ハイリスク妊婦紹介加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「ハイリスク妊婦紹介加算」って名前だけ見ると何を評価しているのか分かりにくいんですが、どういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)現在の診療報酬では、診療情報提供料(Ⅰ)の注9に定められている加算です。ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準に適合していると届け出た保険医療機関が、対象となる状態の妊婦さんを、同管理料(Ⅰ)が規定する別の保険医療機関へ紹介した場合に、当該患者の妊娠中1回に限り200点が所定点数に加算される仕組みです。
みらい(新人医療事務)
「紹介した場合」ということは、紹介元の医療機関側が算定する加算なんですね?
あおい(元・医療事務)
はい、その通りです。紹介先ではなく、紹介元の保険医療機関が算定します。妊娠経過にリスクがある患者さんを、より高次の医療機関と連携して診てもらう体制を評価している加算、と捉えるとイメージしやすいと思います。
みらい(新人医療事務)
なるほど。診療所でも病院でも対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、診療所・病院のどちらも対象になり得ます。ただし外来での紹介が前提で、入院中の患者への算定は想定されていません。あくまで施設基準の届出と、対象患者の要件を満たしているかが判断のポイントです。
点数・算定要件の確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数と、算定要件を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点の内容をまとめると、こちらの表の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算名 | ハイリスク妊婦紹介加算 |
| 根拠区分 | 区分番号B009 診療情報提供料(Ⅰ)注9 |
| 点数 | 200点 |
| 算定回数 | 当該患者の妊娠中1回に限る |
| 対象診療 | 外来(入院中の患者は対象外) |
| 医療機関 | 診療所・病院のいずれも対象になり得る |
| 届出 | 必要(ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準) |

みらい(新人医療事務)
「診療情報提供料(Ⅰ)の注9」というのは、具体的にどういう条文なんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示にはこう記載されています。「区分番号B005-4に掲げるハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する別に厚生労働大臣が定める状態等の患者の同意を得て、検査結果、画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付してハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する別の保険医療機関に対して紹介を行った場合は、ハイリスク妊婦紹介加算として、当該患者の妊娠中1回に限り200点を所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
「妊娠中1回に限り」というのは、同じ患者さんに複数回紹介をしても1回しか算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
そういう理解で候補になります。同一の妊娠期間中であれば、紹介行為自体を複数回行ったとしても、加算としては1回のみが算定候補です。ただし個々のケースの解釈は、実際のレセプト運用に照らして確認が必要です。
対象患者: 「別に厚生労働大臣が定める状態等」とは
みらい(新人医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める状態等の患者」という言い回しがよく出てきますが、これは誰でも対象になるわけではないんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。この文言は、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の対象患者の定義をそのまま指しています。つまり、ハイリスク妊婦紹介加算の対象患者は「ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定できる状態等に該当する妊婦さん」ということになります。具体的な病態の一覧は、施設基準の告示・通知に定められていますので、対象状態に該当するかどうかは、その一覧と個々の患者さんの状態を照らし合わせて確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
患者さんの同意も必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。条文にも「患者の同意を得て」と明記されています。紹介にあたって検査結果や画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付することも要件です。同意取得の記録や、添付した情報の内容を診療録に残しておくことが、確認の際に役立ちます。
対象患者の確認ポイント(令和8年度)
対象状態への該当: ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)が定める「別に厚生労働大臣が定める状態等」に該当するか 同意取得: 紹介にあたって患者本人の同意を得ているか、記録が残っているか 添付情報: 検査結果・画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付して紹介しているか
施設基準・届出: 紹介元の要件
みらい(新人医療事務)
紹介元の医療機関側では、どんな施設基準を満たしている必要があるんですか?
あおい(元・医療事務)
紹介元は、区分番号B005-4ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準に適合しているものとして、地方厚生局長等に届け出た保険医療機関である必要があります。この届出がなされていない場合、ハイリスク妊婦紹介加算の算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)って、どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合し届け出た保険医療機関が、診療に基づき紹介した患者(別に厚生労働大臣が定める状態等であるものに限る)が、病院である別の保険医療機関に入院中である場合に、当該病院に赴いて共同でハイリスク妊娠・ハイリスク分娩に関する医学管理を行った場合に、紹介元の保険医療機関が患者1人につき1回算定できる管理料です。ハイリスク妊婦紹介加算は、この共同管理を前提とした枠組みの中で、紹介という行為自体を評価する加算という位置づけになっています。
みらい(新人医療事務)
つまり、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の届出をしていない医療機関は、この紹介加算も算定候補にならないということですか?
あおい(元・医療事務)
その理解で候補になります。ハイリスク妊婦紹介加算は、あくまでハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準の届出が前提になっている加算です。「届出済みであれば候補」という表現が正確で、届出の有無をまず確認することが出発点になります。
施設基準に関する注意点
届出をしていない場合、対象状態に該当する患者さんを紹介したとしても、ハイリスク妊婦紹介加算の算定候補にはなりません。届出の有効性・更新状況は、地方厚生局の届出受理通知等で必ず確認してください。
紹介先の医療機関の要件
みらい(新人医療事務)
紹介先の病院側にも何か条件があるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。ハイリスク妊婦紹介加算が指す「ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する別の保険医療機関」というのは、区分番号B005-4の条文が定める「病院である別の保険医療機関」を指しています。告示では、この紹介先の病院について「区分番号A236-2に掲げるハイリスク妊娠管理加算の注又は区分番号A237に掲げるハイリスク分娩管理加算の注1に規定する施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に限る」とされています。
みらい(新人医療事務)
つまり、紹介先はハイリスク妊娠管理加算かハイリスク分娩等管理加算のどちらかを届け出ている病院である必要がある、ということですね?
あおい(元・医療事務)
そういう理解で候補になります。紹介元だけでなく、紹介先の病院がこれらの施設基準を届け出ているかどうかも、算定候補になるかを左右するポイントです。紹介先を選ぶ際には、その病院の届出状況もあわせて確認しておくと、後からの疑義を防ぎやすくなります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年度(2026年度)改定において、ハイリスク妊婦紹介加算の点数(200点)・算定回数(妊娠中1回に限る)・算定要件の基本構造について、前回改定(令和6年度・2024年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026-07・厚労省告示ベース)。
みらい(新人医療事務)
ずっと同じ内容で続いている加算ということですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点で確認できる範囲では、そう言えそうです。ただし、紹介元・紹介先双方の施設基準(ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)、ハイリスク妊娠管理加算、ハイリスク分娩等管理加算)は、それぞれ別途改定の対象になり得ます。この加算自体の要件が変わっていなくても、前提となる施設基準側の要件が変わっている可能性はあるため、関連する加算の届出内容もあわせて定期的に確認することをおすすめします。
改定差分まとめ(令和8年度・前回比)
| 項目 | 令和6年度(2024年度) | 令和8年度(2026年度) |
|---|---|---|
| 点数 | 200点 | 200点 変更は確認されていません |
| 算定回数 | 妊娠中1回に限る | 妊娠中1回に限る 変更は確認されていません |
| 紹介元の施設基準 | ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の届出 | 同上 変更は確認されていません |
| 紹介先の施設基準 | ハイリスク妊娠管理加算/ハイリスク分娩等管理加算の届出病院 | 同上 変更は確認されていません |
算定上の注意点・よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実務でつまずきやすいポイントを教えてください。
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。整理するとこちらです。
算定上の注意点(令和8年度)
- 紹介元・紹介先の両方の施設基準届出を確認する必要があります。どちらか一方でも届出がなければ算定候補になりません
- 同意取得の記録が必要です。口頭同意のみで記録が残っていないと、後から確認できず取り漏れの原因になります
- **添付情報(検査結果・画像診断に係る画像情報等)**を紹介時に実際に添付しているかどうかが要件です
- 妊娠中1回に限るため、同一妊娠期間内での重複算定はできません
- 入院中の患者は対象外です。あくまで外来での紹介が前提です
よくある取り漏れポイント
- ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の届出はしているのに、紹介加算の算定自体を失念しているケース
- 紹介先の病院がハイリスク妊娠管理加算・ハイリスク分娩等管理加算のどちらも届け出ていない病院で、算定候補にならないケース
- 対象患者の状態が「別に厚生労働大臣が定める状態等」に該当するかの確認が曖昧なまま紹介しているケース
- 添付情報の内容や同意取得の記録が診療録に残っていないケース
自院での確認手順
みらい(新人医療事務)
うちの医療機関で算定候補になるか確認したい場合、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で確認するとスムーズです。
自院で確認する順番
-
自院の届出を確認 — ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準の届出が地方厚生局に受理されているか
-
対象患者かどうか確認 — 紹介する妊婦さんが「別に厚生労働大臣が定める状態等」に該当するか
-
患者の同意を確認 — 紹介について患者本人の同意を得て、その記録を残しているか
-
添付情報を確認 — 検査結果・画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を紹介時に添付しているか
-
紹介先の届出を確認 — 紹介先の病院がハイリスク妊娠管理加算またはハイリスク分娩等管理加算の施設基準を届け出ているか
-
算定回数を確認 — 当該患者の妊娠中に、すでに同加算を算定していないか

よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある疑問も聞いておきたいです。紹介先が診療所の場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文では、紹介先は「病院である別の保険医療機関」であり、かつハイリスク妊娠管理加算またはハイリスク分娩等管理加算の施設基準に適合し届け出た保険医療機関に限られています。紹介先が診療所の場合、この要件に該当しない可能性が高いため、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)本体の250点と、この加算の200点は、両方算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)の注9として定められている加算のため、診療情報提供料(Ⅰ)の算定を前提として、要件を満たす場合に200点が上乗せされる、という位置づけです。診療情報提供料(Ⅰ)本体の算定要件も別途満たしている必要がありますので、あわせて確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は毎年更新が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準に変更がない限り、毎年度の更新は原則不要とされています。ただし、体制に変更があった場合(担当医の異動など)は、速やかな変更届出が必要です。届出内容が現状と一致しているか、定期的な自院チェックをおすすめします。
公式資料・参考情報
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)※区分番号B009診療情報提供料(Ⅰ)注9、区分番号B005-4ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を収録 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や紹介先の要件を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。