みらい(新人医療事務)
あおいさん、「体外式膜型人工肺管理料」っていう項目を見つけたんですけど、これって何のための管理料なんですか? ECMO(エクモ)っていう言葉は聞いたことがあります。
あおい(元・医療事務)
そうです。ECMOと呼ばれる体外式膜型人工肺という医療機器を使って呼吸管理をした場合に、令和8年度の医科点数表で算定候補になる管理料です。急性呼吸不全、または慢性呼吸不全の急性増悪であって、人工呼吸器だけでは対応できない患者さんに対して、体外式膜型人工肺を用いて呼吸管理を行った場合に、1日につき算定する項目として整理されています。
みらい(新人医療事務)
人工呼吸器で足りない、もっと重症な患者さんが対象ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。人工呼吸器で対応できていれば、この管理料の対象には含まれません。体外式膜型人工肺を実際に使って呼吸を管理している状態であることが前提です。
みらい(新人医療事務)
この記事では、うちの医療機関が対象だと決めつけて教えてもらえるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重にお伝えします。点数表の要件に当てはまるかどうかは、施設基準の届出状況や実際の診療内容によって変わるので、この記事では「算定候補になるか」を一緒に確認していく形で進めますね。最終的な判断は、自院の届出状況や公式資料、審査支払機関への確認が必要です。
対象医療機関・対象患者はどこまで含まれますか
みらい(新人医療事務)
この管理料は、どんな医療機関で、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院のどちらも対象になり得ます。ただし、今回確認できた一次資料の範囲では、入院患者に限るか外来を含むかを明記した記載は確認できていません。実務上はICU等の集中治療室で体外式膜型人工肺を用いた呼吸管理を行うケースが多く、機器そのものを扱える体制が前提になります。
みらい(新人医療事務)
対象患者の条件は、もう少し詳しく教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知には、次のように書かれています。「(1) 体外式膜型人工肺管理料は、急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪であって、人工呼吸器で対応できない患者に対して、体外式膜型人工肺を用いて呼吸管理を行った場合に算定する。」
みらい(新人医療事務)
「人工呼吸器で対応できない」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。人工呼吸器を使っている状態そのものではなく、人工呼吸器だけでは呼吸状態を維持できないと判断されて、体外式膜型人工肺に切り替えている状態が要件になります。ICUで管理されるケースが多い分、特定集中治療室管理料の算定状況とあわせて確認している医療機関が多い印象です。
みらい(新人医療事務)
診療科でいうと、どのあたりの科が関係してきますか?
あおい(元・医療事務)
集中治療・呼吸器内科・心臓血管外科・救急など、重症の呼吸不全や心肺補助を扱う診療科での算定候補になりやすい項目です。ただし診療科そのものが要件になっているわけではなく、あくまで患者さんの状態と実際の医療行為が要件になっています。
点数の区分を確認しましょう(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
気になっていたんですけど、点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
治療を始めてからの日数によって区分が分かれています。表にまとめますね。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 7日目まで | 4,500点 |
| 8日目以降14日目まで | 4,000点 |
| 15日目以降 | 3,000点 |
| 導入時加算(初回のみ) | 5,000点 |

あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表の告示には、次のように書かれています。「K916 体外式膜型人工肺管理料(1日につき)1 7日目まで 4,500点 2 8日目以降14日目まで 4,000点 3 15日目以降 3,000点 注 治療開始時においては、導入時加算として、初回に限り5,000点を所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
導入時加算は初回だけなんですね。毎日算定できるわけじゃないんだ。
あおい(元・医療事務)
そうです。導入時加算は治療開始時の初回に限られていて、1日につきの点数とは別枠で1回だけ所定点数に加算されます。2日目以降にもう一度加算することはできない整理です。
みらい(新人医療事務)
日数が長引くほど点数が下がっていくのは、何か理由があるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこまでの理由は今回確認できた一次資料の範囲では書かれていません。区分と点数の対応関係だけを、公式資料の記載どおりにお伝えしています。推測でお答えするのは避けたいので、その点はご了承ください。
施設基準・届出はどうなっていますか
みらい(新人医療事務)
施設基準は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、必要です。厚生労働省の告示には、この管理料を含む一連の手術等について、次のように定められています。「K916からK917-5までに掲げる手術等については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。」
みらい(新人医療事務)
つまり、届出をしていない医療機関では算定候補にならないということですか?
あおい(元・医療事務)
そういう整理になります。届出済みであれば算定候補になりますが、届出をしていない場合は、まず地方厚生局への届出状況を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
届出の具体的な中身、たとえば人員配置とかも教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、今回確認できた一次資料の範囲では、具体的な人員配置や体制の詳細までは確認できていません。施設基準の告示・通知の該当箇所を個別に確認していただく必要があります。人員体制や実績要件の充足はAIや記事側で判定できるものではないので、必ず自院で一次資料に照らして確認してください。
みらい(新人医療事務)
届出は病院単位ですか、それとも診療科単位ですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の届出は保険医療機関単位で地方厚生局長等に対して行うものです。届出をした保険医療機関で行われた場合に限り算定できる、という整理は上の告示のとおりです。
算定のタイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、この管理料は「K601-2」体外式膜型人工肺という手術の点数を算定する場合に限って算定できる整理です。
算定要件・併算定の注意(要確認)
留意事項通知には次のように書かれています。「体外式膜型人工肺管理料は、『K601-2』体外式膜型人工肺を算定する場合に限り算定する。」また、「体外式膜型人工肺管理料について、『通則8』及び『通則10』から『通則12』までの加算は適用できない。」とされています。通則8・通則10〜12が具体的にどの加算を指すかは、手術部門の通則の該当箇所で個別に確認が必要です。自院での運用は、レセプト作成前に必ず一次資料で確認してください。
みらい(新人医療事務)
併算定できない加算があるんですね。うっかり付けてしまいそうです。
あおい(元・医療事務)
そこは請求時の見落としが起きやすいポイントです。算定単位は「1日につき」なので、同一日に複数回算定するような性質のものではありません。
みらい(新人医療事務)
回数の上限、たとえば「何日まで」みたいな制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた一次資料の範囲では、日数そのものの上限(治療を打ち切る日数)は明記されておらず、日数に応じて点数区分が変わる形です。15日目以降は3,000点の区分が継続する整理で、上限日数の記載は確認できていません。この点は「未確認」として扱い、実際の治療期間に応じた区分の当てはめだけをお伝えしています。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた範囲でお答えしますね。当サイトが収載している厚生労働省の一次資料の中に、体外式膜型人工肺管理料について前回改定(令和6年度)との点数・算定要件の差分を明記した資料は見当たりませんでした。前回改定(令和6年度)からの主な変更点は、一次資料の確認できた範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月)。
みらい(新人医療事務)
「変更がなかった」というより「確認できなかった」ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。断定はできません。差分が明記された個別改定項目の資料が見つかれば、随時この記事も更新していきます。点数や施設基準の記載自体は、令和8年度の一次資料に基づいてお伝えしています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医療機関で確認するとしたら、どういう順番で見ればいいですか?
自院で確認する順番
- 対象患者か: 人工呼吸器で対応できない急性呼吸不全・慢性呼吸不全の急性増悪の患者かを確認する
- K601-2 体外式膜型人工肺(手術の点数)を算定しているかを確認する
- 施設基準の届出状況(地方厚生局への届出済みか)を確認する
- 併算定できない加算(通則8・通則10〜12)が混在していないかを確認する
- ここまで確認できれば算定候補になります。最終判断は自院の届出状況と公式資料で確認してください

あおい(元・医療事務)
この順番で確認すると、抜け漏れが少なくなります。とくに1番目と2番目は、レセプトを作る担当者だけでは判断がつきにくいことがあるので、主治医や集中治療の担当医と情報共有しておくと確実です。
みらい(新人医療事務)
事務だけで完結しない項目なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。対象患者の状態の判断は医師が行うものなので、事務側は「届出状況」と「算定要件に沿った記録が残っているか」を中心に確認する役割になります。
よくある取り漏れ・見落としがちなポイント
日数区分の切り替えを見落とす
7日目まで・8日目以降14日目まで・15日目以降で点数が変わります。治療開始日を基準に日数を数え間違えると、点数区分がずれてしまうことがあるので注意が必要です。
導入時加算を毎回付けてしまう
導入時加算(5,000点)は治療開始時の初回に限られます。2日目以降も加算してしまうケースは、レセプト点検で指摘されやすい取り漏れ・つけすぎの代表例です。
併算定できない加算に気づかない
通則8・通則10〜12に該当する加算は、この管理料とは併算定できない整理です。他の手術関連加算とセットで自動計算しているシステムだと、意図せず併算定してしまうことがあるため、レセプト確定前の確認が推奨されます。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが疑問に思いそうなことをいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
外来でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた一次資料の範囲では、入院・外来を区別する記載は確認できていません。実務上はICU等での集中治療管理として行われるケースが多い項目ですが、外来での取り扱いについては個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていない病院はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の届出がなければ、算定候補にはなりません。まず地方厚生局への届出状況を確認してください。
みらい(新人医療事務)
人工呼吸器を使っている患者さんでも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の要件は「人工呼吸器で対応できない患者」が対象です。人工呼吸器だけで対応できている間は対象に含まれない整理なので、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
この管理料と一緒に確認しておいたほうがいい項目はありますか?
あおい(元・医療事務)
ICUで管理されるケースが多いので特定集中治療室管理料、呼吸管理に関連する項目として人工呼吸器加算は、あわせて確認している医療機関が多い印象です。それぞれ算定候補になるかどうかは別々に確認が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する人工呼吸器加算や特定集中治療室管理料とあわせて確認しておくと、呼吸管理まわりの算定候補を見落としにくくなります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。