みらい(新人医療事務)
先輩、小児科と連携している在宅療養の患者さんのカルテに「在宅小児経管栄養法指導管理料」という記載を見つけたんですが、これって普段見る「在宅成分栄養経管栄養法指導管理料」と何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。どちらも経管栄養(口から食べられない患者さんに、チューブなどを使って栄養を摂ってもらう方法)に関する在宅療養指導管理料ですが、対象になる患者さんの年齢や状態が違います。今日はこの「在宅小児経管栄養法指導管理料」(区分番号C105-2)について、令和8年度(2026年度)の内容を一緒に確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
お願いします! まず、そもそもどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅小児経管栄養法指導管理料は、在宅で小児経管栄養法を行っている患者さんに対して、医師が指導管理を行った場合に算定候補になる管理料です。厚生労働省の告示(診療報酬の算定方法の一部を改正する件・令和8年厚生労働省告示第69号)の区分番号C105-2に定められています。
対象患者はどう決まっている?
みらい(新人医療事務)
「小児」という名前がついていますが、年齢の上限とかはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが一番間違えやすいポイントです。告示の留意事項通知(診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について・令和8年3月5日保医発0305第6号)では、対象となる在宅小児経管栄養法をこう定義しています。
在宅小児経管栄養法の定義(留意事項通知より)
諸種の原因によって経口摂取が著しく困難な15歳未満の患者、または15歳以上の患者であって経口摂取が著しく困難である状態が15歳未満から継続しているもの(体重が20キログラム未満である場合に限る。)について、在宅での療養を行っている患者自らが実施する栄養法をいう。
みらい(新人医療事務)
なるほど、単純に「15歳未満」だけじゃなくて、15歳以上でも体重20キログラム未満で状態が継続していれば対象になり得るんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。さらに留意事項通知には、対象患者の考え方についてもう一段具体的な記載があります。
対象患者の考え方(留意事項通知より)
対象となる患者は、原因疾患の如何にかかわらず、在宅小児経管栄養法以外に栄養の維持が困難な者で、当該療法を行うことが必要であると医師が認めた者とする。
みらい(新人医療事務)
「原因疾患を問わない」というのは意外でした。特定の病名がないとダメだと思っていました。
あおい(元・医療事務)
病名ではなく「経口摂取が著しく困難で、経管栄養以外に維持が難しい状態にあるか」「医師がその療法を必要と判断しているか」という状態基準で見る点がポイントです。ここは診療録での確認が必要になりますね。
点数はどうなっている?
みらい(新人医療事務)
肝心の点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示に定められた点数はこちらです。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定頻度 |
|---|---|---|---|
| C105-2 | 在宅小児経管栄養法指導管理料 | 1,050点 | 月1回 |
あおい(元・医療事務)
告示の条文はこう書かれています。
告示 条文(区分番号C105-2)
在宅小児経管栄養法を行っている入院中の患者以外の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)に対して、在宅小児経管栄養法に関する指導管理を行った場合に算定する。
みらい(新人医療事務)
「月1回」というのはどこに書いてあるんですか?
あおい(元・医療事務)
個別の区分ではなく、C章「在宅療養指導管理料」の第1款全体にかかる通則に書かれています。ここが在宅系の加算を見るときに一番見落としやすいところなので、次で詳しく見ていきましょう。
算定タイミングと併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
通則というのは、この加算だけじゃなくて他の在宅療養指導管理料にも共通するルールってことですか?
あおい(元・医療事務)
その通りです。告示の第1款通則には、こう定められています。
在宅療養指導管理料 第1款 通則1・2(告示より)
1 本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料は、特に規定する場合を除き、月1回に限り算定し、同一の患者に対して1月以内に指導管理を2回以上行った場合においては、第1回の指導管理を行ったときに算定する。 2 同一の患者に対して、本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料に規定する在宅療養指導管理のうち2以上の指導管理を行っている場合は、主たる指導管理の所定点数のみにより算定する。
みらい(新人医療事務)
つまり、同じ患者さんに複数の在宅療養指導管理を同時に行っていても、原則として一番中心的な指導管理料しか算定候補にならない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。ただし通則3には例外もあって、在宅療養支援診療所・病院からの紹介を受けた医療機関が異なる指導管理を行った場合など、限定的な条件のもとで組み合わせて算定できるケースが列挙されています。その中には「C105-2に規定する指導管理とC105-3に規定する指導管理」「C105-2に規定する指導管理とC109に規定する指導管理」の組み合わせも含まれています。ただしこれはかなり限定的な紹介関係の条件付きなので、該当しそうな場合は個別に条文を確認してください。
みらい(新人医療事務)
あと、「J120鼻腔栄養」との関係も気になります。似たような処置な気がして。
あおい(元・医療事務)
良い着眼点です。留意事項通知にはっきり書かれています。
J120鼻腔栄養との関係(留意事項通知より)
在宅小児経管栄養法指導管理料を算定している患者(入院中の患者を除く。)については、「J120」鼻腔栄養の費用は算定できない。
みらい(新人医療事務)
つまり、在宅小児経管栄養法指導管理料を算定している月に、同じ患者さんについて鼻腔栄養の点数を別に足すことはできない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そういうことです。レセプト上でこの併算定を見落とすと査定の対象になり得るので、必ずチェックしておきたいポイントです。
届出は必要? 施設基準はある?
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たして届出をしないと算定できない加算も多いですが、これはどうなんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した告示・留意事項通知の範囲では、在宅小児経管栄養法指導管理料について施設基準の届出を求める記載は見当たりません。ただし、これは当サイトが収集している一次資料の範囲での確認結果であり、実際の届出要否は地方厚生局への確認が必要な事項です。また、これはあくまで「この管理料本体」の話です。関連する加算(例えば栄養管セットに関する加算など)を追加で算定する場合は、その加算ごとに別の要件が定められていることがあるので、組み合わせて算定を検討する際は加算ごとに個別確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
届出を求める記載が見当たらないからといって、何も確認しなくていいわけじゃないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。仮に届出が不要な整理だったとしても、対象患者の状態や医師の判断、診療録への記載といった「算定の実態」は自院で確認できる状態にしておくことが大切です。届出要否そのものについても、判断に迷う場合は地方厚生局に確認しておくと安心です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収集している一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、在宅小児経管栄養法指導管理料そのものの点数・対象患者の定義・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません(2026年7月確認時点)。今回ご紹介した1,050点、対象患者の定義、J120鼻腔栄養との併算定不可の扱いは、令和8年度の告示・留意事項通知に基づく現行の内容です。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」ということも、ちゃんと確認したうえで言えるのが大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。点数が同じでも、対象患者の要件や施設基準が改定で変わっていることもあるので、「点数が同じだから中身も同じ」と決めつけず、毎回条文を確認する姿勢が大切です。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院でこの管理料の算定候補になるか確認するには、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくのがおすすめです。
自院で確認する順番
- 対象患者かどうか(15歳未満、または15歳以上で15歳未満から状態が継続し体重20キログラム未満)を診療録で確認する
- 経口摂取が著しく困難で、在宅小児経管栄養法以外に栄養の維持が困難な状態であることを医師が認めているか確認する
- 患者が入院中でなく、在宅での指導管理であることを確認する
- 同じ月にJ120鼻腔栄養など併算定できない項目を算定していないか確認する
- 同一月内に他の在宅療養指導管理料を複数算定していないか(通則1・2)確認する
- ここまで確認できれば算定候補として整理し、最終的な可否は自院の記録と公式資料で確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
- 「小児」という名称から年齢だけで判断してしまい、15歳以上でも状態が継続していて体重20キログラム未満なら対象になり得ることを見落とす
- 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料(区分番号C105)や在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料(区分番号C105-3)と混同し、患者さんが実施している栄養法の種類を確認せずに記載してしまう
- J120鼻腔栄養との併算定不可を見落とし、同月に両方を計上してしまう
- 一次資料に届出を求める記載が見当たらないことだけで安心し、対象患者の状態や医師の判断根拠を診療録に残していない
みらい(新人医療事務)
名前が似ている加算が多いので、患者さんが実際に受けている栄養法を確認するところから始めないといけないですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。関連する在宅医療の管理料としては、在宅時医学総合管理料のように在宅療養を行う患者さんに広く関わる管理料もあります。あわせて自院の在宅診療の体制を整理しておくと確認がスムーズになります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
では対話形式でいくつか確認しましょう。
みらい(新人医療事務)
病院でも算定候補になりますか? 診療所限定の加算もあると聞いたので。
あおい(元・医療事務)
在宅小児経管栄養法指導管理料は診療所・病院のどちらでも対象になり得ます。告示上、医療機関の種別を限定する記載はありません。
みらい(新人医療事務)
在宅成分栄養経管栄養法指導管理料(C105)と同時に算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
通則2により、同一の患者に対して複数の在宅療養指導管理を行っている場合は、主たる指導管理の所定点数のみで算定するのが原則です。在宅療養支援診療所・病院からの紹介を受けた場合など限定的な例外はありますが、通常は患者さんが実施している栄養法に応じてどちらか一方を選ぶ形になります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は将来的にも不要のままですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、届出を求める記載は見当たりません。ただし改定のたびに要件が見直される可能性があるため、実際の届出要否は地方厚生局にご確認いただき、年度が変わるタイミングでは必ず最新の公式資料もあわせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
この加算を算定する際、記録として残しておくべきことは何ですか?
あおい(元・医療事務)
対象患者の状態(経口摂取が著しく困難であること、体重要件を満たすかどうか)、医師が在宅小児経管栄養法を必要と認めた判断根拠、実際に行った指導管理の内容を診療録に記録しておくことが望ましいです。届出を求める記載が見当たらない整理だからこそ、算定根拠を自院の記録で説明できるようにしておくことが重要になります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の状態や算定タイミングを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚生労働省の公式資料を根拠としています。詳細な要件は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚生労働省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号・医科点数表) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号・0619訂正後) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
- 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号・0619訂正後) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713893.pdf
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の診療内容・診療録の記録・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。