みらい(新人医療事務)
先輩、緩和ケア外来のカルテを見ていたら「がん性疼痛緩和指導管理料」という項目を見つけたんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料は、症状緩和を目的として麻薬を投与されているがん患者さんに対して、医師が計画的な治療管理と療養上必要な指導を行った場合の管理料です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、区分番号B001の22として設定されています。
みらい(新人医療事務)
「麻薬」というと、モルヒネとかオピオイド系の薬のことですよね? それを使っている患者さんなら誰でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが一番大事な確認ポイントです。単に麻薬を処方しているだけでなく、WHO方式のがん性疼痛の治療法に沿って、副作用対策を含めた計画的な治療管理を継続して行い、療養上必要な指導をしていることが前提になります。この記事では、点数・対象・確認すべき体制を一次資料に沿って整理していきますね。あくまで自院が算定候補になるかどうかの確認材料として読んでください。
がん性疼痛緩和指導管理料とはどんな管理料か
みらい(新人医療事務)
まず、この管理料はどんな場面を想定しているんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では、次のように定義されています。
算定要件(留意事項より抜粋・令和8年度)
がん性疼痛緩和指導管理料は、医師ががん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与しているがん患者に対して、WHO方式のがん性疼痛の治療法に従って、副作用対策等を含めた計画的な治療管理を継続して行い、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤に関する指導を行い、当該薬剤を処方した日に算定する。
あおい(元・医療事務)
ポイントは3つあります。1つ目は対象がんの疼痛緩和目的で麻薬を投与している患者さんに限られること、2つ目は指導内容に薬剤の効果・副作用の説明と、疼痛時に追加する臨時の薬剤の使用方法の説明を含める必要があること、3つ目は月1回・当該薬剤を処方した日に算定するという算定タイミングの縛りがあることです。
みらい(新人医療事務)
「臨時の薬剤」というのは、レスキュー薬のことですか?
あおい(元・医療事務)
おそらくそのような趣旨だと考えられますが、この記事では一次資料に明記されている文言の範囲でお伝えしています。具体的な運用は自院の処方体系に照らして確認が必要です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が対象になるんですか? うちみたいな診療所でも関係ありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の一次資料の範囲では、診療所・病院のいずれも対象で、外来・入院のどちらでも算定候補になり得ます。一方で、在宅医療の場面(訪問診療など)は今回の整理の対象には含まれていません。
| 区分 | 対象になり得るか(令和8年度) |
|---|---|
| 診療所 | 対象(外来・入院とも) |
| 病院 | 対象(外来・入院とも) |
| 在宅医療(訪問診療等) | 今回の整理の対象外 |
みらい(新人医療事務)
対象患者さんの条件は、さっきの「麻薬投与中のがん患者」で全部ですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料に整理されている対象患者の要件は「症状緩和を目的として麻薬が投与されているがん患者」で、算定は月1回です。がんの種類や病期についての限定は、この記事で参照した資料の範囲では確認されていません。個別の患者さんが該当するかは、担当医師が上記のWHO方式の治療管理の実施状況とあわせて判断することになります。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
基本の点数に加えて、診療形態や年齢によって区分が分かれています。令和8年度のマスターで確認できる区分は次のとおりです。
| 区分 | コード | 点数(令和8年度) | 算定回数 |
|---|---|---|---|
| がん性疼痛緩和指導管理料(基本) | 113012810 | 200点 | 月1回 |
| がん性疼痛緩和指導管理料(情報通信機器を用いた場合) | 113035210 | 174点 | 月1回 |
| 小児加算(15歳未満) | 113012970 | +50点 | 基本点数への加算 |

みらい(新人医療事務)
「情報通信機器を用いた場合」というのは、オンライン診療みたいなイメージですか?
あおい(元・医療事務)
名称からはそのように読み取れますが、情報通信機器を用いた場合の具体的な適用条件(対象患者の限定や実施方法の要件など)は、この記事で参照した一次資料の範囲では詳細を確認できていません。該当する可能性がある場合は、情報通信機器を用いた診療全般に関する別の告示・通知もあわせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
小児加算は、15歳未満の患者さんに使うといつも50点プラスされる、という理解でいいですか?
あおい(元・医療事務)
マスター上はそのように整理されていますが、正確な加算要件(対象患者の範囲や算定条件)は一次資料の当該箇所で確認してください。この記事では点数の存在までを紹介しており、詳細要件の断定はしていません。
点数の思い込みに注意
がん性疼痛緩和指導管理料には、注2として「難治性がん性疼痛緩和指導管理加算(100点)」という別の加算区分も存在します。こちらは届出が必要な施設基準を伴う加算で、この記事で扱う基本の管理料(届出不要)とは要件が異なります。混同しないよう、算定の際は区分番号ごとに要件を確認してください。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出とか、事前の手続きは必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の一次資料の範囲では、がん性疼痛緩和指導管理料そのものについて、施設基準の設定や地方厚生局への届出は求められていません。ただし「誰でもすぐに算定できる」という意味ではなく、代わりに医師個人の要件が定められています。
| 確認項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 施設基準 | 一次資料の範囲では設定なし |
| 届出 | 一次資料の範囲では不要 |
| 医師の要件 | 緩和ケアの経験を有する医師(緩和ケアに係る研修を受けた者に限る)であること |
みらい(新人医療事務)
施設基準がないのに、医師の要件だけあるっていうのは珍しいパターンですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。留意事項では「がん性疼痛緩和指導管理料は、緩和ケアの経験を有する医師(緩和ケアに係る研修を受けた者に限る。)が当該指導管理を行った場合に算定する。」と明記されています。つまり、施設として届出をしていなくても、指導管理を行う医師本人が緩和ケアに係る研修を修了しているかどうかが、算定候補になるかの分かれ目になります。
研修修了の確認ポイント
研修の受講記録: 指導管理を行う医師が、緩和ケアに係る研修を受講した記録(修了証等)を保管しているか 担当医の継続性: 当該患者の指導管理を継続して行っている医師が、研修修了者と一致しているか 異動時の引き継ぎ: 担当医が異動・退職した場合、後任医師も研修修了要件を満たしているか
算定タイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項では「月1回に限り、当該薬剤に関する指導を行い、当該薬剤を処方した日に算定する」とされています。つまり、指導を行った日ではなく、当該薬剤を処方した日に算定するという点、そして月1回が上限という点の2つがポイントです。
算定タイミングの注意
月の途中で麻薬の処方内容が変わった場合でも、算定できるのは月1回が上限です。同一月内に複数回の処方調整があっても、算定回数の上限は変わらない前提で確認してください。詳細な取扱いは自院のレセプト担当者・審査支払機関とあわせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
留意事項には、麻薬の処方前について何か決まりもあるんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項(3)として「がん性疼痛緩和指導管理料を算定する場合は、麻薬の処方前」に関する定めがあります。この記事で参照した資料ではその先の文言までは確認できていないため、詳細は一次資料の該当箇所を直接ご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの診療所で算定候補になるか確認するには、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認するとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
症状緩和を目的として麻薬を投与しているがん患者かどうかを確認する WHO方式のがん性疼痛の治療法に沿った、副作用対策を含む計画的な治療管理を継続して行っているかを確認する 指導管理を行う医師が、緩和ケアに係る研修を修了しているかを確認する 薬剤の効果・副作用の説明、臨時の薬剤の使用方法の説明を指導内容に含めているかを確認する 当該月にすでに算定していないか(月1回の上限)を確認する

みらい(新人医療事務)
施設基準の届出がない分、この5つのステップが実質的なチェックリストになるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出という手続き面のハードルがない代わりに、記録として残すべき内容(治療管理の計画性・指導内容・医師の研修修了)を自院できちんと確認しておくことが大切です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この管理料、前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
この記事で確認した一次資料(令和8年厚生労働省告示・留意事項通知)の範囲では、がん性疼痛緩和指導管理料の点数・算定要件・医師の要件について、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
改定差分の確認範囲
今回確認したのは、基本点数(200点)・医師の要件(緩和ケアに係る研修修了)・算定タイミング(月1回、処方日算定)の3点です。情報通信機器を用いた場合の区分(174点)や小児加算(50点)を含めた区分ごとの改定前後の詳細な比較は、この記事の一次資料の範囲では行っていません。詳細な経緯を確認したい場合は、令和6年度改定時の告示・通知もあわせてご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。この記事は令和8年度(2026年度)の一次資料に基づく確認材料であり、個別の算定可否を保証するものではありません。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省公式資料と当サイトが収録している一次資料を根拠としています。詳細な算定要件は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号・関連ページ) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html