療料 の解説もあわせてご覧ください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。