みらい(新人医療事務)
「院内トリアージ実施体制加算」って加算表で見つけたんですけど、これって何に対する加算なんですか?名前だけだとちょっとイメージがわかなくて…。
あおい(元・医療事務)
これは単独の加算ではなくて、「地域連携夜間・休日診療料」という診療料に対する上乗せの加算なんです。令和8年度の告示では、区分番号B001-2-4「地域連携夜間・休日診療料」(200点)の「注2」として規定されていて、施設基準に適合し届け出た保険医療機関で、院内トリアージを実施する体制が整っている場合に50点が上乗せされます。
みらい(新人医療事務)
なるほど、200点の診療料に50点が足し算されるイメージなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。ただ後で説明しますが、実は「院内トリアージ実施体制加算」という同じ名前の加算が、別の診療料にも似た形で存在していて、そこの区別がとても大事なんです。まずはこのページで扱う「B001-2-4の注2」バージョンから見ていきましょう。
この加算は何のための加算か
みらい(新人医療事務)
そもそも「院内トリアージ」って何をすることなんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の表現をそのまま借りると、「時間外、休日又は深夜において救急外来を受診した患者」に対して、来院順ではなく緊急度に応じて診療の優先順位をつける体制のことです。専任の医師、または救急医療に関する3年以上の経験を持つ専任の看護師が、これを行う体制を指します。
みらい(新人医療事務)
「専任」ってことは、その日はトリアージ専属で他の業務をしない人ということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは資料の文言だけでは細部まで断定できないので、専任の具体的な運用基準は自院の届出内容や施設基準通知の詳細で確認が必要です。一次資料に明記されているのは、「専任の医師」または「救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師」のどちらかがトリアージを行う体制、という点です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は診療所・病院どちらも該当し得ます。対象患者は、時間外・休日・深夜に救急外来を受診した患者です。ただし、一次資料には明確な除外規定があって、「救急用の自動車及び救急医療用ヘリコプターで搬送された患者」は、この加算の対象から除かれています。
みらい(新人医療事務)
救急車で運ばれてきた患者さんは対象外ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい、そこは一次資料に明記されている範囲でお伝えできます。入院患者は対象外で、あくまで入院中の患者以外の患者が地域連携夜間・休日診療料を算定する場面が前提になります。

点数を確認する
みらい(新人医療事務)
点数のところ、テーブルで整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の一次資料をもとに表にすると、次のようになります。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 基本の診療料 | 地域連携夜間・休日診療料(B001-2-4) 200点 |
| 加算 | 院内トリアージ実施体制加算(注2) 50点 |
| 合計 | 250点(施設基準届出済かつ体制整備時) |
| 算定単位 | 1回の受診につき |
みらい(新人医療事務)
加算だけ単独で算定することはできないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。あくまで地域連携夜間・休日診療料に対する上乗せなので、地域連携夜間・休日診療料そのものが算定できる場面であることが前提になります。
施設基準を確認する
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」において算定する、とされています。具体的な人員体制としては、先ほどお話しした「専任の医師又は救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師」による院内トリアージ実施体制が整備されていることが求められます。
みらい(新人医療事務)
「整備されている」というのは、書類上の届出だけでいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは資料の文言からは断定できません。届出だけでなく、実際に体制が確保されている時間帯に限って算定する、という書き方になっているので、実態としての体制整備が前提になっていると読めます。この点は自院の届出内容と運用実態を照らし合わせて確認が必要です。
施設基準は自院の届出状況次第
施設基準を満たしているかどうかは、届出書類の内容・実際の人員配置・運用実態によって変わります。「届出済みであれば算定候補」であって、届出の有無や体制の実態を自院で必ず確認してください。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
届出はもう出しているかどうか、どこで確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
まずは自院が地方厚生局に提出している施設基準の届出書一式を確認するのが一番確実です。地域連携夜間・休日診療料そのものの届出に加えて、院内トリアージ実施体制加算の届出が別途必要かどうかも含めて、事務担当者・地方厚生局への確認をおすすめします。届出済みであれば算定候補になりますが、未届出であればまず届出の要否から確認する必要があります。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料には「院内トリアージ実施体制加算の施設基準に定める体制が確保されている時間帯に限り算定する」とあります。つまり、体制が整っている時間帯以外は算定できない可能性がある、ということです。また、院内トリアージを行う際には、患者またはその家族等に対して、十分にその趣旨を説明することとされています。
みらい(新人医療事務)
説明を忘れるとどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこまでの罰則的な扱いは一次資料からは読み取れませんが、説明することが要件として明記されているので、記録に残しておくことをおすすめします。
時間帯・説明義務の確認
体制が確保されている時間帯に限って算定する規定があるため、届出上の対応時間と実際の運用時間帯が一致しているかを確認してください。また患者・家族への説明も要件として明記されています。
同じ名称の加算との違い(区別が特に重要です)
みらい(新人医療事務)
さっき「同じ名前の加算が他にもある」っておっしゃっていましたよね。
あおい(元・医療事務)
はい、ここはとても間違えやすいポイントなので丁寧に説明しますね。「院内トリアージ実施体制加算」という名称は、実は次の3つの区分に、それぞれ「注」として存在しています。
院内トリアージ実施体制加算は3つの区分に存在します
- 地域連携夜間・休日診療料(B001-2-4)の注2(このページで扱っている加算)
- 地域連携小児夜間・休日診療料(B001-2-2)の注2(対象は小児患者)
- 救急外来医学管理料(B001-2-6)の注7(対象は救急外来受診患者全般)
みらい(新人医療事務)
点数はどれも同じ50点なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、いずれも50点です。ただし、どの診療料に対する加算なのかで対象患者や算定の前提が変わってきます。特に注意したいのは、救急外来医学管理料側の告示(区分番号B001-2-6の注7)に、次のような併算定を制限する記載があることです。「この場合において、区分番号B001-2-2に掲げる地域連携小児夜間・休日診療料の注2に規定する院内トリアージ実施体制加算及び区分番号B001-2-4に掲げる地域連携夜間・休日診療料の注2に規定する院内トリアージ実施体制加算は別に算定できない」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、同じ患者について、この3つの院内トリアージ実施体制加算を重ねて算定することはできない、ということですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料が明記しているのは、救急外来医学管理料(注7)の院内トリアージ実施体制加算と、地域連携小児夜間・休日診療料(注2)・地域連携夜間・休日診療料(注2、このページの加算)それぞれの院内トリアージ実施体制加算を、別々に算定することはできない、という点です。どの区分の加算として算定するかは、その受診がどの診療料の対象になるかで決まるため、レセプト作成時にどの区分番号の加算として計上しているかを必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
救急外来医学管理料の記事もあるみたいですね。
あおい(元・医療事務)
はい、区分の違いを実際に比べてみたい場合は救急外来医学管理料のページもあわせて確認してみてください。同じ「院内トリアージ実施体制加算」という名称が、どちらの区分の注として規定されているかを混同しないことが大切です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度時点のこの加算に関する告示・通知そのものを確認できていません。そのため「変更なし」と断定はできず、前回改定からの変更の有無は、今回参照できた令和8年度の一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省告示・留意事項通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
昔からある加算ではあるんですよね?
あおい(元・医療事務)
名称としては古くからありますが、似た名前の「院内トリアージ実施料」(B001-2-5、別の単独の点数項目です)と混同されやすいので注意が必要です。このページで扱っているのは、地域連携夜間・休日診療料の注2に規定された「院内トリアージ実施体制加算」であり、初診料を算定する患者に対する単独項目の「院内トリアージ実施料」とは別の加算です。名称が似ているため、レセプト確認の際は区分番号(B001-2-4の注2)まで確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの医院で確認すべき順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、次の順番で確認するのがおすすめです。
自院で確認する順番
- 地域連携夜間・休日診療料(B001-2-4)の届出があるか確認する
- 院内トリアージ実施体制加算の施設基準の届出があるか確認する(別途届出が必要か地方厚生局へ確認)
- 専任の医師、または救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師が配置されているか確認する
- 時間外・休日・深夜に救急外来を受診した患者(救急搬送を除く)へのトリアージ体制が実際に整備されているか確認する
- 患者・家族への説明を行い記録しているか確認する
- ここまで満たしていれば算定候補として扱い、最終的な算定可否は自院の判断と公式資料で確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れとか、逆に算定してはいけないケースとか、よくあるものはありますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料から確認できる範囲でお伝えすると、次のようなケースが取り違えやすいポイントです。
よくある取り違えポイント
- 救急搬送患者への算定: 救急用自動車・救急医療用ヘリコプターで搬送された患者は、この加算の対象から除かれています
- 他区分との重複算定: 救急外来医学管理料(注7)の院内トリアージ実施体制加算と、このページの加算(B001-2-4の注2)を同じ患者に対して別々に算定すること
- 名称の混同: 「院内トリアージ実施料」(B001-2-5)という別の単独項目との混同
- 時間帯の確認漏れ: 施設基準に定める体制が確保されている時間帯以外での算定
みらい(新人医療事務)
どれも「うっかり」やってしまいそうなポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。特に名称の混同と他区分との重複は、レセプト担当者が変わったタイミングなどで起きやすいので、区分番号(B001-2-4の注2)まで含めて社内マニュアルに残しておくことをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
院内トリアージ実施体制加算は、届出さえ出せばすぐ算定できますか?
あおい(元・医療事務)
届出だけでなく、専任の医師または専任看護師による体制が実際に整備され、確保されている時間帯であることが前提になります。届出済みであれば算定候補にはなりますが、体制の実態も含めて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
小児科クリニックでもこの加算は対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
小児患者を対象とした地域連携小児夜間・休日診療料には、別の区分(B001-2-2の注2)として同じ名称の院内トリアージ実施体制加算があります。このページで扱っているのはB001-2-4(成人も含む地域連携夜間・休日診療料)側の加算なので、自院がどちらの診療料を算定しているかで確認する区分が変わります。
みらい(新人医療事務)
令和6年度から点数は変わっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和6年度(2024年度)時点の一次資料は今回確認できておらず、変更の有無を明確にお伝えできません。令和8年度(2026年度)時点で確認できているのは50点という点数です。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
この記事の内容って、どの資料をもとにしているんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示(令和8年度診療報酬点数表・区分番号B001-2-4「地域連携夜間・休日診療料」の注2)を一次資料としています。あわせて、留意事項通知に記載された院内トリアージ実施体制加算の算定要件(専任医師・専任看護師の要件、対象患者の範囲、説明義務など)を参照しています。参考資料はこちらです。令和8年度診療報酬点数表(医科点数表 告示・厚生労働省)
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。