みらい(新人医療事務)
「超音波式デブリードマン加算」ってカルテで見かけたんですが、これはどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは、K002デブリードマンという手術のなかで「超音波手術器」を使って創傷の壊死組織や汚染物質を切除・除去した場合に、所定点数へ上乗せできる加算です。令和8年度の点数表では2,500点と定められています。
みらい(新人医療事務)
超音波手術器って初めて聞きました。普通のデブリードマンと何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
通常のデブリードマンはメスや器具で壊死組織を切除する処置です。超音波式デブリードマンは、主にデブリードマンに使用する超音波手術器を用いて、組織や汚染物質等を切除・除去する方法を指します。厚生労働省の告示・留意事項通知では、対象となる創傷の種類が具体的に定められています。
みらい(新人医療事務)
どんな創傷でも対象になるわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。対象は限定されていますので、次で詳しく確認しましょう。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知で定められている対象は、Ⅱ度以上の熱傷、糖尿病性潰瘍、または植皮を必要とする創傷の3つです。この3つのいずれかに該当する創傷に対して、主にデブリードマンに使用する超音波手術器を用いた切除・除去を行った場合に対象になります。
みらい(新人医療事務)
熱傷のⅠ度は対象外ということですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、対象は「Ⅱ度以上」と明記されていますので、Ⅰ度の熱傷単独では対象に含まれないと考えられます。実際の判断は創傷の状態と診療録の記載内容によりますので、迷う場合は自院での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関に制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、診療所・病院のどちらも対象で、外来・入院のいずれの場面でも算定候補になります。在宅医療の場面については、この加算の対象には含まれていません。
点数を確認する
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
表にまとめますね。
| 項目 | 内容 | 年度 |
|---|---|---|
| 加算名 | 超音波式デブリードマン加算 | 令和8年度 |
| 点数 | 2,500点 | 令和8年度 |
| 算定単位 | 一連の治療につき1回 | 令和8年度 |
| 上乗せ対象 | K002デブリードマンの所定点数 | 令和8年度 |
| 対象創傷 | Ⅱ度以上の熱傷/糖尿病性潰瘍/植皮を必要とする創傷 | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
2,500点って結構大きいですね。何回でも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、「一連の治療につき1回に限り」という制限があります。同じ創傷に対する一連の治療のなかで超音波式デブリードマンを複数回行っても、加算できるのは1回だけです。
みらい(新人医療事務)
「一連の治療」って、具体的にはどこまでの範囲を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、一連の治療の区切り方について詳細な定義までは確認できていません。同一創傷に対する治療の開始から治癒・軽快までを一区切りとして扱うのが一般的な考え方ですが、判断に迷う場合は審査支払機関への確認をお勧めします。

施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するには、届出とか施設基準とか必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、超音波式デブリードマン加算そのものに個別の施設基準や届出は定められていません。ただし、基本手技であるK002デブリードマンの算定要件や、保険医療機関としての基本的な体制は満たしている必要があります。
みらい(新人医療事務)
届出が不要なら、特に確認しなくても大丈夫ですか?
あおい(元・医療事務)
届出が不要な加算であっても、確認すべき点はあります。実際に超音波手術器を用いた処置を行ったかどうか、対象となる創傷の種類、実施内容がカルテに記録されているかを確認しておくことをお勧めします。対象は施設基準と届出の要否で変わりますので、加算ごとに思い込みで判断しないことが大切です。
算定のタイミングと回数制限
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけたほうがいいことはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか注意点があります。まとめておきますね。
算定時の注意点
一連の治療につき1回のみ: 同一創傷への一連の治療のなかで複数回実施しても、加算できるのは1回に限られます。 生理食塩水の費用は別算定不可: 噴霧に用いた生理食塩水の費用は所定点数に含まれており、別途算定はできません。 他のデブリードマン加算との重複: 深部デブリードマン加算・水圧式デブリードマン加算など、同じK002デブリードマンに設けられている他の加算と、同一創傷に対して重複して算定できるかどうかは、告示の規定と実施内容を照らして個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
「水圧式デブリードマン加算」や「深部デブリードマン加算」というのも聞いたことがあります。何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
どちらも同じK002デブリードマンに設けられている加算ですが、対象と使用する器具・点数が異なります。違いを一覧にしてみますね。
デブリードマン加算の種類(同じK002に設けられた加算)
深部デブリードマン加算: 骨、腱又は筋肉の露出を伴う損傷が対象。当初の1回に限り1,000点。要件を満たせば繰り返し算定できる場合があります。 水圧式デブリードマン加算: Ⅱ度以上の熱傷、糖尿病性潰瘍又は植皮を必要とする創傷が対象。水圧式ナイフを使用。一連の治療につき1回に限り2,500点。 超音波式デブリードマン加算: 対象は水圧式デブリードマン加算と同じ。超音波手術器を使用。一連の治療につき1回に限り2,500点。
みらい(新人医療事務)
対象は水圧式デブリードマン加算と同じなのに、加算が分かれているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。対象となる創傷は共通していますが、実際にどちらの器具を使って切除・除去したかによって、どちらの加算に該当するかが決まります。カルテに使用した器具の記載がないと、どの加算に当てはまるかを後から示すのが難しくなりますので、記録を残しておくことが大切です。水圧式デブリードマン加算の記事もあわせて確認してみてください。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、超音波式デブリードマン加算について、令和6年度(2024年度)改定からの点数・対象・算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・当サイトが収録する一次資料に基づく)。点数(2,500点)、対象(Ⅱ度以上の熱傷、糖尿病性潰瘍又は植皮を必要とする創傷)、算定単位(一連の治療につき1回)は、令和8年度の点数表・留意事項通知でも同じ内容で確認できます。
みらい(新人医療事務)
変わっていないなら、あまり確認しなくてもよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
点数や要件が変わっていなくても、実際に算定候補になるかどうかは自院での実施内容や記録の整備状況によって変わります。変更がないことを確認したうえで、記録面の準備は毎回見直すことをお勧めします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
順番に確認するなら、どこから見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認してみてください。
自院で確認する順番
- K002デブリードマンを実施したか確認 — 超音波式デブリードマン加算は、K002デブリードマンの実施が前提になります
- 対象創傷に該当するか確認 — Ⅱ度以上の熱傷、糖尿病性潰瘍、植皮を必要とする創傷のいずれかに該当するか、カルテ記載を確認
- 超音波手術器を使用したか確認 — 主にデブリードマンに使用する超音波手術器で組織・汚染物質を切除・除去した記録があるか
- 一連の治療での算定回数を確認 — 同一創傷の一連の治療のなかで、超音波式デブリードマン加算をすでに算定していないか
- 他の加算との重複を確認 — 深部デブリードマン加算・水圧式デブリードマン加算など、同じK002デブリードマンの他の加算と重複していないか
みらい(新人医療事務)
これだけ確認すれば、判断しやすくなりそうです。

よくある取り漏れ
あおい(元・医療事務)
見落としやすいポイントもまとめておきますね。
見落としやすいポイント
生理食塩水の費用: 噴霧に用いた生理食塩水の費用は所定点数に含まれており、別途算定すると過誤の原因になります。 器具の記載漏れ: カルテに「超音波手術器を使用した」旨の記載がないと、後から算定根拠を示せなくなることがあります。 一連の治療の区切りの曖昧さ: 一連の治療がどこからどこまでかの判断が曖昧なまま複数回算定してしまうケースがあるため、治療計画の記録を残しておくことが大切です。 術後創部管理との混同: 術後の縫合創の管理には切開創局所陰圧閉鎖処置機器加算のように別の加算が設けられている場面もあります。対象となる場面が異なるため、混同しないよう個別に確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に気になっていることを聞いてもいいですか。外来でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが収録している一次資料の範囲では、外来・入院のいずれの場面でも対象になっています。ただし実際に算定候補になるかどうかは、対象創傷への該当性と実施内容の記録次第ですので、自院での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
糖尿病性潰瘍の患者さんなら、必ず超音波式デブリードマン加算の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
「糖尿病性潰瘍」であることだけでは足りません。留意事項通知の要件は「主にデブリードマンに使用する超音波手術器を用いて、組織や汚染物質等の切除、除去を実施した場合」ですので、実際に超音波手術器による処置を行ったかどうかが判断のポイントになります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出が不要なのは、他の加算と比べて珍しいですか?
あおい(元・医療事務)
加算によって届出の要否は異なります。超音波式デブリードマン加算は、当サイトが収録している一次資料の範囲では届出不要な加算に分類されていますが、これは加算ごとに個別に確認すべき点です。届出が必要な加算と不要な加算が混在していますので、都度確認することをお勧めします。
公式資料の根拠
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の資料を根拠にしています。詳細な算定要件は必ず一次資料でご確認ください。
| 資料 | 発行/種別 | 年度 |
|---|---|---|
| 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(医科点数表 K002 デブリードマン) | 厚生労働省・告示 | 令和8年度 |
| 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(K002 デブリードマン関連通知) | 厚生労働省・留意事項通知 | 令和8年度 |
| 当サイトが収録する加算索引(超音波式/水圧式/深部デブリードマン加算) | 当サイトの整理 | 令和8年度 |
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した処置の内容や対象創傷を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。