みらい(新人医療事務)
院長から「仙骨神経刺激療法の患者さんが来るから、指導管理料を確認しておいて」と言われたんですけど、「在宅仙骨神経刺激療法指導管理料」って初めて聞きました。どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表にある区分C110-4ですね。便失禁や過活動膀胱のコントロールのために植込型仙骨神経刺激装置を植え込んだ後、患者さんが在宅で自分自身の管理を行っている場合に、その指導管理を評価する加算です。届出や施設基準の規定が見当たらない、在宅療養指導管理料の中では珍しいタイプの区分です。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないんですか? 在宅の指導管理料っていつも届出が必要なイメージでした。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)を確認しても、この区分には施設基準の規定がありません。ただし「規定が見当たらない=すべての医療機関で自動的に算定候補になる」という意味ではないので、対象患者の要件や記録要件は別途しっかり確認する必要がありますよ。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注書きにこう書かれています。
対象患者(告示 注)
「便失禁又は過活動膀胱に対するコントロールのため植込型仙骨神経刺激装置を植え込んだ後に、患者の同意を得て、在宅において、自己による便失禁管理又は過活動膀胱管理を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅便失禁管理又は在宅過活動膀胱管理に関する指導管理を行った場合に算定する。」(診療報酬の算定方法の一部を改正する件・令和8年厚生労働省告示第69号)
みらい(新人医療事務)
つまり、手術(植込み)が先にあって、その後の在宅管理を評価する加算ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。植込み手術そのものはK190-6(仙骨神経刺激装置植込術)やK190-7(仙骨神経刺激装置交換術)という別区分で評価されます。この加算はあくまで、植込み済みの患者さんに対する「植込み後の在宅指導管理」の部分だけを評価するものです。手術側の算定要件(保存的療法が無効な患者であることなど)は別に確認が必要で、この記事の対象外になります。
点数
みらい(新人医療事務)
点数はいくらですか?
あおい(元・医療事務)
810点です。年度と点数の対応をテーブルにまとめますね。
| 区分 | 名称 | 点数 | 年度 |
|---|---|---|---|
| C110-4 | 在宅仙骨神経刺激療法指導管理料 | 810点 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
加算とか、追加でつく点数はないんですか? 前に見た在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料(C110-3)には導入期加算があったと思うんですが。
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。当サイトが確認した公式資料の範囲では、C110-4には導入期加算のような注書きは見当たりませんでした。C110-3と同じ「在宅で植込型刺激装置を管理する」タイプの加算でも、区分ごとに注書きの内容が異なるので、隣の区分の情報をそのまま当てはめないよう注意が必要です。

算定要件(指導管理の中身)
みらい(新人医療事務)
実際にどんな指導管理をすれば算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(保医発)に3つのポイントが示されています。
算定要件(留意事項通知)
「(1) 在宅仙骨神経刺激療法指導管理料は、植込型仙骨神経刺激装置を植え込んだ後に、在宅において、患者自らが送信器等を用いて治療を実施する場合に、診察とともに治療効果を踏まえ、装置の状態について確認・調節等を行った上で、当該治療に係る指導管理を行った場合に算定する。」 「(2) プログラムの変更に係る費用は所定点数に含まれる。」 「(3) 計測した指標と指導内容を診療録に添付又は記載すること。」 (診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について)
みらい(新人医療事務)
診察と指導管理をセットでやって、記録も残す、という感じですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特に(3)の「計測した指標と指導内容を診療録に添付又は記載する」は、後から届出内容や算定根拠を確認されたときに大事な記録になります。診療録への記載・添付を運用として決めておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
プログラムの変更費用は別に請求できないんですか?
あおい(元・医療事務)
できません。(2)にあるとおり、プログラムの変更にかかる費用は810点の所定点数に含まれています。別途請求すると重複算定になってしまうので、ここは要注意ポイントです。
算定タイミング・回数制限
みらい(新人医療事務)
月に何回まで算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
ここは少し丁寧に確認する必要があります。C110-4自体の告示条文には、回数制限の記載はありません。回数の原則は、在宅療養指導管理料の「第1款 通則」という共通ルールに定められています。
回数制限は在宅療養指導管理料の通則から(C110-4固有の条文ではありません)
「第1款 在宅療養指導管理料 通則 1 本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料は、特に規定する場合を除き、月1回に限り算定し、同一の患者に対して1月以内に指導管理を2回以上行った場合においては、第1回の指導管理を行ったときに算定する。」(医科点数表 在宅医療 第2節第1款 在宅療養指導管理料 通則・令和8年厚生労働省告示第69号)
C110-4の区分そのものに「月1回」と書かれているわけではなく、在宅療養指導管理料に共通する通則から導かれる原則です。個別の除外規定が無いか、自院で最新の告示・通知を確認してください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、区分ごとの条文と、全体の通則、両方を見る必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。点数と対象患者はC110-4固有の告示条文、回数の原則は通則、というふうに出典が分かれていることを意識しておくと、確認漏れが減りますよ。
届出・施設基準
みらい(新人医療事務)
届出はどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、この区分は届出・施設基準ともに「不要」として扱っています。実際に確認した留意事項通知(保医発)にも、C110-4について施設基準に関する規定は見当たりませんでした。
届出不要の記載でも自院の最終確認は必須
資料の範囲で施設基準・届出の規定が見当たらないというだけで、将来の改定や個別の疑義解釈で条件が追加される可能性はゼロではありません。「届出不要=無条件で算定できる」と決めつけず、算定前に自院の地方厚生局への確認や最新の告示・通知の確認をおすすめします。
改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した公式資料の範囲では、令和6年度からの点数・算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
変更がないなら、逆に安心して確認していい感じですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし「変更が確認されていません」は当サイトが確認した資料の範囲での話です。院内で過去に算定実績がある場合も、最新の告示・通知と突き合わせておくと安全です。
前回→今回の時系列
令和6年度改定: C110-4は既存区分として存在(点数・要件の変更は当サイトの確認範囲では見当たらず) 令和8年度改定: 点数810点・算定要件は同様の内容で継続(当サイトの確認範囲)
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちで算定候補になるか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で見ていくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 対象患者が植込型仙骨神経刺激装置を植え込み済みで、在宅で自己による便失禁管理・過活動膀胱管理を行っているか確認する
- 患者本人の同意が得られているか確認する
- 診察とあわせて、装置の状態確認・調節等を伴う指導管理を実施しているか確認する
- 計測した指標と指導内容を診療録に記載又は添付する運用になっているか確認する
- 同一月内にすでに算定済みでないか(通則の月1回原則)を確認する
- 上記が整理できたら算定候補として院内で最終確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れしやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ・誤り
植込術と指導管理料の混同: K190-6・K190-7(植込み・交換術)とC110-4(在宅の指導管理料)は別区分です。手術した月に指導管理も行った場合の算定関係は自院で個別に確認してください。 診療録記載の抜け: 計測した指標や指導内容を診療録に記載・添付していないと、算定根拠の確認時に困ることがあります。 同月内の重複算定確認漏れ: 通則により、同一月に複数回の指導管理を行っても算定は原則1回です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
この加算について、よく聞かれる質問はありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか整理しておきますね。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は絶対に不要と考えていいですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した資料の範囲では届出・施設基準の規定は見当たりませんが、断定はできません。念のため自院の地方厚生局や最新の告示・通知で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者には算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注書きに「入院中の患者以外の患者」と明記されているので、入院中は対象外になります。在宅で自己管理を行っている患者さんが対象です。
みらい(新人医療事務)
プログラムの変更のためだけに受診した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「診察とともに治療効果を踏まえ、装置の状態について確認・調節等を行った上で、当該治療に係る指導管理を行った場合」に算定するとされています。プログラム変更のみで指導管理の実態が伴わない場合の扱いは、自院で個別に確認が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する在宅指導管理料としては 在宅寝たきり患者処置指導管理料 や、排尿管理に関わる 排尿自立支援加算 もあわせて確認しておくと理解が深まります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。