みらい(新人医療事務)
先輩、レセプトのチェックをしていたら「C171-2 在宅持続陽圧呼吸療法材料加算」という項目が出てきました。CPAPの患者さんに関係する加算だと思うんですが、正直あまり自信を持って説明できません。
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。これは在宅でCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)を行っている患者さんに、装置の回路部品などの附属品にかかる費用をカバーするための加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも100点として設定されています。
みらい(新人医療事務)
「材料加算」ということは、機械そのものの費用ではなく、部品や消耗品の費用ということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。厚生労働省の留意事項通知では、この加算について「在宅持続陽圧呼吸療法材料加算には、『C107-2』在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定する患者に対し、保険医療機関が貸与する持続陽圧呼吸療法装置に係る費用のうち、装置に必要な回路部品その他の附属品等に係る費用が含まれる」と説明されています。装置本体ではなく、回路やマスクの補修部品などの周辺費用を想定した加算だとわかります。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
この加算は、どんな医療機関・患者さんが対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP・ASV療法)を行っている入院中の患者さん以外が対象です。告示の条文には「在宅持続陽圧呼吸療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、当該療法に係る機器を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」と明記されています。診療所・病院のいずれも算定候補になり得ますが、入院中の患者さんは対象外である点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
「第1款の所定点数に加算する」という言い方が少し引っかかります。
あおい(元・医療事務)
これは、在宅療養指導管理料の第1款にあたる管理料に上乗せする形の加算という意味です。実務上は「C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料」を算定している患者さんが前提になる、と留意事項通知で説明されています。指導管理料を算定していない患者さんにこの材料加算だけを算定することは想定されていません。
点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
関連する点数もまとめて確認したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表から、在宅CPAP療法に関わる3つの項目を下の表にまとめました。
| コード | 項目名 | 点数 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| C107-2 | 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1 | 2,250点 | 指導管理そのもの |
| C107-2 | 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2 | 240点 | 指導管理そのもの(要件が異なる区分) |
| C165 | 在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算(ASV使用) | 3,750点 | 装置本体にかかる加算 |
| C165 | 在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算(CPAP使用) | 960点 | 装置本体にかかる加算 |
| C171-2 | 在宅持続陽圧呼吸療法材料加算 | 100点 | 回路部品等の附属品にかかる加算 |

みらい(新人医療事務)
C165の「治療器加算」とC171-2の「材料加算」、名前が似ていて混同しそうです。
あおい(元・医療事務)
そこは実務でも間違えやすいポイントですね。C165は装置本体(ASVまたはCPAP)の貸与にかかる加算、C171-2は装置に必要な回路部品その他の附属品にかかる加算、と役割が分かれています。どちらの対象になるかは、貸与している装置の種類や運用実態によって変わるため、レセプト入力の前に自院の在宅酸素・在宅呼吸療法の運用担当者と確認することをおすすめします。
併算定の考え方について
C165(治療器加算)とC171-2(材料加算)を同時に算定できるかどうかを直接明記した条文は、今回参照した告示・留意事項の該当箇所には見当たりませんでした。両者は対象費用の性質(装置本体か附属品か)が異なるため併算定の対象になり得ますが、断定はできません。実際の算定にあたっては、審査支払機関への確認や自院のレセプトコンピュータの設定を確認してください。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
ここは正直にお伝えする必要があります。今回参照した告示・留意事項通知の該当条文には、在宅持続陽圧呼吸療法材料加算(C171-2)そのものに固有の施設基準や届出を求める記載は見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
では届出なしで算定できる、ということですか?
あおい(元・医療事務)
「見当たらない」ことは「不要と確定している」こととは違います。少なくとも今回確認した資料の範囲では、材料加算単体の届出条文は確認できなかった、という言い方が正確です。断定は避けたいところです。
関連するC107-2の届出要件は別に確認する
在宅持続陽圧呼吸療法材料加算は、C107-2在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者さんが前提になります。指導管理料の「注2」持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算には、地方厚生局長等への施設基準の届出が必要と告示に明記されています。材料加算そのものの届出有無だけでなく、前提となる指導管理料側の届出状況もあわせて確認してください。
算定タイミング・回数の考え方
みらい(新人医療事務)
算定回数の制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文を確認した範囲では、「月○回まで」「3月に□回まで」といった回数制限の記載は見当たりませんでした。在宅持続陽圧呼吸療法を行っている入院中以外の患者さんに対し、機器を使用した場合に所定点数へ加算する、という要件のみが明記されています。回数制限に関する記載が資料内で確認できないため、月何回まで算定できるかは断定せず、自院のレセプトコンピュータのマスタ設定や審査支払機関の運用も確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
単位や算定の仕方についても教えてください。
あおい(元・医療事務)
単位についても、告示・留意事項の該当条文からは「1回につき何点」といった明記は確認できていません。第1款の所定点数への加算という位置づけのみが示されています。この点も未確認事項として扱い、レセプト作成時にレセプトコンピュータの表示や過去の請求実績と照らし合わせることをおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、この加算に変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
今回、令和8年度の告示・留意事項通知を確認しましたが、在宅持続陽圧呼吸療法材料加算(C171-2)の点数(100点)や算定要件の文言について、前回改定(令和6年度)からの変更を示す記述は、参照した一次資料の範囲では確認されていません。ただし、これは「今回確認した資料の中に変更点の記載がなかった」という意味であり、他の改定関連文書まで含めた完全な突合ではない点はご留意ください。
改定差分の確認手順
点数や算定要件が変わっていないように見えても、施設基準や関連する指導管理料側の要件が改定されているケースがあります。令和8年度改定については、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」ページで公開されている個別改定項目や留意事項通知の原文を、自院で定期的に確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
- 対象の患者さんが在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP・ASV療法)を行っている、入院中以外の患者さんであるかを確認する
- その患者さんについて、C107-2在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定しているかを確認する
- 保険医療機関が持続陽圧呼吸療法装置を貸与しており、回路部品その他の附属品にかかる費用が発生しているかを確認する
- C165在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算との関係(重複していないか)をレセプトコンピュータの設定で確認する
- 上記が整理できたら、算定候補として院内のダブルチェック体制で最終確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れが起きやすいポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
取り漏れが起きやすいポイント
指導管理料の算定確認漏れ: C107-2を算定していない患者さんに材料加算だけを算定してしまう、または逆に指導管理料は算定しているのに材料加算の入力そのものを忘れてしまうケースがあります。 治療器加算との混同: C165(装置本体)とC171-2(附属品)を同じ費目だと誤解し、どちらか一方しか入力していないケースが見受けられます。 入院中の患者への誤算定: 対象は入院中の患者以外です。入院中に一時的にCPAPを使用している場合との混同に注意してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
この加算は診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、対象医療機関を診療所に限定する記載は確認できていません。在宅持続陽圧呼吸療法の指導管理を行っている医療機関であれば、診療所・病院を問わず算定候補になり得ますが、実際の算定可否は自院の届出状況・診療内容に応じて個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
装置本体の費用と回路部品の費用、両方を加算として請求できますか?
あおい(元・医療事務)
C165(治療器加算・装置本体)とC171-2(材料加算・回路部品等)は対象費用の性質が異なりますが、両方を同時に算定できるかを直接明記した条文は今回確認できていません。断定は避け、審査支払機関やレセプトコンピュータのベンダーに確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度からこの加算の点数は変わっていますか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更を示す記述は、今回参照した令和8年度の一次資料の範囲では確認されていません。ただし完全な突合ではないため、正確な改定履歴を確認したい場合は厚生労働省の公開資料を直接ご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)の記事もあわせてご確認いただくと、全体像が把握しやすくなります。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
参考にした公式資料も教えてください。
あおい(元・医療事務)
今回の記事は、厚生労働省が公表している令和8年度診療報酬改定の告示・留意事項通知を根拠にしています。資料名とリンクは下の表にまとめました。
| 資料名 | リンク |
|---|---|
| 厚生労働省「医科診療報酬点数表」(令和8年厚生労働省告示第69号関連PDF) | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf |
| 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第6号・0619訂正後) | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf |
| 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(索引ページ) | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html |
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。