みらい(新人医療事務)
先輩、レセプトを見ていたら「酸素加算」という項目がありました。これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
酸素加算は、処置の際に酸素や窒素を使用した場合に、その使用にかかった価格を点数に置き換えて加算するものです。区分番号J024からJ028まで及びJ045に掲げる処置に当たって酸素を使用した場合が対象で、令和8年度(2026年度)の医科点数表でもこの仕組みは維持されています。
みらい(新人医療事務)
「価格を点数に置き換える」ってどういうことですか?普通の加算みたいに点数が決まっているわけじゃないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが酸素加算の特徴です。多くの加算は「○点」と点数が固定されていますが、酸素加算は使用した酸素の価格を10円で除して得た点数を加算する、という計算式で決まります。窒素も使用した場合は、窒素の価格を10円で除した点数をあわせて合算します。使った分だけ点数化される、実費連動型の加算だとイメージしてください。
対象になる処置と医療機関
みらい(新人医療事務)
どんな処置のときに算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料である告示では「区分番号J024からJ028まで及びJ045に掲げる処置に当たって酸素を使用した場合」と定められています。つまり、対象となるのはJ024からJ028、そしてJ045として区分番号が振られている処置に限られます。それぞれの処置の具体的な内容は、医科点数表の該当区分番号でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
病院だけでなく診療所でも算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
はい。この加算は特定の医療機関種別に限定される規定ではなく、該当する処置を行った場合に広く適用される仕組みです。入院・外来のどちらの場面でも、該当処置に当たって酸素や窒素を使用していれば計算対象になり得ます。ただし在宅医療の場面については、この酸素加算とは別の枠組み(在宅酸素療法指導管理料など)で扱われますので、混同しないよう注意が必要です。
対象範囲は処置の区分番号で決まる
酸素加算は医療機関の種別で対象・対象外が決まるものではなく、「区分番号J024からJ028まで及びJ045に掲げる処置」に該当するかどうかで判断されます。自院で行っている処置がこの区分番号に該当するかは、医科点数表の処置料(J章)で個別に確認してください。
点数はどう計算するのか
みらい(新人医療事務)
点数の計算方法をもう少し具体的に教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示の条文の内容を表にすると、次のようになります。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 対象処置 | 区分番号J024からJ028まで及びJ045に掲げる処置 |
| 酸素使用時の点数 | 使用した酸素の価格 ÷ 10円 |
| 窒素も使用した場合 | 窒素の価格 ÷ 10円 を酸素分の点数に合算 |
| 単価の根拠 | 「酸素及び窒素の価格」により厚生労働大臣が別に定める |
みらい(新人医療事務)
具体的に1リットルあたり何円、みたいな数字も知りたいです。
あおい(元・医療事務)
酸素・窒素それぞれの単価は、医科点数表の告示本体とは別に「酸素及び窒素の価格」という告示(平成2年厚生省告示第41号)で定められており、単位はリットル(摂氏35度、1気圧における容積)です。この単価は改定のたびに見直される場合があるため、当サイトが確認した一次資料の範囲では具体的な単価の一覧までは確認できていません。実際の算定にあたっては、最新の単価表を告示本体でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
では、たとえば「単価がP円のとき」で考えると、計算はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
数式で表すと「使用量Lリットル × 単価P円 ÷ 10」が酸素分の点数になります。窒素も使用していれば、同じ計算式を窒素の単価・使用量で行い、酸素分の点数と合算します。実際の単価Pは告示で確認する前提の、あくまで計算の考え方を示す例です。

施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
他の加算だと施設基準の届出が必要なものが多いですが、酸素加算はどうですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料(告示の算定要件)の範囲では、酸素加算について施設基準や届出を求める規定は記載されていません。多くの加算のように「施設基準に適合し、地方厚生局に届出を行った医療機関に限る」といった文言が算定要件に含まれていないため、酸素の使用実績に応じて計算する処置の一部という性格の加算だと考えられます。
みらい(新人医療事務)
では届出は一切不要と考えていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは私からは断定できません。確認できた条文の範囲では届出を求める規定が見当たらない、というところまでが言えることです。取扱いの解釈や運用の細部は、地域や個別の事情によって異なる可能性がありますので、正式な取扱いは地方厚生局や審査支払機関に確認することをお勧めします。
届出要否の確認ポイント
- 一次資料(算定要件の条文)に施設基準・届出への言及があるかを確認する
- 不明な場合は自院が加入する審査支払機関・地方厚生局へ確認する
- 「規定が見当たらない」ことと「届出不要と確定している」ことは同じではないと理解しておく
算定のタイミング・回数・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
月に1回までとか、回数の制限はあるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
確認できた算定要件の条文では、月何回まで、といった回数制限の記載はありません。対象の処置(J024からJ028まで及びJ045)を行うたびに、その都度使用した酸素・窒素の価格に応じて計算する仕組みとして読み取れます。ただし、これは条文に回数制限の記載が確認できないという意味であり、運用上の取扱いまで断定するものではありません。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できるかどうかも気になります。
あおい(元・医療事務)
併算定の可否について明記した条文は、当サイトが確認した範囲では見つかっていません。この点も未確認として扱い、実際のレセプトでは審査支払機関の判断や自院のレセプトコンピュータの設定を確認しながら進めることをお勧めします。
回数制限・併算定は未確認のまま断定しない
酸素加算の回数制限・他加算との併算定可否について、当サイトが確認した一次資料の範囲では明記した条文が見当たりません。「制限がない」と決めつけず、不明点は審査支払機関に確認したうえで算定候補として扱ってください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この酸素加算、前回の改定(令和6年度)から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号に基づく算定要件の条文)の範囲では、酸素加算の算定方法(酸素の価格を10円で除して得た点数を加算し、窒素使用時は合算する、という計算式そのもの)に変更を示す記載は見当たりません。対象処置の区分番号(J024からJ028まで及びJ045)についても、確認できた条文の範囲では従来の枠組みが維持されています。
みらい(新人医療事務)
単価のほうはどうですか?改定のたびに変わったりしないんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
酸素・窒素の単価は「酸素及び窒素の価格」という個別の告示で定められており、この単価は診療報酬改定とは別のタイミングで見直される場合があります。ただし、令和6年度(2024年度)改定時点の単価と令和8年度(2026年度)時点の単価を比較した一次資料までは、当サイトでは確認できていません。単価の異同を含め、最新の状況は告示本体でご確認ください。
改定差分の確認状況(令和8年度・確認範囲の明示)
- 算定要件の計算式(価格÷10、窒素合算)については、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(当サイトが確認した一次資料ベース)
- 対象処置の区分番号(J024〜J028・J045)についても、確認できた範囲では変更は見当たりません
- 酸素・窒素の単価そのものの改定有無は、当サイトの確認範囲外のため「未確認」として扱います
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医院で確認するとしたら、どういう順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
-
対象処置に該当するか確認 — 実施している処置が区分番号J024からJ028まで、またはJ045に該当するか、医科点数表の処置料(J章)で確認する
-
酸素・窒素を使用したかを確認 — 該当処置の実施にあたって、実際に酸素または窒素を使用した記録があるかをカルテ・使用記録で確認する
-
使用した価格を確認 — 使用した酸素・窒素の量と、「酸素及び窒素の価格」の告示で定められた単価を確認する
-
点数を計算する — 価格を10円で除して点数を算出し、窒素も使用していればその点数を合算する
-
レセプトへの計上を確認 — 算出した点数が正しくレセプトに反映されているか、審査支払機関への提出前に確認する

みらい(新人医療事務)
順番で見ると、点数が固定されていない加算ならではの確認ポイントがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。固定点数の加算と違って、酸素加算は「使用量の記録」と「単価の確認」がそのまま点数の正確性に直結します。この2点をカルテと単価表で照合する習慣をつけておくと、算定漏れや計算誤りを防ぎやすくなります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実務でよくある取り漏れのパターンってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか考えられるパターンがあります。
酸素加算のよくある取り漏れ
- 窒素使用分の計上漏れ — 酸素の価格だけを計算し、窒素も使用しているのに窒素分の点数を合算し忘れるケース
- 対象処置の見落とし — 区分番号J024からJ028まで及びJ045に該当する処置であることに気づかず、酸素加算自体を算定候補として検討していないケース
- 単価表の更新見落とし — 「酸素及び窒素の価格」の告示が見直された際に、古い単価のまま計算してしまうケース
みらい(新人医療事務)
どのケースも、使用記録や単価表をこまめに確認していれば防げそうですね。
あおい(元・医療事務)
そう思います。特に酸素加算は他の加算のように点数が固定されていない分、記録と単価の照合を怠ると誤差が積み重なりやすい加算です。定期的なカルテ点検の際に、酸素加算の計算根拠もあわせて確認する運用にしておくと安心です。
類似する酸素関連の加算との違い
みらい(新人医療事務)
「酸素」とつく加算は他にもある気がします。混同しないための整理をお願いします。
あおい(元・医療事務)
はい、場面が異なるので整理しておきましょう。酸素加算(J201)は、入院・外来を問わず区分番号J024からJ028まで及びJ045の処置に伴って酸素・窒素を使用した場合の加算です。一方、在宅酸素療法指導管理料は在宅で酸素療法を行う患者の指導管理そのものに対する管理料で、酸素濃縮装置加算は在宅酸素療法の際に酸素濃縮装置を使用する場合の加算です。いずれも「酸素」というキーワードは共通しますが、算定の場面や対象がまったく異なりますので、自院がどの場面の話をしているかをまず整理することが大切です。
みらい(新人医療事務)
人工呼吸のときの酸素も、この酸素加算に含まれるんですか?
あおい(元・医療事務)
区分番号J045は人工呼吸に関する処置区分ですので、人工呼吸の処置に当たって酸素・窒素を使用した場合も酸素加算の対象になり得ます。ただし、在宅で人工呼吸器を使用する場合の人工呼吸器加算は在宅医療の管理料に付随する別の加算ですので、こちらも算定の場面が異なる点に注意してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象処置の実施状況や酸素・窒素の使用記録を整理しておくと、確認すべきポイントが整理しやすくなります。
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・診療内容・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。酸素加算の算定に際しては、対象処置への該当性と酸素・窒素の使用実績・単価の確認を必ず自院で行ってください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問もまとめて聞いておきたいです。「酸素加算は点数表に載っている固定点数だと思っていた」という声も聞きますが?
あおい(元・医療事務)
酸素加算は数ある加算の中でも珍しく、固定の点数ではなく「使用した酸素・窒素の価格 ÷ 10」という計算式で点数が決まる加算です。点数表を見ても「○点」という記載ではなく計算方法が示されている点が特徴ですので、他の加算と同じ感覚で探すと見つけにくいかもしれません。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)のときと比べて、算定方法自体は変わっていないんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが確認した一次資料の範囲では、令和6年度(2024年度)改定から令和8年度(2026年度)改定にかけて、酸素加算の計算式(価格を10円で除する、窒素は合算する)自体に変更は確認されていません。単価の異同までは確認できていないため、単価については告示本体で最新の内容をご確認ください。
みらい(新人医療事務)
窒素だけを使用して酸素は使用しなかった場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
条文上は「酸素を使用した場合」に窒素使用分を合算する、という構成になっています。窒素のみを使用し酸素を使用しなかった場合の扱いについては、当サイトが確認した条文の範囲では明記が確認できていないため、判断に迷う場合は審査支払機関に確認することをお勧めします。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚生労働省・支払基金の公式資料を根拠としています。詳細な算定要件・単価は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省・支払基金公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 令和8年度診療報酬改定に係る医科診療行為マスターの変更等について(社会保険診療報酬支払基金) https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/tensuhyo/kihonmasta/kihonmasta_01.files/r08kaitei_20260401_s.pdf
- 令和8年 基本マスターに関する変更情報(社会保険診療報酬支払基金) https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/tensuhyo/kihonmasta/r08kaiteijoho.html