診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-07-27T09:29:05+00:00出典あり

迅速微生物核酸同定・定量検査加算は算定候補?【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

D023微生物核酸同定・定量検査の6(マイコプラズマ核酸検出に限る。)、7、13(百日咳菌核酸検出及び百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出に限る。)又は14(結核菌群核酸検出に限る。)の結果を検査実施日のうちに説明し文書で情報提供した場合の加算。100点を所定点数に加算する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

この加算はどんな時に関係する加算ですか

みらい

みらい新人医療事務

「迅速微生物核酸同定・定量検査加算」ってレセプトで見かけたことがあるんですが、正直どういう場面で算定候補になる加算なのか自信がなくて…。あおいさん、教えてもらえますか?

あおい

あおい元・医療事務

いいところに気づきましたね。これは、D023微生物核酸同定・定量検査という検査区分の中の、特定の検査結果を、検査をした当日のうちに患者さんへ説明して、さらに文書でも情報提供した場合に、100点を所定点数に加算できるというものです。令和8年度(2026年度)の医科点数表に基づく整理になります。

みらい

みらい新人医療事務

「特定の検査結果」というのがポイントなんですね。D023って、結構いろいろな検査が入っている区分ですよね?

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。D023には核酸検出系の検査がたくさん並んでいるのですが、この加算の対象は「6・7・13・14」という番号の検査のうち、さらに一部の検査結果に限られています。ここを丁寧に確認しないと、算定候補かどうかの判断を誤りやすいところです。

対象になる検査結果を具体的に見てみましょう

みらい

みらい新人医療事務

じゃあ、6・7・13・14って具体的にはどの検査なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

一次資料(医科点数表 別表第一)の記載を、そのまま確認してみましょう。まず点数表の並びはこうなっています。

番号検査名(D023)点数(令和8年度)
6マイコプラズマ核酸検出、インフルエンザ核酸検出、RSウイルス核酸検出291点
7レジオネラ核酸検出296点
13百日咳菌核酸検出、肺炎クラミジア核酸検出、百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出、ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出360点
14抗酸菌核酸同定、結核菌群核酸検出410点
みらい

みらい新人医療事務

表を見ると、6番の中にもインフルエンザとかRSウイルスとか、いろいろな検査名が並んでますね。この中のどれでも加算の対象になるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、そこが今回いちばん注意してほしいところです。医科点数表の注には、こう書かれています。

一次資料の注(そのまま引用)

「注 6(マイコプラズマ核酸検出に限る。)、7、13(百日咳菌核酸検出及び百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出に限る。)又は14(結核菌群核酸検出に限る。)に掲げる検査の結果について、検査実施日のうちに説明した上で文書により情報を提供した場合は、迅速微生物核酸同定・定量検査加算として、100点を所定点数に加算する。」

あおい

あおい元・医療事務

つまり、同じ「6番」の中でも加算の対象になるのはマイコプラズマ核酸検出だけで、同じ表に並んでいるインフルエンザ核酸検出やRSウイルス核酸検出は、この加算の対象としては確認できていません。同じように13番も、百日咳菌核酸検出と百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出だけが対象で、同じ13番の中の肺炎クラミジア核酸検出やヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出は対象外の可能性があります。14番も、結核菌群核酸検出だけが対象で、同じ14番の抗酸菌核酸同定は対象に含まれていない書き方になっています。

みらい

みらい新人医療事務

同じ番号の中でも対象・対象外が分かれるって、レセプト入力のときにすごく間違えそうです…!

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。ここは検査担当者・レセプト担当者どちらも見落としやすいポイントなので、図でも整理しておきますね。

迅速微生物核酸同定・定量検査加算 対象となる検査結果(令和8年度)

対象になる医療機関・患者の場面

みらい

みらい新人医療事務

この加算って、うちみたいな診療所でも算定候補になりますか?入院患者さんでも大丈夫なんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

今回確認できている範囲では、診療所・病院のどちらも対象で、外来・入院どちらの患者さんについても算定候補になり得ます。在宅療養の場面(訪問診療など)は、この加算の対象としては確認できていません。

みらい

みらい新人医療事務

入院患者さんでも対象になるんですね。似たような検査加算で、入院患者は対象外というものもあった気がするんですが…。

あおい

あおい元・医療事務

よく覚えていましたね。外来迅速検体検査加算という別の加算では、留意事項通知に「現に入院中の患者については算定できない」という規定がはっきり書かれています。一方で、今回の迅速微生物核酸同定・定量検査加算の注文言には、そうした入院患者を除外する記載は見当たりません。ただし、これは別の加算どうしの話であり混同してはいけないので、自院での適用は必ず一次資料と審査支払機関側の運用で確認してください。

別の加算と混同しないための注意

迅速微生物核酸同定・定量検査加算と外来迅速検体検査加算は、名称も点数も算定対象も異なる別の加算です。どちらも「検査結果を当日説明し文書で提供する」という仕組みは似ていますが、対象検査・点数・入院/外来の扱いが違うため、レセプト入力時に取り違えないよう注意してください。

施設基準・届出は必要ですか

みらい

みらい新人医療事務

この加算を算定するには、施設基準の届出とか必要なんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

今回確認できている範囲では、この加算そのものについて、事前の施設基準の届出は不要とされています。ただし、加算の対象になっている個々の検査(D023の各区分)自体に、実施方法や対象患者についての個別の留意事項が定められている場合があるので、そちらは別途確認が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

届出がいらないなら、あとは運用面をきちんと整えればいいということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。届出が不要な分、逆に「検査実施日のうちに説明した」「文書で情報提供した」という2つの要件を、日々の運用の中できちんと実施・記録できているかが、算定候補になるかどうかの分かれ目になります。

算定のタイミングと記録で気をつけたいこと

みらい

みらい新人医療事務

具体的にどんなタイミングで気をつければいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

一次資料の注に書かれている条件を分解すると、次の2つがポイントです。1つ目は「検査実施日のうちに」説明すること。検査した日を過ぎてから説明した場合は、この加算の要件を満たせない可能性があります。2つ目は、口頭説明だけでなく「文書により情報を提供した」こと。渡した文書の記録や控えを残しておくことが大切です。

算定タイミングの注意

「検査実施日のうちに説明し、文書で情報提供した」という条件を満たしているかどうかは、カルテやレセプトの記載だけでなく、実際の運用(いつ・誰が・どんな文書を渡したか)まで確認しないと判断できません。算定候補であっても、最終的な算定可否は自院の記録と審査支払機関の判断によります。

みらい

みらい新人医療事務

なるほど。じゃあ、実際に自院で確認する順番をまとめてもらえますか?

自院で確認する順番

自院で確認する順番

  1. D023微生物核酸同定・定量検査の6・7・13・14のいずれかを実施したか確認する
  2. 実施した検査が、6は「マイコプラズマ核酸検出」、13は「百日咳菌核酸検出」または「百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出」、14は「結核菌群核酸検出」に該当するか確認する(同じ番号内の対象外の可能性がある検査と混同しない)
  3. 検査結果を検査実施日のうちに患者へ説明したか確認する
  4. 説明内容を文書で情報提供し、その記録が残っているか確認する
  5. 上記が満たされていれば算定候補。最終的な算定可否はレセプトコンピュータの設定・審査支払機関側の判断も含めて確認する

自院で確認する順番(令和8年度)

令和8年度改定での変更点

みらい

みらい新人医療事務

この加算、前回の改定から何か変わったりしたんですか?

あおい

あおい元・医療事務

そこも大事な視点ですね。当サイトが収録している一次資料(医科点数表 別表第一・留意事項通知)の範囲では、迅速微生物核酸同定・定量検査加算そのものについて、前回改定(令和6年度)からの点数・対象検査・算定要件の変更は確認されていません(確認日:2026年7月)。ただし、D023の中の個々の検査項目自体は、技術の追加や点数の見直しが行われることがあるため、この加算の対象範囲(6・7・13・14)に変わりがないか、今後の改定のたびに一次資料で確認していくことをおすすめします。

改定確認のポイント

点数表の「D023の6・7・13・14」という対象範囲そのものが変わっていないかは、加算の点数(100点)が変わっていなくても見落としやすいところです。改定のたびに、対象番号と、その中のどの検査名が加算対象かを一次資料で再確認しましょう。

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

実際の現場で取り漏れがちなパターンって、どんな感じなんでしょう?

あおい

あおい元・医療事務

いくつか整理してみましょう。

よくある取り漏れ

D023の6番でマイコプラズマ核酸検出を実施し、当日結果を説明したのに、文書での情報提供を忘れてしまい、加算の要件を満たせなくなるケース。13番で百日咳菌核酸検出と肺炎クラミジア核酸検出を同時に行った際、対象に含まれていない可能性がある肺炎クラミジア核酸検出の分まで加算候補としてしまい、対象を混同するケース。検査結果の説明が検査実施日の翌日以降になってしまい、「検査実施日のうちに」という条件を満たせなくなるケース。

みらい

みらい新人医療事務

同じ番号の中でも対象・対象外が混じっているから、これは本当に注意しないといけないですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。だからこそ、検査担当・レセプト担当の両方が、対象になる検査名を正確に共有しておくことが大切です。

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

最後に、みんなが気になりそうな質問をまとめてもらえますか?

あおい

あおい元・医療事務

いいですね。いくつか挙げてみましょう。

みらい

みらい新人医療事務

D023の6番でインフルエンザ核酸検出だけを実施した場合も、この加算の対象になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

一次資料の注では、6番のうち加算の対象になるのはマイコプラズマ核酸検出に限るとされています。インフルエンザ核酸検出やRSウイルス核酸検出は、同じ6番の検査ではありますが、この加算の対象としては確認できていません。

みらい

みらい新人医療事務

入院患者さんに実施した場合でも算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

今回確認できている一次資料の範囲では、入院患者を除外する記載は見当たらないため、入院患者についても算定候補になり得ます。ただし、最終的には自院のレセプトコンピュータの設定や審査支払機関側の運用も踏まえて確認が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

施設基準の届出は本当に不要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

今回確認できている範囲では、この加算自体に事前の施設基準の届出は求められていません。ただし、対象となる個々の検査の実施方法自体に留意事項が定められている場合があるため、そちらは別途確認しておくと安心です。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    注 6(マイコプラズマ核酸検出に限る。)、7、13(百日咳菌核酸検出及び百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出に限る。)又は14(結核菌群核酸検出に限る。)に掲げる検査の結果について、検査実施日のうちに説明した上で文書により情報を提供した場合は、迅速微生物核酸同定・定量検査加算として、100点を所定点数に加算する。

よくある質問

D023の6番でインフルエンザ核酸検出だけを実施した場合も、この加算の対象になりますか?

一次資料の注では、6番のうち加算の対象になるのはマイコプラズマ核酸検出に限るとされています。インフルエンザ核酸検出やRSウイルス核酸検出は、同じ6番の検査ではありますが、この加算の対象としては確認できていません。

入院患者に実施した場合でも算定候補になりますか?

今回確認できている一次資料の範囲では、入院患者を除外する記載は見当たらないため、入院患者についても算定候補になり得ます。最終的な算定可否は自院のレセプトコンピュータの設定や審査支払機関側の運用も踏まえて確認が必要です。

施設基準の届出は必要ですか?

今回確認できている範囲では、この加算自体に事前の施設基準の届出は求められていません。対象となる個々の検査の実施方法自体の留意事項は別途確認してください。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

入院料加算令和8年度

退院時薬剤情報管理指導連携加算、自院は算定候補?【令和8年度】

A307小児入院医療管理料の「注6」に規定する加算。小児慢性特定疾病の児童等又は医療的ケア児の退院時に、医師又は薬剤師が退院後の薬剤の服用等に関する指導を行い、患者等の同意を得て保険薬局に必要な情報等を文書で提供した場合に、退院の日に1回に限り150点を算定する。

病院
処置加算令和8年度

透析液水質確保加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

区分番号J038人工腎臓(1日につき)の加算で、施設基準に適合し届け出た保険医療機関において行った場合に所定点数に10点を加算する。慢性維持透析等の人工腎臓を実施する際の透析液水質確保に対する加算。

診療所病院要届出
検査加算令和8年度

造影剤使用加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

D215超音波検査の注加算。「2」断層撮影法又は「3」心臓超音波検査について造影剤を使用した場合に180点を所定点数に加算する。

診療所病院
医学管理令和8年度

連携充実加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

外来腫瘍化学療法診療料1の注8の加算(月1回150点)。外来腫瘍化学療法診療料1のイの(1)又は(2)を算定した患者に対し、医師又は薬剤師が副作用の発現状況・治療計画等を文書提供した上で必要な指導を行った場合に算定する。届出が必要。

診療所病院要届出
医学管理令和8年度

連携管理加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

薬剤総合評価調整管理料において、処方内容の調整に当たって別の保険医療機関又は保険薬局に対して照会又は情報提供を行った場合に、連携管理加算として50点を所定点数に加算する。

診療所病院
検査加算令和8年度

連続呼気ガス分析加算は算定候補?D211との関係【令和8年度】

トレッドミルによる負荷心肺機能検査等(D211)で連続呼気ガス分析を行った場合に、所定点数に520点を加算する注加算。

診療所病院