スパイラル内視鏡加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「スパイラル内視鏡加算」ってレセプトで見かけたんですけど、これはどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)現在の医科点数表では、消化管の手術で「スパイラル内視鏡」という特殊な内視鏡を使ったときに、所定点数へ上乗せする加算です。対象になる手術は2つあって、K722小腸結腸内視鏡的止血術と、K735-2小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの)です。どちらも「注2」にスパイラル内視鏡加算として3,500点が規定されています。
みらい(新人医療事務)
スパイラル内視鏡って、普通の内視鏡と何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には「電動回転可能なスパイラル形状のフィンを装着した内視鏡」と説明されています。フィンを電動で回転させながら小腸の奥まで進めていくタイプの内視鏡で、風船(バルーン)を使って進める「バルーン内視鏡」とは別の挿入方式です。同じ手術の「注1」にはバルーン内視鏡加算(同じく3,500点)が規定されていて、使用した内視鏡の種類によって注1か注2のどちらかを算定する形になっています。
みらい(新人医療事務)
なるほど、使う道具によって加算の名前が変わるんですね。
あおい(元・医療事務)
そういうことです。まずは自院で実施している手技がK722・K735-2に該当するかどうかから確認していきましょう。
点数・算定コードの確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を整理したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点での点数はこちらです。
| 対象手術 | 所定点数 | スパイラル内視鏡加算(注2) | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| K722 小腸結腸内視鏡的止血術 | 10,390点 | 3,500点 | 1手技につき |
| K735-2 小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの) | 11,090点 | 3,500点 | 1手技につき |

みらい(新人医療事務)
どちらの手術でも加算額は同じ3,500点なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。告示には「スパイラル内視鏡を用いて実施した場合は、スパイラル内視鏡加算として、3,500点を所定点数に加算する」と明記されています。所定点数(K722なら10,390点、K735-2なら11,090点)にこの3,500点を上乗せする形です。
みらい(新人医療事務)
「D310小腸内視鏡検査」にもスパイラル内視鏡って出てきませんでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。D310小腸内視鏡検査の「2 スパイラル内視鏡によるもの」は6,800点という別建ての検査点数で、今回のK722・K735-2の「加算」とは仕組みが違います。検査でスパイラル内視鏡を使った場合と、手術(止血術・拡張術)でスパイラル内視鏡を使った場合とでは算定する項目そのものが別なので、混同しないよう注意してください。
対象となる患者・算定要件を確認する
みらい(新人医療事務)
どんな場面で算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
K722小腸結腸内視鏡的止血術については、留意事項通知に「「注1」及び「注2」の加算については、小腸出血に対して内視鏡的止血術を行った場合のみ算定できる」と明記されています。つまり、小腸からの出血に対する止血術という場面に限られるということです。
みらい(新人医療事務)
K735-2の方はどうですか?
あおい(元・医療事務)
K735-2小腸・結腸狭窄部拡張術については、留意事項に対象患者を限定する記載は確認できていません。「電動回転可能なスパイラル形状のフィンを装着した内視鏡を用いて実施した場合に算定する」という、使用機器についての条件のみが明記されています。
対象患者の条件はK722とK735-2で異なる
「小腸出血に対する止血術に限る」という条件は、当サイトの一次資料の範囲ではK722小腸結腸内視鏡的止血術の留意事項にのみ記載が確認できています。K735-2の対象患者について、これ以上の限定条件は資料上確認できていません。実際の適用は術式・症例ごとに異なるため、レセプト記載時は自院の症例に照らして確認してください。
施設基準・届出はどうなっている?
みらい(新人医療事務)
算定するのに、地方厚生局への届出とか必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算について、当サイトが確認できた告示・留意事項通知の範囲では、個別の施設基準や届出を求める記載は見当たりません。バルーン内視鏡加算・スパイラル内視鏡加算のような手技加算は、使用した機器の種類に応じて算定する仕組みで、他の加算でよく見られる「体制の届出」とは性質が異なるケースが多いです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出なしでも算定候補になるんですね?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。資料上、届出を求める記載が見当たらないというだけで、届出が不要と明言している公式資料までは確認できていないんです。
届出の要否は未確認・自院で最終確認を
届出が不要と断定できる公式資料の記載までは確認できていません。地方厚生局によって運用上の取り扱いが案内されている可能性もあるため、算定候補として扱う場合も、届出の要否は自院のレセプト担当者・地方厚生局に必ず確認してください。
回数制限・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
何回でも算定していいわけじゃないですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。K722小腸結腸内視鏡的止血術は「1日1回、週3回を限度として算定する」と留意事項に明記されています。この回数制限は本体の手術に対するものですが、実施のたびにスパイラル内視鏡加算も一緒に算定される形になるので、結果的に加算の算定回数もこの範囲に収まります。
みらい(新人医療事務)
K735-2の方は?
あおい(元・医療事務)
K735-2小腸・結腸狭窄部拡張術は「短期間又は同一入院期間中において2回に限り算定する」とされています。2回目を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由と医学的な必要性を記載することになっています。
注1バルーン内視鏡加算との関係は要確認
告示では、同じK722・K735-2に「バルーン内視鏡を用いて実施した場合」の注1(バルーン内視鏡加算・同額3,500点)と、「スパイラル内視鏡を用いて実施した場合」の注2(スパイラル内視鏡加算)が、それぞれ独立した条文として規定されています。1回の手技で使用する内視鏡は通常いずれか一方と考えられますが、両方を同時に算定できるかどうかを明確に述べた記載は、当サイトの一次資料の範囲では確認できていません。この点も自院の症例・審査支払機関の判断に沿って確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが保有する令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、K722・K735-2のスパイラル内視鏡加算について、新設や点数変更を示す記載は確認できていません(確認日: 2026年7月)。前回改定(令和6年度)時点の一次資料そのものは当サイトのデータベースには収録されていないため、詳細な新旧比較までは行えていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、正確に知りたいときはどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省が公開している「令和8年度診療報酬改定について」のページから、個別改定項目の資料を直接確認するのが確実です。
改定差分の確認範囲(令和8年度)
確認できたこと: 令和8年度の告示・留意事項通知では、K722・K735-2ともにスパイラル内視鏡加算3,500点、算定条件は前セクションのとおりであること 確認できていないこと: 令和6年度以前との点数・要件の詳細な異同(当サイトの一次資料に令和6年度分の該当箇所が未収録のため)
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちで算定候補になるかどうか、どう確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくのがおすすめです。
自院で確認する順番
- 実施した手術がK722小腸結腸内視鏡的止血術、またはK735-2小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの)に該当するか確認する
- K722の場合は、小腸出血に対する止血術として実施したかを確認する
- 使用した内視鏡が「電動回転可能なスパイラル形状のフィンを装着した内視鏡」に該当するか、添付文書・製品情報で確認する
- バルーン内視鏡加算(注1)ではなく、スパイラル内視鏡加算(注2)に該当する機器であることを診療録・症状詳記に記録する
- K722は週3回、K735-2は同一入院期間中2回の回数上限を超えていないか確認する
- 届出の要否について、自院のレセプト担当者・地方厚生局へ念のため確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
スパイラル内視鏡加算の取り漏れ例(令和8年度)
使用機器の記録漏れ: バルーン内視鏡とスパイラル内視鏡のどちらを使ったかをカルテに明記していないと、後から加算の根拠を示せなくなります。 K735-2の2回目算定時の記載漏れ: 同一入院期間中に2回目を算定する場合、摘要欄への理由・医学的必要性の記載が求められています。記載漏れがあると査定の対象になり得ます。 検査(D310)との混同: 小腸内視鏡検査でスパイラル内視鏡を使った場合の点数(D310・6,800点)と、今回の手術加算(K722・K735-2、3,500点加算)を取り違えないよう注意が必要です。
関連する加算も確認する
みらい(新人医療事務)
似たような名前の加算、他にもありましたよね?
あおい(元・医療事務)
バルーン内視鏡加算ですね。名前は似ていますが、公開されている記事はK721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等(450点)を対象にしたバルーン内視鏡加算で、今回のK722・K735-2に規定されている注1のバルーン内視鏡加算(3,500点)とは対象手術・点数が異なります。同じ「バルーン内視鏡加算」という名称でも、どの手術に対する加算かによって点数が変わる点に注意してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
外来でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
K722・K735-2はいずれも手術区分の項目で、実際には入院での実施が中心になるケースが多いと考えられます。ただし、外来での取り扱いを明確に除外する記載までは、当サイトの一次資料の範囲では確認できていません。実施場面ごとの可否は自院の算定システム・審査支払機関にご確認ください。
みらい(新人医療事務)
病院でもクリニックでも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知の記載上、医療機関の種別(病院・診療所)を限定する条件は確認できていません。ただし、K722・K735-2という手術自体を実施できる体制があることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていないと算定候補にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算自体に個別の届出を求める記載は確認できていません。ただし、K722・K735-2という手術そのものを保険診療で実施できる体制であることは前提になりますので、まずは自院の実施体制を確認するのが確実です。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号・別表第一 医科診療報酬点数表) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/000433602.pdf
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した手術の内容や使用した内視鏡の種類を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。