みらい(新人医療事務)
先輩、「多椎弓切除(内視鏡下)加算」ってレセプトで見かけたんですけど、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは、内視鏡を使って背骨の椎弓(ついきゅう)を切除する手術「椎弓切除術(内視鏡下)」を、同じ手術の中で2椎弓以上まとめて行ったときに上乗せされる加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、区分番号K131-2の「注」に基づく加算として整理されています。
みらい(新人医療事務)
椎弓を1つ切るのと、2つ以上切るのとで、点数の付き方が変わるってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。まず基本になる「椎弓切除術(内視鏡下)」自体の点数を押さえておきましょう。
椎弓切除術(内視鏡下)の点数(令和8年度)
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、部位ごとに次のように点数が整理されています。
| 区分 | 術式 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| K131-2の1 | 頸椎椎弓切除術 | 17,300点 |
| K131-2の2 | 胸椎椎弓切除術 | 17,300点 |
| K131-2の3 | 腰椎椎弓切除術 | 17,300点 |
| K131-2の4 | 仙椎椎弓切除術 | 17,300点 |
あおい(元・医療事務)
頸椎・胸椎・腰椎・仙椎のどの部位でも、1椎弓を切除する基本の点数は17,300点で共通です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、部位が違っても基本点数は同じなんですね。じゃあ「多椎弓切除(内視鏡下)加算」は、この後にどう乗ってくるんですか?
多椎弓切除(内視鏡下)加算はどう計算する?

あおい(元・医療事務)
一次資料の「注」には、次のように書かれています。
一次資料の記載(令和8年度医科点数表 K131-2 注)
「2椎弓以上について切除を行う場合は、1椎弓を増すごとに所定点数に所定点数の100分の50に相当する点数を加算する。ただし、加算は4椎弓を超えないものとする」
あおい(元・医療事務)
所定点数(17,300点)の100分の50、つまり8,650点が、2椎弓目以降1椎弓ごとに加算される点数です。この「多椎弓切除(内視鏡下)加算」という概念は、この注に基づく上乗せ分(8,650点)を指しています。
みらい(新人医療事務)
8,650点、17,300点のちょうど半分ですね。でも「加算は4椎弓を超えない」って、具体的にはどういう意味なんでしょう?
あおい(元・医療事務)
資料の文言どおりに読むと、加算の対象になる椎弓数には上限があり、4椎弓を超える分については、この注による加算が及ばないという整理です。ただ、5椎弓目以降の扱いなど、実際のレセプト計算の細部は個別のケースによって解釈の確認が必要な場合があります。自院での算定にあたっては、審査支払機関や公式資料で計算方法を確認することをおすすめします。
点数の解釈は個別に確認を
「1椎弓を増すごとに8,650点加算・加算は4椎弓まで」という条文の適用範囲は、実際の手術記録・レセプト記載に照らして確認が必要です。当サイトの記載は一次資料の文言をそのまま示したものであり、個別の算定計算を保証するものではありません。
対象になる医療機関・場面は?
みらい(新人医療事務)
この加算、うちのクリニックでも算定候補になったりしますか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に確認したいポイントです。医科点数表の記載自体には、医療機関の種別(診療所・病院)を限定する文言は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。ただし、内視鏡下での多椎弓切除は複雑な脊椎手術であり、実際には手術室・麻酔体制・術後管理体制が整った病院で実施されるケースが多いと考えられます。自院で該当する手術を実施しているかどうかが、まず確認の出発点になります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ「うちは病院だから対象」と決めつけるのは早いってことですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。対象になるかどうかは、まず「椎弓切除術(内視鏡下)を、同一手術で2椎弓以上実施したかどうか」というカルテ・手術記録の事実確認が先です。届出や施設基準の要否についても、当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算固有の個別施設基準は確認できていません。念のため、自院の施設基準届出状況を確認しておくと安心です。
施設基準・届出は確認できていますか?
みらい(新人医療事務)
施設基準の話が出ましたが、具体的に何を確認すればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、「多椎弓切除(内視鏡下)加算」そのものに紐づく個別の施設基準・届出要件の記載は確認できていません。これは「施設基準が不要」という意味ではなく、「当サイトの資料だけでは確認しきれていない」という状態です。
確認しておきたいポイント
自院が椎弓切除術(内視鏡下)を実施できる体制(脊椎外科の実施実績・手術室・麻酔体制)を有しているか、そして届出が必要な項目がないかは、地方厚生局への届出状況や院内の施設基準台帳で確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
「わからないから算定しない」じゃなくて、「わからないから確認する」なんですね。
あおい(元・医療事務)
まさにそうです。断定できない部分は、確認する行動につなげるのが一番安全です。
併算定で気をつけたいこと
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できるかどうかも気になります。手術支援機器を使った場合の加算とか。
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。内視鏡を使った手術の支援加算には、似た名前のものが複数あって混同しやすいんです。一次資料で確認できる範囲を整理してみましょう。
| 加算名 | 区分番号 | 点数(令和8年度) | K131-2(椎弓切除術(内視鏡下))への適用 |
|---|---|---|---|
| 画像等手術支援加算(ナビゲーションによるもの) | K939 | 2,000点 | 対象手術の一覧にK131-2が含まれることを一次資料で確認 |
| 内視鏡手術用支援機器加算 | K939-4 | 15,000点 | 対象手術の一覧にK131-2は含まれないことを一次資料で確認 |
あおい(元・医療事務)
画像等手術支援加算(ナビゲーションによるもの)は、対象となる手術の区分番号一覧にK131-2が明記されているため、ナビゲーション技術を使って手術を行った場合は候補になり得ます。一方、内視鏡手術用支援機器加算(ロボット支援など)の対象一覧には、K131-2は含まれていません。名前が似ているので、ここは取り違えに注意してください。
よくある取り違え
「内視鏡下の手術=内視鏡手術用支援機器加算の対象」と思い込んでしまうケースがありますが、対象手術は区分番号ごとに一次資料で個別に定められています。椎弓切除術(内視鏡下)はこの加算の対象一覧には含まれていない点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
名前だけで判断せず、対象の区分番号を照らし合わせる、ってことですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。関連する加算については、画像等手術支援加算の記事でも詳しく整理しているので、あわせて確認してみてください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定のときから変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している厚生労働省の一次資料(令和8年度医科点数表)の範囲では、前回改定(令和6年度)との比較を裏付ける一次資料を確認できておらず、変更は確認されていません(2026年8月確認・厚労省一次情報ベース)。新設なのか、点数や算定要件が変わったのかといった経緯を確認したい場合は、厚生労働省が公開している「個別改定項目について」等の一次資料で確認することをおすすめします。
改定差分は中立にお伝えします
点数や要件の変更は、有利・不利を当サイトが評価するものではありません。事実として確認できた範囲のみをお伝えしています。
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
結局、うちで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
自院で確認する順番
- 内視鏡下で椎弓切除術(K131-2)を実施した記録があるか、カルテ・手術記録を確認する
- 同一手術で2椎弓以上を切除しているか(頸椎・胸椎・腰椎・仙椎いずれの部位か)を確認する
- 椎弓切除術(内視鏡下)の点数表(17,300点)と、多椎弓切除(内視鏡下)加算(1椎弓ごと8,650点・上限4椎弓)の適用範囲を公式資料で確認する
- 画像等手術支援加算など併算定候補の有無を、対象区分番号の一覧と照らし合わせて確認する
- 施設基準の届出状況を院内の届出台帳・地方厚生局への届出内容で確認する
みらい(新人医療事務)
順番に見ていけば、抜け漏れが減りそうです。
よくある取り漏れ
取り漏れやすいポイント
「椎弓切除術(内視鏡下)を実施した」という記録だけで満足してしまい、「同一手術で何椎弓切除したか」という椎弓数のカウントがカルテ上に明確に残っていないケースがあります。多椎弓切除(内視鏡下)加算の候補になるかどうかは、この椎弓数の記録が確認の起点になります。
あおい(元・医療事務)
手術記録に「頸椎3椎弓を切除」のように部位と椎弓数が明記されていないと、後から算定候補かどうかを確認するのが難しくなります。記録の残し方も、あわせて院内で確認しておくと安心です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが疑問に思いそうなことをまとめてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
いいですね。一次資料で確認できる範囲でお答えします。
みらい(新人医療事務)
Q. 頸椎・胸椎・腰椎・仙椎で、加算の点数は違うんですか?
あおい(元・医療事務)
A. 基本の点数(17,300点)はどの部位でも共通です。多椎弓切除(内視鏡下)加算にあたる1椎弓ごとの加算点数(8,650点)も、一次資料上は部位を区別する記載がなく、共通の考え方として整理されています。
みらい(新人医療事務)
Q. 5椎弓以上切除した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 一次資料には「加算は4椎弓を超えないものとする」という記載があり、加算の対象となる椎弓数には上限がある整理です。ただし、5椎弓目以降の具体的な取り扱いは、個別のケースに応じて公式資料や審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
Q. クリニック(診療所)でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 医療機関の種別を限定する記載は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。ただし、実施体制(手術室・麻酔体制など)の観点から、自院で実際にこの手術を行っているかどうかをまず確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。