みらい(新人医療事務)
先輩、K939-8「超音波切削機器加算」ってどんな加算なんですか?名前だけ見ると機器の使用料みたいですけど。
あおい(元・医療事務)
そうですね、これは手術のときに使う医療機器の使用に対して算定する「手術医療機器等加算」という区分の一つです。対象になる手術の中で、超音波切削機器という器具を実際に使った場合に、1,000点を所定の手術点数に加算できる仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
「対象になる手術の中で」ということは、どんな手術でも算定できるわけじゃないんですね?
あおい(元・医療事務)
その通りです。対象となる区分番号が決まっていて、令和8年度(2026年度)時点では、区分番号K439及びK442からK444-2までに掲げる手術に当たって超音波切削機器を使用した場合、という条件がついています。まずはこの対象手術を確認するところから始めましょう。
対象となる手術を教えてください
みらい(新人医療事務)
区分番号だけだとピンと来ないので、手術名も知りたいです。
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)で確認できる範囲では、次の5つの区分が対象になっています。

| 区分番号 | 手術名 |
|---|---|
| K439 | 下顎骨悪性腫瘍手術 |
| K442 | 上顎骨悪性腫瘍手術 |
| K443 | 上顎骨形成術 |
| K444 | 下顎骨形成術 |
| K444-2 | 下顎骨延長術 |
みらい(新人医療事務)
どれも顎(あご)の骨に関わる手術なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、口腔外科・形成外科領域で顎の骨を扱う手術が中心です。これらの手術のうち、実際に超音波切削機器(骨を切削する超音波の器具)を使用した場合に、加算の対象になります。器具を保有していても、その手術で使っていなければ算定候補にはなりません。
点数はいくらですか?
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
1,000点です。所定の手術点数に上乗せする形で算定します。
| 加算名 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| 超音波切削機器加算(K939-8) | 1,000点 | 対象手術1件につき |
みらい(新人医療事務)
「1件につき」というのは、対象手術1件ごとに1回加算するということですか?
あおい(元・医療事務)
資料の文言としては「当該手術に当たって超音波切削機器を使用した場合に算定する」とだけ規定されていて、1手術あたりの加算回数を細かく区切る記載は確認できていません。実務上は対象手術1件に対して加算する形になりますが、同一機会に複数の対象手術を行った場合の扱いなど、細かい算定単位の解釈は自院で確認したうえで判断してください。
施設基準や届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
加算というと、施設基準を満たして届出をしないといけないイメージがあります。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、超音波切削機器加算について、施設基準の設定や地方厚生局への届出を求める記載は確認できていません。対象手術に当たって機器を使用したという事実に基づいて算定する加算、という位置づけです。
断定はできません
「届出不要」と読める資料内容ですが、届出の要否は自院の解釈だけで判断せず、地方厚生局や審査支払機関に確認することをおすすめします。施設基準の要否は改定のたびに見直される可能性があります。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないなら、機器さえあればすぐ算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
機器を保有しているだけでなく、対象手術の際に実際に使用したことが手術記録・レセプト上で確認できる状態にしておくことが前提です。使用の事実が確認できなければ、算定候補にはなりません。
算定のタイミングや注意点は?
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
対象手術と同じ機会に算定する加算なので、手術料の算定タイミングに合わせて申請することになります。あわせて、他の手術医療機器等加算との関係も確認しておきたいところです。
併算定の確認
超音波凝固切開装置等加算(K931)など、同じ第10部第3節「手術医療機器等加算」に属する他の加算との組み合わせについて、当サイトが収録している一次資料の範囲では超音波切削機器加算固有の併算定制限は確認できていません。同一手術で複数の機器加算の算定を検討する場合は、それぞれの算定要件を個別に確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
対象手術の範囲が広がっています。令和6年度の医科診療報酬点数表では対象がK443・K444・K444-2の3区分でしたが、令和8年度(2026年度)の告示では、K439(下顎骨悪性腫瘍手術)とK442(上顎骨悪性腫瘍手術)が新たに対象に加わり、5区分になりました。点数は1,000点のまま変更されていません。
| 年度 | 対象区分 | 区分数 |
|---|---|---|
| 令和6年度(2024年度)改定 | K443・K444・K444-2 | 3区分 |
| 令和8年度(2026年度)改定 | K439・K442・K443・K444・K444-2 | 5区分 |
みらい(新人医療事務)
悪性腫瘍の手術が新しく対象になったということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。ここで「対象が広がって有利になった」と単純に言い切ることは避けたいのですが、対象手術の区分が増えたこと自体は、厚生労働省の告示本文で確認できる事実です。自院で下顎骨悪性腫瘍手術や上顎骨悪性腫瘍手術を行っている場合は、令和8年度から新たに算定候補に入ってくる可能性がある点は押さえておく価値があります。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算の対象になるか確認したいときは、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認してみてください。

自院で確認する順番
- 自院で行っている手術が、K439・K442・K443・K444・K444-2のいずれかに該当するか確認する
- その手術の際に、超音波切削機器を実際に使用しているか確認する
- 使用した事実が手術記録・レセプトから確認できる状態になっているか確認する
- 届出の要否や併算定の可否について、必要に応じて地方厚生局・審査支払機関に確認する
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
- 令和6年度時点の対象区分(K443・K444・K444-2)だけで判断し、令和8年度から加わったK439・K442での使用を見落とす
- 超音波切削機器を使用したのに、手術記録・レセプトへの記載が漏れて算定候補から外れる
- 「届出不要」という理解のまま、対象手術そのものの区分見直しに気づかない
みらい(新人医療事務)
対象手術が増えたことに気づいていないと、算定できる場面を見逃しそうですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。特に令和6年度の資料だけを見て「うちは対象外」と判断していた医療機関は、令和8年度の告示を改めて確認する価値があります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか確認したいことがあります。まず、対象手術以外で超音波切削機器を使った場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
資料上、対象となる区分番号がK439・K442からK444-2までと明記されているため、それ以外の手術で使用した場合は、この加算の対象にはならない可能性が高いです。個別の手術区分については、自院で改めて確認してください。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、医療機関の種別(診療所・病院)を限定する記載は確認できていません。対象手術を行い、超音波切削機器を使用していれば、診療所・病院いずれでも算定候補になり得ます。
みらい(新人医療事務)
入院・外来どちらの手術でも対象ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、対象手術が入院・外来のどちらで行われたかを問う記載は確認できていません。手術そのものが対象区分に該当し、機器を使用していれば算定候補になります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象手術の実施状況や機器の使用実績を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する加算として、同じ手術医療機器等加算の超音波凝固切開装置等加算もあわせて確認しておくと、手術医療機器等加算全体の見落としを防ぎやすくなります。
公式情報・参考資料
参考資料(厚生労働省公式)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 令和6年度診療報酬改定 医科診療報酬点数表(改定前の対象手術範囲の確認用) https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001251499.pdf
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。