診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-07-18T17:08:53+00:00出典あり

夜間看護体制加算、自院は算定候補?施設基準を確認【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

急性期看護補助体制加算(A207-3)の注3に規定する加算で、夜間の看護業務体制について施設基準に適合し届け出た病棟の入院患者に、71点を1日につき更に所定点数に加算する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

部長、「夜間看護体制加算」っていう項目を見つけたんですけど、これってどんな加算なんですか?夜勤の看護師さんに関係あるのはなんとなくわかるんですが…。

あおい

あおい元・医療事務

いいところに気づきましたね。夜間看護体制加算は、急性期看護補助体制加算(A207-3)の注3に規定されている加算です。夜間の看護業務の体制について施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、71点を1日につきさらに所定点数に加算するものです(令和8年度)。

みらい

みらい新人医療事務

「さらに加算」ということは、単独では算定できないんですか?

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。夜間看護体制加算は、それだけで独立して算定できる加算ではありません。もともと算定している別の加算に「上乗せ」する形の加算です。まずはその土台になる加算から確認していきましょう。

対象医療機関・対象患者

みらい

みらい新人医療事務

じゃあ、土台になる加算って何を算定していればいいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

夜間看護体制加算は、A207-3急性期看護補助体制加算の注2に規定する夜間30対1急性期看護補助体制加算、夜間50対1急性期看護補助体制加算又は夜間100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟(病院の入院基本料を算定する病棟)に入院している患者が対象です。つまり、まず夜間の看護補助者配置に関する加算を算定していることが前提条件になります。

みらい

みらい新人医療事務

診療所は対象外ですよね?

あおい

あおい元・医療事務

はい。急性期看護補助体制加算自体が病院の入院基本料に係る加算なので、夜間看護体制加算も病院・入院患者が対象で、診療所や外来は対象になりません。

夜間看護体制加算の位置づけ(令和8年度)

点数(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数を整理してもらえますか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の告示に基づく点数はこちらです。夜間看護体制加算そのものは71点ですが、その前提となる夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算の点数も一緒に押さえておくと、全体像がつかみやすいと思います。

区分点数(令和8年度)備考
夜間30対1急性期看護補助体制加算(注2イ)125点1日につき
夜間50対1急性期看護補助体制加算(注2ロ)120点1日につき
夜間100対1急性期看護補助体制加算(注2ハ)105点1日につき
夜間看護体制加算(注3)71点上記のいずれかを算定している病棟に、1日につきさらに加算
みらい

みらい新人医療事務

夜間看護体制加算だけ「さらに加算」の扱いなんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうです。夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のどれを算定していても、その病棟の要件を満たせば夜間看護体制加算71点をさらに上乗せできる、という構造になっています。

施設基準

みらい

みらい新人医療事務

施設基準はどうなっていますか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の施設基準通知(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)では、次の2点が示されています。

夜間看護体制加算の施設基準(令和8年度)

(1): 夜間30対1急性期看護補助体制加算、夜間50対1急性期看護補助体制加算又は夜間100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であること (2): 夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること(2交代制勤務・変則2交代制勤務のみの病棟は、ア及びウ〜ケのうちア又はウを含む3項目以上)

みらい

みらい新人医療事務

「業務管理等に関する項目」って具体的には何なんですか?ア〜ケって書かれていますけど…。

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の施設基準通知に列挙されている項目です。少し長いですが、自院がどれを満たせそうか、一つずつ確認していきましょう。

夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目(ア〜ケ)

: 夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の勤務終了時刻と直後の勤務の開始時刻の間が11時間以上であること : 3交代制勤務又は変則3交代制勤務の病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の勤務開始時刻が、直近の勤務の開始時刻の概ね24時間後以降となる勤務編成であること : 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の連続して行う夜勤の数が2回以下であること : 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の夜勤後の暦日の休日が確保されていること : 当該病棟において、夜勤時間帯の患者のニーズに対応できるよう、早出や遅出等の柔軟な勤務体制の工夫がなされていること : 所属部署以外の部署を一時的に支援するため、夜勤時間帯を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムが構築され、部署間の業務標準化に取り組み、過去1年間に夜勤時間帯に運用した実績があること : 当該病棟において、みなし看護補助者を除いた看護補助者の比率が5割以上であること : 夜勤時間帯を含めて開所している院内保育所を設置しており、夜勤を含む交代制勤務に従事する医療従事者の利用実績があること : 当該病棟において、ICT、AI、IoT等の活用によって、看護要員の業務負担軽減を行っていること

みらい

みらい新人医療事務

「ア又はウを含む3項目以上」なので、アとウを両方満たせばもう1項目でいい、ということですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。ただしア又はウのどちらか一方は必須で、それに加えて他の項目(イ・エ〜ケ)から合計3項目以上を満たす必要があります。また、令和8年度の施設基準通知では「当該3項目以上にケ(ICT・AI・IoT等の活用)が含まれることが望ましい」とされていますが、これは努力目標であって必須要件ではありません。

届出

みらい

みらい新人医療事務

届出は必要ですか?

あおい

あおい元・医療事務

はい、必要です。急性期看護補助体制加算、看護補助体制充実加算、夜間急性期看護補助体制加算及び夜間看護体制加算に関する施設基準に係る届出は、別添7の様式9、様式10、様式13の3及び様式18の3を用いることとされています(令和8年度施設基準通知)。届出済みであれば夜間看護体制加算の算定候補になりますので、まずは自院の届出状況を確認してください。

みらい

みらい新人医療事務

満たす項目の組み合わせが月によって変わったりしたら、その都度届出し直さないといけないんですか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは少し柔軟な扱いがあります。令和8年度の施設基準通知では「9の(2)に掲げる項目のうちア又はウを含む3項目以上満たしている間は、満たす項目の組合せが変更になった場合であっても夜間看護体制加算に関する変更の届出は不要である」とされています。つまり、満たす項目数が3項目以上を維持できていれば、内訳が変わっても変更届出は不要ということです。

届出は自院の状況で必ず確認

届出様式・提出先・提出タイミングは地方厚生局ごとに案内が異なる場合があります。実際の届出にあたっては、必ず自院を管轄する地方厚生局の最新の案内・様式を確認してください。

算定タイミング・注意点

みらい

みらい新人医療事務

算定するときに気をつけることはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

いちばん大事なのは、夜間看護体制加算だけを単独で届け出ることはできないという点です。夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であることが前提ですので、まずその土台になる加算の届出・算定状況を確認する必要があります。

みらい

みらい新人医療事務

併せて算定できる加算はありますか?

あおい

あおい元・医療事務

同じA207-3の枠組みの中では、注4に規定される看護補助体制充実加算という加算もあります。これは看護職員の負担軽減・処遇改善に資する十分な体制を評価する加算で、夜間看護体制加算とは評価の観点が異なります。自院がどちらの要件を満たしているか、あるいは両方を満たしているかは、それぞれの施設基準を個別に確認する必要があります。

よくある確認漏れ

土台の加算の未確認: 夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のどれを算定しているか、あるいはそもそも算定していないかを確認しないまま話を進めてしまうケース 項目の重複カウント誤り: ア〜ケのうち、実際に「ア又はウ」を含んでいるかを確認せず、単純に3項目を数えてしまうケース 変更届出の要否誤認: 満たす項目の組合せが変わった場合、常に変更届出が必要だと思い込んでしまうケース

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

この加算、前回の改定(令和6年度)から何か変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが確認した一次資料(令和8年度の告示・留意事項通知・施設基準通知)の範囲では、夜間看護体制加算(A207-3注3)の点数(71点)および施設基準の項目(ア〜ケ、3項目以上・ア又はウを含む)について、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示および保医発通知に基づく)。

みらい

みらい新人医療事務

制度としてはかなり前から続いている加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

はい。夜間看護体制加算という枠組み自体は、急性期看護補助体制加算の中で継続的に運用されてきた加算です。ただし、点数や施設基準は改定のたびに見直される可能性があるものですので、「今回も変わっていないはず」と思い込まず、改定のたびに一次資料で確認することをおすすめします。

自院で確認する順番

自院で確認する順番

  1. 自院の病棟が夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定しているか確認する
  2. 夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等の項目(ア〜ケ)のうち、自院が満たせる項目を洗い出す
  3. ア又はウを含む3項目以上を満たしているか確認する(2交代制・変則2交代制のみの病棟は要件が異なる点に注意)
  4. 満たしていれば、様式9・様式10・様式13の3・様式18の3で地方厚生局へ施設基準の届出を行う
  5. 届出後、夜間看護体制加算71点の算定候補として運用を開始する

自院で確認する順番(令和8年度)

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

最後にいくつか質問してもいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

もちろんです。順番に答えますね。

みらい

みらい新人医療事務

夜間看護体制加算だけを届け出ることはできますか?

あおい

あおい元・医療事務

できません。夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であることが施設基準の(1)として明記されていますので、単独では算定候補になりません。

みらい

みらい新人医療事務

「ア又はウを含む3項目以上」の数え方を間違えたらどうなりますか?

あおい

あおい元・医療事務

届出内容と実際の運用体制が一致しているかは、地方厚生局の審査や後日の確認で問題になり得ます。数え方に迷う場合は、自院だけで判断せず、地方厚生局への確認や公式資料の該当箇所の見直しをおすすめします。

みらい

みらい新人医療事務

2交代制の病棟だと要件が違うんでしたよね?

あおい

あおい元・医療事務

はい。当該加算を算定する病棟が2交代制勤務又は変則2交代制勤務を行う病棟のみで構成される保険医療機関である場合は、ア及びウ〜ケのうち、ア又はウを含む3項目以上を満たすことが求められます(令和8年度施設基準通知)。3交代制と2交代制で対象となる項目の範囲が異なりますので、自院の勤務体制がどちらに該当するかをまず確認してください。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や夜勤体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する加算としては、急性期看護補助体制加算看護補助体制充実加算 もあわせて確認しておくと理解が深まると思います。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    3 夜間における看護業務の体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、夜間看護体制加算として、71点を更に所定点数に加算する。

  • 対象医療機関

    A207-3 急性期看護補助体制加算(1日につき)の注に規定する加算であり、注2の夜間30対1急性期看護補助体制加算、夜間50対1急性期看護補助体制加算又は夜間100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟(病院の入院基本料を算定する病棟)に入院している患者が対象である。

  • 施設基準

    9 夜間看護体制加算の施設基準

    全文を読む ▾

    (1) 夜間 30 対1急性期看護補助体制加算、夜間 50 対1急性期看護補助体制加算又は夜間 100 対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であること。

    (2) 次に掲げる夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。また、当該3項目以上にケが含まれることが望ましいこと。ただし、当該加算を算定する病棟が2交代制勤務又は変則2交代制勤務を行う病棟のみで構成される保険医療機関である場合は、ア及びウからケまでのうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。

  • 注意点

    届出に関する事項:急性期看護補助体制加算、看護補助体制充実加算、夜間急性期看護補助体制加算及び夜間看護体制加算に関する施設基準に係る届出は別添7の様式9、様式 10、様式 13 の3及び様式 18 の3を用いること。なお、9の

    (2)に掲げる項目のうちア又はウを含む3項目以上満たしている間は、満たす項目の組合せが変更になった場合であっても夜間看護体制加算に関する変更の届出は不要であること。

よくある質問

夜間看護体制加算だけを届け出ることはできますか?

できません。夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であることが施設基準の(1)として明記されており、単独では算定候補になりません(令和8年度)。

施設基準の「ア又はウを含む3項目以上」の数え方を間違えたらどうなりますか?

届出内容と実際の運用体制の一致が地方厚生局の審査等で問題になり得ます。判断に迷う場合は地方厚生局への確認や公式資料の見直しをおすすめします。

2交代制の病棟だと施設基準の要件は違いますか?

はい。2交代制勤務又は変則2交代制勤務のみで構成される保険医療機関の病棟は、ア及びウ〜ケのうち、ア又はウを含む3項目以上を満たすことが求められます(令和8年度施設基準通知)。

令和8年度改定で夜間看護体制加算に変更はありましたか?

当サイトが確認した一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの点数・施設基準の主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

入院料加算令和8年度

夜間看護加算、自院は算定候補?施設基準と届出を確認【令和8年度】

療養病棟入院基本料(A101)の注12に規定する加算で、施設基準に適合するものとして届け出た病棟の入院患者について、夜間看護加算として1日につき50点を所定点数に加算する。

病院要届出
入院料加算令和8年度

夜間緊急体制確保加算は算定候補?施設基準と届出【令和8年度】

A108有床診療所入院基本料の「注4」に規定する加算。夜間の緊急体制確保につき施設基準に適合し届け出た診療所である保険医療機関に入院している患者について、1日につき15点を所定点数に加算する。

診療所要届出
手術加算令和8年度

大網充填術加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

K560大動脈瘤切除術において有茎大網充填術を併せて行った場合に、大網充填術加算として17,130点を所定点数に加算する。感染性大動脈瘤の患者に対して本手術と有茎大網充填術を併せて行った場合に算定する。

病院
病理診断加算令和8年度

婦人科材料等液状化検体細胞診加算は算定候補?【令和8年度】

N004細胞診の「1」婦人科材料等によるものについて、固定保存液に回収した検体から標本を作製して診断を行った場合に、45点を所定点数に加算する。採取と同時に行った場合に算定できる。

診療所病院
検体検査加算令和8年度

嫌気性培養加算、137点の算定候補は?確認ポイント【令和8年度】

区分番号D018細菌培養同定検査(1から6まで)の加算で137点。同一検体について一般培養と併せて嫌気性培養を行った場合に所定点数に加算する。

診療所病院
加算令和8年度

定位放射線治療呼吸性移動対策加算は算定候補?届出条件を確認【令和8年度】

令和8年度の定位放射線治療呼吸性移動対策加算。5,000点〜10,000点(2区分)。定位放射線治療のうち、患者の体幹部に対して行われるものについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。