みらい(新人医療事務)
「コーディネート体制充実加算」って名前を初めて見たんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
造血幹細胞移植、つまり骨髄移植や末梢血幹細胞移植を行う病院に関係する加算です。区分番号K922「造血幹細胞移植」の中の一つの注加算として設定されていて、令和8年度(2026年度)の医科点数表でも同じ位置づけになっています。
みらい(新人医療事務)
移植そのものの点数とは別に、追加でもらえる加算ということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。K922の所定点数に上乗せする形の加算で、コーディネート体制の充実に着目したものです。ただし対象になる移植の種類が限定されているので、まずそこを一緒に確認していきましょう。
コーディネート体制充実加算とは
みらい(新人医療事務)
どんな移植でも対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、限定的です。当サイトが収録している告示の該当箇所には次のように書かれています。
告示の該当箇所(引用)
「1及び2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において同種移植を実施した場合は、コーディネート体制充実加算として、1,500点を所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
「1及び2」というのは何を指しているんですか?
あおい(元・医療事務)
K922の点数区分のうち、骨髄移植と末梢血幹細胞移植を指しています。そのうえで「同種移植」を実施した場合に限られる、というのがポイントです。自家移植(自分の細胞を使う移植)は対象に含まれていません。
みらい(新人医療事務)
同種移植だけが対象候補になるということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。まずはその前提を押さえたうえで、点数と施設基準を見ていきましょう。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
この加算は診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している範囲では、この加算は病院の入院において同種移植(骨髄移植・末梢血幹細胞移植)を実施した場合に関係するものとして整理されています。外来や在宅の場面は対象になりません。造血幹細胞移植自体が入院で行われる手術であるためです。
みらい(新人医療事務)
つまり移植を実施できる体制がある病院に限られるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。加えて、この加算には施設基準への適合と届出が前提になっています。届出をしていない医療機関では、同じ手術を行っても加算候補にはなりません。
点数とコード(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
実際の点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
K922「造血幹細胞移植」に関係する注加算を、令和8年度の告示の該当箇所をもとにまとめると次のとおりです。
| 加算名 | 点数 | 対象となる場面 |
|---|---|---|
| コーディネート体制充実加算 | 1,500点 | 骨髄移植・末梢血幹細胞移植で同種移植を実施した場合(施設基準適合・届出が前提) |
| NGS-SBT法実施加算 | 2,000点 | 臍帯血移植の組織適合性試験にNGS-SBT法を用いた場合 |
| 抗HLA抗体検査加算 | 4,000点 | 抗HLA抗体検査を行った場合 |
| 非血縁者間移植加算 | 10,000点 | 骨髄移植・末梢血幹細胞移植の非血縁者間移植を実施した場合 |

みらい(新人医療事務)
表の中にある「非血縁者間移植加算」とか他の加算も、コーディネート体制充実加算と一緒に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは告示上、それぞれ別の場面・条件に対する加算として注が分かれています。ただし同一の手術に対して複数の注加算が同時に成立する場合の併算定の可否について、当サイトが収録している一次資料の範囲では明確な可否の記載までは確認できていません。実際に複数の加算候補が重なるケースでは、レセプトの算定ロジック(医科診療行為マスターやレセプトコンピュータ側の設定)と合わせて審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
数字コードもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
レセプトに入力する診療報酬コードについては、当サイトの引用(quote)だけでは確定できていません。実務で入力する際は、医科診療行為マスターの最新版でコードを確認してください。
施設基準の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める施設基準」って、具体的には何を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算について、過去に厚労省の疑義解釈で具体的な基準が示されています。当サイトが収録している疑義解釈の該当箇所の引用です。
疑義解釈(医科 問196)の引用
質問: 区分番号「K922」造血幹細胞移植のコーディネート体制充実加算の施設基準における「当該手術を担当する診療科が関係学会による認定を受けていること」とは何を指すか。 回答: 当該手術を担当する診療科が、日本造血細胞移植学会より、認定カテゴリー1として認定されていることを指す。
みらい(新人医療事務)
つまり、病院ではなく「診療科」が学会の認定を受けている必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。病院全体としてではなく、実際に手術を担当する診療科が日本造血細胞移植学会の認定カテゴリー1を受けていることが施設基準の内容として示されています。この点は見落とされやすいので、自院の診療科がどのカテゴリーで認定を受けているかを移植担当部門に確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
認定を受けていない診療科が手術をした場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこについても疑義解釈で明確に示されています。
疑義解釈(医科 問197)の引用
質問: 区分番号「K922」造血幹細胞移植のコーディネート体制充実加算について、関係学会による認定を受けている診療科を有する保険医療機関において、当該診療科以外の診療科で造血幹細胞移植を行った場合も、算定できるのか。 回答: 算定できない。
みらい(新人医療事務)
病院として認定を受けていても、担当した診療科が違えば算定候補にならないということですか。
あおい(元・医療事務)
はい。院内に認定を受けた診療科があっても、実際に手術を担当した診療科が別であれば対象外の可能性があります。届出の単位と、実際に手術を行った診療科が一致しているかどうかは、必ず自院で確認してください。
届出の要否
みらい(新人医療事務)
届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
必要です。告示の引用にもあったとおり「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが前提になっています。届出をしていない状態では、施設基準を満たしていても加算候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
届出済みであれば、それだけで算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
届出済みであることに加えて、実際に手術を担当した診療科が届出内容や学会認定の要件と一致しているかどうかも確認が必要です。届出の有無と、当日の手術実施体制の両方をセットで確認する意識を持つとよいと思います。
算定タイミング・回数・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
月に何回まで、といった回数制限はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算はK922の所定点数に対する加算という位置づけで、告示の引用は「同種移植を実施した場合は…1,500点を所定点数に加算する」という書き方になっています。月単位の回数制限のような記載は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。手術(同種移植)の実施に伴って加算される性質のものと考えられますが、具体的な算定回数の取り扱いは自院のレセプトコンピュータの設定や審査支払機関の考え方も含めて確認することをおすすめします。
断定を避けたい理由
点数表の文言だけでは、実際の運用で生じる細かな算定パターン(同一入院中に複数回同種移植を行った場合の扱いなど)まで確認しきれないことがあります。個別の算定可否は、必ず自院の届出内容・診療録・審査支払機関の判断に基づいて確認してください。
みらい(新人医療事務)
併算定についてもさっきの話でしたね。
あおい(元・医療事務)
はい、他の注加算(NGS-SBT法実施加算・抗HLA抗体検査加算・非血縁者間移植加算など)との組み合わせについては、それぞれの対象場面が異なるため一律には言えません。実際に複数条件が重なるケースが出てきたら、その都度確認する体制にしておくと安心です。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定に関して、当サイトが収録している一次資料(告示の該当箇所)の範囲では、コーディネート体制充実加算の点数(1,500点)や算定要件・対象医療機関の記載に変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。疑義解釈で示された施設基準の考え方(診療科単位での学会認定)についても、当サイトが収録している範囲で追加の訂正通知等は確認できていません。
改定対比の確認範囲
前回改定(令和6年度)時点の記載との突き合わせは、当サイトが収録している一次資料(告示・疑義解釈の該当箇所)の範囲内で行っています。今後、個別改定項目や新たな疑義解釈が公開された場合は、内容を随時見直します。
みらい(新人医療事務)
「確認されていません」という書き方なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。「変更がない」と断定するのではなく、当サイトが確認できた範囲での状況として伝えるようにしています。最新の告示・通知は必ず公式資料でも確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算の候補になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
- 実施した(実施予定の)移植が、K922の骨髄移植・末梢血幹細胞移植のうち「同種移植」に該当するか確認する
- 手術を実際に担当する診療科が、日本造血細胞移植学会の認定カテゴリー1を受けているか、移植担当部門・事務局に確認する
- その診療科について、コーディネート体制充実加算の施設基準に関する届出が地方厚生局長等に対して行われているか確認する
- 実際に手術を担当した診療科が、届出・認定を受けた診療科と一致しているか、当日の診療録・手術記録で確認する
- 他の注加算(非血縁者間移植加算等)との組み合わせが発生する場合は、レセプトコンピュータの設定内容と合わせて算定可否を確認する

みらい(新人医療事務)
診療科単位というのが一番のポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。病院として届出をしているつもりでも、実際に手術を担当した診療科が異なると対象外の可能性があるという点が、この加算特有の注意点だと思います。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある見落としってどんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか整理してみます。
見落とされやすいポイント
自家移植との混同: 自家移植(自分の細胞を用いる移植)は、この加算の対象になる「同種移植」には該当しません。移植の種類を確認せずに一律で加算候補と考えてしまうと、後から見直しが必要になることがあります。 診療科の不一致: 病院として学会認定・届出を受けていても、実際に手術を担当した診療科が異なる場合は算定候補にならない可能性があります(疑義解釈 医科 問197)。 認定カテゴリーの未確認: 「関係学会による認定」を、漠然とした施設要件と捉えてしまい、日本造血細胞移植学会の認定カテゴリー1という具体的な基準を確認しないまま届出内容を作成してしまうケースがあります。
みらい(新人医療事務)
どれも「思い込みで進めない」ことが大事そうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特にこの加算は施設基準の内容が診療科単位で具体的に定められているので、自院の届出内容と実施体制を照らし合わせる作業が欠かせません。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか質問形式でも整理しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
では対話形式でいくつか答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
自家移植でもコーディネート体制充実加算の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している告示の引用では「同種移植を実施した場合」と限定されています。自家移植は対象に含まれない扱いになっていると考えられますので、対象外の可能性が高い区分として自院で確認してください。
みらい(新人医療事務)
病院として学会認定を受けていれば、どの診療科が手術をしても算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。疑義解釈(医科 問197)では、認定を受けている診療科以外が手術を行った場合は「算定できない」と明確に示されています。実際に手術を担当した診療科が、認定・届出を受けた診療科と一致しているかを必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示の引用にあるとおり、地方厚生局長等への届出が前提になっています。届出をしていない状態では、施設基準を満たしていても算定候補にはなりません。届出の有無をまず確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)から点数は変わっていますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年度(2026年度)改定における点数・算定要件の変更は確認されていません。ただし公式資料の更新は随時あるため、最新の告示・通知を確認する習慣を持っておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や、手術を担当する診療科の認定状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。K922には他にも条件が異なる注加算がいくつかあるので、あわせて確認すると見落としが減ります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。