みらい(新人医療事務)
「生体臓器提供管理料」っていう名前を初めて見たんですけど、これって何のための管理料なんですか?
あおい(元・医療事務)
生体からの臓器移植のときに、臓器を提供してくださる方(ドナー)の安全管理などにかかる費用をまとめた管理料です。令和8年度の医科点数表では区分K915として、所定点数5,000点が定められています。移植を行った保険医療機関で算定する管理料、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
移植を受ける患者さんではなく、提供する方(ドナー)に関する点数なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項通知には「生体臓器提供管理料の所定点数には、採取対象臓器の評価や生体から臓器を採取する際の術中全身管理をはじめとする臓器提供者の安全管理等に係る費用が含まれる」と明記されています。ドナー側の評価・全身管理にかかる費用がこの5,000点にまとまっている、というイメージです。
対象医療機関・対象となる移植手術
みらい(新人医療事務)
うちの病院でも算定候補になるか気になります。どんな条件があるんですか?
あおい(元・医療事務)
まず対象は病院・入院での算定に限られ、外来や在宅では対象になりません(当サイトの整理では、外来・在宅は対象外です)。そのうえで、留意事項通知には算定できる場面が具体的に列挙されています。
生体臓器提供管理料が算定候補になる場面(留意事項通知より)
対象手術: 「K514-6」生体部分肺移植術、「K697-5」生体部分肝移植術、「K716-4」生体部分小腸移植術、「K780-2」生体腎移植術のいずれかが算定できる場合に限り、生体臓器提供管理料を算定候補として確認できます。
みらい(新人医療事務)
この4つの手術のどれかが行われていることが前提なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。逆に言うと、これら4つの生体部分移植術・生体腎移植術のいずれにも該当しない場面では、生体臓器提供管理料の算定候補にはなりません。
点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数は5,000点と伺いましたが、対象の移植手術自体の点数も気になります。
あおい(元・医療事務)
あわせて確認しておくと、参考になりますね。令和8年度の医科点数表(告示)では、次のように定められています。
| 区分 | 名称 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| K915 | 生体臓器提供管理料 | 5,000点 |
| K514-6 | 生体部分肺移植術 | 130,260点 |
| K697-5 | 生体部分肝移植術 | 227,140点 |
| K716-4 | 生体部分小腸移植術 | 164,240点 |
| K780-2 | 生体腎移植術 | 62,820点 |

みらい(新人医療事務)
生体臓器提供管理料の5,000点は、移植手術本体の点数とは別に算定できるということですか。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の記載を見る限り、生体臓器提供管理料はドナー管理にかかる費用として別建てで整理されている点数です。ただし、実際の算定・レセプト記載の可否は自院のレセプトコンピュータや審査支払機関の判断も関わりますので、最終的には自院で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
「所定点数に含まれる」というのは、具体的にはどういう意味なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の表現に沿うと、採取対象臓器の評価や、生体から臓器を採取する際の術中全身管理といった、ドナーの安全管理にかかる費用が、この5,000点の中にまとめて含まれている、という位置づけです。つまり、それらの個別の行為を別立てで算定するのではなく、生体臓器提供管理料としてまとめて整理する点数、と読み取れます。それ以上に細かい個別費用の算定可否までは、当サイトが収録している資料の範囲では確認できていません。
脳死からの臓器提供との違い
みらい(新人医療事務)
臓器提供というと、脳死のケースもありますよね。それも同じ点数なんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、区分が異なります。生体からの臓器提供は「K915 生体臓器提供管理料」で5,000点、脳死した方からの臓器提供は「K914 脳死臓器提供管理料」という別の区分で、令和8年度の点数表では40,000点と定められています。対象がまったく異なるので、混同しないようにしてください。
| 区分 | 名称 | 点数(令和8年度) | 対象 |
|---|---|---|---|
| K915 | 生体臓器提供管理料 | 5,000点 | 生体からの臓器提供 |
| K914 | 脳死臓器提供管理料 | 40,000点 | 脳死した方からの臓器提供 |
みらい(新人医療事務)
だいぶ点数の桁が違うんですね。
あおい(元・医療事務)
対象となる場面や、管理料に含まれる処置の範囲が異なるためです。生体臓器提供管理料はこの記事で扱っている生体からの提供が対象で、脳死からの提供のケースにあてはめることはできません。自院でどちらの場面に該当するかを、まず区別して確認してください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要なんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している公式の留意事項通知(1)〜(5)の条文には、生体臓器提供管理料そのものについて、施設基準や届出に関する記載は確認されていません。ただし、これは条文に記載が無いというだけであり、届出が不要と断定できるものではありません。届出要否は、自院の届出状況・地方厚生局・審査支払機関で確認が必要です。
届出の要否は自院で最終確認を
生体臓器提供管理料自体に施設基準・届出の定めが見当たらないとしても、前提となる生体部分肺移植術・生体部分肝移植術・生体部分小腸移植術・生体腎移植術の側には、実施医療機関としての施設基準・届出が求められる可能性があります。移植手術側の要件は、この記事の範囲外のため、該当する手術の施設基準を個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
管理料そのものと、前提になる移植手術とで、確認すべきポイントが分かれているんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。公式の留意事項通知(1)〜(5)には生体臓器提供管理料自体の届出に関する記載が確認されていませんが、届出要否そのものは自院の届出状況・地方厚生局・審査支払機関で確認が必要です。加えて、移植手術側の届出状況まではこの記事だけでは判断できません。自院がどちらの立場か(移植実施医療機関か、提供管理のみを行う医療機関か)を含めて確認していただくのが確実です。
算定のタイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、請求先と分配についての取り決めがあります。
請求先と診療報酬の分配
診療報酬の請求は、臓器の移植を行った保険医療機関で行います。生体臓器提供管理を行った医療機関(提供者側の管理を担った医療機関)との診療報酬の分配は、相互の合議に委ねるとされています。移植実施医療機関とドナー管理医療機関が別々の場合は、この点をあらかじめ確認しておく必要があります。
みらい(新人医療事務)
移植をした病院とドナーを管理した病院が別だったら、請求は移植した病院がまとめてするということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。そのうえで、分配については各医療機関同士の合議によるとされているので、事前の取り決めが実務上は重要になります。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できるかどうかも気になります。
あおい(元・医療事務)
この点については、留意事項通知に「生体臓器提供管理料について、通則8及び通則10から通則12までの加算は適用できない」という記載があります。点数表の通則に基づく一部の加算は生体臓器提供管理料には適用されない、ということが明記されています。それ以外の併算定の可否や、回数制限・算定単位についての具体的な記載は、当サイトが収録している資料の範囲では確認できていません。この部分は未確認として扱い、自院での確認をおすすめします。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省告示および留意事項通知ベース)。今回把握できているのは令和8年度時点の点数・要件の内容までです。
改定差分の確認範囲
点数(5,000点)・算定要件(対象となる4つの移植手術)・請求先の取り決め・通則8/10〜12の適用除外について、令和8年度の告示・留意事項通知の内容を確認しました。前回改定との突き合わせは公式の個別改定項目資料の範囲で行っており、追加の変更点が今後見つかる可能性はあります。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病院はどこから確認すればいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で見ていくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
自院が「移植を行った保険医療機関」か「生体臓器提供管理のみを行った医療機関」かを確認する 生体部分肺移植術・生体部分肝移植術・生体部分小腸移植術・生体腎移植術のいずれかが算定できる場面かを確認する 生体臓器提供管理料5,000点をレセプトのどちらの医療機関で請求するか、関係医療機関間で合議・確認する 通則8・通則10〜12の加算が適用されないことを踏まえ、他の加算との組み合わせを個別に確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
生体臓器提供管理料でよくある取り漏れ
移植実施医療機関とドナー管理医療機関が別法人の場合に、分配の取り決めをせず請求だけ進めてしまうケースがあります。事前の合議を後回しにしないことが大切です。また、対象となる4つの移植手術のいずれにも該当しない場面で誤って算定候補と扱ってしまうケースにも注意が必要です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
生体腎移植の提供者側の管理だけを担当した場合でも、この管理料はうちの病院で請求していいんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、請求は「移植を行った保険医療機関」で行うとされています。提供管理のみを担った医療機関が直接レセプト請求するのではなく、移植実施医療機関からの分配で対応する整理になっている点に注意が必要です。分配方法は相互の合議によるとされていますので、関係医療機関間で事前に取り決めておくことをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
脳死での臓器提供の場合も、この生体臓器提供管理料が使えるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、この記事で扱っている生体臓器提供管理料(K915)は、生体からの臓器提供が対象です。脳死での臓器提供については別に区分(K914 脳死臓器提供管理料)が設けられており、点数や算定要件が異なります。混同しないよう、対象が生体か脳死かを最初に確認してください。
出典・参考資料
この記事の根拠(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号)別添1 医科診療報酬点数表に関する事項https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。