みらい(新人医療事務)
院長から「胃瘻造設時嚥下機能評価加算」って算定できないか確認してって言われたんですけど、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
胃瘻造設術(区分番号K664)を行う前に、嚥下機能をきちんと評価してから手術に進んだ場合に算定候補になる加算です。厚生労働省の告示(令和8年度・2026年度)では、区分番号K664に掲げる手術に当たって嚥下機能評価等を実施した場合に算定する、と定められています。
みらい(新人医療事務)
「評価してから手術」っていうのがポイントなんですね。具体的にはどんな評価をするんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
嚥下造影検査、または内視鏡下嚥下機能検査のどちらかで嚥下機能を評価します。そのうえで、胃瘻造設の必要性や今後の摂食機能療法の方針、胃瘻を将来抜去・閉鎖できる可能性などを、患者さんやご家族に十分説明したうえで胃瘻造設術を行った場合に算定候補になる、という組み立てです。
対象になる手術・対象患者
みらい(新人医療事務)
この加算は、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象は「区分番号K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)」を受ける患者さんです。摂食嚥下機能の低下などにより経口摂取が難しく、胃瘻からの経管栄養が必要と判断された患者さんが中心になります。
みらい(新人医療事務)
逆に言うと、胃瘻造設術そのものをやらないと対象にならないってことですよね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。あくまで区分番号K664の手術に当たって、その前段階の嚥下機能評価を行った場合の加算という位置づけです。手術を行わずに嚥下機能評価だけを行うケースは、この加算の対象にはなりません。
点数はいくらですか(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
気になる点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、胃瘻造設時嚥下機能評価加算は2,500点です。ただし、施設基準の届出状況によって算定できる点数が変わる点に注意が必要です。
| 項目 | 点数(令和8年度) | 根拠 |
|---|---|---|
| 施設基準の届出をしている保険医療機関 | 2,500点 | 告示 区分番号K939-5 |
| 施設基準の届出をしていない保険医療機関 | 所定点数の100分の80(2,000点) | 告示 区分番号K939-5 注2 |

みらい(新人医療事務)
届出をしていなくても算定候補にはなるけど、点数が下がるってことなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関以外の保険医療機関において実施される場合は、所定点数の100分の80に相当する点数により算定する」と告示に明記されています。自院が届出済みかどうかは、まず確認したいポイントです。
算定要件(嚥下機能評価の流れ)
みらい(新人医療事務)
算定するために踏む手順を、もう少し詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(令和8年度)で示されている流れは、次のとおりです。
算定要件の骨子
評価の実施: 胃瘻造設前に、嚥下造影または内視鏡下嚥下機能検査による嚥下機能評価を実施すること 院内医師による説明: 評価結果に基づき、当該保険医療機関に配置されている医師が、胃瘻造設の必要性・今後の摂食機能療法の必要性及び方法・胃瘻抜去や閉鎖の可能性等を、患者またはその家族等に十分に説明及び相談すること 記録: 嚥下機能評価の結果と、患者・家族への説明の要点を診療録に記載すること 明細書への記載: 嚥下造影または内視鏡下嚥下機能検査の実施日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること
みらい(新人医療事務)
内視鏡下嚥下機能検査を使う場合は、誰でも実施していいわけではないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは要件があります。留意事項通知には「内視鏡下嚥下機能検査による嚥下機能評価を実施する場合(他の保険医療機関で内視鏡下嚥下機能検査を実施する場合を含む)は、関連学会等が実施する所定の研修を修了した者が実施すること」と明記されています。実施医が研修を修了しているかどうかは、必ず確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
評価だけ他の病院でやって、胃瘻造設は自院でやる、みたいなケースもありそうですね。
あおい(元・医療事務)
そのケースも留意事項通知で触れられています。他の保険医療機関で嚥下機能評価を実施した場合は、評価を行った医療機関が結果を患者・家族に十分説明したうえで、胃瘻造設術を実施する医療機関に情報提供すること。診療報酬の請求は胃瘻造設を行った医療機関で行い、分配は相互の合議に委ねる、とされています。複数医療機関が関わる場合は、この分配ルールも含めて事前にすり合わせておく必要がありますね。
施設基準・届出のポイント
みらい(新人医療事務)
「施設基準の届出」って、具体的にどういう基準なんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、届出書の様式番号(様式43の4・43の5に該当する届出があること)までは確認できていますが、届出に必要な人員配置など施設基準の詳細な中身までは確認できていません。届出の有無で点数(2,500点/2,000点)が変わることは告示で確認できていますので、施設基準の具体的な要件は、地方厚生局への届出状況や施設基準通知の原文で必ず確認してください。
施設基準の詳細は要確認
届出の有無によって点数が変わる仕組みがあることは公式資料で確認できていますが、施設基準の具体的な充足要件(人員配置等)は、この記事だけでは判断できません。届出済みかどうか、届出内容が最新か、必ず自院の届出状況を確認してください。
併算定・注意点
みらい(新人医療事務)
この加算を算定した場合、他の検査は別に算定できるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
できます。留意事項通知には「当該加算を算定した場合であっても、『E003』の『7』嚥下造影及び『D298-2』内視鏡下嚥下機能検査は別に算定できる」と明記されています。評価に使った検査自体は、この加算とは別に算定候補になるということですね。
みらい(新人医療事務)
回数制限はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
回数についての明記は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。この加算はK664の手術に当たって算定する構成のため、通常は胃瘻造設術の実施ごとに1回算定するかどうかを検討する形になりますが、回数の取り扱いは自院の算定システムや審査支払機関で確認することをおすすめします。
断定はできません
この記事は厚生労働省の告示・留意事項通知をもとに要点を整理したものです。実際に算定候補になるかどうかは、患者の状態、評価の実施内容、記録の整備状況、施設基準の届出状況によって変わります。最終的な判断は自院で行ってください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、胃瘻造設時嚥下機能評価加算そのものの点数・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。この加算は古くから設けられている加算で、嚥下機能評価を実施したうえで胃瘻造設術を行う、という基本的な枠組みは維持されています。
改定の確認範囲
今回確認できたのは、令和8年度の告示・留意事項通知に記載された点数(2,500点/届出なしは2,000点)と算定要件です。これらの内容が令和6年度時点と比べてどう変わったか(変更なし・変更あり)を示す個別改定項目の一次資料は、当サイトのデータベースの範囲では見つかっていません。念のため、自院で最新の個別改定項目資料もあわせて確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの病院で確認するとしたら、どの順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するのがおすすめです。
自院で確認する順番
- 胃瘻造設術(区分番号K664)を実施する予定・実施済みかを確認する
- 胃瘻造設前に、嚥下造影または内視鏡下嚥下機能検査による嚥下機能評価を実施しているかを確認する
- 内視鏡下嚥下機能検査を使う場合は、実施した医師が関連学会等の所定研修を修了しているかを確認する
- 評価結果と患者・家族への説明の要点が診療録に記載されているかを確認する
- 嚥下造影・内視鏡下嚥下機能検査の実施日が診療報酬明細書の摘要欄に記載されているかを確認する
- 施設基準の届出状況(届出済みか)を確認し、算定候補となる点数(2,500点か2,000点か)を確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかの傾向があります。
よくある取り漏れ
評価だけ実施して説明記録が抜けている: 嚥下造影・内視鏡下嚥下機能検査は実施していても、患者・家族への説明の要点が診療録に記載されていないケース 摘要欄の記載漏れ: 嚥下造影または内視鏡下嚥下機能検査の実施日を診療報酬明細書の摘要欄に記載し忘れているケース 研修修了の未確認: 内視鏡下嚥下機能検査を実施した医師が、関連学会等の所定研修を修了しているかを確認せずに算定候補としてしまうケース 届出状況の未確認: 施設基準の届出をしているかどうかを確認せず、2,500点として算定候補にしてしまうケース(届出がなければ2,000点)
よくある質問
みらい(新人医療事務)
内視鏡下嚥下機能検査を実施するための「所定の研修」って、具体的にどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈資料(平成26年度公表)では、医療関係団体等が主催する5時間以上(休憩・演習時間を除く)の研修で、嚥下機能評価及び摂食機能療法について10年以上の経験を持つ医師が監修したものとされています。嚥下機能・嚥下障害の総論、嚥下造影等による評価方法、内視鏡下嚥下機能評価検査の実施演習、動画を用いた所見評価、摂食機能療法の実施方法・効果評価などを含む内容と示されていました。これは平成26年度時点の疑義解釈ですので、最新の研修要件は関連学会等に必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
評価をした医療機関と、胃瘻造設術をした医療機関が違う場合、診療報酬はどう扱われるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、胃瘻造設術を実施した保険医療機関が診療報酬を請求し、評価を行った医療機関との診療報酬の分配は相互の合議に委ねる、とされています。複数医療機関で対応する場合は、事前に分配方法をすり合わせておくと安心です。
関連する加算
みらい(新人医療事務)
胃瘻造設後の在宅での栄養管理についても、関連する加算があれば知りたいです。
あおい(元・医療事務)
胃瘻造設後に在宅で経管栄養を行う場合は、在宅成分栄養経管栄養法指導管理料が関連してきます。あわせて確認しておくとよいでしょう。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。