みらい(新人医療事務)
院長から「甲状腺のシンチグラムをやったときに、摂取率測定加算ってつけていいの?」と聞かれたんですけど、正直よくわかっていなくて…。
あおい(元・医療事務)
甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算ですね。核医学診断の分野なので、見慣れない病院以外だと戸惑う先生も多いです。まずは全体像から一緒に確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
お願いします。名前が長くて、何に対する加算なのかもピンと来ていません。
あおい(元・医療事務)
一言でいうと、甲状腺のシンチグラム検査をする際に「摂取率」という数値も測定した場合に、検査の点数に上乗せできる加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、区分は変わらず設けられています。
甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも「摂取率」を測るというのは、どういう検査なんですか。
あおい(元・医療事務)
甲状腺シンチグラムは、放射性医薬品を投与して甲状腺の画像を撮る検査です。その検査の中で、甲状腺がどれくらいの割合で薬剤を取り込んだか(摂取率)まで測定した場合に、この加算の対象になります。厚生労働省の告示では、次のように定められています。
根拠となる条文(要旨)
根拠: 「甲状腺シンチグラム検査に当たって、甲状腺ラジオアイソトープ摂取率を測定した場合は、甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算として、100点を所定点数に加算する。」(診療報酬の算定方法の告示・医科点数表 第2章第3部画像診断 第4節核医学診断料の注)
みらい(新人医療事務)
100点が上乗せされるんですね。検査そのものの点数とは別ということですか。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。甲状腺シンチグラム検査自体の所定点数に、この100点を加算する形になります。検査だけで摂取率を測定していない場合は、加算の対象にはなりません。測定した事実がカルテ・レポートに残っているかがポイントです。

対象になる検査(E100・E101)
みらい(新人医療事務)
「甲状腺シンチグラム」と言っても、検査の種類はいくつかあるんですよね。
あおい(元・医療事務)
はい。核医学診断料の中では、大きく2つの区分が対象になります。1つは画像を伴うシンチグラム(E100)、もう1つはシングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、いわゆるSPECT(E101)です。どちらで甲状腺の摂取率を測定した場合も、同じ100点の加算が認められています。
対象となる区分
E100 シンチグラム(画像を伴うもの): 甲状腺シンチグラム検査で摂取率を測定した場合に100点を加算 E101 シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影: 同様に甲状腺シンチグラム検査で摂取率を測定した場合に100点を加算
みらい(新人医療事務)
表にすると整理しやすそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。点数だけを見ると次のようになります。実際の検査点数(基本点数)は医科点数表本体でご確認いただく前提で、ここでは加算部分だけを整理しています。
| 検査区分 | 加算の対象になる行為 | 加算点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| E100 シンチグラム(画像を伴うもの) | 甲状腺シンチグラム検査で摂取率を測定 | 100点 |
| E101 シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影 | 甲状腺シンチグラム検査で摂取率を測定 | 100点 |
みらい(新人医療事務)
どちらの区分で撮っても、摂取率さえ測っていれば加算候補になる、ということですね。
あおい(元・医療事務)
資料の範囲ではそう読み取れます。ただし実際にどちらの区分で算定するかは、検査方法・使用機器によって決まりますので、そこは放射線科・核医学の担当者と確認していただくのが確実です。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
この加算、うちみたいな診療所でも対象になりますか。
あおい(元・医療事務)
この点について、当サイトが収集した一次資料の範囲では、診療所・病院の別や外来・入院の別を限定する記述は見当たりません。在宅医療についても同様に、当サイトが確認した資料の範囲では言及がなく、対象に含まれるかどうかは資料の範囲では確認できていません。自院がどの区分に当てはまるかは、医科点数表本体や審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
施設の規模による制限とかはないんですか。
あおい(元・医療事務)
資料で確認できた範囲では、病床数などによる限定は明記されていません。核医学診断を実施できる体制(装置・放射性医薬品の取り扱い)があるかどうかが、実質的な前提になります。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算だけのために、施設基準の届出を出す必要ってあるんですか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲と当サイトの整理では、この加算に固有の施設基準・届出は設けられていません。核医学診断料の検査自体を実施できる体制であれば、摂取率を測定した都度、加算として算定できる候補になります。
みらい(新人医療事務)
届出不要というのは、ちょっと意外でした。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし「届出が要らない=何もチェックしなくていい」ではありません。次で触れますが、放射性医薬品の管理体制については、告示に基づく望ましい取り扱いが示されています。
届出不要でも確認しておきたいこと
当サイトが確認した一次資料の範囲では、この加算固有の施設基準の届出は確認されていません。ただし核医学診断そのものを行うための体制(装置・放射性医薬品取扱者の配置等)は別途必要です。自院の体制が整っているかは、届出の有無とは別に確認しておくことをおすすめします。
放射性医薬品の管理について
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた「放射性医薬品の管理」というのは、どんな内容なんですか。
あおい(元・医療事務)
告示では次のように述べられています。
放射性医薬品の管理に関する記載(要旨)
記載内容: 「当該撮影に用いる放射性医薬品については、専門の知識及び経験を有する放射性医薬品管理者の下で管理されていることが望ましい。」
みらい(新人医療事務)
「望ましい」ということは、必須の要件ではないんですか。
あおい(元・医療事務)
文言のとおり、望ましいとされる取り扱いであって、算定要件として必須と断定されているわけではありません。ただ、核医学診断を安全に行う観点からは、実務上は放射性医薬品管理者を置いている医療機関が多い分野です。自院の体制がどうなっているかは、算定可否とは別に確認しておくと安心です。
算定タイミング・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか。
あおい(元・医療事務)
基本は、甲状腺シンチグラム検査(E100またはE101)を実施し、その検査の中で摂取率を測定したタイミングで、検査点数と合わせて算定する形になります。摂取率の測定をしていない回については、加算の対象にはなりません。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できないケースとかはあるんですか。
あおい(元・医療事務)
この加算固有の併算定制限については、当サイトが収録している一次資料の範囲では明記が確認できていません。断定はできませんので、他の画像診断・核医学関連の加算と合わせて算定する場合は、医科点数表本体や留意事項通知、審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
たとえば時間外に検査した場合はどうなりますか。
あおい(元・医療事務)
時間外・深夜・休日に緊急で院内画像診断を行った場合は、時間外緊急院内画像診断加算が別に設けられています。甲状腺シンチグラムを緊急時間外に実施したケースでは、そちらの加算も算定候補にならないか、あわせて確認しておくとよいでしょう。

令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この加算、今回の改定で何か変わったところはありますか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲(2026年7月確認・厚労省告示ベース)では、甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算そのものについて、前回改定(令和6年度)からの点数・要件面での変更は確認されていません。100点という加算点数、届出不要という位置づけともに、これまでと同様の内容で維持されています。
みらい(新人医療事務)
変わっていないなら、今のやり方のままで大丈夫そうですね。
あおい(元・医療事務)
そう捉えて差し支えありませんが、点数表全体は毎回細かな改定が入りますので、算定の直前には最新の医科点数表・告示で年度と内容を再確認する習慣をつけておくと安心です。
自院で確認する順番
算定候補かどうかを確認する手順
- 甲状腺シンチグラム検査(E100)またはSPECT(E101)を実施したかを確認する
- その検査の中で、甲状腺ラジオアイソトープ摂取率を測定したかをカルテ・レポートで確認する
- 摂取率を測定していれば、検査の所定点数に100点を加算できる候補になる
- 放射性医薬品の管理体制(管理者の配置状況)を院内で確認しておく
- 他の画像診断・核医学関連加算との併算定については医科点数表・留意事項通知で確認する
よくある取り漏れ
取り漏れやすいポイント(1)
摂取率測定の記録漏れ: 検査自体は行っていても、摂取率を測定した記録がカルテ・レポートに残っていないと、加算の根拠を示しにくくなります。測定結果を明記しておくことが大切です。
取り漏れやすいポイント(2)
E100とE101の混同: どちらの区分で実施したかによって、レセプトの記載箇所が変わります。摂取率測定加算自体は共通ですが、基本検査の区分を取り違えないようにしましょう。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問をまとめておきたいです。
あおい(元・医療事務)
いいですね。いくつか整理しておきましょう。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない診療所でも、この加算は算定候補になりますか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算に固有の届出は設けられていません。核医学診断の検査自体を実施できる体制があれば、摂取率を測定した回について算定候補になります。ただし最終的な判断は、自院の届出状況全体や公式資料でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
摂取率を測定しなかった場合はどうなりますか。
あおい(元・医療事務)
摂取率を測定していなければ、この加算の対象にはなりません。甲状腺シンチグラム検査自体の点数のみの算定になります。
みらい(新人医療事務)
令和6年度から点数は変わっていますか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの点数変更は確認されていません。100点のまま維持されています。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。