みらい(新人医療事務)
「急性増悪包括管理料」っていう名前を初めて見たんですけど、これってどんな管理料なんですか?
あおい(元・医療事務)
急性増悪包括管理料は、医療観察法に基づく通院対象者が急性増悪等で集中的な精神医学管理が必要になったときに算定する管理料です。令和8年度の点数では、急性増悪包括管理料1が1,300点、急性増悪包括管理料2が1,600点で、いずれも1日につき算定する形になっています。
みらい(新人医療事務)
1と2で点数が違うんですね。何が分かれ道になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは後で詳しく確認しますね。まず大事なのは、この管理料は一般の保険医療機関向けというより、医療観察法上の指定医療機関を対象に整理された管理料だという点です。うちのクリニックには関係ないかも、と思う前に、対象範囲を一緒に確認していきましょう。
急性増悪包括管理料とは(対象・令和8年度の点数)
みらい(新人医療事務)
そもそも「医療観察法」ってどんな法律なんですか?
あおい(元・医療事務)
正式名称は「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」です。この法律に基づいて通院医療を行う「指定通院医療機関」や、入院医療を行う「指定入院医療機関」が算定する診療報酬は、通常の医科診療報酬点数表とは別の告示・通知で定められています。急性増悪包括管理料も、その中の管理料の一つです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、普通の点数表とは違う世界なんですね。点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年度において次のように示されています。
| 区分 | 点数(1日につき) | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 急性増悪包括管理料1 | 1,300点 | 対象 |
| 急性増悪包括管理料2 | 1,600点 | 対象 |

みらい(新人医療事務)
1日につき、というのがポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。入院や通院の期間そのものではなく「急性増悪等により集中的な精神医学管理を開始した日」を起点に、1日単位で算定していく管理料として整理されています。
対象医療機関 — 一般のクリニック・病院は対象になりますか
みらい(新人医療事務)
私たちの医院みたいな、普通の保険医療機関でも算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
ここは慎重に確認したいポイントです。急性増悪包括管理料は医療観察法上の「指定通院医療機関」が算定する管理料として整理されており、急性増悪包括管理料2はさらに、特定の入院基本料を算定する精神病棟であることが施設基準として求められています。一次資料の範囲では、一般の保険医療機関がそのまま算定候補になる管理料ではない可能性が高い、というのが現時点の整理です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、精神科病院ならどこでも対象になるわけでもないんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。医療観察法の指定を受けているかどうかがまず前提になります。指定を受けていない医療機関は、この管理料の対象外の可能性が高いと考えられます。自院がどの位置づけにあるかを確認することが最初のステップになります。
見落としやすいポイント
急性増悪包括管理料は、通常の医科診療報酬点数表とは別に定められている医療観察法の診療報酬です。マスターコードの並びだけを見て「一般の管理料の一種」と早合点しないよう注意が必要です。
急性増悪包括管理料1・2の算定要件の違い
みらい(新人医療事務)
1と2、それぞれどんな場面で使い分けるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では、急性増悪包括管理料1について「精神保健指定医の診察に基づき急性増悪等により集中的な精神医学管理を開始した日から1日につき」という条件が示されています。精神保健指定医が診察のうえで急性増悪等と判断し、集中的な精神医学管理を始めた日を起点に、1日につき算定していく管理料として整理されています。
みらい(新人医療事務)
急性増悪包括管理料2はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
急性増悪包括管理料2は、特定の精神病棟に入院しているケースを想定した区分です。施設基準では「医科診療報酬点数表に規定する精神病棟入院基本料の十対一入院基本料、十三対一入院基本料若しくは十五対一入院基本料、特定機能病院入院基本料(精神病棟の場合に限る。)、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料又は地域移行機能強化病棟入院料を算定する精神病棟であること」が求められています。
みらい(新人医療事務)
病棟の種類がかなり細かく指定されているんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。加えて「集中的な精神医学管理を行うにつき十分な体制が整備されていること」も施設基準として求められています。対象となる患者さんについては、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の措置入院等の規定により入院している方、という条件が一次資料に明記されています。この対象者の条件は、急性増悪包括管理料2だけでなく、急性増悪時等受入調整加算という別の加算にも共通して定められている点は注意しておきたいところです。
1と2を取り違えないための注意
急性増悪包括管理料1と急性増悪包括管理料2は、対象となる場(通院対応か、特定の精神病棟への入院対応か)が異なります。どちらの区分に該当するかは、対象者の入院・通院の状況と病棟の種類を条文に沿って確認する必要があります。
急性増悪包括管理料2の施設基準(体制面)
みらい(新人医療事務)
急性増悪包括管理料2を算定するには、病棟の種類以外にも準備することがありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。施設基準の取扱いに関する通知では、急性増悪包括管理料2について、いくつかの体制面の要件が示されています。
みらい(新人医療事務)
具体的にはどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
まず「多職種チーム会議」が設置され、定期的に開催されていることが求められます。また、保護観察所が設置する「ケア会議」に参加し、処遇の実施計画に協力するなど、緊密な連携体制を整えておくことも要件とされています。
みらい(新人医療事務)
会議への参加も要件になっているんですね。
あおい(元・医療事務)
さらに、入院する通院対象者の主たる担当者として、医師、看護師又は准看護師(常勤に限る)、作業療法士、精神保健福祉士及び公認心理師からそれぞれ1名以上を指定し、その連絡先を保護観察所等に文書で情報提供すること、保護観察所等の担当者の氏名・連絡先の提供を受けることも定められています。主治医を含む多職種が共同して、必要に応じて試験外泊や訓練を実施することも求められています。
みらい(新人医療事務)
オンラインでの対応についても何か書かれていますか?
あおい(元・医療事務)
はい。映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら会話できる通信方法を使って、通院対象者との面接や、参加者の少なくとも1人がオンラインを利用する会議が可能な体制を整えておくことも、施設基準の一つとして示されています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、何から確認していけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に並べると、次のようになります。

自院で確認する順番
自院が医療観察法の指定を受けているか、指定通院医療機関・指定入院医療機関としての位置づけを確認する 対象者が精神保健指定医の診察により急性増悪等と判断され、集中的な精神医学管理を開始した日を確認する 急性増悪包括管理料2を検討する場合は、入院している病棟が施設基準で定める入院基本料等の区分に当たるか確認する 多職種チーム会議の設置・定期開催、保護観察所のケア会議への参加状況を確認する 主たる担当者(医師・看護師等・作業療法士・精神保健福祉士・公認心理師)の指定と、保護観察所等への連絡先提供の状況を確認する
みらい(新人医療事務)
こうやって順番に見ていくと、抜け漏れが減りそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に急性増悪包括管理料2は病棟の種類と体制面の両方が絡むので、一つずつ丁寧に確認していくのがおすすめです。
届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていたら、届出はどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に確認したい点です。当サイトが収録している一次資料の範囲では、届出関連の一覧のなかに「増悪管理」という項目名で急性増悪包括管理料2が挙げられていることは確認できますが、具体的な届出様式や受理番号までは、この記事の範囲では確認できていません。急性増悪包括管理料1についても、急性増悪包括管理料2のような個別の施設基準の記載は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出が必要かどうかも自分で確認したほうがいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。医療観察法上の指定医療機関としての指定手続きと、施設基準に関する届出の要否は、保護観察所や地方厚生局の窓口で確認するのが確実です。届出の有無を確認せずに算定候補と決めつけないようにしましょう。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定と比べて、何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
医療観察法の診療報酬は、令和8年3月31日付けで算定方法や施設基準に関する告示・通知が改めて示されています。ただし、急性増悪包括管理料そのものについて、前回改定(令和6年度)からの点数や施設基準の変更点を裏付ける一次資料は、当サイトが収録している範囲では確認されていません(確認日: 2026年8月)。
みらい(新人医療事務)
変更があったかどうかも分からない、ということですか?
あおい(元・医療事務)
はい。医療観察法の診療報酬体系は、通常の医科診療報酬とは別に管理されているため、当サイトの一次資料の収録が追いついていない可能性があります。前回改定との比較を正確に行うには、厚生労働省や地方厚生局が公開している医療観察法診療報酬改定の資料を直接確認していただくのが確実です。
改定差分の確認について
令和8年度の医療観察法の診療報酬改定に関する告示・通知は、令和8年3月31日付けで発出されています。急性増悪包括管理料の前回改定からの変更点の詳細は、当サイトの一次資料の範囲では未確認のため、最新の告示・通知を直接ご確認ください。
関連する医療観察法の加算・管理料
みらい(新人医療事務)
ほかにも医療観察法に関する加算や管理料があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。医療観察法の指定通院医療機関では、医療観察通院前期・中期加算のように通院段階に応じた加算や、医療観察持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料のような治療管理に関する管理料も定められています。急性増悪包括管理料と合わせて、自院がどの区分に該当するかを一つずつ確認していくとよいと思います。
みらい(新人医療事務)
一つずつ丁寧に見ていく必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
医療観察法の診療報酬は項目が細かく分かれているので、名称が似ていても対象や算定条件が異なることがあります。条文がどの加算・管理料について書かれているかを必ず確認しながら見ていくのがおすすめです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。医療観察法の指定状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。