みらい(新人医療事務)
訪問診療をしている患者さんで、鼻から管を入れて栄養剤を注入している方がいるんです。ご家族が在宅で管理しているんですが、これって指導管理料の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
それはおそらく「在宅成分栄養経管栄養法」に当たるケースですね。区分C105「在宅成分栄養経管栄養法指導管理料」の算定候補になります。令和8年度(2026年度)時点で2,500点、診療所・病院どちらでも届出なしで算定候補になる管理料ですよ。
みらい(新人医療事務)
届出不要なんですね。うちの姉妹加算の「在宅中心静脈栄養法指導管理料」と名前が似ていて、いつも混乱してしまいます。
あおい(元・医療事務)
大事なポイントです。区分C104「在宅中心静脈栄養法指導管理料」は点滴(中心静脈カテーテル)から栄養を入れる方法、区分C105はチューブ(経管)から栄養剤を注入する方法で、対象となる栄養法がまったく違います。この記事ではC105について、公式資料をもとに整理していきますね。
在宅成分栄養経管栄養法指導管理料(C105)とは
みらい(新人医療事務)
そもそも「成分栄養経管栄養法」ってどんな治療法なんですか?
あおい(元・医療事務)
消化管は使えるけれど口から十分な栄養が摂れない患者さんに対して、胃ろうや経鼻胃管などのチューブを通じて、消化・吸収されやすい形の栄養剤(成分栄養剤・消化態栄養剤など)を注入する栄養療法です。それを在宅で行っている患者さんに、指導管理を行った場合の点数がC105です。
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、C105は区分が分かれておらず、1区分のみです。

| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料(C105) | 2,500点 |
あおい(元・医療事務)
(出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 区分C105)
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件は、どう書かれているんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注に「在宅で当該療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、当該療法に関する指導管理を行った場合に算定する」と規定されています。つまり、①在宅で成分栄養経管栄養法を実施中で、②入院中でない患者さんが対象、という2条件です。
算定要件・施設基準・届出の確認
みらい(新人医療事務)
届出が必要ないって、本当ですか?施設基準とかもないんですか?
あおい(元・医療事務)
告示のC105本体には施設基準の記載がありません。この記載がないことから、地方厚生局への届出は不要という整理になります。当サイトが収録している一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号)の範囲では、施設基準・届出に関する規定は確認されていません。
届出不要でも自院での確認は必要
告示上は施設基準の記載がなく届出不要という整理ですが、実際に算定候補となるかは、対象患者の状態(入院中でないか、在宅で当該療法を実施しているか)や診療内容によって変わります。最終的な算定可否は自院の診療録・公式資料・審査支払機関で確認してください。
みらい(新人医療事務)
対象患者の要件は、もう少し具体的にはどう考えればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
告示の文言は「在宅で当該療法を行っている入院中の患者以外の患者」というシンプルな規定です。年齢や疾患名での限定はなく、在宅で成分栄養経管栄養法を実施していて、かつ算定日に入院中でないことが条件になります。なお、対象が小児(別に厚生労働大臣が定める者に限る)に限定されている「在宅小児経管栄養法指導管理料(区分C105-2)」や、最初の算定日から1年を限度とする「在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料(区分C105-3)」は、C105とは別区分です。実施している栄養法の種類によって、どの区分に該当するかが変わる点に注意してください。
算定タイミング・回数の確認
みらい(新人医療事務)
月に何回算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料の通則(告示 第1款通則1)に「本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料は、特に規定する場合を除き、月1回に限り算定し、同一の患者に対して1月以内に指導管理を2回以上行った場合においては、第1回の指導管理を行ったときに算定する」と規定されています。C105もこの通則が適用されるため、月1回が基本です。
みらい(新人医療事務)
入院してから退院する患者さんに、退院時に指導した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
通則4に「入院中の患者に対して退院時に本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料を算定すべき指導管理を行った場合においては、各区分の規定にかかわらず、当該退院の日に所定点数を算定できる」と規定されています。退院日に指導管理を行った場合は、その日に算定候補になります。ただし、退院した月内に行った指導管理の費用は別途算定できない旨も同じ通則に定められています。
C105 算定タイミングの整理
- 在宅成分栄養経管栄養法の指導管理を行った月に1回、算定候補
- 同一月に複数回指導した場合は、最初の指導管理を行ったときのみ算定候補
- 退院時に指導管理を行った場合は、退院の日に算定候補(告示 第1款通則4)。退院した月内の指導管理費用は別途算定不可
C104(在宅中心静脈栄養法指導管理料)との違いと併算定の注意
みらい(新人医療事務)
さっき話していたC104との違い、もう一度整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。栄養を投与する経路が違います。
C104とC105の違い
C104 在宅中心静脈栄養法指導管理料: 中心静脈カテーテルから輸液(高カロリー輸液等)を投与する方法に対する指導管理料です。
C105 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料: 胃ろう・経鼻胃管などのチューブから消化管を通じて栄養剤を注入する方法に対する指導管理料です。
投与経路(血管内か消化管内か)がまったく異なるため、対象となる患者さんの状態・使用する材料も別物です。
みらい(新人医療事務)
同じ患者さんが、月の途中でC104からC105の栄養法に切り替わることもありますよね。その場合、両方算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要な点です。在宅療養指導管理料の通則3には、在宅療養支援診療所等からの紹介を受けた保険医療機関が異なる指導管理を行う場合などに、それぞれの保険医療機関で算定候補になる例外規定があります。ただし告示の通則3には、この例外の対象から除く組み合わせが列挙されていて、そこに「C104に規定する指導管理とC105に規定する指導管理」の組み合わせが明記されています。
C104とC105の組み合わせは通則3の例外対象外
告示の通則3(例外規定)は「…(C104に規定する指導管理とC105に規定する指導管理、C104に規定する指導管理とC105-2に規定する指導管理、C105に規定する指導管理とC105-2に規定する指導管理…の組合せを除く。)」と規定しており、C104とC105の組み合わせは、紹介等の例外規定の対象から明示的に除かれています。同一患者に対して同一月にC104とC105を2以上の指導管理として行った場合は、通則2の原則どおり「主たる指導管理の所定点数のみ」により算定される整理になります。詳細な運用は審査支払機関への確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、栄養法を切り替えた月は注意ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。あわせて、同一患者にC105とC105-2(小児経管栄養法)の組み合わせも同様に通則3の例外対象から除かれています。複数の在宅療養指導管理を検討する月は、通則2・通則3の該当有無を確認する習慣をつけておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまでの内容を、確認する順番として整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
自院で確認する順番をまとめます。
自院で確認する順番
- 対象患者の確認: 在宅で成分栄養経管栄養法を実施中で、入院中でない患者か
- 栄養法の区分確認: 経管栄養か中心静脈栄養(C104)か、小児対象(C105-2)や半固形栄養(C105-3)に該当しないか
- 届出の確認: C105本体は施設基準の記載なし・届出不要(当サイト収録資料の範囲)
- 算定タイミングの確認: 月1回(同一月複数回指導は第1回のみ)、退院日の特例の有無
- 他の在宅療養指導管理料との重複確認: 同一月にC104等の指導管理を行っていないか(通則2・通則3の例外除外を確認)
- 診療録への記録: 指導管理の内容・実施日を診療録に記録

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
今回(令和8年度)の改定で、C105に変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次情報(令和8年厚生労働省告示第69号)の範囲で確認したところ、C105の点数(2,500点)・算定要件の記載に変更は確認されていません(2026年6月・厚労省告示第69号ベース)。
令和8年度改定 C105の変更点
- 点数(2,500点): 変更は確認されていません(一次資料確認の範囲)
- 算定要件(対象患者の規定): 変更は確認されていません
- 施設基準・届出: 引き続き記載なし(届出不要の整理に変更は確認されていません)
なお、改定全体の詳細は厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要」(個別改定項目)でご確認いただくことをおすすめします。前回改定(令和6年度)からの経年変化を含め、点数以外の運用上の取り扱いについては審査支払機関への確認が安全です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で取り漏れが起きやすいポイントを教えてください。
あおい(元・医療事務)
よくあるパターンを3つ紹介します。
よくある取り漏れ
取り漏れ1: C104との混同: 「在宅で栄養法をやっている」という情報だけでC104・C105のどちらかを機械的に選んでしまうケースがあります。投与経路(血管内か消化管内か)を診療録で確認してから区分を判断してください。
取り漏れ2: 小児・半固形栄養との区分違い: 小児患者や半固形化した栄養剤を使用している患者は、C105ではなくC105-2・C105-3に該当する可能性があります。使用している栄養剤の形状・年齢要件を確認してください。
取り漏れ3: 同一月の重複指導の算定漏れ確認: 同一月に複数回の指導管理を行っても、算定できるのは第1回目のみです。逆に、退院日に指導管理を行った場合の特例(通則4)を見落として算定漏れになるケースもあります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれる質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
現場でよく出る質問です。
みらい(新人医療事務)
C105は施設基準の届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
告示のC105本体には施設基準の記載がなく、当サイトが収録している資料の範囲では地方厚生局への届出は不要という整理です。ただし、実際の算定可否は自院の診療内容と最新の公式資料で確認してください。
みらい(新人医療事務)
同じ患者さんに、C104とC105を同じ月に両方算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示の通則3(紹介等による例外規定)には、「C104に規定する指導管理とC105に規定する指導管理」の組み合わせが例外の対象外として明記されています。同一保険医療機関内で同一月に2以上の在宅療養指導管理を行った場合は、通則2の原則どおり主たる指導管理の所定点数のみで算定される整理になります。詳しい運用は審査支払機関に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
小児の経管栄養患者にはC105を算定してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
告示上、小児を対象とした在宅経管栄養法には別区分「在宅小児経管栄養法指導管理料(C105-2、1,050点)」があり、対象は「別に厚生労働大臣が定める者に限る」とされています。該当する小児患者には、C105ではなくC105-2が算定候補になるかどうかの確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
半固形栄養剤を使っている患者さんはC105のままでいいですか?
あおい(元・医療事務)
半固形化した栄養剤を用いる在宅経管栄養法には「在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料(C105-3、2,500点)」という別区分があり、最初に算定した日から起算して1年を限度とする規定があります。使用している栄養剤の形状によって、C105かC105-3のどちらに該当するかが変わる可能性があるため、確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
月の途中で入院した場合、その月のC105はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
通則の対象は「入院中の患者以外の患者」です。入院中は在宅療養指導管理料の対象外という整理になります。ただし、退院時に指導管理を行った場合は、通則4の規定により退院の日に算定候補になり、退院した月内に行った指導管理の費用は別途算定できません。詳しい取り扱いは自院の診療内容に応じて確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する在宅酸素療法指導管理料や在宅自己注射指導管理料などほかの在宅療養指導管理料もあわせて確認しておくと安心です。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。