みらい(新人医療事務)
先輩、ICUを持ってる病院さんから「早期栄養介入管理加算って自分のところで算定候補になりますか?」って聞かれたんですけど、正直よくわかっていなくて…。名前が似た加算もあるみたいで、混乱しちゃいます。
あおい(元・医療事務)
早期栄養介入管理加算ですね。これは令和8年度の診療報酬で、特定集中治療室管理料等を算定する治療室に入室した重症患者さんに対して、入室後早期から専任の管理栄養士が医師・看護師・薬剤師等と連携して栄養管理を行った場合に評価される、いわゆる「注加算」です。厚生労働省の医科点数表では、特定集中治療室管理料の「注5」として規定されています。
みらい(新人医療事務)
「注」の加算ってことは、単独では算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。特定集中治療室管理料や救命救急入院料など、対象となる入院料の所定点数に上乗せする形の加算です。似た名前の「入院栄養管理体制加算」という別の加算もありますが、あちらは病院全体の栄養管理体制を評価するもので、対象患者も算定の仕組みも異なります。今日は早期栄養介入管理加算だけに絞ってお話ししますね。
対象になる患者・治療室は?
みらい(新人医療事務)
具体的に、どの治療室に入っている患者さんが対象なんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では「重症患者の特定集中治療室への入室後、早期に管理栄養士が当該治療室の医師、看護師、薬剤師等と連携し、早期の経口移行・維持及び低栄養の改善等につながる栄養管理を実施した場合の評価」とされています。実際に医科点数表を確認すると、この加算は複数の治療室系の入院料に「注」として置かれています。
| 入院料の区分 | 条文上の位置づけ |
|---|---|
| 救命救急入院料(A300) | 注として規定 |
| 特定集中治療室管理料(A301) | 注5として規定 |
| ハイケアユニット入院医療管理料(A301-2) | 注として規定 |
| 脳卒中ケアユニット入院医療管理料(A301-3) | 注として規定 |
| 小児特定集中治療室管理料(A301-4) | 注として規定 |
みらい(新人医療事務)
けっこう幅広い治療室が対象になるんですね。逆に、一般病棟や外来はどうですか?
あおい(元・医療事務)
条文の書きぶりは「特定集中治療室への入室後」が前提になっているので、一般病棟や外来はこの加算の対象外の可能性が高いと考えられます。ただし、実際にどの入院料を届け出ているか、どの病室が該当するかは自院の届出内容によって変わりますので、断定はできません。必ず自院の届出状況で確認してください。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、入室した日から起算して7日を限度として250点、入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、その開始日以降は400点を所定点数に加算する、とされています。
| 状態 | 点数(令和8年度) | 上限 |
|---|---|---|
| 通常(経腸栄養を開始していない期間) | 250点 | 入室日から7日限度 |
| 早期から経腸栄養を開始した場合(開始日以降) | 400点 | 同じく入室日から7日限度の範囲内 |

みらい(新人医療事務)
400点になるのは「経腸栄養を始めたら自動的に」ではなく、あくまで早期に開始できた場合なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。経腸栄養の開始タイミングは患者さんの状態によりますから、栄養管理チームが実施記録をきちんと残しておくことが前提になります。
施設基準は何が必要?
みらい(新人医療事務)
この加算、届出が必要な加算基準がありますよね。施設基準はどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では、まず治療室に専任の管理栄養士を配置することが求められています。その管理栄養士には、栄養サポートチームでの栄養管理に係る3年以上の経験と、集中治療を必要とする患者の栄養管理に係る3年以上の経験の両方が必要とされ、加えて所定の研修を修了していることも条件になっています。
| 施設基準の項目 | 内容(一次資料の記載) |
|---|---|
| 専任管理栄養士の配置 | 所定の研修修了 + 栄養サポートチームでの経験3年以上 + 集中治療患者の栄養管理経験3年以上 |
| 人員配置比率(救命救急入院料の場合) | 治療室の入院患者数が10人またはその端数を増すごとに専任管理栄養士1人以上 |
| 手順書の整備 | 日本集中治療医学会「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」を参考にした院内手順書を作成し、それに従って運用していること |
みらい(新人医療事務)
研修とか経験年数の中身まで、うちで自己判断していいものなんでしょうか…?
あおい(元・医療事務)
そこは私たちが「満たしています」と言い切れる部分ではありません。研修の実施内容や経験年数の通算方法は、届出の際に地方厚生局への確認が必要になる要確認事項です。当サイトの整理はあくまで一次資料の記載を整理したものなので、実際の充足可否は自院の担当者と地方厚生局とのやり取りで確定させてください。
届出は必要?
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていれば、自動的に算定できるようになるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、届出が必要です。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室」であることが条件なので、施設基準を満たしているだけでは足りず、地方厚生局への届出が受理されて初めて算定候補になります。届出をしていない期間は、実態として要件を満たしていても算定候補にはならない可能性があります。
断定はできません
特定集中治療室等への入室が前提の加算です。一般病棟や外来での栄養管理は対象外の可能性がありますが、実際の該当可否は自院がどの入院料をどの病室で届け出ているかによって変わります。必ず自院の届出内容と地方厚生局への確認をお願いします。
算定日数・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
算定できる日数や、他の加算との組み合わせで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
算定できるのは入室した日から起算して7日が限度です。それと、同じ日に区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料は別に算定できないとされています。ただし、他の病棟に転棟した後、退院後の生活を見据えて栄養食事指導の必要性が認められる場合は、この限りではないとも記載されています。
みらい(新人医療事務)
栄養サポートチーム加算と一緒に算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では、1日当たりの算定患者数の上限が管理栄養士1名につき10人以内、そして早期栄養介入管理加算と栄養サポートチーム加算を合わせた算定患者数は、管理栄養士1名につき合わせて15人以内とする、という記載があります。同時算定そのものを禁止する条文ではありませんが、管理栄養士1人が担当できる患者数には上限があるということです。
併算定・患者数上限の確認ポイント
同一日の入院栄養食事指導料との併算定は原則不可です。また、早期栄養介入管理加算と栄養サポートチーム加算を合わせて担当できる患者数は、管理栄養士1名につき15人以内という上限があります。管理栄養士の配置人数と担当患者数のバランスは、自院の運用体制で必ず確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えしますね。当サイトが保有している令和8年度の一次資料(医科点数表・関連の要件整理)を確認した範囲では、点数(250点・400点)、算定日数の上限(7日)、対象となる治療室、施設基準の記載内容について、変更を示す記述は見当たりませんでした。ただし、前回改定(令和6年度)時点の一次資料との突き合わせ専用の資料までは今回取得できていないため、「変更が無いと確定した」というより「一次資料の範囲で変更は確認されていません」という言い方にとどめます。
改定差分の確認範囲
確認日: 2026年7月。令和8年度の医科点数表(A300・A301・A301-2・A301-3・A301-4の各条文)を確認しましたが、令和6年度からの明示的な変更点を示す一次資料は今回の執筆時点で確認できていません。差分の有無について新しい公式情報が出た場合は、本記事を更新します。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病院がこの加算の算定候補になるかどうか、どういう順番で確認していけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料に沿って、順番に確認していくのがおすすめです。
自院で確認する順番
- 自院が救命救急入院料・特定集中治療室管理料・ハイケアユニット入院医療管理料・脳卒中ケアユニット入院医療管理料・小児特定集中治療室管理料のいずれかを届け出ているか確認する
- 対象治療室に専任の管理栄養士を配置できているか、研修修了と経験年数の要件を人事情報で確認する
- 日本集中治療医学会のガイドラインを参考にした栄養管理手順書を作成し、実際に運用しているか確認する
- 入室患者全員への栄養スクリーニングと、対象患者への栄養アセスメント・計画作成・実施記録が残っているか確認する
- 施設基準の届出が地方厚生局に受理されているかを確認する

みらい(新人医療事務)
5番目の届出のところまでできて、はじめて算定候補になるってことですね。
あおい(元・医療事務)
そういう理解で大丈夫です。逆に言うと、1〜4を満たしていても届出が受理されていなければ、その期間は算定候補にはなりません。
よくある取り漏れ
経腸栄養開始日の記録漏れ
250点から400点に切り替わるのは「早期から経腸栄養を開始した」その開始日以降です。開始日の記録が曖昧だと、どちらの点数で算定すべきか根拠を示せなくなります。栄養管理記録に開始日を明記しておくことが大切です。
入院栄養食事指導料との重複算定
同一日に区分番号B001の10の入院栄養食事指導料を別に算定できない、という条文を見落として重複算定してしまうケースが想定されます。ただし転棟後で退院後の生活を見据えた指導の必要性が認められる場合は例外とされているため、一律に禁止されるわけではなく状況によって判断が変わる点も確認が必要です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか、素朴な疑問を聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
特定集中治療室管理料を届け出ていない病院でも、この加算だけ届出できますか?
あおい(元・医療事務)
条文上、この加算は特定集中治療室管理料などの対象入院料に対する「注」として規定されているため、土台となる入院料の届出がなければこの加算だけを単独で届け出ることは想定されていません。まずは対象となる入院料の届出状況を確認するのが最初のステップです。
みらい(新人医療事務)
管理栄養士が急に退職してしまった場合、その日から算定できなくなるんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準にある専任管理栄養士の配置要件を満たせなくなるので、要件を欠いた期間は算定候補ではなくなる可能性があります。後任の配置や地方厚生局への対応をどうするかは、自院の担当部署と相談のうえで確認してください。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)の頃からずっとこの仕組みだったんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは先ほどお伝えしたとおり、当サイトが確認できた令和8年度の一次資料の範囲では変更点は見当たりませんでしたが、令和6年度時点の資料との直接比較までは今回できていません。断定は避けて、今後新しい情報が確認でき次第この記事に反映します。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象治療室の届出状況や管理栄養士の配置状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。