みらい(新人医療事務)
心臓血管外科の先生から「術中グラフト血流測定加算って算定できますか?」って聞かれたんですけど、正直よく分からなくて…。冠動脈のバイパス手術のときに使う加算ですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、K937-2 術中グラフト血流測定加算ですね。冠動脈血行再建術や血管のバイパス移植術などで、グラフト(つなぎ直した血管)の血流を術中に測定した場合の加算です。令和8年度(2026年度)の点数表では2,500点となっています。ただし、算定候補になるかどうかは測定方法や手術の種類によって条件があるので、順番に確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
測定方法まで決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。厚生労働省の告示・留意事項通知には、この加算の対象になる測定方法が明記されています。ここを見落とすと算定できない可能性があるので、まず条文の中身を一緒に見ていきましょう。
術中グラフト血流測定加算とはどんな加算か
みらい(新人医療事務)
そもそも、この加算はどんな場面で使うものなんですか?
あおい(元・医療事務)
手術医療機器等加算の一つで、単独では算定できません。冠動脈血行再建術、四肢の血管移植術、バイパス移植術のいずれかを行う際に、グラフトの血流を専用の機器で測定した場合に、手術の所定点数に上乗せする形で算定します。厚生労働省の告示にはこう記載されています。
告示の該当箇所(令和8年度)
点数: 「K937-2 術中グラフト血流測定加算 2,500点」 算定要件(告示・注): 「手術に当たって、機器を用いてグラフト血流を測定した場合に算定する。」 (出典: 厚生労働省告示・令和8年厚生労働省告示第69号関係の医科点数表)
みらい(新人医療事務)
「機器を用いて」というのは、具体的にどんな機器なんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは留意事項通知(保医発)でさらに詳しく定められています。対象になる手術と測定方法が具体的に書かれているので、次にそこを確認しましょう。
対象になる手術と測定方法
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、対象手術と測定方法がセットで示されています。
留意事項通知の該当箇所(令和8年度)
「冠動脈血行再建術、四肢の血管移植術又はバイパス移植術に当たって超音波トランジットタイム法又は高解像度心外膜超音波法により、グラフトの血流を術中に測定した場合に算定する。」
| 対象手術 | 想定される場面 |
|---|---|
| 冠動脈血行再建術 | 冠動脈バイパス移植術(心拍動下含む)など |
| 四肢の血管移植術 | 下肢・上肢の血管を用いた血行再建 |
| バイパス移植術 | 血管をつなぎ直すバイパス手術全般 |
| 測定方法 | 概要(留意事項通知の記載範囲) |
|---|---|
| 超音波トランジットタイム法 | 超音波でグラフト内の血流(流量)を計測する方法 |
| 高解像度心外膜超音波法 | 心外膜上から高解像度の超音波でグラフトを描出・評価する方法 |
みらい(新人医療事務)
この2つの方法以外の測定だと算定候補にならない、ということですね?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知に明記されているのはこの2方式です。当サイトが収集した一次資料の範囲では、他の測定方法についての記載は見当たりません。実際に使用した機器・測定方法がこの2方式に該当するかどうかは、術者・診療録の記載で確認する必要があります。
点数と算定単位
みらい(新人医療事務)
点数はさっきの2,500点で合っていますか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の点数表では2,500点です。念のため、隣接する似た名前のK937(心拍動下冠動脈、大動脈バイパス移植術用機器加算)と混同しないように整理しておきますね。
| 区分番号 | 加算名 | 点数(令和8年度) | 算定要件の概要 |
|---|---|---|---|
| K937-2 | 術中グラフト血流測定加算 | 2,500点 | 対象手術で超音波トランジットタイム法等によりグラフト血流を測定した場合 |
| K937(参考・別加算) | 心拍動下冠動脈、大動脈バイパス移植術用機器加算 | 30,000点 | 区分番号K552-2の手術で当該機器を使用した場合 |
K937とK937-2は別の加算です
K937は「区分番号K552-2に掲げる手術に当たって、心拍動下冠動脈、大動脈バイパス移植術用機器を使用した場合」の加算で、K937-2(術中グラフト血流測定加算)とは算定要件も対象手術の範囲も異なります。同じ手術で両方の算定候補になる場面もありえますが、それぞれの要件を個別に満たしているかを一次資料と診療録で確認してください。当サイトの一次資料の範囲では、両者の併算定可否そのものを明記した記載は確認できておらず、この点は未確認として扱っています。
みらい(新人医療事務)
手術医療機器等加算って、ほかにもいろいろあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、手術の種類ごとに個別の機器加算が設定されています。たとえば手技に応じて算定候補になる局所穿刺療法併用加算のように、対象手術・使用機器・測定方法がそれぞれ異なるので、名称が似ていても要件を混同しないことが大切です。
みらい(新人医療事務)
医科診療行為マスターのコードも知りたいんですが…。
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、当サイトが収集している一次資料の中に、この加算に対応する具体的なマスターコード(数字コード)の記載は見当たっていません。レセプトコンピュータへの登録時は、お使いのシステムのマスター、または医科診療行為マスターで最新のコードをご確認ください。
施設基準・届出について(要確認)
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
ここは正直にお伝えします。当サイトが収集した告示・留意事項通知の範囲では、術中グラフト血流測定加算そのものに固有の施設基準や届出様式についての記載は確認できていません。手術医療機器等加算は、対象となる手術の所定点数に上乗せする形の加算が多く、加算単独の届出が不要なケースもありますが、これは一般論であり、この加算固有の記載として裏付けが取れているわけではありません。
施設基準・届出は自院で最終確認を
施設基準や届出の要否について、当サイトの一次資料内では明確な記載を確認できていません。断定はできませんので、実際の届出状況・様式は自院の地方厚生(支)局への届出内容、または最新の告示・通知の原文で必ずご確認ください。
算定タイミング・回数・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
1回の手術で何回も算定できたりしますか?
あおい(元・医療事務)
回数制限についても、当サイトが収集した一次資料の中に「1回の手術につき1回」のような明示的な記載は見当たっていません。告示・留意事項通知に記載されているのは「手術に当たって、機器を用いてグラフト血流を測定した場合に算定する」という算定条件のみです。
回数・タイミングは未確認
1手術あたりの算定回数の上限や、複数のグラフトを測定した場合の扱いについて、当サイトの一次資料からは確認できていません。同一手術で複数箇所を測定した場合の取り扱いは、自院の症例に即して審査支払機関または地方厚生局に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
分かりました、断定できない部分は無理に決めつけない方がいいですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。分かっていることと分かっていないことを分けて記録しておくと、レセプト作成のときにも迷いにくくなります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定と比べて、この加算は何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
そこも正直にお答えします。当サイトが収集しているのは令和8年度の一次資料(告示・留意事項通知)が中心で、前回改定(令和6年度)時点の同項目の一次資料は保有していません。そのため、点数や算定要件が前回改定から変更されたのか据え置きなのかを、当サイトの一次資料だけで確証を持って比較することはできていません。
改定差分の確認範囲(令和8年度時点)
当サイトが収載する令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、術中グラフト血流測定加算(K937-2)の点数・算定要件の記載に矛盾や欠落は確認されていません。ただし、令和6年度(2024年度)時点の一次資料との突き合わせは当サイト内では行えていないため、「前回改定からの変更点」については確認できていません。正確な改定履歴は、厚生労働省の個別改定項目資料や医科点数表の新旧対照表でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と決めつけずに、「比較できていない」と正直に書くんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。資料にないことを推測で埋めると、かえって読者の判断を誤らせてしまいますから。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院で何から確認すればいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
順番に並べると、こうなります。
自院で確認する順番
- 実施した手術が冠動脈血行再建術・四肢の血管移植術・バイパス移植術のいずれかに該当するか確認する
- 術中に超音波トランジットタイム法または高解像度心外膜超音波法でグラフト血流を測定したか、診療録・手術記録を確認する
- 測定を実施した機器名・測定結果が診療録に記録されているか確認する
- 施設基準・届出の要否、回数制限などの未確認事項について、自院の地方厚生局・審査支払機関に確認する
- 上記が整理できたら、算定候補として院内のレセプト担当者・医師と共有する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よく見かけるのは次のようなケースです。
取り漏れやすいポイント
測定方法の記載漏れ: 血流を測定したこと自体は手術記録にあっても、「超音波トランジットタイム法」「高解像度心外膜超音波法」のどちらを使用したかが明記されていないと、算定要件との対応が確認しにくくなります。 K937との混同: 名前が似ているK937(心拍動下冠動脈、大動脈バイパス移植術用機器加算)と取り違えて登録してしまうケースがあります。対象手術・点数がまったく異なるため、区分番号を都度確認してください。 入院での手術に限定: 当サイトのデータでは、この加算は入院での手術を想定した扱いになっています(外来・在宅での手術は対象外の可能性があります)。手術の実施場所も含めて確認してください。

よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうなことをまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、いくつか整理しますね。
みらい(新人医療事務)
Q. 冠動脈バイパス手術以外でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 告示・留意事項通知には、冠動脈血行再建術のほか、四肢の血管移植術やバイパス移植術も対象として明記されています。冠動脈以外の血管手術でも、対象手術と測定方法の要件を満たせば算定候補になりえますが、実際の該当可否は術式の詳細で個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
Q. 測定は誰が実施してもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトが収集した一次資料の範囲では、測定の実施者に関する具体的な記載は確認できていません。手術チーム内での実施者・記録方法については、自院の運用と最新の通知でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
Q. 前回改定(令和6年度)から点数は変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトは令和6年度時点の同項目の一次資料を保有していないため、前回改定との比較そのものが確認できていません。令和8年度時点の点数は2,500点です。正確な改定履歴が必要な場合は、厚生労働省の新旧対照表をご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。