みらい(新人医療事務)
「再製造単回使用医療機器使用加算」って、名前が長くて最初は何のことかピンとこなかったんですけど、これってどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
手術で使う医療材料のうち、一度使ったものを国のルールに沿って再製造した「再製造単回使用医療機器」を使ったときに算定候補になる加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、手術の通則の中に規定されています。
みらい(新人医療事務)
再製造した医療機器を手術に使うと、点数が上乗せされるということですね。うちのクリニックでも関係あるか気になります。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし対象になるのは特定保険医療材料に限られていて、届出と施設基準の両方が絡む加算なので、まずは仕組みから順番に整理していきましょう。
再製造単回使用医療機器使用加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも「再製造単回使用医療機器」というものが、まだよくイメージできていません。
あおい(元・医療事務)
本来は一度使ったら廃棄する単回使用の医療機器を、国の承認を受けた製造販売業者が回収して、洗浄・検査・再製造したうえで再び使えるようにしたものです。厚生労働省の告示(医科点数表 第10部手術の通則)では、この加算について次のように定められています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、再製造単回使用医療機器(特定保険医療材料に限る。)を手術に使用した場合に、再製造単回使用医療機器使用加算として、当該特定保険医療材料の所定点数の100分の10に相当する点数を当該手術の所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
「所定点数の100分の10」ということは、決まった点数が乗るわけじゃなくて、使った材料の点数によって加算される点数が変わるということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。再製造単回使用医療機器使用加算は、固定の点数表があるタイプの加算ではなく、実際に手術で使用した特定保険医療材料の所定点数の10%に相当する点数を、その手術の所定点数へ上乗せする「率」の加算です。材料によって元の点数が違うので、加算される点数も材料ごとに変わります。

基本情報の整理
みらい(新人医療事務)
数字だけだと混乱しそうなので、まず基本情報を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度時点で当サイトが確認している範囲を表にまとめますね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 医科点数表 第10部手術の通則21(令和8年度) |
| 加算の考え方 | 手術に使用した再製造単回使用医療機器(特定保険医療材料に限る)の所定点数の100分の10に相当する点数を、当該手術の所定点数に加算 |
| 届出 | 地方厚生局長等への届出が必要 |
| 対象医療機関 | 診療所・病院(手術を実施する保険医療機関) |
みらい(新人医療事務)
点数が「材料次第」というのは意外でした。うちの場合はいくらになるか、というのは一律には言えないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。使う材料が決まらないと加算される点数も決まりません。ここで「440点」のような単一の数字だけを覚えてしまうと、実際の材料と違ったときに誤って算定してしまうリスクがあります。必ず使用した材料の所定点数から都度計算することが必要です。
対象医療機関・対象となる場面
みらい(新人医療事務)
対象になるのは、どんな医療機関や場面なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載している一次資料の整理では、対象は「診療所・病院」で、外来・入院いずれの手術も対象に含まれる形で記載されています。ポイントは、あくまで「手術に再製造単回使用医療機器(特定保険医療材料に限る)を使用した場合」に限られる点です。
対象になるかの確認ポイント
使用した材料の種類: 再製造単回使用医療機器基準(平成29年厚生労働省告示第261号)に基づき再製造されたものであること 材料の区分: 特定保険医療材料に該当するものに限られる(すべての医療機器が対象ではない) 使用の場面: 手術で実際に使用したこと(在庫としてあるだけでは対象にならない)
みらい(新人医療事務)
「特定保険医療材料に限る」というのが何度も出てきますね。ここが対象かどうかを分けるポイントということでしょうか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこが大きな分かれ目です。同じ再製造機器でも、特定保険医療材料の区分に該当しないものは、この加算の対象として整理されていません。使用予定の材料が特定保険医療材料として扱われているかどうかは、材料の分類を確認する必要があります。
施設基準の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容なんですか?届出が必要というのは分かったんですが。
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)公表分の厚生労働省の疑義解釈資料で確認できる施設基準の要件文言をそのまま引用しますね。同じ通則番号(手術の通則21)が令和8年度告示でも規定されていることを当サイトで確認済みです。まず1つ目です。「再製造単回使用医療機器(特定保険医療材料に限る。以下同じ。)を手術に使用した実績が5例以上あること。」
みらい(新人医療事務)
実績が5例以上、というのは回数のことですよね。過去に使ったことがある実績が要るということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。ここで大切なのは「材料の個数」ではなく「使用した手術の件数」が基準になっている点です。厚生労働省の疑義解釈でも、個数ではなく手術件数(5例以上)が要件だと明確にされています。
みらい(新人医療事務)
なるほど、個数と件数は別物なんですね。2つ目の要件も教えてください。
あおい(元・医療事務)
2つ目は患者への説明に関する要件です。「再製造単回使用医療機器を使用することについて、あらかじめ文書を用いて患者に説明を行っていること。」厚生労働省の疑義解釈では、手術説明文書の中に「再製造単回使用医療機器を使用することがある」と記載した上で、再製造単回使用医療機器についての説明文書をあわせて交付する方法でも差し支えないとされています。ただし説明文書には、制度の説明に加えて原型医療機器との違いや、手術に使用した場合の影響等の説明を含める必要があるとされています。
みらい(新人医療事務)
説明文書は既存のものに書き足すだけでもいい場合があるということですね。3つ目は何ですか?
あおい(元・医療事務)
3つ目は、再製造の前提となる原型医療機器の回収に関する要件です。「再製造単回使用医療機器の原型医療機器の回収等について、再製造単回使用医療機器基準(平成29年厚生労働省告示第261号)第4の1(5)に規定する「再製造単回使用医療機器の製造販売の承認の際に交付される承認書に記載された方法」に基づき、適切に実施していること。」厚生労働省の疑義解釈では、現時点で原型医療機器を使用していない施設であっても、原型医療機器を使用する際に承認書の方法に沿って適切に回収を実施すれば、この要件を満たすという考え方が示されています。

施設基準の充足はAIが判定できません
使用実績の件数の数え方、説明文書の記載内容、回収体制の運用が承認書の方法に沿っているかどうかは、自院の運用の実態確認が必要です。当サイトの整理は要件の存在を示すものであり、充足の可否を判定するものではありません。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
届出はどこに、どんな形で出すものなんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準に適合しているとして、地方厚生局長等へ届け出た保険医療機関であることが加算の条件です。当サイトが確認している範囲では、届出様式の一覧の中にも「再製造単回使用医療機器使用加算」という項目名で様式が用意されていることが、厚生労働省の訂正通知の中でも確認できます。
みらい(新人医療事務)
届出をしていないと、そもそも算定候補にすら入らないということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出は前提条件なので、「施設基準を満たしていそうだから算定できる」と考えるのではなく、まず自院が実際に地方厚生局長等へ届出済みかどうかを確認することが最初のステップになります。届出をしていなければ、施設基準を満たしていても算定候補にはなりません。
算定のタイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
加算は「手術に使用した場合」に発生するものなので、手術を実施した都度、使用した材料が対象かどうかと、施設基準・届出の状況をあわせて確認する流れになります。
点数は材料ごとに毎回計算する
加算点数は固定値ではなく、使用した特定保険医療材料の所定点数の100分の10に相当する点数です。前回の手術で計算した点数をそのまま次の手術に流用すると、材料が違えば誤った点数になります。都度、使用した材料の所定点数から計算してください。
みらい(新人医療事務)
併算定の制限や回数の上限のようなルールはあるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載している一次資料の範囲では、この加算そのものについて回数の上限や他の手術加算との併算定制限を明記した記載までは確認できていません。個別の判断が必要な場合は、自院の状況を整理したうえで、審査支払機関や公式資料で確認することをおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わった部分はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和6年度(2024年度)改定の時点で公表されていた疑義解釈では、「第10部手術の通則注21」として再製造単回使用医療機器使用加算の施設基準が扱われていました。当サイトが収載している令和8年度(2026年度)の告示でも、同じ通則の21番目の項目として、所定点数の100分の10に相当する点数を加算するという同じ内容が規定されています。
前回改定との対比
令和6年度(2024年度): 手術の通則注21として、5例以上の使用実績・患者への説明文書・原型医療機器の回収体制という3つの施設基準要件が疑義解釈で確認されていました 令和8年度(2026年度): 当サイトが収載する告示の範囲では、同じ通則21番目の項目として、点数の計算方法(所定点数の10%相当)に変更は確認されていません
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載している一次資料の範囲では、点数の算定方法・通則上の位置づけについて変更は確認されていません(確認日: 2026年07月)。ただし、施設基準の細目や様式の記載内容まで含めて完全に一致しているかは、自院で最新の告示・通知を直接確認することをおすすめします。
自院チェックリスト
みらい(新人医療事務)
最後に、自院で確認する順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、以下の順番で確認していくのがおすすめです。
自院で確認する順番
- 手術で使用した(使用予定の)機器が、特定保険医療材料に該当する再製造単回使用医療機器かどうかを確認する
- 過去の使用実績が5例以上あるか、患者への説明文書が整っているか、原型医療機器の回収体制が承認書の方法に沿っているかを確認する
- 地方厚生局長等への施設基準の届出が済んでいるかを確認する
- 使用した特定保険医療材料の所定点数を確認し、その100分の10に相当する点数を計算する
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
この加算で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ
材料区分の未確認: 使用した機器が特定保険医療材料に該当するかを確認せず、対象外の材料で算定を検討してしまう 説明文書の不備: 患者への説明文書に、原型医療機器との違いや手術での影響についての説明が含まれていない 届出の未確認: 施設基準を満たしていると思い込み、地方厚生局長等への届出状況を確認しないまま算定候補としてしまう
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです、どうぞ。
みらい(新人医療事務)
再製造単回使用医療機器を使えば、必ずこの加算が算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、断定はできません。対象となる特定保険医療材料であること、施設基準を満たしていること、地方厚生局長等への届出が済んでいることの3つがそろって、はじめて算定候補になります。いずれか1つでも欠けていれば対象外の可能性があります。
みらい(新人医療事務)
加算される点数はどこで確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
使用した特定保険医療材料そのものの所定点数(材料価格に基づく点数)を確認し、そこから100分の10に相当する点数を計算します。材料ごとに所定点数が異なるため、都度の確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)のころから加算の仕組みは変わっていないんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定である令和6年度(2024年度)改定の時点で公表されていた資料と、当サイトが収載している令和8年度(2026年度)の告示を比較した範囲では、点数の算定方法や通則上の位置づけに変更は確認されていません。ただし細部まで含めた完全な照合は、自院で最新の一次資料を直接確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。