みらい(新人医療事務)
「外来がん患者在宅連携指導料」って、最近マスターで見かけるようになったんですけど、これってどういう場面で算定候補になる項目なんですか?
あおい(元・医療事務)
外来で化学療法や緩和ケアを受けているがん患者さんが、これから在宅での緩和ケアに移行しそうなときに、在宅緩和ケアを担う別の医療機関へ文書で紹介した場合に算定候補になる医学管理料です。令和8年度の点数表では区分番号B005-6-4として、500点(月ではなく1人につき1回)で設定されています。
みらい(新人医療事務)
「1人につき1回」なんですね。何回もカウントできる加算ではないと。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。留意事項通知には、この加算の位置づけがこう説明されています。「外来がん患者在宅連携指導料は、進行がん患者の緩和ケアに係る外来から在宅への切れ目のない移行を図り、在宅において質の高い緩和ケアを提供する体制を実現するため、進行がん患者に対して外来で化学療法又は緩和ケアを行う保険医療機関が、当該患者を在宅で緩和ケアを実施する別の保険医療機関に適切な時期に紹介することを評価したものである」。紹介という行為そのものを評価する医学管理料、というイメージです。
対象患者・対象医療機関を確認する
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件はどう決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
点数表の注1には、対象患者と算定の流れがまとめて書かれています。「外来で化学療法又は緩和ケアを実施している進行がんの患者であって、在宅での緩和ケアに移行が見込まれるものについて、患者と診療の方針等について十分に話し合い、当該患者の同意を得た上で、在宅で緩和ケアを実施する他の保険医療機関に対して文書で紹介を行った場合に、1人につき1回に限り所定点数を算定する」とされています。つまり「外来で化学療法または緩和ケアを実施中」「進行がん」「在宅緩和ケアへの移行が見込まれる」「患者の同意」「文書での紹介」の5つが揃って、はじめて算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
紹介する側の医療機関は、病院じゃないとダメですか?診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、算定要件の条文自体は「保険医療機関」という表現で、病院・診療所を区別していません。ただし留意事項通知の(3)には「進行がん患者に対して外来で化学療法又は緩和ケアを提供する病院は」という記載もあり、病院を想定した運用説明が含まれています。診療所での実務上の取り扱いは、自院の届出状況とあわせて確認が必要です。
対象になりやすいケースの整理
外来化学療法や緩和ケア外来に通う進行がん患者: 病状の進行に伴い、在宅緩和ケアへの移行が見込まれる方が対象の中心です。 在宅緩和ケアを担う医療機関がすでに決まっている: 紹介先となる在宅緩和ケア実施医療機関との連携関係が前提になります。 紹介を「文書」で行っている: 口頭のみの申し送りでは、算定要件の「文書で紹介」を満たしているか要確認です。
点数と区分番号(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数のパターンが2つあるって聞いたんですけど、整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の点数表では以下の2パターンです。
| 算定区分 | 点数 | 根拠となる注 |
|---|---|---|
| 通常の文書紹介(対面を含む医学管理) | 500点 | 注1 |
| 情報通信機器を用いた医学管理を行った場合 | 435点 | 注3 |
| 区分番号 | B005-6-4 外来がん患者在宅連携指導料 | 点数表本体 |

あおい(元・医療事務)
情報通信機器を用いた場合について、点数表の注3にはこうあります。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、外来がん患者在宅連携指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、435点を算定する」。留意事項通知の(4)でも「『注3』に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する」と補足されています。
みらい(新人医療事務)
レセプトの記載で使う略称みたいなものもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
診療識別コード表には、「外来がん患者在宅連携指導料を算定した場合」の識別名称として「外がん連」、「外来がん患者在宅連携指導料(情報通信機器を用いて行った場合)を算定した場合」として「情外がん連」という名称が記載されています。実際のレセプト電算処理コードの数値は医科診療行為マスターで確認するのが確実です。
算定要件を具体的にみる
みらい(新人医療事務)
さっきの注1の話をもう少し詳しく知りたいです。特に「十分に話し合い」の部分って、どこまでやれば要件を満たしたことになるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
そこは留意事項通知の(3)が参考になります。「進行がん患者に対して外来で化学療法又は緩和ケアを提供する病院は、当該患者の病状が進行した際に在宅で緩和ケアを実施する体制を早期に整えることのできるよう、外来において化学療法等を実施している段階から、在宅で実施することが見込まれる緩和ケア及び見込まれる予後等について十分に患者に説明し、患者の同意を得た上で、在宅で緩和ケアを実施する保険医療機関を紹介する」とされています。早い段階からの説明と、予後についての説明を含めた同意取得がポイントとして読み取れます。
みらい(新人医療事務)
紹介先の医療機関は、その都度探すんですか?それとも決まったリストがあるイメージですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の(2)にヒントがあります。「外来がん患者在宅連携指導料を算定する保険医療機関においては、在宅での緩和ケアを行う保険医療機関や訪問看護ステーションと連携関係を構築するとともに、そのリストを整備し、患者の特性や居住する地域に応じて患者に紹介できる体制を確保する」とされていて、連携先のリストをあらかじめ整備しておくことが前提になっているようです。都度ゼロから探すというより、体制としてリストを持っておく運用がイメージに近いと思います。
算定要件は複数の条件がセット
対象患者・十分な説明と同意・文書での紹介・連携リストの整備など、複数の条件が組み合わさって初めて算定候補になります。一部だけを満たしている状態で算定候補と判断しないよう注意が必要です。
施設基準・届出はどう確認する?
みらい(新人医療事務)
施設基準は具体的にどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
正直に言うと、当サイトが収録している一次資料の範囲では、点数表・留意事項通知のいずれにも「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関」という表現までしか記載がなく、施設基準の個別項目(人員配置や実績要件など)の具体的な内容までは確認できていません。この点は自院の届出担当の方が、地方厚生局への届出様式や告示の該当箇所を直接確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
届出は必須なんですか?さっきの435点の方は「届け出た保険医療機関」ってはっきり書いてありましたけど。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。注3の情報通信機器を用いた場合(435点)には「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」という届出の文言が明記されています。一方で、通常の500点(注1)の条文自体には「届出」という言葉は明記されていません。ただし「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす」という要件は500点側にもあるため、実務上は届出状況を含めて確認しておくのが安全です。算定候補かどうかは、届出の有無・施設基準の充足状況によって変わりますので、断定はできません。
施設基準・届出の確認ポイント
500点(通常)の施設基準: 条文上「届出」の語は明記されていませんが、施設基準を満たす必要があります。地方厚生局への確認をおすすめします。 435点(情報通信機器を用いた場合): 条文に「届け出た保険医療機関」と明記されており、届出が前提になります。 オンライン指針との整合: 情報通信機器を用いる場合は、オンライン指針に沿った診療であることも条件です。
併算定の取り扱い(診療情報提供料(Ⅰ)との関係)
みらい(新人医療事務)
紹介するときに書く文書って、診療情報提供料(Ⅰ)とは別に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは点数表の注2に明記があります。「注1の規定に基づく他の保険医療機関への文書の提供に係る区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)の費用は、所定点数に含まれるものとする」。つまり、この加算にもとづく紹介文書の作成・提供にかかる診療情報提供料(Ⅰ)の費用は、外来がん患者在宅連携指導料の点数に含まれていて、別立てでは算定できない扱いになっています。
みらい(新人医療事務)
なるほど、二重に算定してしまうと過剰請求になってしまうということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。紹介文書を作成したからといって、診療情報提供料(Ⅰ)を別途算定できるわけではない点は、レセプト作成時に見落としやすいポイントです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の令和6年度改定のときと比べて何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの新設・廃止・点数変更・施設基準変更を示す個別改定項目の記述を確認できていません(確認日: 2026年7月)。現時点で確認できているのは、令和8年度の点数表・留意事項通知に記載されている内容が本記事でご紹介した内容だということです。前回改定時点での取り扱いを詳しく知りたい場合は、令和6年度の点数表・留意事項通知を別途ご確認ください。
関連する加算もあわせて確認
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
情報が多いので、順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
自院で確認する順番はこんな流れになります。
自院で確認する順番
- 対象患者か確認する: 外来で化学療法又は緩和ケアを実施中の進行がん患者で、在宅緩和ケアへの移行が見込まれるかを確認します。
- 連携先リストを確認する: 在宅緩和ケアを行う保険医療機関・訪問看護ステーションとの連携関係とリストが整備されているか確認します。
- 患者への説明と同意を得る: 見込まれる在宅緩和ケアや予後等について十分に説明し、患者の同意を得ます。
- 文書で紹介する: 在宅緩和ケアを実施する他の保険医療機関へ文書で紹介を行います(この文書提供にかかる診療情報提供料(Ⅰ)は別算定不可)。
- 施設基準・届出状況を確認する: 自院が施設基準を満たしているか、情報通信機器を用いる場合は届出済みかを確認したうえで、算定候補かどうかを判断します。

よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、現場でよく聞かれそうな疑問をいくつか確認させてください。まず、月に何回も紹介する患者さんがいたらどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
点数表の注1には「1人につき1回に限り」と明記されているので、同じ患者さんについて複数回算定することは想定されていません。1人の患者につき生涯1回という位置づけで確認しておくのが安全です。
みらい(新人医療事務)
紹介先が訪問看護ステーションだけの場合はどうですか?在宅緩和ケアを行う「保険医療機関」への紹介、というのが条件でしたよね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。算定要件の条文は「在宅で緩和ケアを実施する他の保険医療機関に対して文書で紹介を行った場合」となっています。留意事項通知の(2)では訪問看護ステーションとの連携関係やリスト整備にも触れられていますが、算定要件の主文は保険医療機関への紹介を対象としています。訪問看護ステーション単独への紹介で算定候補になるかどうかは、自院の状況にあわせて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
最後にひとつ。情報通信機器を用いた場合の435点は、オンライン診療全般で使えるということですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の(4)に「『注3』に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する」とあるので、厚生労働省のオンライン指針に沿った診療であることが条件になります。指針に沿っているかどうかも含めて、確認が必要な項目のひとつです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の状況や届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。