在宅酸素療法材料加算ってどんな加算ですか
みらい(新人医療事務)
在宅酸素療法指導管理料(C103)の記事は前に読んだんですが、今日は「在宅酸素療法材料加算」という別の区分(C171)を見てほしいと院長に言われました。これは何の加算なんですか。
あおい(元・医療事務)
C103(在宅酸素療法指導管理料)に上乗せする材料加算です。在宅酸素療法を行っている入院中でない患者に対して、療養に使う機器(酸素ボンベ・酸素発生器・在宅酸素療法装置など)を保険医療機関が提供した場合に、令和8年度の告示の区分C171として第1款の所定点数に加算します。
みらい(新人医療事務)
「材料加算」ということは、指導管理料そのものとは別枠のお金なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。指導管理料が「指導管理という行為」に対する点数なのに対して、材料加算は「その指導管理に必要な機器を実際に患者さんへ提供したこと」に対する加算という位置づけです。まずはこの前提を押さえておくと、この後の点数や算定要件がすっと理解できます。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか。区分が2つあると聞きました。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、対象患者によって2区分に分かれています。
| 区分 | 対象 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 材料加算1 | チアノーゼ型先天性心疾患の場合 | 780点 |
| 材料加算2 | その他の場合 | 100点 |
みらい(新人医療事務)
告示の原文だとどう書いてあるんですか。
告示原文(区分C171)
C171 在宅酸素療法材料加算 1 チアノーゼ型先天性心疾患の場合 780点 2 その他の場合 100点 注 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、当該療法に係る機器を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。
みらい(新人医療事務)
チアノーゼ型先天性心疾患のほうが780点で、その他の場合は100点と、7倍以上も差があるんですね。
あおい(元・医療事務)
差が大きいのは事実ですが、点数の高さだけで対象患者を判断するものではありません。どちらの区分になるかは、次に説明するC103側の算定区分と連動しています。

対象患者・対象医療機関を確認する
みらい(新人医療事務)
「チアノーゼ型先天性心疾患の場合」と「その他の場合」って、具体的にどう区別するんですか。
あおい(元・医療事務)
この区分は、在宅酸素療法指導管理料(C103) の区分「1」「2」に対応しています。留意事項通知には、次のように書かれています。
留意事項通知(保医発)区分C171
(1) 在宅酸素療法材料加算1は、「C103」在宅酸素療法指導管理料の「1」を算定すべき指導管理を行った患者に対し、保険医療機関からチアノーゼ型先天性心疾患の患者に小型酸素ボンベ又はクロレート・キャンドル型酸素発生器が提供される場合に算定できる。なお、本加算には当該装置に係る費用のうち、装置に必要な回路部品その他の附属品等に係る費用が含まれるものであること。
(2) 在宅酸素療法材料加算2は、「C103」在宅酸素療法指導管理料の「2」を算定すべき指導管理を行った患者に対し、保険医療機関から在宅酸素療法装置が提供される場合に算定できる。なお、本加算には当該装置に係る費用のうち、装置に必要な回路部品その他の附属品等に係る費用が含まれるものであること。
みらい(新人医療事務)
つまり、C103の「1」を算定している患者さんなら材料加算1、C103の「2」を算定している患者さんなら材料加算2、というように連動するんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。対象医療機関は診療所・病院のどちらも該当し、対象になる患者は在宅で療養している入院中以外の患者です。ただし、実際にどちらの区分に当てはまるかは、患者ごとのC103の算定区分と、提供している機器の種類を照らし合わせて確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
「附属品等に係る費用が含まれる」というのは、どういう意味で大事なんですか。
あおい(元・医療事務)
機器本体だけでなく、回路部品などの附属品の費用もこの加算の中に含まれている、という意味です。つまり附属品分を材料加算とは別に上乗せして請求することは想定されていません。取り漏れではなく「二重請求」の方向で誤りやすいポイントなので、レセプト作成時に注意してください。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、施設基準の届出は必要なんですか。
あおい(元・医療事務)
ここは正直にお伝えしますね。当サイトが確認した一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、材料加算C171そのものに個別の施設基準や届出を求める記載は見当たりませんでした。この加算単体の届出条項は未確認という前提で読んでください。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出については何を確認すればいいんでしょう。
あおい(元・医療事務)
この材料加算は、あくまでC103(在宅酸素療法指導管理料)を算定していることが前提になっています。ですので、まずはC103側の届出状況・施設基準の要否を自院で確認し、そのうえで材料加算の要件(機器提供の実態、区分の対応関係)を満たしているかを確認する、という順番になります。
断定できない点
材料加算C171単体の施設基準・届出については、当サイトが確認した一次資料の範囲では明記が見当たらず、確認が必要な項目として扱っています。「届出不要」と言い切ることはできません。自院の届出状況は必ず地方厚生局への届出書類・審査支払機関への確認で裏付けてください。
算定タイミング・回数の考え方
みらい(新人医療事務)
材料加算って、月に何回まで算定できるものなんですか。
あおい(元・医療事務)
材料加算C171自体に「月1回」という回数の規定を明記した条文は、今回確認した資料の中には見当たりませんでした。ただし、この加算は「第1款の所定点数に加算する」ものなので、算定の頻度は前提となるC103の算定回数に連動すると考えるのが自然です。
みらい(新人医療事務)
C103側には回数の決まりがあるんですか。
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料の通則には、次のように定められています。
告示原文(第1款 在宅療養指導管理料 通則)
本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料は、特に規定する場合を除き、月1回に限り算定し、同一の患者に対して1月以内に指導管理を2回以上行った場合においては、第1回の指導管理を行ったときに算定する。
みらい(新人医療事務)
つまり、C103が月1回に限り算定という前提なら、それに乗る材料加算も同じ月に重複して算定することは想定されていない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
資料から読み取れる範囲ではそう理解できますが、材料加算そのものの回数条項が明記されているわけではないので、「要確認」として扱ってください。レセプトを起こす際は、同一月内でC103と材料加算が二重に計上されていないか、必ず確認する習慣をつけましょう。
よくある取り漏れ・重複請求の注意
- 附属品費用の別建て請求: 回路部品などの附属品費用は材料加算に含まれるため、別途の請求は想定されていません
- 区分の対応ミス: C103の「1」を算定している患者に材料加算2を、あるいはその逆を当ててしまう入力ミス
- 同一月の重複計上: C103が月1回に限られる前提の中で、材料加算だけ複数回計上してしまうケース
酸素ボンベ加算・酸素濃縮装置加算との違い(混同注意)
みらい(新人医療事務)
在宅酸素療法まわりには、ほかにも似たような名前の加算がありませんでしたか。
あおい(元・医療事務)
はい、酸素ボンベ加算(C157) と 酸素濃縮装置加算(C158) という別の区分があります。名前も対象も似ているので混同しやすいところです。告示の原文を見比べてみましょう。
告示原文(区分C157・C158)
C157 酸素ボンベ加算 1 携帯用酸素ボンベ 880点 2 1以外の酸素ボンベ 3,950点 注 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、酸素ボンベを使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。
C158 酸素濃縮装置加算 4,000点 注 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、酸素濃縮装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。ただし、この場合において、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない。
みらい(新人医療事務)
あ、C157とC158はどちらも「チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く」と書いてありますね。今回のC171(材料加算)はチアノーゼ型先天性心疾患の場合も対象に含まれているので、除外の書き方が逆というか、別扱いなんですね。
あおい(元・医療事務)
よく気づきましたね。C171の材料加算1は、まさにそのチアノーゼ型先天性心疾患の患者に小型酸素ボンベ等を提供した場合の加算です。一方、C157・C158はチアノーゼ型先天性心疾患の患者を除いた、その他の場合の酸素ボンベ・酸素濃縮装置の提供に対する加算、という棲み分けになっています。同じ「酸素」に関する材料加算でも区分がまったく別なので、レセプト入力の際にどちらの区分を使うべきか確認が必要です。
区分の切り分けの目安
- チアノーゼ型先天性心疾患の患者に小型酸素ボンベ等を提供 → C171材料加算1(780点)
- その他の場合にC103の「2」に対応する在宅酸素療法装置を提供 → C171材料加算2(100点)
- チアノーゼ型先天性心疾患を除く患者に酸素ボンベを提供 → C157酸素ボンベ加算
- チアノーゼ型先天性心疾患を除く患者に酸素濃縮装置を提供 → C158酸素濃縮装置加算

令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定と比べて、この加算は何か変わったんですか。
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)との比較については、当サイトが確認した一次資料の範囲では、令和8年度の告示・留意事項通知に記載されている区分C171の点数・算定要件を確認できたのみで、令和6年度時点の該当条文との突き合わせ資料は確認できていません。そのため、変更の有無について確定的なことは申し上げられず、「前回改定からの変更内容は未確認」として扱っています。
みらい(新人医療事務)
あいまいなままにしないで、正直に「わからない」と言ってもらえるのは安心です。
あおい(元・医療事務)
診療報酬の記事では、資料にないことを推測で埋めるほうが危険です。改定差分が気になる場合は、貴院が契約している医事コンピュータのベンダー資料や、厚生労働省が公開する改定資料一式でも突き合わせておくと確実です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの診療所でこの加算を検討するなら、どういう順番で確認すればいいですか。
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくと進めやすいですよ。
自院で確認する順番
- C103の算定区分を確認 — 患者ごとに「1(チアノーゼ型先天性心疾患)」「2(その他の場合)」のどちらを算定しているか
- 提供している機器を確認 — 小型酸素ボンベ・クロレート・キャンドル型酸素発生器・在宅酸素療法装置のいずれを保険医療機関から提供しているか
- 附属品費用の請求方法を確認 — 回路部品等を材料加算とは別に請求していないか、レセプトを点検する
- 同一月の重複計上を確認 — C103と材料加算がその月にそれぞれ1回ずつになっているか
- 類似加算との区分を確認 — 酸素ボンベ加算(C157)・酸素濃縮装置加算(C158)と混同していないか
- 未確認事項を審査支払機関に相談 — 施設基準・届出・回数制限のうち未確認とした部分は、審査支払機関や地方厚生局に個別に確認する
みらい(新人医療事務)
これだけ確認することがあるんですね。自分たちだけで抜け漏れがないか、もう少し手軽に確認する方法はありますか。
あおい(元・医療事務)
そんなときは加算チェッカーが便利です。自院の状況を入力すると、確認すべきポイントを整理できます。自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある疑問も聞いておきたいです。材料加算だけを単独で算定することはできますか。
あおい(元・医療事務)
いいえ。材料加算はC103(在宅酸素療法指導管理料)の所定点数に加算するものなので、C103を算定すべき指導管理を行っていることが前提です。材料加算だけを単独で算定することは想定されていません。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者にも算定できますか。
あおい(元・医療事務)
告示の注に「在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者」と明記されているため、入院中の患者は対象外です。在宅療養中の患者が対象になります。
みらい(新人医療事務)
病院でも診療所でも同じように算定できますか。
あおい(元・医療事務)
対象医療機関としては診療所・病院のどちらも該当します。ただし、届出状況や施設基準に関する未確認事項もあるため、実際の算定候補かどうかは自院の状況とあわせて確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠としています。詳細な算定要件・施設基準は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)区分C171 在宅酸素療法材料加算 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。特に施設基準・届出・回数制限のうち本記事で「未確認」とした項目は、必ず自院で一次資料に照らして確認してください。