みらい(新人医療事務)
「特定一般病棟入院期間加算」という名前を初めて見たんですけど、これって単独で届出をする加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、単独の届出をする加算ではないんです。これは、区分番号A317「特定一般病棟入院料」の「注2」に規定されている加算のことで、令和8年度の医科点数表では、特定一般病棟入院料を算定している病棟の入院患者について、入院期間に応じて1日につき所定点数に上乗せされる点数のことを指します。
みらい(新人医療事務)
入院期間に応じて自動的につく点数、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。「特定一般病棟入院期間加算」という名称の届出書式が別にあるわけではなく、特定一般病棟入院料(A317)を算定できる病棟であれば、入院日数に応じてこの期間加算が所定点数に加算される、という仕組みとして理解しておくとよいと思います。
特定一般病棟入院期間加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも「特定一般病棟」というのは、どういう病棟のことなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表の留意事項通知では、「特定一般病棟は、医療提供体制の確保の状況に鑑み、自己完結した医療を提供しているが、医療資源の少ない地域に所在する一般病棟が1病棟から成る保険医療機関の一般病棟であり、当該病棟に入院した患者について算定する」と説明されています。厚生労働大臣が定める地域に所在し、一般病棟が1病棟のみで構成される病院が対象になる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
一般病棟入院基本料とは別の枠組みなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特定一般病棟入院料(A317)は、一般病棟入院基本料とは別に区分が設けられている入院料です。そして、その入院料の「注2」で、入院患者の入院期間に応じた加算が定められています。当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年度の医科点数表にこの規定が明記されています。
みらい(新人医療事務)
具体的にどういう点数の仕組みなんですか?
あおい(元・医療事務)
入院してからの日数によって、1日につき次の点数が特定一般病棟入院料の所定点数に加算されます。詳しくは次のセクションで点数表を見ていきましょう。
まず押さえておきたいこと
特定一般病棟入院期間加算は、特定一般病棟入院料(区分番号A317)を算定する病棟に入院する患者について、入院期間に応じて自動的に加算される点数です。単独の届出様式はありません。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな病院の、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象は、特定一般病棟入院料(A317)を算定している病棟に入院している患者さんです。特定一般病棟入院料そのものは、厚生労働大臣が定める地域(医療資源の少ない地域)に所在し、一般病棟が1病棟のみで構成される病院である保険医療機関が対象になります。看護配置についても、特定一般病棟入院料1は常時13対1以上、特定一般病棟入院料2は常時15対1以上の看護配置であることが施設基準として定められています(いずれも夜勤を行う看護職員は2以上)。
みらい(新人医療事務)
つまり、まず「特定一般病棟入院料」を届け出ていることが前提になるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。特定一般病棟入院期間加算という個別の加算を単独で算定するわけではなく、特定一般病棟入院料を算定できる病棟であれば、その入院患者について入院期間に応じてこの期間加算が自動的に上乗せされる、という理解になります。
対象になりやすいケース
医療資源の少ない地域に所在し、一般病棟が1病棟のみで構成される病院で、特定一般病棟入院料1または2の届出を行っている病棟に、患者が入院している場合が対象候補です。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表、特定一般病棟入院料(A317)の「注2」には、「当該病棟の入院患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。イ 14日以内の期間 450点 ロ 15日以上30日以内の期間 192点」と規定されています。1日につきの点数で、特定一般病棟入院料の所定点数(特定一般病棟入院料1は1,275点、特定一般病棟入院料2は1,096点)に上乗せする形です。
| 入院期間 | 加算点数(1日につき) |
|---|---|
| 入院日から14日以内の期間 | 450点 |
| 15日以上30日以内の期間 | 192点 |

みらい(新人医療事務)
31日以上入院している患者さんには、この加算はつかないんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表の「注2」に規定されているのは、14日以内と15日以上30日以内の2区分のみです。31日以上の期間についてこの期間加算に関する規定は当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されておらず、特定一般病棟入院料の所定点数のみが算定される整理になると考えられます。個別の算定にあたっては、公式資料や審査支払機関で最終確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
入院期間はいつから数えるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「『注2』の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則7に規定する起算日とする」とされています。第2部通則で定められた入院期間の一般的な起算ルールに従って数える形です。転院・転棟があった場合など、起算日の扱いが個別に変わるケースもあるため、実務では医科点数表の通則部分もあわせて確認が必要です。
起算日の数え方に注意
「14日以内」「15日以上30日以内」の区切りは、第2部通則に規定される起算日を基準に数えます。転院・転棟等があった場合の起算日の扱いは、通則の規定に沿って個別に確認が必要です。
施設基準・届出の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
この期間加算そのものを算定するために、追加の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この期間加算自体について単独の届出様式は確認されていません。前提となる特定一般病棟入院料の施設基準に係る届出(様式9及び様式57の2)を行っていれば、入院日数に応じてこの期間加算の点数区分が適用される仕組みと理解できます。
みらい(新人医療事務)
特定一般病棟入院料自体の施設基準は、具体的にどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の通知では、「医療提供体制の確保の状況に鑑み、『基本診療料の施設基準等』別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関のうち、一般病棟が1病棟で構成される病院である保険医療機関であること」とされ、さらに特定一般病棟入院料1は「常時13対1以上の看護配置」、特定一般病棟入院料2は「常時15対1以上の看護配置」(いずれも通常の配置基準よりも手厚い配置)が求められています。
みらい(新人医療事務)
地域の要件も、看護配置の要件も両方確認しないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。「医療資源の少ない地域」に該当するかどうかは厚生労働大臣が定める地域(別表第六の二)に基づいて判断されるものなので、まず自院の所在地がその対象地域に含まれているかどうかを確認することが出発点になります。その上で、一般病棟が1病棟のみの病院であること、看護配置の基準を満たしていることを確認する流れになります。
届出が前提であることに注意
特定一般病棟入院期間加算は、特定一般病棟入院料の届出(様式9及び様式57の2)が前提です。届出済みであれば期間加算も候補になりますが、届出をしていない病棟では算定候補になりません。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算の対象になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 自院が「医療資源の少ない地域」(別表第六の二に掲げる地域)に所在しているか確認する
- 自院の一般病棟が1病棟のみで構成されているか確認する
- 特定一般病棟入院料1(13対1以上)または2(15対1以上)の看護配置基準を満たしているか確認する
- 特定一般病棟入院料の届出(様式9及び様式57の2)を行っているか確認する
- 対象患者について、第2部通則に規定される起算日から14日以内か15日以上30日以内かを確認する
- 不明点は審査支払機関または公式資料で確認する

みらい(新人医療事務)
一つずつ確認していけば、自分たちの病棟が対象かどうか整理できそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に「医療資源の少ない地域」に該当するかどうかは病院単位で決まっている前提条件なので、まずそこから確認するのが近道だと思います。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年度の医科点数表における特定一般病棟入院期間加算(14日以内450点、15日以上30日以内192点)について、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません(確認日: 2026-08)。
みらい(新人医療事務)
変更がない、ということもちゃんと確認できているのは安心ですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし、留意事項通知における起算日の根拠条文(第2部通則の号数)のように、加算そのものの点数や区分ではなく、点数表全体の条文番号の整理によって参照箇所の表記が変わることもあります。点数や算定要件自体に影響する変更ではありませんが、前提となる特定一般病棟入院料の施設基準や地域指定(別表第六の二)は改定のたびに見直される可能性があるため、最新の公式資料で確認しておくと安心です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある間違いってありますか?
あおい(元・医療事務)
多いのは、入院期間の起算日を勘違いして、14日以内か15日以上30日以内かの区分を誤って計算してしまうケースです。転院・転棟があった場合に、どの日を起算日とするかで区分が変わることがあるため、注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
特定一般病棟入院料の届出をしていないのに、期間加算だけ算定してしまう、みたいなこともありそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。この期間加算は特定一般病棟入院料の届出が前提となる仕組みなので、そもそも特定一般病棟入院料の施設基準(地域・病棟構成・看護配置)を満たし、届出が済んでいるかどうかを先に確認しておく必要があります。届出をしていない病棟では、この期間加算も算定候補にはなりません。
混同しやすいポイント
特定一般病棟入院料には、この入院期間加算(注2)のほかに、地域包括ケア入院医療管理に関する点数(注7)など、別の仕組みの加算も規定されています。名称が似ている別の点数区分と混同しないよう、区分番号と条文の注番号を確認することが大切です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や病棟の体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あわせて、特定一般病棟入院料そのものについては特定一般病棟入院料のページ、一般病棟入院基本料の入院期間加算との違いが気になる方は一般病棟入院期間加算のページも参考にしてみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。