みらい(新人医療事務)
先生、「植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料」ってカルテで見かけたんですけど、正直どんな患者さんに使う加算なのか自信がないんです…。
あおい(元・医療事務)
難しそうな名前ですよね。でも中身はシンプルで、植込型の輸液ポンプを体に入れている患者さんが、通院しながらそのポンプの調子をみてもらうための指導管理料なんです。令和8年度(2026年度)の点数表でも、区分番号「B001」の「26」として位置づけられています。
みらい(新人医療事務)
植込型の輸液ポンプって、痛み止めの薬をずっと少しずつ入れておく、あの機械のことですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。手術でポンプを体内に埋め込んで、そこから薬液を持続的に注入する治療法ですね。この加算は、その治療を続けている患者さんが外来に来たときに、投与量の確認や調節といった指導を行った場合の算定候補になります。まずは対象からみていきましょう。
この加算はどんな指導管理料?
みらい(新人医療事務)
そもそも、どんな行為をすると算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の告示にはこう書かれています。「植込型輸液ポンプ持続注入療法(髄腔内投与を含む。)を行っている入院中の患者以外の患者に対して、当該療法に関する指導管理を行った場合に算定する。」という条文です。ポイントは2つ、「髄腔内投与も対象に含む」ことと「入院中の患者は対象外」ということですね。
みらい(新人医療事務)
髄腔内投与っていうのも対象になるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、条文に「髄腔内投与を含む。」と明記されているので、脊髄のまわりに薬液を注入するタイプの治療も、この指導管理料の対象になり得ます。ただし、あくまで「入院中の患者以外」が条件なので、入院している間は算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
留意事項通知のほうにはもう少し詳しく書いてありますか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。留意事項通知には「植込型輸液ポンプを使用している患者であって、入院中の患者以外の患者について、診察とともに投与量の確認や調節など、療養上必要な指導を行った場合に、1月に1回に限り算定する。この場合において、プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。」とあります。診察とセットで投与量の確認・調節の指導を行うことが前提で、月に1回までという制限がある点も確認しておきたいですね。
対象になる医療機関・患者は?
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、診療所・病院のどちらも対象になり得ます。ただし対象になるのは「外来(入院中の患者以外)」に限られていて、入院中や在宅療養中の患者さんへの指導は、この区分の対象にはなりません。
みらい(新人医療事務)
「在宅」の患者さんは対象外なんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算は在宅療養を対象とする「C」区分の在宅指導管理料とは別の、外来の医学管理料(B区分)です。似たような植込型の装置を扱う在宅指導管理料もあるので、後ほど区別して説明しますね。ここでは「対象は外来通院中の患者さん」という点だけ押さえておいてください。
対象の確認ポイント
- 植込型輸液ポンプ持続注入療法(髄腔内投与を含む)を行っているか: 条文の対象療法そのものです
- 入院中でないか: 入院中の患者は対象外の可能性があります
- 在宅療養(C区分の在宅指導管理料)を算定していないか: 区分が異なるため、混同せず個別に確認してください
点数とコードを確認しよう
みらい(新人医療事務)
実際の点数はどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
基本点数は810点です。加えて、ポンプを植え込む手術(植込術)を行った日から3か月以内に行った場合は、導入期加算として140点が上乗せされます。テーブルにまとめますね。
| 区分 | 点数 | 算定条件 |
|---|---|---|
| 植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料(基本点数) | 810点 | 月1回に限り算定 |
| 導入期加算 | 140点 | 植込術を行った日から起算して3か月以内の期間に行った場合 |
みらい(新人医療事務)
導入期加算は自動的につくものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、告示には「植込術を行った日から起算して3月以内の期間に行った場合には、導入期加算として、140点を所定点数に加算する。」とあるので、期間の要件を満たしたときに加算される点数です。植込術の実施日を診療録やレセプトで確認しておく必要がありますね。

みらい(新人医療事務)
具体的なコード番号も教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、医科診療行為マスターの個別コードまでは確認できていません。レセプト請求で使う正式なコードは、医科診療行為マスターや院内のレセコンで確認してください。ここで断定的な数字を書くと、かえって誤りのもとになります。
みらい(新人医療事務)
この点数の根拠って、どこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
今回ご紹介した810点・140点という点数と算定条件は、厚生労働省が公表している令和8年度診療報酬点数表(告示)の区分番号「B001」の26に基づいています。詳しい文言を確認したいときは、こちらの原文にあたってみてください。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この指導管理料に固有の施設基準や届出を求める記載は確認できていません。条文も「入院中の患者以外の患者に対して、当該療法に関する指導管理を行った場合に算定する」とシンプルで、施設基準の適合や届出を前提とする文言は出てきません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届け出なしでもすぐ算定候補になるんですね!
あおい(元・医療事務)
そこは言い切らないでくださいね。届出そのものが不要な加算だとしても、実際に算定候補になるかどうかは、患者さんの状態が条文の要件(植込型輸液ポンプ持続注入療法を行っている外来患者であること)に合っているか、診察と指導の実施内容が記録されているかなど、他の要件と合わせての確認が必要です。「届出不要だから確認不要」ではありません。
届出不要でも要件確認は必須
一次資料の範囲では施設基準・届出の記載は確認できていませんが、これは「無条件で算定できる」という意味ではありません。対象患者の要件・診察と指導の実施・回数制限など、他の算定要件を満たしているかは自院で個別に確認してください。
算定のタイミング・回数制限・注意点
みらい(新人医療事務)
算定できる回数に決まりはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に「1月に1回に限り算定する」と明記されているので、同じ月に2回以上算定することは想定されていません。診察のたびに算定できるわけではなく、月1回が上限という理解になります。
みらい(新人医療事務)
プログラムを変更したときの費用は別に請求できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこも留意事項通知に「プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。」と明記されています。つまりプログラム変更にかかる費用は、この指導管理料の点数の中に含まれているという整理で、別建てで請求する性質のものではありません。
みらい(新人医療事務)
記録面で気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知の(2)に「指導内容の要点を診療録に記載する。」とあるので、診察の中でどんな指導を行ったか、要点を診療録に残しておくことが前提になります。記録が無いと、算定の根拠を後から示せなくなる可能性があります。
みらい(新人医療事務)
他の管理料との組み合わせで注意することはありますか?
あおい(元・医療事務)
生活習慣病管理料(Ⅱ)との関係が告示に出てきます。生活習慣病管理を受けている患者に行った医学管理料等の費用は、原則として生活習慣病管理料(Ⅱ)に含まれるとされていますが、告示ではその「含まれる」対象から、この植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料を含む複数の管理料が明示的に除かれています。つまり告示上は包括の対象外として扱われている項目ですが、実際に同じ月に併せて算定できるかどうかは、患者さんの状態や運用によって変わり得るため、自院での個別確認をおすすめします。
併算定は個別確認を
生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定している患者との関係は、告示上「含まれるものとする」対象からこの指導管理料が除外されている、という整理が確認できています。ただし実際の組み合わせ可否は状況によって変わり得るため、二値で判断せず、自院のレセプト担当・審査支払機関への確認をおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この指導管理料について、前回改定(令和6年度)からの点数や算定要件の変更を示す記載は確認できていません(確認日: 2026-07)。810点の基本点数、140点の導入期加算という構成、月1回の算定という要件は、いずれも令和8年度の告示・留意事項通知の記載に基づくものです。
みらい(新人医療事務)
変わっていないなら、これまで通りの理解でよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただ「変更が無い」というのも、あくまで当サイトが確認できた一次資料の範囲での話です。念のため、自院の届出状況や算定実績と照らして、最新の告示・通知を確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの患者さんが算定候補かどうか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな流れで確認していくとよいと思います。

自院で確認する順番
- 患者さんが植込型輸液ポンプ持続注入療法(髄腔内投与を含む)を行っているかを確認する
- 入院中の患者でないか(外来通院中かどうか)を確認する
- 診察とともに投与量の確認・調節など療養上必要な指導を行ったかを確認する
- 同じ月にすでに算定していないか(月1回の上限)を確認する
- 植込術から3か月以内であれば、導入期加算140点の対象になるかも確認する
- 指導内容の要点を診療録に記載する
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
この加算で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかありますよ。
取り漏れやすいポイント
- 導入期加算の見落とし: 植込術から3か月以内なのに、140点の導入期加算を付け忘れているケース
- 月2回目の重複算定: 月1回の上限を超えて算定してしまうケース
- 診療録記載の不足: 「指導内容の要点を診療録に記載する」という留意事項の要件を満たさないまま算定しているケース
- プログラム変更費用の別建て請求: プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれるため、別に請求できない点の見落とし
似た名前の「在宅」の指導管理料と混同していませんか?
みらい(新人医療事務)
植込型の装置を使う指導管理料って、他にもある気がします。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ここは取り違えやすいポイントなので、はっきり区別しておきましょう。この植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料は、区分番号「B001」の26にあたる外来の医学管理料です。一方で、植込型脳・脊髄電気刺激装置などを使う在宅振戦等刺激装置治療指導管理料や在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料は、区分番号「C110」台にあたる在宅指導管理料で、区分そのものが違います。
みらい(新人医療事務)
点数の構成は似ているんですか?
あおい(元・医療事務)
偶然にも、在宅振戦等刺激装置治療指導管理料と在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料は、いずれも810点+植込術後3か月以内の導入期加算140点という構成で、この植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料と点数の形はよく似ています。ただし対象になる装置・治療法も、外来か在宅かという区分も別物なので、名前が似ているからと同じ扱いにしないよう注意してください。
区別のポイント
- 植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料(B001の26): 外来の医学管理料。輸液ポンプによる持続注入療法(髄腔内投与を含む)が対象
- 在宅振戦等刺激装置治療指導管理料・在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料(C110台): 在宅指導管理料。植込型脳・脊髄電気刺激装置や迷走神経電気刺激装置が対象で、区分が異なります
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をまとめてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
Q. 入院中の患者さんにも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 告示の条文は「入院中の患者以外の患者」が対象なので、入院中は対象外の可能性が高いです。詳しくは自院の状況で確認してください。
みらい(新人医療事務)
Q. 施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトが収録している一次資料の範囲では、この指導管理料固有の施設基準・届出の記載は確認できていません。ただし他の算定要件は満たす必要があるので、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
Q. 導入期加算はいつまで算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 告示では「植込術を行った日から起算して3月以内の期間」とされているので、植込術の実施日から3か月以内が目安になります。
みらい(新人医療事務)
Q. プログラム変更の費用は別に請求できますか?
あおい(元・医療事務)
A. 留意事項通知に「プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。」と明記されているため、別建てでの請求はできない整理です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。