在宅舌下神経電気刺激療法指導管理料とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「在宅舌下神経電気刺激療法指導管理料」って初めて聞く名前なんですけど、どういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の診療報酬に区分番号C110-5として設けられている在宅療養指導管理料のひとつです。舌下神経電気刺激装置という機器をすでに植え込んだ患者さんが在宅で治療を続けるにあたって、医療機関が指導管理を行った場合に算定する点数です。
みらい(新人医療事務)
「舌下神経電気刺激装置」というのは、そもそもどんな機器なんですか?
あおい(元・医療事務)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の患者さんに対して外科的に植え込む治療機器です。植込みの手術自体は区分番号K190-8「舌下神経電気刺激装置植込術」という別の点数(28,030点)で評価されていて、C110-5はその手術の後、在宅で機器を使い続ける患者さんへの指導管理を評価するものです。手術と在宅管理は別々の点数として整理されている点に注意してください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、手術した後のフォローアップという位置づけなんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。厚生労働省の告示には「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、在宅において舌下神経電気刺激療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅舌下神経電気刺激療法に関する指導管理を行った場合に算定する。」と規定されています。まずはこの一文が算定候補の出発点になります。
対象医療機関・対象患者の確認
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関と患者さんの条件を整理したいです。
あおい(元・医療事務)
医療機関側の条件は「施設基準を満たす保険医療機関」であることです。診療所・病院のどちらも対象になり得ますが、入院患者は対象外で、在宅で療養している患者に限られます。当サイトが収集した情報の整理でも、対象は診療所・病院・在宅とされています。
みらい(新人医療事務)
患者さん側の条件はどうですか?
あおい(元・医療事務)
対象患者は「舌下神経電気刺激装置を植え込んだ閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者であって、入院中の患者以外のもの」です。留意事項通知にも「在宅舌下神経電気刺激療法指導管理料は、舌下神経電気刺激装置を植え込んだ閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者に対し、診察とともに使用状況・治療効果を踏まえ、装置の状態について確認・調整等を行った上で、当該治療に係る指導管理を行った場合に算定する。」と記載があります。つまり、単に装置を入れているだけでなく、実際の診察の中で使用状況や治療効果を踏まえた確認・調整まで行って初めて算定候補になるという点がポイントです。
みらい(新人医療事務)
「確認・調整」って具体的に何をするんですか?
あおい(元・医療事務)
装置の作動状況の確認やプログラムの調整などが想定されます。留意事項通知では「プログラムの変更に係る費用は所定点数に含まれる」とも明記されているので、プログラム変更自体を別立てで請求することはできません。
点数・算定コードの確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらになるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点で810点です。関連する処置・加算とあわせて表にまとめました。
| 区分番号 | 名称 | 点数(令和8年度) | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| C110-5 | 在宅舌下神経電気刺激療法指導管理料 | 810点 | 植込み後の在宅指導管理(本加算) |
| K190-8 | 舌下神経電気刺激装置植込術 | 28,030点 | 装置を植え込む手術そのもの |
| C107-2 | 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 | 240点〜2,250点(区分1・2等) | 同じくOSAの在宅治療だが、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を用いる場合の指導管理料 |

みらい(新人医療事務)
同じOSAの治療でも、CPAP(C107-2)と舌下神経電気刺激療法(C110-5)で点数がだいぶ違うんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。CPAPは非侵襲的な治療で使用する機器の区分によって点数が細かく分かれていますが、舌下神経電気刺激療法は植込み手術を伴う治療のため、在宅指導管理の点数もCPAPとは別建てで単一の810点として設定されています。どちらの治療を受けている患者さんかによって、算定すべき指導管理料が変わる点に注意してください。
施設基準はどう確認すればいいですか?
みらい(新人医療事務)
「施設基準を満たす保険医療機関」とありましたが、具体的にはどんな基準なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文では「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関」とだけ規定されており、当サイトが収集した資料の範囲では、施設基準の個別の項目(人員配置や研修要件など)までは確認できていません。関連する植込み手術(K190-8)の施設基準については、疑義解釈で「舌下神経電気刺激装備適正使用指針」(日本循環器学会・日本耳鼻咽喉科学会・日本呼吸器学会・日本睡眠学会)への準拠が求められることが示されていますが、これは手術側の施設基準の話であり、C110-5自体の施設基準の詳細とは別に確認が必要です。
施設基準の確認で押さえておきたいポイント
① 告示本文の確認: C110-5の注に定められた「別に厚生労働大臣が定める施設基準」の該当告示を確認する ② 関連する手術の実施体制: K190-8(舌下神経電気刺激装置植込術)を実施する医療機関との連携体制も含めて確認する ③ 地方厚生局への確認: 詳細な人員・設備要件は、地方厚生局が公開する施設基準の届出様式・通知で最終確認する
みらい(新人医療事務)
自院だけで判断するのは難しそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に施設基準の充足可否は医療機関ごとの体制によって変わりますので、当サイトの整理だけで「満たしている/満たしていない」と判断することはできません。必ず地方厚生局への確認や公式資料の該当箇所での照合をお願いします。
届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
施設基準があるということは、届出も必要なんですよね?
あおい(元・医療事務)
ここは慎重に確認したいポイントです。告示C110-5の注には「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において」とあるだけで、他の届出が必要な加算でよく見られる「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」という表現は見当たりません。ただし、これは当サイトが収集した資料の範囲でその文言が確認できていないというだけであり、そこから届出が不要だと断定することはできません。
みらい(新人医療事務)
文言が無いからといって、すぐに「届出はいらない」とは言えないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。告示以外にも施設基準に関する告示・通知・届出様式が別途定められている可能性がありますので、届出の要否は必ず地方厚生局の最新の通知・届出様式一覧で確認していただく必要があります。当サイトの整理では、この点は「要確認」として扱っています。
届出の要否は地方厚生局の最新情報で確認を
告示の条文だけでは届出の要否を断定できません。「届出に関する記載が見当たらないから不要」と自己判断せず、地方厚生局の最新の通知・届出様式一覧で必ず確認し、あわせて施設基準の充足状況も自院で継続的に確認・記録しておくことが求められます。
算定要件・注意点を確認しましょう
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけることを教えてください。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に基づくと、大きく2点あります。ひとつは「プログラムの変更に係る費用は所定点数に含まれる」こと。装置のプログラム調整を行っても、C110-5の810点とは別に追加請求はできません。もうひとつは「計測した指標と指導内容を診療録に添付又は記載すること」です。
みらい(新人医療事務)
診療録への記載は必須なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。装置の使用状況や治療効果として計測した指標(使用時間や無呼吸低呼吸指数の変化など)と、実際に行った指導内容の両方を診療録に残しておく必要があります。記録が不十分だと、算定要件を満たしていたかどうかの確認自体が難しくなってしまいます。
みらい(新人医療事務)
算定できる回数の制限はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知や告示の条文には、月何回までといった明示的な回数制限の記載は当サイトが収集した範囲では確認できていません。回数の考え方についても、レセプト作成時に最新の公式資料や審査支払機関への確認をおすすめします。
関連する加算・処置とあわせて確認する
みらい(新人医療事務)
似たような加算と混同しないか心配です。
あおい(元・医療事務)
特に紛らわしいのは、装置を植え込む手術そのものである[舌下神経電気刺激装置植込術](K190-8・28,030点)と、同じOSA治療でも別の治療法である在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)です。前者は手術の点数、後者はCPAPを使う場合の在宅指導管理料で、C110-5(舌下神経電気刺激療法の在宅指導管理料)とはそれぞれ別の点数として算定します。同じ患者さんに複数の治療歴がある場合は、どの治療に対応した指導管理料なのかを診療録で確認してから算定するようにしてください。
みらい(新人医療事務)
在宅療養指導管理料の仲間として、他にも確認しておいたほうがいい加算はありますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料には退院前在宅療養指導管理料のように、退院前の患者さんに対して在宅療養の指導を行う点数もあります。カテゴリとして近い加算なので、在宅系の指導管理料をまとめて確認しておくと請求もれの防止につながります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、在宅舌下神経電気刺激療法指導管理料そのものについて、当サイトが収集した令和6年度(2024年度)時点の一次資料は保有していないため、前回改定からの点数や要件の変更の有無を直接比較することができていません。今回確認できたのは、令和8年度(2026年度)時点の告示・留意事項通知に基づく内容までです。
みらい(新人医療事務)
全く手がかりがないわけではなさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。関連する舌下神経電気刺激装置植込術(K190-8)については、令和4年度(2022年度)3月31日付の疑義解釈(医科 問239)で施設基準に関するやり取りが確認できており、少なくともその時点で治療自体は保険適用の対象だったことがわかります。ただし、これはK190-8についての情報であり、C110-5の令和6年度時点の点数・要件が今回と同じだったかどうかまでは、当サイトの資料からは確認できていません。前回改定からの差分を厳密に確認したい場合は、令和6年度の告示・留意事項通知の該当箇所と比較していただくことをおすすめします。
よくある取り漏れポイント
よくある取り漏れ・確認もれ
- 装置の植込み手術(K190-8)の点数と、在宅指導管理料(C110-5)の点数を混同してしまうケース
- プログラム変更の費用を所定点数とは別に請求しようとしてしまうケース
- 使用状況・治療効果として計測した指標や指導内容を診療録に記載し忘れるケース
- 届出不要と考えて、施設基準そのものの充足確認を省略してしまうケース
- 同じOSA患者でもCPAP(C107-2)を使っている場合と機器が異なるため、指導管理料の種類を取り違えるケース
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医療機関で確認するとしたら、どんな順番がいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな流れで確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
-
対象患者かどうかを確認 — 舌下神経電気刺激装置を植え込んだ閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者で、入院中でないことを確認する
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施設基準を満たしているかを確認 — 告示に定める施設基準の該当箇所を確認し、必要に応じて地方厚生局に問い合わせる
-
診察の内容を確認 — 使用状況・治療効果を踏まえた装置の確認・調整を実際に行っているかを確認する
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診療録への記載を確認 — 計測した指標と指導内容が診療録に添付または記載されているかを確認する
-
重複請求がないかを確認 — プログラム変更費用を別立てで請求していないかをレセプト作成時に確認する
-
届出の取り扱いを最終確認 — 告示の条文だけでは届出の要否を断定できないため、地方厚生局の最新情報で取り扱いを確認する

みらい(新人医療事務)
これだけ確認する項目があると、自分たちだけで判断するのは不安になってきました。
あおい(元・医療事務)
そんなときのために、加算チェッカーという仕組みも用意されています。自院の状況を入力すると、確認すべきポイントを整理できます。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか疑問を聞いてもいいですか?「うちはクリニックだから対象外」と思っていたのですが違いますか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院のどちらも対象になり得ます。ただし、施設基準を満たしていることが前提ですので、規模の大小ではなく体制面での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
届出の要否がはっきりしないと聞くと、施設基準も確認しなくていいような気がしてしまいます。
あおい(元・医療事務)
そこは誤解しやすいポイントです。届出の要否が未確認であっても、施設基準そのものを満たしていなければ算定候補にはなりません。届出の取り扱いがどうであれ、施設基準の充足状況は自院で継続的に確認しておく必要があります。
みらい(新人医療事務)
装置の植込み手術をした病院と、在宅管理を行う医療機関が違う場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
そのケースについて、当サイトが収集した資料の範囲では明確な規定を確認できていません。手術を行った医療機関と在宅管理を行う医療機関が異なる場合の取り扱いは、地方厚生局や審査支払機関に個別に確認することをおすすめします。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省公式資料を根拠としています。施設基準の詳細や届出の取り扱いは、必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示・医科点数表 区分C110-5) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(区分C110-5関連部分・令和8年度)※当サイト収載の一次資料より引用。リンク先PDFが改定・訂正で移動している場合があります
- 疑義解釈資料の送付について(その1)医科 問239(令和4年度・区分K190-8関連) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html#qa-5248
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・施設基準の充足状況・公式資料・審査支払機関の判断で必ずご確認ください。