みらい(新人医療事務)
あおいさん、口腔外科の手術のレセプトを見ていたら「レーザー機器加算」という項目が出てきたんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表にある区分K939-7「レーザー機器加算」ですね。手術の際に、口腔内の軟組織の切開・止血・凝固・蒸散ができる保険適用のレーザー機器を使って手術を行った場合に、所定点数に上乗せできる加算です。対象になる手術ごとに50点・100点・200点の3区分が用意されています。
みらい(新人医療事務)
手術の点数に上乗せする加算なんですね。どんな医療機関でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、算定される場面(外来・入院・在宅の別)までは確認できていません。確認できているのは、届出をしている保険医療機関でなければ算定候補にならないという点です。届出をしていない医療機関がレーザー機器を使って手術をしても、この加算は算定候補になりません。まずはこの前提を押さえておきたいですね。
レーザー機器加算ってどんな加算?

みらい(新人医療事務)
図を見ると、点数が3段階に分かれているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。令和8年度の告示(診療報酬の算定方法の一部を改正する件、令和8年厚生労働省告示第69号)では、次のように定められています。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| レーザー機器加算1 | 50点 |
| レーザー機器加算2 | 100点 |
| レーザー機器加算3 | 200点 |
あおい(元・医療事務)
告示の原文には「K939-7 レーザー機器加算 1 レーザー機器加算1 50点 2 レーザー機器加算2 100点 3 レーザー機器加算3 200点」とあります。どの区分になるかは、点数の大きさで選べるわけではなく、実施した手術の種類によって決まる仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
手術の種類で区分が決まるんですね。じゃあ、どの手術がどの区分に対応しているんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが一番間違えやすいところなので、次の章で整理しますね。
どんな手術が対象になるの?
みらい(新人医療事務)
「レーザーを使った手術ならなんでも対象」というわけではないんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。令和8年度の告示では、対象になる手術が区分番号で個別に列挙されています。告示の注2から注4に、口腔外科領域の手術が具体的に指定されています。
| 加算区分 | 対象となる手術(区分番号) |
|---|---|
| レーザー機器加算1(50点) | K406(1)口蓋腫瘍摘出術のうち口蓋粘膜に限局するもの/K413(1)舌腫瘍摘出術のうち粘液嚢胞摘出術/K421(1)口唇腫瘍摘出術のうち粘液嚢胞摘出術/K423(1)頬腫瘍摘出術のうち粘液嚢胞摘出術/K448がま腫切開術 |
| レーザー機器加算2(100点) | K413(2)舌腫瘍摘出術のうちその他のもの |
| レーザー機器加算3(200点) | K406(2)口蓋腫瘍摘出術のうち口蓋骨に及ぶもの/K409口腔底腫瘍摘出術/K411頬粘膜腫瘍摘出術/K421(2)口唇腫瘍摘出術のうちその他のもの/K423(2)頬腫瘍摘出術のうちその他のもの/K451がま腫摘出術/K452舌下腺腫瘍摘出術 |
あおい(元・医療事務)
告示の原文では「1については、区分番号K406(1に限る。)、K413(1に限る。)、K421(1に限る。)、K423(1に限る。)及びK448に掲げる手術に当たって、レーザー手術装置を使用した場合に算定する」「2については、区分番号K413(2に限る。)に掲げる手術に当たって、レーザー手術装置を使用した場合に算定する」「3については、区分番号K406(2に限る。)、K409、K411、K421(2に限る。)、K423(2に限る。)、K451及びK452に掲げる手術に当たって、レーザー手術装置を使用した場合に算定する」と規定されています。いずれも口蓋・舌・口唇・頬・口腔底など、口腔外科領域の腫瘍摘出術やがま腫の手術ですね。
みらい(新人医療事務)
一般的な体表の腫瘍摘出術とかは対象外なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示に列挙されていない区分番号の手術は、この加算の対象外の可能性があります。実施した手術の区分番号を確認したうえで、上の一覧に載っているかどうかを照合するのが確実です。
取り漏れやすいポイント(対象手術)
「レーザーを使ったかどうか」だけで判断せず、実施した手術の区分番号(K406〜K452の該当区分)が告示の注2〜注4に列挙されているかを必ず照合しましょう。同じ「腫瘍摘出術」でも、粘液嚢胞摘出術か、その他のものかで加算の区分(点数)が変わります。
使用する機器にも条件があります
みらい(新人医療事務)
レーザーの機械なら何を使ってもいいわけではないんですね?
あおい(元・医療事務)
はい。令和8年3月5日の留意事項通知(保医発0305第6号)には、「レーザー機器加算は、口腔内の軟組織の切開、止血、凝固及び蒸散が可能なものとして保険適用されている機器を使用して『注2』から『注4』までに掲げる手術を行った場合に算定する」と明記されています。単に「レーザー」と名の付く機器であれば何でも対象になるわけではなく、口腔内の軟組織の切開・止血・凝固・蒸散という4つの機能について保険適用を受けている機器である必要があります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出のときに、機器の情報も出すんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。地方厚生局が公開している届出書添付書類(様式49の9)を見ると、「設置機器名」として、ネオジミウム・ヤグレーザ、ダイオードレーザ、炭酸ガスレーザ、エルビウム・ヤグレーザなどの一般的名称・製品名・医療機器承認(認証)番号を記載する欄があり、「特定診療報酬算定医療機器のレーザー手術装置(Ⅶ)(歯科点数表においてはレーザー手術装置(Ⅰ)に該当するもの)であること」という注記が付いています。使用する機器が、特定診療報酬算定医療機器としてのレーザー手術装置の区分に該当しているかどうかを、届出の段階で確認する仕組みになっているわけです。
機器要件は自院での確認が必要です
使用しているレーザー機器が「特定診療報酬算定医療機器のレーザー手術装置」の区分に該当するかどうかは、当サイトの一次資料の範囲だけでは個別の機器ごとに判定できません。医療機器の添付文書や医療機器承認(認証)番号を確認し、必要に応じて地方厚生局や機器メーカーに確認してください。
施設基準と届出

みらい(新人医療事務)
施設基準と届出は、具体的にどう確認すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示(注1)では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、レーザー照射により手術を行った場合に算定する」とされています。つまり、届出をしていない医療機関では、この加算は算定候補にならないということです。
みらい(新人医療事務)
届出をするときは、何を提出するんですか?
あおい(元・医療事務)
地方厚生局が公開している令和8年度の届出一覧では、レーザー機器加算は検索番号「手光機」、基準番号は別添1の「80の11」として扱われています。届出の際には、別添2(手光機)の届出書に加えて、様式49の9(施設基準に係る届出書添付書類)を提出する形式です。様式49の9には、担当する医師・歯科医師の氏名と経験年数、使用するレーザー機器の情報を記入する欄があります。
みらい(新人医療事務)
経験年数は何年以上必要とか、具体的な基準ってわかりますか?
あおい(元・医療事務)
様式には経験年数を記入する欄があることは確認できていますが、必要な年数そのものの数値は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。基準の原文(特掲診療料の施設基準等・別添1の該当箇所)や、届出先の地方厚生局への確認をおすすめします。
施設基準の充足はAIが判定しません
担当医師・歯科医師の経験年数や、院内の体制が施設基準を満たしているかどうかは、自院の状況に基づく個別判断が必要です。当サイトや本記事は届出の要否や確認すべき資料の整理までを行うものであり、基準を満たしているかどうかの判定は行いません。
算定するときの注意点
みらい(新人医療事務)
点数や対象手術、施設基準はわかりました。算定のタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、算定の考え方についてもう1つ重要な記載があります。「なお、通則14に規定する『同一手術野又は同一病巣につき、2以上の手術を同時に行った場合』に該当しない2以上の手術を算定した場合はそれぞれの手術において算定する」という部分です。つまり、同一手術野・同一病巣の手術として1つにまとめて算定するのではなく、別々の手術として算定した場合には、それぞれの手術についてこの加算を算定する、という考え方が示されています。
みらい(新人医療事務)
逆に、同一手術野・同一病巣の手術として扱われる場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
そのケースの詳しい算定方法までは、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。通則14の取り扱いと合わせて、個別のレセプトでは審査支払機関への確認が必要になる場面だと考えられます。
取り漏れやすいポイント(算定単位)
レーザー機器加算は「1回の手術当たり」ではなく、対象手術ごとに算定する考え方が留意事項通知で示されています。複数の対象手術を実施した場合に、算定漏れがないか(あるいは逆に重複算定になっていないか)を、通則14の取り扱いと合わせて確認しましょう。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定(令和6年度)からは何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
レーザー機器加算そのものは、前回改定(令和6年度)で新設された項目です。当サイトが収録している令和8年度の一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、点数(50点・100点・200点)や対象手術の区分番号、機器要件について、変更を示す記載は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示・留意事項通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」とは言い切れないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。前回改定(令和6年度)時点の告示・通知そのものは当サイトに収録されておらず、令和8年度の資料との突き合わせ(比較検証)まではできていません。点数や対象手術の範囲に変更がないかどうかは、令和8年度の一次資料(本記事で引用した告示・留意事項通知)の内容を、その都度ご確認いただくのが確実です。
改定差分の確認について
「前回改定(令和6年度)からの変更点」を調べる際は、当サイトの整理だけに頼らず、必ずその年度の告示・留意事項通知・疑義解釈の原文を確認してください。本記事は令和8年度の一次資料に基づく整理です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院で何から確認すればいいんでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
順番に並べると、こうなります。
自院で確認する順番
- レーザー機器加算の施設基準について、地方厚生局に届出済みかどうかを確認する
- 実施した(またはこれから実施する)手術が、K406・K413・K421・K423・K448・K409・K411・K451・K452のうち、対象区分に該当するかを確認する
- 使用するレーザー機器が、口腔内の軟組織の切開・止血・凝固・蒸散が可能な機器として保険適用(特定診療報酬算定医療機器のレーザー手術装置に相当する区分)を受けているかを確認する
- 上記がすべて確認できた場合に、算定候補として院内のレセプト担当・医師と共有する
あおい(元・医療事務)
4つとも満たして初めて算定候補になる、という順番です。1つでも未確認のままレセプトに載せると、後日の返戻や査定につながるおそれがあります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、いくつか整理しますね。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない医療機関でレーザー手術装置を使って手術をした場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示(注1)に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」算定する、と明記されているとおり、届出をしていない医療機関では、この加算は算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
3つの区分(50点・100点・200点)を同じ手術で両方算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注2〜注4は、それぞれ異なる区分番号の手術に対応する形で書き分けられています。同じ1つの手術に対して複数の区分を重ねて算定するという記載は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。実施した手術がどの区分に該当するかを、対象手術の一覧で個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
歯科診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
本記事で扱っているK939-7は医科点数表上の区分です。歯科点数表側には区分番号J200-4-2として、点数(50点・100点・200点)が同じ枠組みのレーザー機器加算が別途定められており、対象となる手術はJ008・J009・J017など歯科点数表側の区分番号で指定されています。また、届出書式(様式49の9)には「口腔粘膜処置(歯科診療を担当する保険医療機関に限る。)」という届出区分も併記されているため、歯科での算定を検討する場合は、歯科点数表側(J200-4-2)の規定を個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
よくわかりました。ありがとうございます!
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や実施している手術の内容を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する手術機器の加算として、超音波凝固切開装置等加算 や 副鼻腔手術用内視鏡加算 もあわせてチェックしてみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。