みらい(新人医療事務)
院長から「糖尿病透析予防指導管理料って、うちでも算定候補になるか調べておいて」と言われたんですが、正直よくわかっていません…。これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
糖尿病の患者さんが将来透析に進まないよう、医師・看護師(または保健師)・管理栄養士がチームで生活習慣の指導を行ったときに算定候補になる管理料です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では「B001 特定疾患治療管理料」の「27 糖尿病透析予防指導管理料」として規定されています。
みらい(新人医療事務)
「透析予防」ってことは、糖尿病の患者さん全員が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、対象は絞られています。厚生労働省の留意事項通知には「糖尿病透析予防指導管理料は、入院中の患者以外の糖尿病患者(通院する患者のことをいい、在宅での療養を行う患者を除く。)のうち、ヘモグロビンA1c(HbA1c)がJDS値で6.1%以上(NGSP値で6.5%以上)又は内服薬やインスリン製剤を使用している者であって、糖尿病性腎症第2期以上の患者(現に透析療法を行っている者を除く。)に対し、医師が糖尿病透析予防に関する指導の必要性があると認めた場合に、月1回に限り算定する」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
HbA1cの数値や糖尿病性腎症の病期まで見ないといけないんですね…。これはカルテだけでは判断できなさそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。糖尿病性腎症の病期分類や、現に透析療法を行っていないかどうかは、主治医が診療の中で確認する事項です。医療事務側で「対象かどうか」を機械的に決めつけず、算定候補になりそうな患者さんが見つかったら、必ず医師に確認する流れにしておくのが安全です。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
実は1種類ではなく、状況によって4区分あります。基本の告示には「27 糖尿病透析予防指導管理料 350点」とあり、注1で「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)であって、医師が透析予防に関する指導の必要性があると認めた入院中の患者以外の患者に対して、当該保険医療機関の医師、看護師又は保健師及び管理栄養士等が共同して必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する」と定められています。
みらい(新人医療事務)
350点が基本なんですね。他の区分はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
表にすると整理しやすいです。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 概要 |
|---|---|---|
| 基本 | 350点 | 施設基準届出医療機関で対面指導 |
| 特定地域 | 175点 | 別に定める医療提供体制の確保が必要な地域に所在する届出医療機関の場合 |
| 情報通信機器を用いた場合(基本) | 305点 | 対面に代えて情報通信機器で指導管理を行った場合 |
| 情報通信機器を用いた場合(特定地域) | 152点 | 特定地域かつ情報通信機器を用いた場合 |
あおい(元・医療事務)
特定地域の点数については、告示に「所定点数に代えて、糖尿病透析予防指導管理料(特定地域)として、175点を算定する」とあります。情報通信機器を用いた場合については、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病透析予防指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、305点(注3に規定する糖尿病透析予防指導管理料(特定地域)を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合にあっては、152点)を算定する」と定められています。

みらい(新人医療事務)
自院がどの区分に当てはまるかは、地域の指定や届出内容を見ないとわからないですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。特定地域に該当するかどうかは、基本診療料の施設基準等で定める別表に基づく判定になりますので、自院が対象地域かどうかは施設基準の届出内容と合わせて確認が必要です。
施設基準・透析予防診療チーム
みらい(新人医療事務)
届出は必要なんですよね?どんな体制が必要になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、届出が必要です。対象医療機関について、当サイトの整理では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合し届け出た保険医療機関(注1)」となっています。そして実際に指導を行うのは、専任の医師・看護師(または保健師)・管理栄養士からなるチームです。留意事項通知には「当該指導管理料は、専任の医師、当該医師の指示を受けた専任の看護師(又は保健師)及び管理栄養士(以下「透析予防診療チーム」という。)が、(1)の患者に対し、日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド」等に基づき、患者の病期分類、食塩制限及び蛋白制限等の食事指導、運動指導、その他生活習慣に関する指導等を必要に応じて個別に実施した場合に算定する」とあります。
みらい(新人医療事務)
管理栄養士なら誰でもいいわけではなさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そこは施設基準の細かい要件になります。過去に示された疑義解釈(平成24年度)では「質問: B001の27糖尿病透析予防指導管理料の施設基準にある管理栄養士の経験として必要な栄養指導とは何か。回答: 栄養指導とは、患者の栄養状態や食行動等の評価・判定を踏まえ、療養に必要な食事や栄養に関する指導を行うこと等が含まれる。なお、食事の提供にかかる業務のみを行っている場合は、栄養指導を行っていないため、当該経験として必要な栄養指導には該当しない」と説明されています。食事の提供業務だけでは経験として認められない、という点は見落としやすいポイントです。自院の管理栄養士の経験内容が、施設基準上の「栄養指導」に当たるかどうかは、届出前に必ず確認しておく必要があります。
対象・体制の充足は自院での確認が必須です
糖尿病性腎症の病期・HbA1c基準の該当、透析予防診療チームの経験要件など、施設基準の充足は個々の医療機関の体制によって異なります。当サイトの整理だけで「対象外」「対象」と判断せず、必ず自院の届出状況と一次資料で確認してください。
算定タイミングと併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
月に何回まで算定できるんですか?他の管理料と一緒に算定してもいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
月1回までです。告示の注1に「月1回に限り算定する」と明記されています。併算定については、留意事項通知に「同一月又は同一日においても、「注2」に規定するものを除き、第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる」とあります。
みらい(新人医療事務)
「注2」に規定するものって何ですか?
あおい(元・医療事務)
外来栄養食事指導料と集団栄養食事指導料のことです。告示には「区分番号B001の9に掲げる外来栄養食事指導料及び区分番号B001の11に掲げる集団栄養食事指導料は、所定点数に含まれるものとする」と定められています。つまり、この2つは糖尿病透析予防指導管理料の所定点数に含まれてしまうため、同一月・同一日に別途算定することはできません。それ以外の医学管理等・在宅療養指導管理料は、要件を満たせば併算定できる候補になります。
みらい(新人医療事務)
生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定している患者さんの場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
生活習慣病管理料(Ⅰ)の留意事項通知を見ると、包括の対象からこの加算が除かれていることがわかります。「「B001」の「20」糖尿病合併症管理料、同「22」がん性疼痛緩和指導管理料、同「24」外来緩和ケア管理料、同「27」糖尿病透析予防指導管理料及び同「37」慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く。以下この項において同じ。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は全て所定点数に含まれる」とされており、生活習慣病管理料(Ⅰ)に包括される医学管理等の一覧から、糖尿病透析予防指導管理料は除外されています。同じ月に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定していても、糖尿病透析予防指導管理料が別枠になっている可能性があるということですが、実際に併算定できるかは個別のレセプト運用によって判断が分かれる部分もあるため、審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
「37」に慢性腎臓病透析予防指導管理料という似た名前の管理料も出てきましたが、これは同じものですか?
あおい(元・医療事務)
違います。区分番号B001の27「糖尿病透析予防指導管理料」と、区分番号B001の37「慢性腎臓病透析予防指導管理料」は、告示上まったく別の区分番号を持つ別の管理料です。名称が似ているので混同しやすいのですが、この記事はあくまで27番の糖尿病透析予防指導管理料について解説しています。慢性腎臓病透析予防指導管理料の算定要件を確認したい場合は、区分番号37の一次資料を別途確認してください。
高度腎機能障害患者指導加算・情報通信機器加算
みらい(新人医療事務)
点数区分の表に「情報通信機器を用いた場合」がありましたけど、他にも上乗せできる加算はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
高度腎機能障害患者指導加算という注4の加算があります。告示には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、高度腎機能障害の患者に対して医師が必要な指導を行った場合には、高度腎機能障害患者指導加算として、100点を所定点数に加算する」と規定されています。対象は、腎機能の指標であるeGFRが45未満の患者さんです。当サイトの整理では「注4に規定する高度腎機能障害患者指導加算は、eGFR(mL/分/1.73㎡)が45未満の患者に対し、専任の医師が、当該患者が腎機能を維持する観点から必要と考えられる運動について、その種類、頻度、強度、時間、留意すべき点等について指導し、また既に運動を開始している患者についてはその状況を確認し、必要に応じて更なる指導を行った場合に算定する」と補足されています。
みらい(新人医療事務)
情報通信機器を使う場合は、別の届出が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、告示上も「情報通信機器を用いて行った場合」は施設基準への適合と届出が前提になっています。対面での実施を情報通信機器に置き換える場合、単に「オンラインでもできる」と考えるのではなく、要件を満たした届出があるかどうかを個別に確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、この管理料は何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが確認できる令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、前回改定(令和6年度)からのこの管理料に関する変更点を明示した一次資料までは確認できていません。ここで案内している350点・175点・305点・152点の点数区分、対象患者の基準(HbA1c・糖尿病性腎症第2期以上)、高度腎機能障害患者指導加算100点は、いずれも令和8年度の告示・留意事項通知に基づく現行の内容です。
みらい(新人医療事務)
「変更がない」と言い切っているわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。点数だけでなく施設基準や算定要件まで前回改定と突き合わせた確認は、当サイトでは完了していません。前回改定からの正確な差分を知りたい場合は、厚生労働省が公表している改定関連の一次資料(個別改定項目についてなど)を直接確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院で確認するとしたら、どんな順番で進めればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で確認していくと進めやすいです。
自院で確認する順番
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対象患者の該当を医師に確認 — HbA1c基準(JDS値6.1%以上/NGSP値6.5%以上)または内服薬・インスリン製剤の使用、糖尿病性腎症第2期以上(透析療法中を除く)に該当する患者かどうか
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施設基準の届出状況を確認 — 糖尿病透析予防指導管理料の施設基準に適合した届出が地方厚生局に受理されているか
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透析予防診療チームの体制を確認 — 専任の医師・看護師(または保健師)・管理栄養士が揃っているか、管理栄養士の栄養指導経験が施設基準上の要件を満たしているか
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算定区分の判定 — 基本(350点)か、特定地域(175点)か、情報通信機器を用いる場合(305点/152点)かを確認
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高度腎機能障害患者指導加算の該当を確認 — eGFR45未満の患者に運動指導を行っているかどうか
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併算定ルールの確認 — 外来栄養食事指導料・集団栄養食事指導料は所定点数に含まれるため別算定不可、それ以外の医学管理等・在宅療養指導管理料との組み合わせは個別に確認
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記録の整備 — 病期分類・指導計画・実施した指導内容を診療録、療養指導記録または栄養指導記録に記載・添付しているか

よくある取り漏れ
見落としがちなポイント
- 管理栄養士の経験要件: 食事の提供業務のみを担当してきた管理栄養士は、施設基準上の「栄養指導」経験として認められない可能性があります
- 同日実施の要件: 医師・看護師(または保健師)・管理栄養士は必ずしも同席して指導する必要はありませんが、それぞれが同日に指導を実施している必要があります
- 外来栄養食事指導料との重複算定: 外来栄養食事指導料・集団栄養食事指導料は所定点数に含まれるため、同一月・同一日に別途算定できません
みらい(新人医療事務)
「同日に指導が必要」というのは見落としそうです。
あおい(元・医療事務)
過去の疑義解釈(平成24年度)でも、この点が明確にされています。「質問: B001の27糖尿病透析予防指導管理料について、当該点数を算定する日において、透析予防診療チームである医師、看護師又は保健師及び管理栄養士それぞれによる指導の実施が必要か。回答: そのとおり。当該指導にあたり、必ずしも医師、看護師又は保健師及び管理栄養士が同席して指導を行う必要はないが、それぞれが同日に指導を行う必要があることに留意されたい」とされています。日を分けて指導を行った場合は算定候補にならない可能性があるため、指導記録の日付を必ず確認する運用にしておくと安心です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
施設基準の経験要件について、複数の職場での経験を合算してもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
認められています。過去の疑義解釈(平成24年度)では「質問: B001の27糖尿病透析予防指導管理料の施設基準で求められている医師、看護師、保健師及び管理栄養士のそれぞれの経験は、複数の施設で必要な経験年数を満たしていてもいいのか。回答: そのとおり」とされています。1つの医療機関だけで経験年数を満たしていなくても、複数施設での経験を合算して施設基準を満たせる可能性があります。ただし、経験年数の証明方法や書類の準備は自院の届出手続きの中で確認してください。
みらい(新人医療事務)
病院でも算定候補になりますか、それとも診療所限定ですか?
あおい(元・医療事務)
告示上は保険医療機関全般が対象で、診療所に限定する規定はありません。診療所・病院いずれも、施設基準の届出があれば算定候補になり得ますが、実際の体制(専任の医師・看護師または保健師・管理栄養士の配置)が整っているかどうかで判断が変わってきます。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な施設基準・届出手続きは必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号・医科点数表〔令和8年6月19日訂正後版〕) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
- 疑義解釈資料の送付について(その1)医科(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の状況や届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。