みらい(新人医療事務)
「気管切開患者用人工鼻加算」っていう名前を初めて見たんですが、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
区分番号でいうと C169 ですね。気管切開をしている患者さんに人工鼻(気管切開孔に装着する加湿・保温用の器具)を使ってもらった場合に、決められた点数へ上乗せできる在宅材料加算です。令和8年度の医科点数表では1,500点となっています。
みらい(新人医療事務)
1,500点、結構大きいですね。うちみたいな在宅診療をやっている診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、対象は診療所・病院どちらもで、在宅療養の場面が中心です。ポイントは「気管切開を行っている患者であって入院中の患者以外のもの」という条件です。入院中の患者さんには使えません。
気管切開患者用人工鼻加算とはどんな加算か(対象患者・対象医療機関)
みらい(新人医療事務)
「入院中の患者以外」というのがちょっと引っかかります。外来で診ている患者さんだけが対象ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。告示の文言では「気管切開を行っている患者であって入院中の患者以外のものに対して、人工鼻を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。」とされています。つまり、在宅療養指導管理料の「第1款」に含まれる指導管理料(気管切開患者の場合は多くが在宅気管切開患者指導管理料にあたります)を算定している患者さんが対象の候補になります。
みらい(新人医療事務)
なるほど、単独では算定できなくて、ベースになる指導管理料とセットなんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。C169はあくまで「加算」なので、第1款の所定点数(ベースの指導管理料)に上乗せする形になります。どの指導管理料に加算されるかは患者さんの状態次第なので、自院で算定しているベースの指導管理料が第1款に含まれるかをまず確認しておくと安心です。
点数について(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
点数の整理、テーブルにしてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
| 区分番号 | 加算名 | 点数 | 年度 |
|---|---|---|---|
| C169 | 気管切開患者用人工鼻加算 | 1,500点 | 令和8年度 |
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)の点数表に、この点数と算定要件がまとまって書かれています。「C169 気管切開患者用人工鼻加算 1,500点 注 気管切開を行っている患者であって入院中の患者以外のものに対して、人工鼻を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。」という記載が根拠です。
みらい(新人医療事務)
令和6年度のときから点数は変わっていないんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そこは大事な確認ポイントですね。次のセクションでまとめます。
みらい(新人医療事務)
そういえば、「第1款」ってどこまでの範囲を指すんですか?在宅の指導管理料なら何でもいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
医科点数表の在宅医療(区分C)のうち、「第1款 在宅療養指導管理料」に分類されている指導管理料が対象になります。気管切開患者さんの場合は在宅気管切開患者指導管理料(C112)が代表的なものですが、他の疾患・状態を併せ持つ患者さんでは別の指導管理料になっているケースもあります。どの指導管理料を算定しているかは、レセプトを見れば確認できますので、まずはそこから確認するのがおすすめです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、指導管理料の種類まではこの記事だけでは決められないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。指導管理料ごとに点数や算定要件が異なりますので、それぞれのページや公式資料で個別に確認してください。この記事ではあくまでC169(人工鼻加算)自体の要件に絞って解説しています。
改定での変更点(前回改定からの差分)
令和6年度→令和8年度の推移
前回改定(令和6年度)から今回改定(令和8年度)にかけて、当サイトが確認できた一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、C169の点数(1,500点)・算定要件・届出の扱いに変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
「変更なし」って、点数だけじゃなくて他の部分も含めてなんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、点数だけでなく施設基準・対象患者・届出の要否まで含めて、一次資料で確認できた範囲では変更が見当たらない、という意味です。ただし「当サイトが確認できた資料の範囲」という条件つきなので、断定はできません。改定内容は自院でも公式資料をあわせて確認してください。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準とか、届出とか、事前に何か出さないといけないものはありますか?
あおい(元・医療事務)
C169については、施設基準の設定や個別の届出は求められていません。当サイトの整理では「届出: 不要」としています。材料加算という性質上、ベースの指導管理料(第1款の指導管理料)を算定できていれば、追加の届出をせずに加算できる仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出関連の事務作業はほぼ発生しないんですね。
あおい(元・医療事務)
材料加算そのものについてはそうです。ただし、ベースとなる在宅療養指導管理料側(例えば在宅気管切開患者指導管理料)に別の要件がある場合もあるので、そちらは個別に確認しておくと安心です。
算定のタイミング・注意点
喉頭摘出患者の扱いに注意
留意事項通知(令和8年度)には「C169 気管切開患者用人工鼻加算 喉頭摘出患者において、人工鼻材料を使用する場合は算定できない。」と明記されています。喉頭摘出(喉頭を摘出した永久気管孔)の患者さんに人工鼻材料を使用する場合は、この加算の対象にならない可能性があるため、対象患者の状態を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
喉頭摘出患者さんは一律ダメってことですか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に確認したいところです。実は過去の疑義解釈(平成30年度)には、少しニュアンスの違う回答も残っています。
疑義解釈(平成30年度)との整合性は要確認
疑義解釈資料(平成30年度)には「区分番号「C112」在宅気管切開患者指導管理料及び区分番号「C169」気管切開患者用人工鼻加算について、喉頭摘出患者であっても算定できるか。」という質問に対し、「喉頭摘出患者であっても、気管切開患者と同様に区分番号「C112」在宅気管切開患者指導管理料及び区分番号「C169」気管切開患者用人工鼻加算を算定できる。」と回答した記録があります。これは令和8年度時点の留意事項通知(人工鼻材料を使用する場合は算定できない、という記載)とは前提が異なる可能性があり、当サイトの一次資料の範囲だけでは整合性を断定できません。対象患者が喉頭摘出患者に該当する場合は、令和8年度時点の取扱いを審査支払機関等に個別に確認することを推奨します。
みらい(新人医療事務)
なるほど、資料によって書きぶりが違うから、自分たちだけで判断せず確認したほうがいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。年度をまたぐ資料は前提条件が変わっていることもあるので、疑わしい場合ほど自院での確認が大切です。
みらい(新人医療事務)
回数の制限とか、月に1回までとか、そういう決まりはありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料の範囲では、C169について「月○回まで」といった明示的な回数制限の記載は見当たりませんでした。ベースになる指導管理料側の算定回数のルールに沿う形になりますので、その点も含めて自院の算定状況を確認してください。
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
実際にうちで算定候補になるか、どんな順番でチェックすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくとスムーズです。
自院で確認する順番
気管切開を行っている患者か(入院中の患者は対象外)を確認する 人工鼻を使用しているかを確認する 喉頭摘出患者に該当するかどうかを確認する(該当する場合は人工鼻材料の扱いに注意) 在宅療養指導管理料(第1款に含まれるもの、例えば在宅気管切開患者指導管理料など)を算定しているかを確認する 上記が揃えば算定候補として整理し、最終確認のうえレセプトに反映する
みらい(新人医療事務)
これなら事務員さんにもそのまま渡せそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に3番目の「喉頭摘出患者かどうか」は資料によって記載のニュアンスが異なる部分なので、迷ったら確認を後回しにせず、最初に潰しておくのがおすすめです。
よくある取り漏れ
入院中の患者に誤って加算してしまうケース
C169は「入院中の患者以外」が条件です。在宅療養指導管理料を算定していても、その患者さんが一時的に入院している期間は対象外になります。入退院のタイミングでの算定ミスは起こりやすいので、レセプト確認時に入院有無をあわせてチェックすると取り漏れ・誤請求の両方を防げます。
喉頭摘出患者を一律対象外にしてしまうケース
「喉頭摘出患者だから算定できない」と一律に判断してしまうと、確認すべきケースを見落とすことがあります。留意事項通知では人工鼻材料を使用する場合の算定不可が明記されている一方、過去の疑義解釈には異なる回答も存在します。安易に対象外と決めつけず、該当患者がいる場合は都度確認する運用にしておくと、取り漏れも誤請求も防ぎやすくなります。
みらい(新人医療事務)
どちらも「思い込みで判断しない」のが大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特にこの加算は資料によって表現が変わる部分があるので、迷ったら都度確認、を徹底するのがいちばん安全です。
併算定・関連する加算について
みらい(新人医療事務)
似たような在宅の材料加算って他にもありますよね?
あおい(元・医療事務)
そうですね。在宅療養で使う医療機器・材料の加算は複数あります。例えば在宅酸素療法で使う液化酸素装置加算なども同じ「在宅材料加算」の仲間です。患者さんによっては気管切開と在宅酸素療法を併用しているケースもあるので、両方の加算の対象になっていないか、あわせて確認しておくと取り漏れ防止につながります。
みらい(新人医療事務)
ベースになる指導管理料の在宅気管切開患者指導管理料もあわせて見ておいたほうがいいですね。
あおい(元・医療事務)
はい、C169はC112などの「第1款」の指導管理料に上乗せする加算なので、セットで確認するのが基本です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか気になっていることを聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
届出は本当に不要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では「届出: 不要」としています。材料加算という性質上、個別の届出や施設基準の設定は求められていません。ただしベースの指導管理料側の要件は別途確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
喉頭摘出患者さんは絶対に算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「人工鼻材料を使用する場合は算定できない」と明記されていますが、過去の疑義解釈には異なる回答も残っています。断定はできないので、該当する患者さんがいる場合は個別に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
令和6年度から点数は変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料の範囲では、令和6年度から令和8年度にかけて点数・算定要件・届出の扱いに変更は確認されていません。ただしこれは確認できた範囲での話なので、最新の公式資料もあわせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
ありがとうございます、だいぶイメージがつかめました。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。