みらい(新人医療事務)
「画像等手術支援加算」っていう名前を初めて見たんですけど、これってどんな加算なんですか? うちの病院、外科の手術は結構やってるので気になります。
あおい(元・医療事務)
区分番号K939の手術通則加算ですね。手術の前や最中に得た画像を使って、手術そのものを補助する技術を使った場合に上乗せできる加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、ナビゲーション・実物大臓器立体モデル・患者適合型手術支援ガイドの3つの方法に分かれています。
みらい(新人医療事務)
3つも種類があるんですね。それぞれ点数も違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、対象になる手術の区分番号も点数もそれぞれ別に決まっています。まずは点数の整理から見ていきましょう。
画像等手術支援加算とはどんな加算か
みらい(新人医療事務)
そもそも、この加算って何のためにあるんですか?
あおい(元・医療事務)
手術の安全性や精度を高めるために、画像技術を使って術野を補助する取り組みを評価する加算です。厚生労働省の医科点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)では、区分番号K939「画像等手術支援加算」として、次の3区分が定められています。

あおい(元・医療事務)
実施上の留意事項通知では、こう説明されています。
留意事項通知の定義(3方式)
ナビゲーション: 手術前又は手術中に得た画像を3次元に構築し、手術の過程において、3次元画像と術野の位置関係をリアルタイムにコンピューター上で処理することで、手術を補助する目的で用いること 実物大臓器立体モデル: 手術前に得た画像等により作成された実物大臓器立体モデルを、手術を補助する目的で用いること 患者適合型手術支援ガイド: 手術前に得た画像等により作成された実物大の患者適合型手術支援ガイドとして薬事承認を得ている医療機器を、手術を補助する目的で用いること
みらい(新人医療事務)
なるほど、3つとも「画像を事前や術中に使って手術を助ける」という共通点があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ただし共通して大事な条件があります。留意事項通知には「画像等手術支援加算は、当該技術の補助により手術が行われた場合に算定するものであり、当該技術が用いられた場合であっても、手術が行われなかった場合は算定できない」と明記されています。技術を使っただけでは足りず、実際に手術が行われて初めて算定候補になる、という点は押さえておきたいところです。
点数とコード(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のとおりです。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 1 | ナビゲーションによるもの | 2,000点 |
| 2-イ | 実物大臓器立体モデルによるもの(複雑先天性心疾患の患者に行う場合) | 18,000点 |
| 2-ロ | 実物大臓器立体モデルによるもの(イ以外の場合) | 2,000点 |
| 3 | 患者適合型手術支援ガイドによるもの | 2,000点 |
みらい(新人医療事務)
2-イだけ点数がかなり高いですね。
あおい(元・医療事務)
はい、複雑先天性心疾患というかなり専門的な対象に限定されているためです。留意事項通知では「『2』の『イ』に規定する複雑先天性心疾患の患者に行う場合とは、関連学会の定める対象疾患の選定指針に合致する先天性心疾患患者に対し、マルチスライスCT画像情報を基に作製された実物大心臓3Dモデルによる手術計画立案の支援を行った場合に算定する。なお、診療報酬明細書の摘要欄に医学的な必要性を記載すること」とされています。摘要欄への記載も条件になっている点は見落とさないようにしたいですね。
みらい(新人医療事務)
対象になる手術って、どの手術でもいいわけじゃないんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。区分ごとに対象手術の区分番号が個別に指定されています。たとえば「1 ナビゲーション」はK055-2、K055-3、K080の1から3までなど多数の区分番号が対象として列挙されていますし、「3 患者適合型手術支援ガイド」はK082、K082-3、K437からK439まで及びK444に限定されています。留意事項通知には「患者適合型手術支援ガイドによるものとは、(中略)人工関節置換術若しくは再置換術、下顎骨部分切除術、下顎骨離断術、下顎骨悪性腫瘍手術又は下顎骨形成術を補助する目的で用いることをいう」ともあり、対象手術がかなり具体的に決まっています。自院で行っている手術がどの区分番号に該当するかは、点数表の当該条文で個別に照合する必要があります。
対象手術は区分番号で個別指定
「1」「2」「3」それぞれで対象となる手術の区分番号(K0○○番台など)が異なります。自院で実施している手術が対象区分番号に含まれているかどうかは、医科点数表の該当条文を個別に確認してください。区分番号に含まれない手術で画像支援技術を使っても、この加算の算定候補にはなりません。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
K939は医科点数表 第10部「手術」の通則加算のひとつなので、対象区分番号の手術を実施する医療機関であれば、病院・診療所を問わず算定候補になり得ます。ただし、実際に対象手術を行っているかどうかが前提です。
みらい(新人医療事務)
患者さん側の条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
「2-イ」の複雑先天性心疾患のように対象患者が限定される区分もあれば、「1」のナビゲーションのように対象手術の区分番号に該当していれば患者側に特別な条件が明記されていない区分もあります。区分ごとに対象患者の範囲が違うので、算定を検討する区分の条文を必ず確認してください。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
ここは正直にお伝えしますね。今回確認した医科点数表(告示第69号)と実施上の留意事項通知の該当箇所には、K939本体について個別の施設基準や届出を求める記載は見当たりませんでした。当サイトが確認できた範囲では、という前提つきです。
施設基準・届出は必ず一次資料でご確認ください
当サイトが今回確認した公式資料の範囲では、K939本体に個別の施設基準・届出の定めは見当たりませんでした。ただし見落としや資料の更新がある可能性もあるため、実際の算定にあたっては、最新の告示・通知、または地方厚生局の施設基準届出一覧で必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
「見当たらなかった」というのは、断定はしないってことですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出が不要と決めつけず、最終的には自院の届出状況と公式資料、審査支払機関の判断で確認していただくのが確実です。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
いつ、何回まで算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
点数表の各区分の注には、共通して「〜に掲げる手術に当たって、(ナビゲーション/実物大臓器立体モデル/患者適合型手術支援ガイド)による支援を行った場合に算定する」とあります。つまり対象手術1件の実施に対して算定する仕組みです。
みらい(新人医療事務)
回数制限とか、他の加算と一緒に算定できるかは書いてありますか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、今回確認した留意事項通知の該当箇所には、回数制限や他の加算との併算定可否について具体的な記載は確認できませんでした。この部分は未確認として扱い、実際の算定にあたっては最新の疑義解釈や審査支払機関への確認をおすすめします。
回数制限・併算定は未確認
回数制限や他加算との併算定の可否について、今回確認した公式資料の範囲では明確な記載を見つけられませんでした。「制限なし」「併算定可」と決めつけず、疑義解釈や審査支払機関に確認してから算定してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、この加算に変化はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
まず事実から整理しますね。今回確認した医科点数表(告示第69号)では、K939本体(1 ナビゲーション、2 実物大臓器立体モデル、3 患者適合型手術支援ガイド)の区分・点数・対象手術の記載を確認しましたが、その内容に変更があったことを示す記載は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
変わってないんですね。じゃあ何が改定のポイントなんですか?
あおい(元・医療事務)
医科点数表には「K939-4 内視鏡手術用支援機器加算 15,000点」という記載があります。K939本体とは別の区分番号として点数表に存在している、という点まではこの記事で確認できた事実です。
K939本体とK939-4は別区分
「K939 画像等手術支援加算」(ナビゲーション・実物大臓器立体モデル・患者適合型手術支援ガイド)と、「K939-4 内視鏡手術用支援機器加算」(15,000点)は、番号帯は近いですが点数表上まったく別の区分です。対象となる手術・施設基準も異なるため、この記事の対象であるK939本体と混同しないよう注意してください。K939-4について詳しく確認したい場合は、区分番号K939-4の条文を個別にご確認ください。
K939-4の性格づけは要確認
K939-4「内視鏡手術用支援機器加算」が令和8年度改定で新設されたものかどうか、また対象がロボット支援下の内視鏡手術に限られるかどうかについては、今回確認した公式資料の該当箇所には明確な記載を見つけられませんでした。性格づけは未確認として扱い、必要であれば個別改定項目の公式資料や疑義解釈でご確認ください。
あおい(元・医療事務)
このように、点数だけでなく「近い番号帯にK939-4という別区分があること」も確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で算定候補になるか確認するには、どういう順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するのがおすすめです。

自院で確認する順番
- 実施している手術が、K939の「1」「2」「3」いずれかの対象区分番号(点数表の当該条文に列挙された区分番号)に含まれているか確認する
- 該当する場合、実際に使った技術がナビゲーション・実物大臓器立体モデル・患者適合型手術支援ガイドのどれに当たるか整理する
- 「2-イ」を検討する場合は、複雑先天性心疾患の対象疾患選定指針に合致するか、診療報酬明細書の摘要欄への記載準備ができているか確認する
- 技術を使っただけでなく、手術が実際に行われたことを診療録で確認する
- 施設基準・届出、回数制限、併算定について、最新の告示・通知や審査支払機関への確認を行う
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れしやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
技術を使っただけで算定してしまう: 留意事項通知のとおり、手術が行われなかった場合は算定できません。技術の使用と手術の実施はセットで確認します 区分番号の対象外に気づかない: 「1」「2」「3」それぞれ対象手術の区分番号が異なるため、実施した手術が対象区分番号に入っているかの確認漏れが起きやすいです K939-4(内視鏡手術用支援機器加算)と混同する: 番号が近いため、別区分であることに気づかず本体の要件で判断してしまうケースがあります 摘要欄記載の準備不足: 「2-イ」複雑先天性心疾患の場合は、診療報酬明細書の摘要欄に医学的必要性を記載する運用になっているか、事前に確認しておく必要があります
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
外来の手術でもこの加算は算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
対象は医科点数表 第10部「手術」の通則加算なので、対象区分番号の手術であれば場面自体は限定されていません。ただし外来・入院どちらの手術で実際に運用しているかは医療機関ごとに異なるため、自院の手術実施体制と対象区分番号を照らし合わせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
令和6年度改定のときもこの加算はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)から、K939「画像等手術支援加算」という区分自体は存在していました。今回確認した範囲では、令和8年度改定でK939本体の点数・対象区分そのものが変更されたという記載は見当たらず、近い番号帯にK939-4という別区分が点数表に記載されている点が主な違いとして確認できました。K939-4が今回の改定で新設されたものかどうかは、今回確認した資料の範囲では判断できていません。
みらい(新人医療事務)
3つの方式のうち複数を同じ手術で使ったら、それぞれ算定できますか?
あおい(元・医療事務)
その点についても、今回確認した公式資料の該当箇所には明確な記載を見つけられませんでした。未確認事項として扱い、実際に複数方式を併用する予定がある場合は、事前に審査支払機関や地方厚生局に確認しておくのが安全です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象手術の区分番号や実施状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。手術に伴う機器加算という意味では、超音波凝固切開装置等加算 や 創外固定器加算 も似た構造の加算なので、あわせて確認しておくと理解が深まります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。