みらい(新人医療事務)
あおいさん、「精神科在宅患者支援管理料」ってどんな加算ですか?在宅系の加算って色々あって、整理できていなくて。
あおい(元・医療事務)
精神科在宅患者支援管理料は、在宅で療養しているけれど通院が難しい精神疾患の患者さんを、精神科の医師が訪問診療などで継続してサポートしたときに算定できる管理料です。令和8年度(2026年度)時点では月1回算定できて、点数も区分によっては3,000点とかなり高い設定になっています。
みらい(新人医療事務)
3,000点!それは大きいですね。でもなんで点数が高いんでしょう?
あおい(元・医療事務)
通院が難しい精神疾患の患者さんは、病状が不安定になりやすいことも多くて、定期的な医師の訪問と密なフォローが必要な場面が多いんです。そのような患者さんへの集中的な支援に対して、高い点数が設定されています。ただし、算定にはいくつかの要件がありますので、自院が該当するか確認が必要です。
精神科在宅患者支援管理料とは: 加算の概要
みらい(新人医療事務)
まず基本的なところから教えてください。どんな医療機関でも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、算定できるのは「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」に限られます。施設基準を満たして、地方厚生局へ届出を行っていることが前提です。届出なしでは算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
なるほど。精神科を標榜していれば届出できるってわけじゃないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。精神科を標榜しているだけでなく、施設基準に定められた人員配置や体制を整えた上で届出が必要です。施設基準の詳細は告示71号と留意事項通知に定められていますので、地方厚生局への確認が必要です。
この加算のポイント(令和8年度)
- 区分: I016 精神科在宅患者支援管理料
- 算定頻度: 月1回
- 届出: 地方厚生局への届出が必要
- 対象: 在宅療養中で通院が困難な精神疾患患者
- 算定期間: 管理料1・2は初回算定月を含めて6か月、管理料3は2年を限度
管理料1・2・3の区分と点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
管理料1・2・3って何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
大きく分けると、「自院の訪問看護を使うか・外部の訪問看護ステーションと連携するか」「訪問頻度が集中的かどうか」「継続算定の段階か」で区分が変わります。

あおい(元・医療事務)
管理料1は、自院の精神科の医師等が訪問診療または訪問診療と訪問看護を行っている場合の算定です。イ(集中的支援が必要)は週2回以上、ロはその他の場合で月2回以上の訪問が要件になります。管理料2は自院の医師が訪問診療を行いつつ、別の訪問看護ステーションの保健師・看護師等と連携して訪問看護を行っている場合です。管理料3は、管理料1または2を算定した後、引き続き訪問診療が必要な患者に対して算定します。
みらい(新人医療事務)
点数の一覧を見るとかなりの差がありますね。
あおい(元・医療事務)
そうです。下の表で整理しています。
| 区分 | 単一建物1人 | 単一建物2人以上 |
|---|---|---|
| 管理料1 イ(集中的支援) | 3,000点 | 2,250点 |
| 管理料1 ロ(その他) | 2,500点 | 1,875点 |
| 管理料2 イ(集中的支援) | 2,467点 | 1,850点 |
| 管理料2 ロ(その他) | 2,056点 | 1,542点 |
| 管理料3 イ | 2,030点 | — |
| 管理料3 ロ | — | 1,248点 |
あおい(元・医療事務)
出典は令和8年厚生労働省告示第69号 区分番号I016 精神科在宅患者支援管理料です。
みらい(新人医療事務)
管理料3は管理料1・2とは別の算定月なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。告示には「ただし、1又は2を算定した月には、3を算定することはできない」と明記されています。管理料3は、管理料1または2の初回算定月を含めて2年を限度として算定候補になります。
対象患者と算定要件の確認
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示上は「在宅で療養を行っている通院が困難な患者」で、「別に厚生労働大臣が定める患者」とされています。患者・家族の同意を得た上で、計画的な医学管理のもとで定期的な訪問診療を行っていることが基本的な要件です。
みらい(新人医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める患者」って何ですか?
あおい(元・医療事務)
具体的な患者像は厚生労働省の別表で定められていますが、精神科在宅患者支援管理料では、統合失調症や気分障害など重篤な精神疾患で通院が困難な状態の方が対象の中心となっています。詳細な対象患者の定義は施設基準告示・留意事項通知を確認してください。
管理料1の算定要件チェック
- 在宅で療養中かつ通院が困難な患者
- 患者・家族等の同意を得ている
- 計画的な医学管理のもとでの定期的訪問診療
- イ(集中的支援): 週2回以上の訪問診療または訪問診療+訪問看護
- ロ(その他): 月2回以上の訪問診療または訪問診療+訪問看護
- 初回算定月を含めて6か月以内の患者
精神科在宅患者支援管理料と在宅時医学総合管理料の併算定
みらい(新人医療事務)
在宅時医学総合管理料との違いってなんですか?両方算定できるんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
これは非常に重要な点です。精神科在宅患者支援管理料を算定した場合は、在宅時医学総合管理料(C002)は算定できません。告示で「算定しない」と明確に規定されています。
みらい(新人医療事務)
えっ、明確に不可なんですね!
あおい(元・医療事務)
はい。告示第69号注4に、精神科在宅患者支援管理料を算定した場合に算定できない区分の一覧が列記されており、「区分番号C002に掲げる在宅時医学総合管理料」は算定不可とされています。施設入居時等医学総合管理料(C002-2)も同様に算定できません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ精神科在宅患者支援管理料を算定しているケースでは、在宅時医学総合管理料は完全に除外されるということですか?
あおい(元・医療事務)
告示上は「算定しない」と規定されているため、精神科在宅患者支援管理料と在宅時医学総合管理料は同月に同一患者で同時算定することはできないと理解するのが自然です。ただし、実際の運用や解釈については疑義解釈通知や審査支払機関への確認をお勧めします。
在宅時医学総合管理料との併算定: 注意点
令和8年度(2026年度)告示第69号 注4の規定により、精神科在宅患者支援管理料を算定した場合、以下は算定できません:
- 在宅時医学総合管理料(C002)
- 施設入居時等医学総合管理料(C002-2)
- 在宅がん医療総合診療料(C003)
- 訪問看護指示料(C007)
- 精神科訪問看護指示料(I012-2)
- 特定疾患療養管理料、退院後訪問指導料 など
詳細な算定制限は告示第69号注4の全文で確認してください。
みらい(新人医療事務)
SEOキーワードで「在宅時医学総合管理料 併算定」という検索がよくされているみたいですが、やっぱり気になる方が多いんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。在宅診療を行っている医療機関では、複数の管理料が競合することがあります。精神科在宅患者支援管理料は「精神科特化の在宅管理料」として独立していますので、一般的な在宅管理料とは別立ての取り扱いになります。自院の算定状況を確認する際は、どの在宅管理料を算定しているか整理してから確認してください。
精神科オンライン在宅管理料(加算)
みらい(新人医療事務)
注5にある「精神科オンライン在宅管理料100点」は何ですか?
あおい(元・医療事務)
情報通信機器を使ったオンライン診察による医学管理を行っている場合に、精神科オンライン在宅管理料として所定点数に100点を加算できる規定です。ただしこちらも別の施設基準届出が必要とされています。対象は訪問診療と同時でない場合に限られます。
みらい(新人医療事務)
オンラインも活用できるんですね。ただ条件がある、と。
あおい(元・医療事務)
はい。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」とされていますので、別途届出の確認が必要です。精神科オンライン在宅管理料の算定を検討する場合は、施設基準・留意事項通知を確認してください。

届出・施設基準の確認手順
みらい(新人医療事務)
算定するために最初に何を確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
まずは以下の手順で確認してみましょう。
自院で確認する順番
-
施設基準を確認する 地方厚生局に届け出るべき施設基準(令和8年告示第71号・留意事項通知)を確認し、自院が満たしているかをチェックします。精神科医師の配置・精神保健福祉士等のスタッフ体制・訪問診療の実施体制が主な要件です。
-
届出状況を確認する 届出をすでに行っている場合は、届出の有効性(施設基準の継続的な充足)を確認します。未届出の場合は、要件充足後に地方厚生局へ届出を行います。
-
対象患者を確認する 在宅で療養中で通院が困難な精神疾患患者かどうか、また「別に厚生労働大臣が定める患者」の定義に該当するかを個別に確認します。
-
訪問頻度と算定区分を決める 管理料1(イ: 週2回以上 / ロ: 月2回以上)・管理料2(外部の訪問看護ステーションとの連携)・管理料3(6か月超継続)のいずれに該当するかを確認します。
-
算定制限(他の管理料との重複)を確認する 同月に在宅時医学総合管理料等を算定していないか確認します。
-
単一建物診療患者数を確認する 同一建物内で診療している患者数が1人か2人以上かで点数が変わります。
みらい(新人医療事務)
段階的に確認できるんですね。なにか取り漏れやすいポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
特に注意したいのは算定期間の管理です。管理料1・2は初回算定月を含めて6か月が上限なので、期限を過ぎると算定候補にはなりません。また管理料3への切り替え後は2年を上限とした継続算定になります。これらの期限管理は漏れやすいポイントです。
取り漏れ・誤算定に注意したいポイント
- 算定期間管理: 管理料1・2は6か月上限。管理料3は2年上限。期限超過は算定候補外
- 同月不可: 在宅時医学総合管理料(C002)との同月算定は不可
- 管理料1と3の同月算定不可: 管理料1または2を算定した月には、管理料3は算定できない
- 訪問頻度の確認: 週2回/月2回の頻度要件を充足しているか記録で確認
- 届出の継続的充足: 届出後も施設基準を継続的に満たしているか定期確認が必要
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度になって何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
告示第69号(令和8年厚生労働省告示第69号・令和8年6月1日適用)の内容を確認した範囲では、精神科在宅患者支援管理料の点数・区分構造・算定要件について、告示本文からは大幅な新設・廃止は確認されていません。ただし、施設基準の細則(告示第71号・留意事項通知)については、縦書きPDF形式での確認が困難で全条文の照合ができていないため、施設基準・届出様式の変更については一次資料での個別確認を推奨します。
みらい(新人医療事務)
点数が変わったかどうかも、確認が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
令和6年度と令和8年度の告示を直接比較する資料が手元になかったため、「変更なし」と断言はできません。告示第69号(令和8年度版)から現在の点数は確認しましたが、前回改定との差分については個別改定項目資料(厚生労働省公表資料)での確認が必要です。本記事では「令和8年度時点の現行告示では上記の点数・要件が確認された」と理解してください。
改定差分について(確認範囲の明示)
令和8年度改定との差分(前回改定からの変更点)については、本記事執筆時点(2026年6月)の確認範囲では、個別改定項目資料との照合が完了していません。告示第69号の現行内容は記事中の通りですが、施設基準・届出様式の変更有無は厚生労働省の一次情報(個別改定項目資料・留意事項通知)でご確認ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある疑問を聞かせてください。診療所でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院の両方が算定候補です。ただし、施設基準を満たして届出を行っていることが前提なので、診療所だから自動的に算定候補になるわけではありません。精神科を標榜していることと、施設基準の充足・届出が必要です。
みらい(新人医療事務)
患者さんから同意を取る必要がありますか?
あおい(元・医療事務)
告示に「当該患者又はその家族等の同意を得て」と明記されていますので、同意取得は必須です。同意書の様式や取得時期については留意事項通知を確認してください。
みらい(新人医療事務)
交通費はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示注6に「精神科在宅患者支援管理に要した交通費は、患家の負担とする」と規定されています。訪問に要した交通費は患者・家族側が負担することになります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、もっと詳しく確認したいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や診療体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。施設基準や届出に関する疑問点もそこで整理してみてください。関連する 精神科退院指導料 や 精神科地域移行実施加算 も同じ精神科領域の加算として合わせて確認しておくと、届出や体制の確認漏れを見つけやすくなります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。