みらい(新人医療事務)
先生、耳鼻咽喉科の手術のレセプトを見ていたら「副鼻腔手術用内視鏡加算」というのが出てきたんですけど、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
副鼻腔(ふくびくう)の手術のときに、内視鏡を使って手術をした場合に上乗せできる加算ですよ。区分番号でいうとK934です。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、点数と対象手術の範囲が定められています。
みらい(新人医療事務)
「上乗せ」ということは、単独では算定できないんですね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。この加算は単独の技術料ではなく、決められた副鼻腔の手術を実施し、かつその手術で内視鏡を使用した場合にだけ算定候補になる「手術医療機器等加算」という位置づけです。対象手術に当てはまらなければ、内視鏡を使っても算定候補にはなりません。
この加算は何のための加算ですか
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が関係する加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
副鼻腔の手術を行う診療所・病院のどちらも対象です。外来手術・入院手術のどちらでも算定候補になり得ます。在宅医療の場面は対象外です。実施するのは主に耳鼻咽喉科の手術チームですね。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんは、副鼻腔炎の手術を受ける方全員ですか?
あおい(元・医療事務)
そこがポイントで、「副鼻腔の手術を受ける患者さん全員」ではありません。対象は告示で指定された特定の区分番号の手術に限られます。次のセクションで一覧にしますね。
点数・対象手術(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的にどの手術が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載する令和8年度の告示(診療報酬の算定方法の一部を改正する件)では、次の5つの区分番号の手術に当たって内視鏡を使用した場合に、K934として1,000点を加算すると定められています。
| 区分番号 | 手術名 | 手術の点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| K350 | 前頭洞充填術 | 13,200点 |
| K352 | 上顎洞根治手術 | 9,180点 |
| K352-3 | 副鼻腔炎術後後出血止血法 | 6,660点 |
| K362-2 | 経上顎洞的顎動脈結紮術 | 28,630点 |
| K365 | 経上顎洞的翼突管神経切除術 | 28,210点 |
あおい(元・医療事務)
これらのいずれかの手術で内視鏡を使用した場合に、手術点数とは別にK934(1,000点)を加算する、という組み立てです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、対象手術+内視鏡使用、の2条件がそろって初めて加算候補になるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。どちらか一方だけでは算定候補になりません。

施設基準・届出はどうなっていますか
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載する一次資料の範囲では、この加算そのものについて特別な施設基準や事前の届出は求められていません。病床数による制限(200床未満のみ、など)や、研修修了などの人員要件も、この加算単体では確認されていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、内視鏡を使って対象手術をすれば、届出なしでそのまま算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
加算そのものの届出は不要という整理ですが、元になる手術(K350等)自体に施設基準や届出が定められている可能性はあります。加算だけを見て判断せず、実施する手術本体の要件も必ず確認してくださいね。
届出不要=無条件算定ではありません
K934自体に施設基準・届出の要件は確認されていませんが、対象手術(K350、K352、K352-3、K362-2、K365)側の算定要件・施設基準は個別に確認が必要です。また、実際に内視鏡を使用したことをカルテ・手術記録に残しておくことが望まれます。最終的な判断は自院の記録と審査支払機関の確認によります。
算定タイミング・回数・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングや回数の制限ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載する一次資料では、「対象手術に当たって内視鏡を使用した場合に算定する」とだけ定められていて、月何回まで、といった回数の上限は明記されていません。手術1回ごとに、その手術で内視鏡を使ったかどうかで判断する加算、と理解しておくとよいでしょう。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に確認したいところです。似た名前の加算に「副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算」(K934-2)があります。こちらはK340-3からK340-7まで、およびK350からK365までの手術で、骨軟部組織切除機器を使用した場合に1,000点を加算するもので、対象手術の範囲がK934と一部重なりますが、加算の対象になる「使用した機器」が異なります。同じ手術で内視鏡と骨軟部組織切除機器の両方を使った場合に両方算定できるかどうかは、当サイトが収載する一次資料だけでは明確に確認できていません。
類似加算との併算定は要確認
副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2)など、似た名称の加算との同時算定の可否は、当サイトが収載する一次資料の範囲では明記されていません。同一手術で複数の機器加算を算定したい場合は、審査支払機関に確認するか、公式資料の最新版を確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
<!-- 改定差分ディレクティブ: 前回改定(令和6年度)との対比 -->みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載する令和8年度の一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの点数や対象手術の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。区分番号K934として1,000点、対象手術5区分という組み立てが、令和8年度時点でも維持されています。
前回→今回の対比
・令和6年度(2024年度)時点の点数: 当サイトの収載範囲では確認できていません。令和8年度の一次資料内に新設・改廃の記載が無いことから、実質的な変更は無かったと推測されます ・令和8年度(2026年度)改定: 同じくK934・1,000点、対象手術の区分番号にも変更は確認されていません ・新設・廃止・点数変更のいずれも、当サイトが収載する一次資料の範囲では見当たりません
みらい(新人医療事務)
変わっていないなら、去年の知識のままで大丈夫そうですね。
あおい(元・医療事務)
基本的な組み立ては同じですが、念のため直近の告示・通知は都度確認する習慣をつけておくと安心です。改定の谷間で疑義解釈が追加されることもありますから。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックで算定候補になるか、どう確認したらいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に確認していきましょう。
自院で確認する順番
- 実施した手術がK350、K352、K352-3、K362-2、K365のいずれかに該当するか、手術記録・レセプトコードで確認する
- その手術で内視鏡を実際に使用したか、手術記録に使用の事実が記載されているか確認する
- K352-2(鼻内上顎洞根治手術)など、名称が似ているが対象手術リストに含まれないコードで手術していないか確認する
- 副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2)など類似加算との重複算定がないか、審査支払機関の基準もあわせて確認する
- 上記が確認できたら、K934(1,000点)をレセプトに追記する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
実例としてよくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ・誤算定の例
・対象手術の勘違い: K352-2(鼻内上顎洞根治手術)はK352(上顎洞根治手術)と名前が似ていますが、K934の対象手術リストには含まれていません。区分番号を必ず確認しましょう ・内視鏡使用の記録漏れ: 実際に内視鏡を使用していても、手術記録に明記されていないと後から算定根拠を示しにくくなります ・類似加算との混同: 副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2)と対象手術・対象機器が異なるため、レセプトへの記載を混同しないよう注意が必要です
よくある質問
みらい(新人医療事務)
内視鏡を使わない従来法で上顎洞根治手術をした場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載する一次資料では「内視鏡を使用した場合に算定する」と定められているため、内視鏡を使用していない場合は算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
鼻内上顎洞根治手術(K352-2)でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示に示された対象手術リスト(K350、K352、K352-3、K362-2、K365)にK352-2は含まれていません。当サイトが収載する一次資料の範囲では、対象外の可能性が高いといえます。最終的には公式資料や審査支払機関で確認してください。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載する一次資料の範囲では、この加算単体についての施設基準・事前届出は確認されていません。ただし対象手術本体の要件は別途確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
副鼻腔手術用骨軟部組織切除機器加算(K934-2)と一緒に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
対象手術の範囲は一部重なりますが、両方の機器を同一手術で使用した場合に両方算定できるかどうかは、当サイトが収載する一次資料だけでは明確に確認できていません。審査支払機関への確認をおすすめします。
公式資料の根拠
あおい(元・医療事務)
この記事は、厚生労働省の告示「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)」に掲載されている区分番号K934および関連する区分番号(K350、K352、K352-3、K362-2、K365)の記載を根拠にしています。最新の告示・通知は厚生労働省の公式サイトでも確認できます。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。