みらい(新人医療事務)
先輩、手術のレセプトを見ていたら「K938 体外衝撃波消耗性電極加算」という項目が出てきました。これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
K938は「体外衝撃波消耗性電極加算」という手術医療機器等加算です。令和8年度の点数表では3,000点が設定されていて、決まった手術で消耗性の電極を使ったときに算定候補になります。単独では算定できず、対象となる手術とセットで考える加算ですよ。
みらい(新人医療事務)
「対象となる手術とセット」というのがポイントなんですね。具体的にはどの手術ですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示では、区分番号K678(体外衝撃波胆石破砕術)とK768(体外衝撃波腎・尿管結石破砕術)に当たって消耗性電極を使用した場合に算定する、とされています。この2つの手術以外で算定することはできません。
K938の算定要件(告示ベース)
対象手術: 区分番号K678またはK768に掲げる手術に限られます 加算内容: 消耗性電極を使用した場合に3,000点を加算 根拠: 令和8年厚生労働省告示第69号(医科点数表)K938の注
みらい(新人医療事務)
「消耗性電極」って言葉、正直あまりピンと来ないんですけど、どういうものを指すんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に定義があって、「1回又は2回以上の使用により消耗し、交換が必要となる電極」とされています。要は使うたびに劣化して交換していくタイプの電極、というイメージです。装置に固定されていて繰り返し使う電極とは区別されているんですね。
みらい(新人医療事務)
なるほど。では手術のたびに毎回3,000点を算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要です。留意事項通知には「この加算は一連の手術について1回のみ算定する」と明記されています。つまり、ひとつの治療過程(一連)の中で消耗性電極を複数回交換しても、加算としては1回分しか算定候補になりません。
回数制限に関する注意
留意事項通知上、K938は「一連の手術について1回のみ」の算定とされています。同一の一連治療の中で電極を複数回使用・交換した場合でも、加算の算定回数は増えません。実際の算定にあたっては、レセプト担当者・院内の運用ルールと合わせて確認が必要です。
対象となる手術(K678・K768)を確認する
みらい(新人医療事務)
対象となる2つの手術、K678とK768について、もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
まずK678は「体外衝撃波胆石破砕術(一連につき)」で、令和8年度の点数表では16,300点です。胆嚢結石症の既往がある方や、胆嚢に炎症がなく胆嚢機能が良好な胆嚢結石症・肝内結石症などが対象になります。留意事項通知では「一連」とは治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいう、とされていて、数日の間隔をおいて複数回の破砕を行っても所定点数は1回に限り算定する、という考え方です。
みらい(新人医療事務)
K768のほうはどうですか?
あおい(元・医療事務)
K768は「体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)」で、令和8年度の点数表では19,300点です。こちらも留意事項通知に「一連」の定義があり、数日の間隔をおいて一連の治療過程にある数回の破砕を行う場合は1回のみ所定点数を算定する、その他数回の手術の費用は所定点数に含まれ別に算定できない、とされています。
みらい(新人医療事務)
つまりK678もK768も、それ自体が「一連につき」という考え方の手術なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。だからこそK938の「一連の手術について1回のみ」という回数制限も、この2つの手術の性質と揃えて考えるとわかりやすいと思います。手術本体が一連単位、加算も一連単位、というイメージですね。

施設基準・届出はどうなっているか
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要なんですか?病院で働いていた時は、加算によっては届出が必要なものも多かった記憶があります。
あおい(元・医療事務)
そこは加算ごとに違うので、必ず条文を確認する必要があります。K938の告示本文を見ると「区分番号K678及びK768に掲げる手術に当たって、消耗性電極を使用した場合に算定する」とだけ書かれていて、施設基準への適合や地方厚生局への届出について触れた文言は見当たりません。
みらい(新人医療事務)
届出に関する文言が無い、ということは、届出はいらないということですか?
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、参考として、同じ手術医療機器等加算の区分にあるK924-3(同種クリオプレシピテート作製術)を見ると「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」という届出の文言がはっきり書かれています。K938にはこの種の文言が見当たらないため、届出の要否は告示・留意事項通知だけでは確定できず、要確認として扱っています。最終的な運用は自院の地方厚生局へ確認していただくのが確実です。
自院で確認する順番
- K678(体外衝撃波胆石破砕術)またはK768(体外衝撃波腎・尿管結石破砕術)を実施しているか確認する
- その手術で消耗性電極を使用したかどうかをカルテ・使用材料の記録で確認する
- 同じ一連の治療過程の中で、加算をすでに算定していないか確認する(一連につき1回のみ)
- 施設基準・届出の要否について、自院の地方厚生局への確認状況をあわせて確認する
みらい(新人医療事務)
届出が不要そうでも、念のため確認しておいたほうが安心ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に令和8年度改定のように告示・通知が更新されるタイミングでは、条文の表記が変わっていないかも含めて、都度確認する習慣をつけておくと安心です。

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがあるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
いくつか典型的なパターンがあります。
よくある取り漏れ・誤算定のパターン
対象手術の勘違い: K678・K768以外の体外衝撃波関連手術(体外衝撃波疼痛治療術K096-2や体外衝撃波膵石破砕術K699-2など)と混同して算定してしまうケース 電極の種類の確認漏れ: 使用した電極が留意事項通知の定義に沿った「消耗性電極」であることを、使用材料の記録から確認できていないケース 一連での重複算定: 同一の一連治療過程の中で複数回電極を交換し、そのたびに加算を算定してしまうケース(留意事項通知上は一連につき1回のみ)
みらい(新人医療事務)
名前が似ている加算が多いから、区分番号をきちんと確認しないと危ないですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。K096-2の体外衝撃波疼痛治療術や、K699-2の体外衝撃波膵石破砕術など、「体外衝撃波」とつく術式は他にもあります。K938はあくまでK678とK768に限定された加算なので、区分番号ベースで確認する癖をつけておくと取り違えを防げます。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定からK938は何か変わったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号および関連の留意事項通知)の範囲では、K938の点数・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。当サイトが収録している一次資料には令和6年度時点のK938に関する資料が含まれていないため、この点については「変更なし」と断定はせず、確認できた範囲での記載としています。
改定差分についての留保
点数・算定要件だけでなく、施設基準・対象手術・様式等も含めて令和6年度と令和8年度を突き合わせた完全な照合ではありません。前回改定時点の詳細を確認したい場合は、厚生労働省の公式資料(診療報酬改定の概要・個別改定項目について)もあわせてご確認ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうな質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。順番に答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
外来で体外衝撃波胆石破砕術を行った場合でも、K938は算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
K678・K768自体がどのような入院形態・算定区分で行われた手術かによって扱いが変わってくる可能性があります。この点は自院の算定区分(通常入院・短期滞在手術等基本料など)とあわせて確認が必要です。当サイトの記事だけで判断せず、加算チェッカーや院内のレセプト担当者との確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
消耗性電極を使ったかどうか、どうやって記録に残しておけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
使用材料としてカルテや手術記録に記載しておくのが基本です。留意事項通知の「1回又は2回以上の使用により消耗し、交換が必要となる電極」という定義に当てはまる製品であることが確認できる形で記録しておくと、後から見返すときも安心です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出が本当に不要か、不安な場合はどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文に届出に関する記載が無いことは確認できていますが、最終的な運用ルールは自院の地方厚生局に確認するのが確実です。届出の要否を自己判断だけで済ませず、疑問があれば審査支払機関や地方厚生局に問い合わせることをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
K678とK768のどちらも実施していない診療所や病院でも、K938を算定できることはありますか?
あおい(元・医療事務)
それは考えにくいです。告示の条文上、K938はK678またはK768に「当たって」算定するとされているので、対象手術そのものを実施していない場合は算定候補にはなりません。まずは自院でK678・K768のいずれかを実施しているかどうかが出発点になります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する手術医療機器等加算として、超音波凝固切開装置等加算 もあわせて確認しておくと、同じ区分の加算の考え方がつかみやすいと思います。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。