みらい(新人医療事務)
部長、「夜間看護体制加算」っていう項目を見つけたんですけど、これってどんな加算なんですか?夜勤の看護師さんに関係あるのはなんとなくわかるんですが…。
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。夜間看護体制加算は、急性期看護補助体制加算(A207-3)の注3に規定されている加算です。夜間の看護業務の体制について施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、71点を1日につきさらに所定点数に加算するものです(令和8年度)。
みらい(新人医療事務)
「さらに加算」ということは、単独では算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。夜間看護体制加算は、それだけで独立して算定できる加算ではありません。もともと算定している別の加算に「上乗せ」する形の加算です。まずはその土台になる加算から確認していきましょう。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
じゃあ、土台になる加算って何を算定していればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
夜間看護体制加算は、A207-3急性期看護補助体制加算の注2に規定する夜間30対1急性期看護補助体制加算、夜間50対1急性期看護補助体制加算又は夜間100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟(病院の入院基本料を算定する病棟)に入院している患者が対象です。つまり、まず夜間の看護補助者配置に関する加算を算定していることが前提条件になります。
みらい(新人医療事務)
診療所は対象外ですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。急性期看護補助体制加算自体が病院の入院基本料に係る加算なので、夜間看護体制加算も病院・入院患者が対象で、診療所や外来は対象になりません。

点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示に基づく点数はこちらです。夜間看護体制加算そのものは71点ですが、その前提となる夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算の点数も一緒に押さえておくと、全体像がつかみやすいと思います。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|
| 夜間30対1急性期看護補助体制加算(注2イ) | 125点 | 1日につき |
| 夜間50対1急性期看護補助体制加算(注2ロ) | 120点 | 1日につき |
| 夜間100対1急性期看護補助体制加算(注2ハ) | 105点 | 1日につき |
| 夜間看護体制加算(注3) | 71点 | 上記のいずれかを算定している病棟に、1日につきさらに加算 |
みらい(新人医療事務)
夜間看護体制加算だけ「さらに加算」の扱いなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のどれを算定していても、その病棟の要件を満たせば夜間看護体制加算71点をさらに上乗せできる、という構造になっています。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の施設基準通知(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)では、次の2点が示されています。
夜間看護体制加算の施設基準(令和8年度)
(1): 夜間30対1急性期看護補助体制加算、夜間50対1急性期看護補助体制加算又は夜間100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であること (2): 夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること(2交代制勤務・変則2交代制勤務のみの病棟は、ア及びウ〜ケのうちア又はウを含む3項目以上)
みらい(新人医療事務)
「業務管理等に関する項目」って具体的には何なんですか?ア〜ケって書かれていますけど…。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の施設基準通知に列挙されている項目です。少し長いですが、自院がどれを満たせそうか、一つずつ確認していきましょう。
夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目(ア〜ケ)
ア: 夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の勤務終了時刻と直後の勤務の開始時刻の間が11時間以上であること イ: 3交代制勤務又は変則3交代制勤務の病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の勤務開始時刻が、直近の勤務の開始時刻の概ね24時間後以降となる勤務編成であること ウ: 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の連続して行う夜勤の数が2回以下であること エ: 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の夜勤後の暦日の休日が確保されていること オ: 当該病棟において、夜勤時間帯の患者のニーズに対応できるよう、早出や遅出等の柔軟な勤務体制の工夫がなされていること カ: 所属部署以外の部署を一時的に支援するため、夜勤時間帯を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムが構築され、部署間の業務標準化に取り組み、過去1年間に夜勤時間帯に運用した実績があること キ: 当該病棟において、みなし看護補助者を除いた看護補助者の比率が5割以上であること ク: 夜勤時間帯を含めて開所している院内保育所を設置しており、夜勤を含む交代制勤務に従事する医療従事者の利用実績があること ケ: 当該病棟において、ICT、AI、IoT等の活用によって、看護要員の業務負担軽減を行っていること
みらい(新人医療事務)
「ア又はウを含む3項目以上」なので、アとウを両方満たせばもう1項目でいい、ということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただしア又はウのどちらか一方は必須で、それに加えて他の項目(イ・エ〜ケ)から合計3項目以上を満たす必要があります。また、令和8年度の施設基準通知では「当該3項目以上にケ(ICT・AI・IoT等の活用)が含まれることが望ましい」とされていますが、これは努力目標であって必須要件ではありません。
届出
みらい(新人医療事務)
届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、必要です。急性期看護補助体制加算、看護補助体制充実加算、夜間急性期看護補助体制加算及び夜間看護体制加算に関する施設基準に係る届出は、別添7の様式9、様式10、様式13の3及び様式18の3を用いることとされています(令和8年度施設基準通知)。届出済みであれば夜間看護体制加算の算定候補になりますので、まずは自院の届出状況を確認してください。
みらい(新人医療事務)
満たす項目の組み合わせが月によって変わったりしたら、その都度届出し直さないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは少し柔軟な扱いがあります。令和8年度の施設基準通知では「9の(2)に掲げる項目のうちア又はウを含む3項目以上満たしている間は、満たす項目の組合せが変更になった場合であっても夜間看護体制加算に関する変更の届出は不要である」とされています。つまり、満たす項目数が3項目以上を維持できていれば、内訳が変わっても変更届出は不要ということです。
届出は自院の状況で必ず確認
届出様式・提出先・提出タイミングは地方厚生局ごとに案内が異なる場合があります。実際の届出にあたっては、必ず自院を管轄する地方厚生局の最新の案内・様式を確認してください。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いちばん大事なのは、夜間看護体制加算だけを単独で届け出ることはできないという点です。夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であることが前提ですので、まずその土台になる加算の届出・算定状況を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
併せて算定できる加算はありますか?
あおい(元・医療事務)
同じA207-3の枠組みの中では、注4に規定される看護補助体制充実加算という加算もあります。これは看護職員の負担軽減・処遇改善に資する十分な体制を評価する加算で、夜間看護体制加算とは評価の観点が異なります。自院がどちらの要件を満たしているか、あるいは両方を満たしているかは、それぞれの施設基準を個別に確認する必要があります。
よくある確認漏れ
土台の加算の未確認: 夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のどれを算定しているか、あるいはそもそも算定していないかを確認しないまま話を進めてしまうケース 項目の重複カウント誤り: ア〜ケのうち、実際に「ア又はウ」を含んでいるかを確認せず、単純に3項目を数えてしまうケース 変更届出の要否誤認: 満たす項目の組合せが変わった場合、常に変更届出が必要だと思い込んでしまうケース
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定(令和6年度)から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料(令和8年度の告示・留意事項通知・施設基準通知)の範囲では、夜間看護体制加算(A207-3注3)の点数(71点)および施設基準の項目(ア〜ケ、3項目以上・ア又はウを含む)について、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示および保医発通知に基づく)。
みらい(新人医療事務)
制度としてはかなり前から続いている加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。夜間看護体制加算という枠組み自体は、急性期看護補助体制加算の中で継続的に運用されてきた加算です。ただし、点数や施設基準は改定のたびに見直される可能性があるものですので、「今回も変わっていないはず」と思い込まず、改定のたびに一次資料で確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- 自院の病棟が夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定しているか確認する
- 夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等の項目(ア〜ケ)のうち、自院が満たせる項目を洗い出す
- ア又はウを含む3項目以上を満たしているか確認する(2交代制・変則2交代制のみの病棟は要件が異なる点に注意)
- 満たしていれば、様式9・様式10・様式13の3・様式18の3で地方厚生局へ施設基準の届出を行う
- 届出後、夜間看護体制加算71点の算定候補として運用を開始する

よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えますね。
みらい(新人医療事務)
夜間看護体制加算だけを届け出ることはできますか?
あおい(元・医療事務)
できません。夜間30対1・50対1・100対1急性期看護補助体制加算のいずれかを算定している病棟であることが施設基準の(1)として明記されていますので、単独では算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
「ア又はウを含む3項目以上」の数え方を間違えたらどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
届出内容と実際の運用体制が一致しているかは、地方厚生局の審査や後日の確認で問題になり得ます。数え方に迷う場合は、自院だけで判断せず、地方厚生局への確認や公式資料の該当箇所の見直しをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
2交代制の病棟だと要件が違うんでしたよね?
あおい(元・医療事務)
はい。当該加算を算定する病棟が2交代制勤務又は変則2交代制勤務を行う病棟のみで構成される保険医療機関である場合は、ア及びウ〜ケのうち、ア又はウを含む3項目以上を満たすことが求められます(令和8年度施設基準通知)。3交代制と2交代制で対象となる項目の範囲が異なりますので、自院の勤務体制がどちらに該当するかをまず確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や夜勤体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する加算としては、急性期看護補助体制加算 や 看護補助体制充実加算 もあわせて確認しておくと理解が深まると思います。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。