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令和8年度最終更新 2026-07-21T18:07:19+00:00出典あり

無菌的分割製剤作成加算は算定候補?【令和8年度】確認ポイント

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

K920輸血の注13に基づく加算で、施設基準に適合し届け出た保険医療機関において血液製剤を無菌的に分割して投与した場合に、当該行為を実施した日に限り400点を所定点数に加算する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

あおいさん、レセプトのチェックをしていたら「無菌的分割製剤作成加算」という見慣れない加算が出てきたんですけど、これって何の加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

輸血に関係する加算ですね。区分番号K920「輸血」の注13に規定されている加算で、血液製剤を無菌的に分割して投与した場合に算定候補になる加算です。輸血そのものとは別に、血液製剤の分割作業に対する評価という位置づけです。

みらい

みらい新人医療事務

「分割して投与」ってどういう場面なんですか?普通の輸血と何が違うんですか?

あおい

あおい元・医療事務

たとえば赤血球製剤や血小板製剤を、決められたマニュアルに沿った専用の器具で無菌的に小分けにしてから投与するケースを指します。1つの血液バッグを複数回・複数患者に分けて使うようなケースで、分割作業そのものに手間と衛生管理コストがかかるため、別立てで評価されている加算です。

無菌的分割製剤作成加算とは

みらい

みらい新人医療事務

まず、この加算の基本的な考え方を教えてください。

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の医科点数表では、次のように規定されています。

医科点数表 K920 輸血 注13(令和8年度)

「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、血液製剤を無菌的に分割して投与した場合は、無菌的分割製剤作成加算として、当該行為を実施した日に限り、400点を所定点数に加算する。」

あおい

あおい元・医療事務

ポイントは3つあります。1つ目は「施設基準に適合し、届け出た保険医療機関」であること。2つ目は「血液製剤を無菌的に分割して投与した場合」であること。3つ目は「当該行為を実施した日に限り」400点を加算する、という算定タイミングの限定です。

みらい

みらい新人医療事務

届出をしていないと、そもそも算定候補にすらならないということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。施設基準の届出は前提条件であって、届出をしていなければ、実際にこの作業を行っていても算定候補にはなりません。まずは自院がこの届出をしているかどうかの確認が出発点になります。

対象となる医療機関・場面

みらい

みらい新人医療事務

どんな医療機関が対象になるんですか?病院だけですか?

あおい

あおい元・医療事務

告示の文言自体は「保険医療機関」とされていて、病院・診療所を限定していません。医科の医療機関であれば、外来・入院を問わず対象になり得る書き方です。ただし実務上は、輸血そのものを日常的に行っている体制(血液製剤を取り扱う体制)が前提になりますので、自院で輸血を実施しているかどうかがまず最初の確認ポイントになります。

みらい

みらい新人医療事務

つまり、輸血をしていない診療所には関係ない、ということですか?

あおい

あおい元・医療事務

輸血の実施実績や体制がない医療機関であれば、この加算が問題になる場面自体が生じにくいとは言えます。ただし対象外と言い切ることは私にはできませんので、「輸血を実施していない場合は対象になる場面が少ない可能性がある」という言い方にとどめておきます。自院の診療実態と照らして確認してください。

点数の整理

みらい

みらい新人医療事務

点数を整理してもらえますか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度時点の点数は次のとおりです。

加算名点数算定単位根拠
無菌的分割製剤作成加算400点当該行為を実施した日に限りK920輸血 注13(令和8年度医科点数表)
みらい

みらい新人医療事務

「当該行為を実施した日に限り」というのは、月に1回とかではなく、実際に分割作業をした日だけということですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。輸血自体を複数日にわたって行っていても、無菌的な分割作業を実施していない日には、この加算の算定候補にはなりません。実施日ごとの記録がとても重要になります。

無菌的分割製剤作成加算 点数のしくみ(令和8年度)

施設基準・具体的な手技要件

みらい

みらい新人医療事務

施設基準の中身はどうなっていますか?届出さえすれば、どんなやり方でも算定候補になるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、そこが一番間違えやすいところです。留意事項通知には、具体的な手技の要件が示されています。

留意事項通知(令和8年度・K920輸血関連部分)

「『注13』に規定する無菌的分割製剤作成加算は、関係学会が定める『血液製剤の院内分割マニュアル』に基づき、血液製剤を無菌接合装置及びチューブシーラーを用いて分割した場合に加算する。病棟で注射器を用いて分注した場合には算定できない。当該製剤作成に係る費用は所定点数に含まれる。」

あおい

あおい元・医療事務

つまり、次の3つがそろって初めて算定候補になります。1つ目は関係学会が定める「血液製剤の院内分割マニュアル」に沿っていること。2つ目は無菌接合装置とチューブシーラーという専用機器を使っていること。3つ目はこの2つの機器を使った分割であって、注射器による病棟内での分注ではないこと、です。

みらい

みらい新人医療事務

病棟で注射器を使って分けているだけだと算定候補にならない、ということですね。

あおい

あおい元・医療事務

明確にそう書かれています。「病棟で注射器を用いて分注した場合には算定できない」という一文がある以上、注射器による分注は対象外の可能性が高いと考えられます。ここは自院のやり方を具体的に確認してほしいポイントです。

みらい

みらい新人医療事務

「当該製剤作成に係る費用は所定点数に含まれる」というのは、どういう意味ですか?

あおい

あおい元・医療事務

分割作業に使った材料費や手技料を、この400点とは別に上乗せして算定することはできない、という意味です。分割作業にかかった費用は、400点の中に含まれている扱いになります。

届出について

みらい

みらい新人医療事務

届出はどこにすればいいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

施設基準の届出先は地方厚生局です。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た」という文言のとおり、地方厚生局長等への届出が受理されていることが前提になります。届出の具体的な様式や添付書類は、告示・通知の該当箇所を医事課・事務担当で確認する必要があります。

みらい

みらい新人医療事務

もしまだ届出をしていなかったら、どうすればいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

「届出をしていないので算定できません」と言い切ることもできますが、逆に言えば、実際に無菌的分割製剤作成の体制(無菌接合装置・チューブシーラー・院内分割マニュアルの整備)が既にあるなら、届出そのものを検討する価値はあります。まずは自院の体制が施設基準の要件を満たしているかどうかの確認から始めるのがよいと思います。

算定タイミング・併算定の注意点

みらい

みらい新人医療事務

算定するときに気をつけるべきことはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

いくつかあります。

算定タイミング・費用の重複に関する注意

  • 400点は「当該行為を実施した日に限り」の加算であり、輸血を行った日すべてに自動的に算定できるものではありません。
  • 病棟で注射器を用いて分注した場合は、留意事項通知に「算定できない」と明記されています。
  • 製剤作成に係る費用(材料費等)は所定点数に含まれるため、別立てでの追加算定は想定されていません。
  • これらの要件充足は自院で個別に確認する必要があり、この記事だけで算定可否を判断することはできません。
みらい

みらい新人医療事務

併算定できない加算などもあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

この記事で確認できた一次資料の範囲では、無菌的分割製剤作成加算そのものについて、他の輸血関連加算との併算定を明示的に禁止する記載は見当たりませんでした。ただし、実際の請求では診療報酬点数表の通則や個別の算定ルールも別途確認する必要がありますので、「一次資料の範囲では見当たらない」という言い方にとどめます。断定はできません。

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

現場でありがちな見落としを教えてください。

よくある取り漏れ・確認漏れ

  • 届出の有無を確認せずに算定してしまう: 施設基準の届出が前提条件であることを見落とし、体制はあるのに届出自体をしていないケース。
  • 注射器による分注との混同: 病棟で注射器を用いて分注した場合は対象外の可能性が高いにもかかわらず、輸血に伴う分割作業を一律に算定候補としてしまうケース。
  • 実施日以外での算定: 「当該行為を実施した日に限り」という条件を見落とし、輸血を行った日すべてに算定してしまうケース。
  • 製剤作成費用の重複請求: 所定点数に含まれる材料費等を別立てで請求してしまうケース。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

この加算、前回の改定から何か変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

今回の記事の裏取りで確認した一次資料(令和8年度医科点数表のK920輸血 注13、留意事項通知の該当部分、令和8年度の疑義解釈資料その2 問94・問95)の範囲では、無菌的分割製剤作成加算そのものの点数・算定要件・施設基準に変更があったことを示す記載は確認されていません(確認日: 2026年7月)。

みらい

みらい新人医療事務

「変更なし」と言い切っていいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

点数表・留意事項通知・疑義解釈という一次資料を確認した範囲で変更点が見当たらなかった、という言い方が正確です。改定に関する個別の告示・通知すべてを確認できているわけではないため、「一次資料の範囲では変更は確認されていません」という表現にとどめています。前回改定(令和6年度)時点の資料との厳密な突き合わせは、今回のデータベースには収録がなく、必要であれば厚労省の官報・告示の履歴で個別に確認することをおすすめします。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

結局、自院で何から確認すればいいのか、順番を整理してもらえますか?

自院で確認する順番

  1. 自院で輸血を実施しているか確認 — 血液製剤の取り扱い実績があるかどうかがまず出発点です。

  2. 分割方法を確認 — 関係学会の「血液製剤の院内分割マニュアル」に沿って、無菌接合装置とチューブシーラーを使っているか。病棟で注射器を用いて分注しているだけの場合は対象外の可能性が高い点に注意してください。

  3. 施設基準の届出状況を確認 — 地方厚生局長等への届出が受理されているかどうかを確認します。

  4. 実施日の記録を確認 — 「当該行為を実施した日に限り」の加算であるため、分割作業を実施した日が診療録・記録上で特定できるかを確認します。

  5. 算定候補として整理 — 1〜4がすべて満たされて初めて、算定候補として自院の請求担当・医事課で検討する材料になります。

自院で確認する順番(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

こうして順番に並べてもらえると、何から手をつければいいか分かりやすいです。

あおい

あおい元・医療事務

特に2番目の「分割方法」の確認が抜けやすいポイントです。輸血の実績はあっても、分割の手技が院内分割マニュアル・専用機器の要件を満たしているかどうかは、現場のオペレーションを直接確認しないと分からないことが多いです。

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

最後によくある疑問を聞いておきたいです。赤血球製剤と血小板製剤を、それぞれ無菌的に分割した場合はどうなりますか?

あおい

あおい元・医療事務

これは実際に疑義解釈で示されている論点です。

疑義解釈資料の送付について(その2)令和8年度 問94・問95

質問: 「K920」輸血の「注13」に規定する無菌的分割製剤作成加算について、赤血球製剤及び血小板製剤をそれぞれ無菌的に分割した場合、当該加算はそれぞれ算定できるか。 回答: (答)算定可能。

あおい

あおい元・医療事務

つまり、赤血球製剤・血小板製剤のそれぞれについて無菌的分割を行った場合は、それぞれについて算定候補になり得る、という趣旨の回答です。ただし、これも「行為を実施した日に限り」という条件や、施設基準の届出という前提条件は変わりませんので、自院の実施記録と照らして確認してください。

みらい

みらい新人医療事務

うちは診療所なんですが、診療所でも算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

告示の文言上は保険医療機関全般が対象で、病院に限定する記載は見当たりません。ただし実務上は、輸血の実施体制や無菌接合装置・チューブシーラーといった設備投資が前提になるため、実際に算定候補になるかどうかは自院の体制次第です。診療所だから対象外と決めつけることも、診療所だから対象になると決めつけることも、どちらもできません。

みらい

みらい新人医療事務

施設基準の届出は毎年更新が必要ですか?

あおい

あおい元・医療事務

この記事で確認できた一次資料の範囲では、更新頻度についての具体的な記載は見当たりませんでした。届出内容に変更がある場合(例えば無菌接合装置の廃止、体制の変更など)には、速やかな変更届出が必要になるのが一般的な考え方ですが、この加算固有の更新ルールについては、届出手続きの詳細を扱う公式資料や地方厚生局への確認をおすすめします。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。輸血の実施体制や分割方法、届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

公式情報・参考資料

あおい

あおい元・医療事務

この記事の内容は、以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な施設基準・届出手続きは必ず一次資料でご確認ください。

参考資料(厚労省公式・令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

同じ手術加算のカテゴリには、他にどんな加算があるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

たとえば施設基準の届出が絡む加算として自動縫合器加算のようなものもあります。カテゴリ内の他の加算もあわせて確認しておくと、自院の届出状況の整理がしやすくなりますよ。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、血液製剤を無菌的に分割して投与した場合は、無菌的分割製剤作成加算として、当該行為を実施した日に限り、400点を所定点数に加算する。

  • 算定要件

    「注13」に規定する無菌的分割製剤作成加算は、関係学会が定める「血液製剤の院内分割マニュアル」に基づき、血液製剤を無菌接合装置及びチューブシーラーを用いて分割した場合に加算する。病棟で注射器を用いて分注した場合には算定できない。当該製剤作成に係る費用は所定点数に含まれる。

よくある質問

無菌的分割製剤作成加算はどんな加算ですか?

区分番号K920「輸血」の注13に規定される加算で、施設基準に適合し届け出た保険医療機関において血液製剤を無菌的に分割して投与した場合、当該行為を実施した日に限り400点を所定点数に加算するものです(令和8年度)。

病棟で注射器を使って血液製剤を分けた場合も算定候補になりますか?

留意事項通知に「病棟で注射器を用いて分注した場合には算定できない」と明記されており、対象外の可能性が高いと考えられます。関係学会が定める院内分割マニュアルに基づき、無菌接合装置及びチューブシーラーを用いた分割であることが要件です。

赤血球製剤と血小板製剤をそれぞれ無菌的に分割した場合、加算はそれぞれ算定できますか?

令和8年度の疑義解釈資料(その2)問94・問95で「算定可能」と回答されています。ただし実施日限定や施設基準の届出という前提条件は変わりません。

診療所でも算定候補になりますか?

告示の文言上は保険医療機関全般が対象で病院に限定されていませんが、輸血の実施体制や無菌接合装置等の設備が前提になるため、自院の体制次第です。対象外・対象と一律に決めつけることはできません。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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