みらい(新人医療事務)
「結核病棟入院期間加算」っていう項目を見つけたんですけど、これって結核病棟がある病院なら自動的にもらえる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
自動ではないんです。これは区分番号A102「結核病棟入院基本料」の注4で定められている加算で、結核病棟に入院している患者さんの入院期間の長さに応じて、1日につき所定点数に上乗せする仕組みです。まずは全体像から一緒に確認していきましょう。
結核病棟入院期間加算とは
みらい(新人医療事務)
「入院期間に応じて」ということは、長く入院するほど加算が増えるんですか?
あおい(元・医療事務)
逆です。入院期間が短いほど加算点数が高く、長期になるほど下がっていきます。厚生労働省の医科点数表では、A102結核病棟入院基本料の注4に「当該病棟の入院患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する」と定められていて、14日以内・15日以上30日以内・31日以上60日以内・61日以上90日以内の4つの期間区分に分かれています。
みらい(新人医療事務)
つまり、結核病棟入院基本料そのものの点数とは別に、期間に応じたプラスアルファがあるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。結核病棟入院基本料の基本点数(7対1、10対1など看護配置区分ごとの点数)に、この入院期間加算が1日につき上乗せされます。基本点数の区分は結核病棟入院基本料の記事で確認できますので、ここでは期間加算の部分に絞ってお伝えしますね。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
どんな病院の、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示のA102注1には「病院(特定機能病院を除く。)の結核病棟(医療法第7条第2項第3号に規定する結核病床に係る病棟として地方厚生局長等に届出のあったものをいう。)であって、看護配置、看護師比率その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者(第3節の特定入院料を算定する患者を除く。)」と定められています。特定機能病院の結核病棟は対象外で、そちらは別区分(A104特定機能病院入院基本料)の入院期間加算になります。
みらい(新人医療事務)
特定機能病院かどうかで区分が変わるんですね。ICUなどに入っている患者さんはどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示に「第3節の特定入院料を算定する患者を除く」とあるので、ICU等の特定入院料を算定している期間は、この入院期間加算の対象から外れると考えられます。病棟を移っている期間があれば、そこは対象外になっていないか確認が必要です。

点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表(A102結核病棟入院基本料 注4)では、次の4区分です。通常の結核病棟入院基本料の場合と、注2の特別入院基本料等を算定する場合とで、点数が分かれています。
| 入院期間の区分 | 加算点数(1日につき・通常) | 特別入院基本料等の場合 |
|---|---|---|
| 14日以内の期間 | 600点 | 500点 |
| 15日以上30日以内の期間 | 480点 | 400点 |
| 31日以上60日以内の期間 | 360点 | 300点 |
| 61日以上90日以内の期間 | 120点 | 告示本文に別段の記載は確認できていません |
みらい(新人医療事務)
91日以上入院した場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注4にはこの4区分までしか記載がなく、91日目以降のこの加算に関する記載は当サイトが確認できている範囲では見当たりません。91日以降の取り扱いは、留意事項通知や自院のレセプトコンピュータのマスター設定と突き合わせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
「特別入院基本料等の場合」というのは、どういうときに当てはまるんですか?
あおい(元・医療事務)
A102の注2には、注1の施設基準の一部に適合しなくなった結核病棟などについて、当分の間678点の特別入院基本料を算定できる旨の規定があります。こうした特別入院基本料等を算定している病棟の入院患者については、通常より低い点数(500点・400点・300点)が定められている、という位置づけです。自院がどちらに該当するかは、届出内容と直近の施設基準適合状況を照らし合わせて確認してください。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
この入院期間加算だけの、独立した届出があるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、独立した届出項目ではありません。告示のA102注1が定める「看護配置、看護師比率その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た」結核病棟であることが前提になっている加算候補です。つまり、結核病棟入院基本料そのものの施設基準・届出が土台になっています。
みらい(新人医療事務)
結核病棟入院基本料の届出さえ済んでいれば、自動的に対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
基本的な考え方はそのとおりですが、「届出済みであれば候補になる」という段階で捉えてください。看護配置・看護師比率などの詳細な施設基準要件、届出内容が現状と合っているか、直近の月平均夜勤時間等の実績が基準を満たし続けているかは、自院の届出台帳と厚生労働省の施設基準通知で確認が必要です。断定はできませんので、確認が必要な項目として扱ってくださいね。
算定にあたっての注意
この入院期間加算は、A102結核病棟入院基本料の施設基準に適合する病棟として届出済みであることが前提の加算候補です。特定入院料を算定する患者は対象外になる点、91日以降の取り扱いは告示本文に明記が見当たらない点にも注意してください。
算定のタイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
レセプトのタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
1日につき加算なので、入院何日目かによって区分が切り替わります。厚生労働省の留意事項通知(訂正通知反映後)では「『注4』の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則57に規定する起算日とする」とされています。起算日の具体的な数え方(転棟時の扱いなど)は通則の規定に基づくため、留意事項通知やレセプトコンピュータのマスター設定と突き合わせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
併算定できる加算はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
A102の注5には、地域医療支援病院入院診療加算や救急医療管理加算、診療録管理体制加算など、算定要件を満たせば別途算定できる入院基本料等加算が列挙されています。ただし、この入院期間加算そのものと個別の加算の組み合わせが可否を分けるケースもあるため、実際に算定する加算ごとに告示・留意事項通知で確認するのが確実です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定(令和6年度)から点数は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、前回改定(令和6年度)時点のこの区分の点数を示す公式資料を、当サイトが収録している一次資料の範囲では特定できていません。そのため、令和6年度からの変更は確認されていません、という段階にとどまります。ここでお伝えできるのは、令和8年度時点の点数(14日以内600点、15日以上30日以内480点、31日以上60日以内360点、61日以上90日以内120点、いずれも特別入院基本料等は別途定められた点数)が最新の告示に基づく値である、ということです。
みらい(新人医療事務)
変わったかどうかわからない、というのは正直で安心します。
あおい(元・医療事務)
憶測で「上がった」「下がった」と書いてしまうと、かえって混乱を招きますからね。前回改定時点の点数を確認したい場合は、令和6年度診療報酬改定の告示・点数表を直接確認することをおすすめします。
改定年度の混同に注意
この記事は令和8年度の点数・施設基準を前提にしています。令和6年度時点の資料と混ぜて参照すると、点数や区分の対応関係を誤る可能性があるため、年度をそろえて確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの病院で確認するとしたら、何から見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の4つのステップで確認していくとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 自院の結核病棟がA102結核病棟入院基本料の施設基準(注1)で届出済みかを確認する
- 通常の結核病棟入院基本料か、注2の特別入院基本料等に該当するかを確認する
- 対象患者が特定入院料を算定していないか、入院期間が4区分のどこに当たるかを確認する
- 該当区分の点数(600点・480点・360点・120点、またはそれぞれの特別入院基本料等の点数)で1日につき加算する候補になっているかをレセプトで確認する

みらい(新人医療事務)
「特別入院基本料等かどうか」の切り分けが最初のポイントになりそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。まずは自院の結核病棟がA102注1の施設基準に適合したまま届出が維持されているか、事務部門で確認するところから始めてみてください。
よくある取り漏れ
入院期間区分の切り替え漏れ
14日以内から15日以上30日以内、31日以上60日以内、61日以上90日以内へと区分が切り替わるタイミングを見落とし、古い区分のまま加算し続けてしまうケースが考えられます。日々の入院日数カウントとレセプトコンピュータのマスター設定を突き合わせて確認してください。
特定入院料算定期間の混在
同じ入院中でも、ICU等の特定入院料を算定している期間はこの加算の対象から除かれます。病棟間の転棟履歴を確認し、対象期間だけを正しく区分できているか点検することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や入院期間の実績を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。