乳房トモシンセシス加算とは
みらい(新人医療事務)
あおいさん、レセプトのチェックをしていたら「乳房トモシンセシス加算」という項目を見つけたんですけど、これって何の加算なんですか?名前だけだとイメージが湧かなくて…。
あおい(元・医療事務)
乳房トモシンセシス加算は、マンモグラフィ(乳房撮影)の中でも「トモシンセシス撮影」という三次元的な撮影方法を使ったときに算定候補になる加算ですよ。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、区分番号E002 撮影の注6として、100点が定められています。
みらい(新人医療事務)
トモシンセシス撮影って、普通のマンモグラフィと何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
通常のマンモグラフィが乳房を一方向から一枚の画像として撮影するのに対して、トモシンセシス撮影は複数の角度から連続的に撮影して、断層画像のように立体的に構成する撮影方法です。乳腺が重なって病変が見えにくくなる、いわゆる「読影の死角」を減らす目的で使われる撮影技術ですね。
みらい(新人医療事務)
なるほど、普通のマンモグラフィにこの加算をプラスするイメージですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。乳房撮影(一連につき)という基本の撮影に対して、トモシンセシス撮影を行った場合に上乗せする加算という位置づけです。単独では算定できず、あくまで乳房撮影とセットで考える項目になります。
断定できない範囲について
このページは厚生労働省の告示等の公式資料をもとに整理した確認用の読み物です。自院での算定可否を保証するものではなく、あくまで算定候補になり得るかどうかを確認するための出発点としてお使いください。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでも算定候補になりますか?大きな病院じゃないと無理、みたいな条件ってあるんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
乳房トモシンセシス加算は医科点数表のE002 撮影(画像診断料)に含まれる加算なので、診療所・病院のどちらでも、外来・入院を問わず算定候補になり得ます。特定の病床数以上でなければならない、といった医療機関の規模条件は今回確認した告示の条文には見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
在宅診療のときはどうですか?訪問診療でマンモグラフィを撮ることもあるかもしれませんし…。
あおい(元・医療事務)
そこは少し注意が必要です。当サイトの整理では、在宅患者訪問診療の枠組みとは別建ての画像診断料の項目として扱っていて、在宅の場面を主な対象とはしていません。ただし個別のケースで判断が分かれる可能性もあるので、在宅の場面での取り扱いは「確認が必要」という前提で見ておいてください。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件はあるんですか?例えば年齢とか病名とか。
あおい(元・医療事務)
今回確認した告示の条文自体には、対象疾患や年齢を限定するような記載はありませんでした。乳房撮影(一連につき)に対してトモシンセシス撮影を行ったかどうか、という撮影方法の実施実績がポイントになります。ただし乳がん検診など制度上の枠組みによっては別の取り扱いがある可能性もあるため、この点も断定はせず、自院の運用に照らして確認することをおすすめします。
点数・算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の医科点数表をもとにまとめると、次の表のとおりです。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|
| 乳房撮影(一連につき)アナログ撮影 | 192点 | 基本点数(E002 撮影) |
| 乳房撮影(一連につき)デジタル撮影 | 202点 | 基本点数(E002 撮影) |
| 乳房トモシンセシス加算 | +100点 | 乳房撮影(一連につき)に対する加算 |

みらい(新人医療事務)
加算の100点は、乳房撮影の基本点数にそのまま足す形なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのイメージで合っています。告示の該当箇所を引用すると、こう書かれています。「乳房撮影(一連につき)について、乳房トモシンセシス撮影を行った場合は、乳房トモシンセシス加算として、100点を所定点数に加算する。」区分番号E002 撮影 注6、診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)が出典です。
みらい(新人医療事務)
アナログ撮影とデジタル撮影で加算の点数自体は変わらないんですか?
あおい(元・医療事務)
条文を見る限り、加算の100点はアナログ・デジタルで区別されておらず、共通の点数として定められています。区別があるのは乳房撮影そのものの基本点数(192点・202点)の方ですね。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
この加算、うちの施設基準的に取れそうか気になります。届出とか要りますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが整理しているデータでは、乳房トモシンセシス加算は施設基準の届出が不要な項目として扱っています。今回確認した告示の条文にも、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において算定する」といった、他の届出制の加算でよく見られる文言は見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出をしなくても、トモシンセシス撮影さえできれば算定候補になるってことですか?
あおい(元・医療事務)
条文の構造からはそう読み取れますが、これは「届出条項が見当たらない」という確認結果であって、届出制度の有無を最終的に断定するものではありません。地方厚生局への確認や、レセプトの返戻状況なども踏まえて、自院で最終確認することをおすすめします。
施設基準まわりの確認ポイント
届出の要否: 告示の条文には届出を求める文言が見当たりませんが、最終的には地方厚生局・審査支払機関への確認をおすすめします。 撮影機器の要件: トモシンセシス撮影に対応したマンモグラフィ装置が必要になりますが、装置の型式や認証に関する具体的な基準は今回の一次資料の範囲では確認できていません。導入機器の仕様は自院で確認してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングとか、月に何回まで、みたいな制限はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した告示の条文には、「月1回」のような明示的な回数制限の記載は見当たりませんでした。「乳房撮影(一連につき)について」という書き方になっているので、乳房撮影の算定単位(一連につき)に連動して、トモシンセシス撮影を実施した回に加算する、という考え方になります。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できるかどうかも気になります。例えば電子画像管理加算とか。
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、今回参照した一次資料の範囲では、乳房トモシンセシス加算と他の画像診断関連の加算との併算定の可否を直接示す記載は確認できていません。断定はできないので、「併算定できる/できない」のどちらとも言い切らず、レセプト作成時に医科点数表の該当箇所や審査支払機関への確認を挟むことをおすすめします。
併算定・回数制限は要確認
月あたりの回数制限や他加算との併算定可否について、当サイトが参照した一次資料の範囲では明確な記載を確認できていません。断定せず、自院での確認をお願いします。
みらい(新人医療事務)
分かりました、この部分は自分たちでもう一段確認しておきます。
あおい(元・医療事務)
そうしてもらえると安心です。次は、令和8年度の改定でこの加算がどう扱われているかを整理しますね。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定と比べて、この加算って何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが今回参照できた一次資料は令和8年度の医科点数表告示(令和8年厚生労働省告示第69号)が中心で、令和6年度時点の同じ条文との突き合わせまでは確認できていません。そのため「点数が上がった」「新設された」といった前回改定との比較を、この記事の時点で断定することは避けます。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、いつからある加算なのかも分からないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、新設時期や前回改定からの点数変更の有無については、当サイトが参照した一次資料の範囲では確認できていません。もし前回改定との違いが気になる場合は、厚生労働省が公表している「個別改定項目について」などの資料で確認することをおすすめします。
改定差分の確認状況(令和8年度)
令和8年度の医科点数表告示(令和8年厚生労働省告示第69号)では、乳房トモシンセシス加算は100点と定められています。前回改定(令和6年度)時点との比較については、当サイトが参照した一次資料の範囲では確認できていません。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまで聞いて、自院で何から確認したらいいのか整理したくなってきました。
あおい(元・医療事務)
いいと思います。順番にすると、こんな流れになりますね。

自院で確認する順番
乳房撮影(マンモグラフィ)を実施したかどうかを確認する トモシンセシス撮影(三次元的な撮影方法)を実施したかどうかを確認する レセプトへの記録・摘要欄の記載内容を確認する 以上を踏まえて加算候補として整理し、最終的な算定可否は自院・審査支払機関で確認する
みらい(新人医療事務)
この4つを順番に見ていけばいいんですね。撮影の実施記録が起点になるのがポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。トモシンセシス撮影を行った事実がカルテやモダリティのログにきちんと残っているかどうかが、まず一番大事な確認ポイントになります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れのパターンってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
よく聞くのは、トモシンセシス撮影を実施しているのに、通常のマンモグラフィと同じ扱いで会計・レセプトに反映してしまい、加算分の100点が漏れてしまうケースです。撮影方法が変わっても、会計システム側の入力を切り替え忘れると起こりやすいんですよ。
よくある取り漏れ①
撮影方法の入力切り替え忘れ: 通常のマンモグラフィからトモシンセシス撮影に変更したのに、会計システムやオーダー入力が通常撮影のままになっていて、加算が反映されないケース。
よくある取り漏れ②
摘要欄・記録の不足: トモシンセシス撮影を実施した事実が、レセプトの摘要欄やカルテの記載として残っていないケース。審査時の確認や返戻対応のためにも、実施記録を残しておくことが大切です。
みらい(新人医療事務)
撮影する側と会計・レセプトを作る側の連携が大事ってことですね。
あおい(元・医療事務)
まさにそこがポイントです。撮影室と医事課の情報共有がスムーズだと、こうした取り漏れは減らせますね。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうな質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです、どうぞ。
みらい(新人医療事務)
Q1. 乳房トモシンセシス加算は診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. はい、今回確認した告示の条文では医療機関の規模を限定する記載は見当たらず、診療所・病院のどちらでも算定候補になり得ます。ただし実際にトモシンセシス撮影ができる機器を導入しているかどうかが前提になります。
みらい(新人医療事務)
Q2. 施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトが整理しているデータでは届出不要として扱っており、告示の条文にも届出を求める文言は見当たりません。ただし最終的な届出要否は、地方厚生局や審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
Q3. 通常のマンモグラフィと同時に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
A. 乳房トモシンセシス加算は、乳房撮影(一連につき)に対する加算という位置づけなので、単独では算定できず、乳房撮影とセットで考える項目です。基本点数(アナログ192点・デジタル202点)に加算分の100点を上乗せする形になります。
みらい(新人医療事務)
Q4. 月に算定できる回数の制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
A. 今回確認した告示の条文には、明示的な回数制限の記載は見当たりませんでした。「一連につき」という乳房撮影の算定単位に連動する形になりますが、詳細な運用は自院・審査支払機関での確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。