みらい(新人医療事務)
あおいさん、うちの小児科クリニック宛てに「乳幼児休日加算」っていう言葉が届出資料の中に出てきたんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
乳幼児休日加算は、6歳未満の乳幼児に対して、日曜日や祝日などの「休日」に診療を行った場合に、初診料や再診料などに上乗せされる加算です。もともとある「休日加算」の、乳幼児向けに点数を引き上げた版とイメージするとわかりやすいですよ。
みらい(新人医療事務)
普通の休日加算とは別物なんですか?
あおい(元・医療事務)
別の区分というより、同じ「注」の中で6歳未満かどうかで点数が枝分かれしている形です。厚生労働省の医科点数表では、初診料の注7に「休日において初診を行った場合は、休日加算として250点を所定点数に加算する。ただし6歳未満の乳幼児の場合は365点」という趣旨の規定があります。この6歳未満側の365点部分を、当サイトでは「乳幼児休日加算」として整理しています。
どんな医療機関・患者が対象になるのか
みらい(新人医療事務)
じゃあ、うちみたいな小児科の診療所なら自動的に対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に確認が必要です。まず患者側の条件として、6歳未満の乳幼児であることが前提です。そのうえで「休日」に該当する日であることも条件になります。厚生労働省の告示では、休日加算の対象となる休日は日曜日と祝日、加えて1月2日・3日、12月29日から31日までと定められています。カレンダー上の休みすべてではなく、この範囲に限られる点は見落としやすいポイントです。
みらい(新人医療事務)
休日に診療していれば、それだけで加算候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
医療機関の種類によって条件が少し変わります。小児科を標榜していない一般の医療機関の場合、休日加算を算定できる患者は限定されていて、留意事項通知では「客観的に休日における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる医療機関を受診した患者」か、「休診日にもかかわらず急病等やむを得ない理由で受診した患者」のいずれかに該当する必要があるとされています。単に休日に開けていたから算定できる、という単純な話ではありません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、小児科を掲げているクリニックはもっと厳しいってことですか?
あおい(元・医療事務)
逆です。医科点数表の初診料の注8には、小児科を標榜する保険医療機関であれば、表示している診療時間内の休日・夜間・深夜に6歳未満の乳幼児を診た場合、注7の救急要件にかかわらず同じ点数(休日なら365点)を算定できる、という特例が置かれています。つまり小児科を標榜していれば、救急対応かどうかを問わず算定候補になりやすいということです。ここは自院が小児科を標榜しているかどうかで、確認すべきことが変わってきます。
確認ポイント: 休日の定義と患者要件
休日の範囲: 日曜・祝日・1月2〜3日・12月29〜31日に限られます(それ以外の医療機関独自の休診日は含まれない可能性があります)。 患者要件(小児科標榜以外): 救急医療の確保のための受診、または急病等やむを得ない事情での受診であることが前提です。 小児科標榜医療機関の特例: 表示診療時間内であれば、上記の患者要件を問わず特例点数の対象になり得ます。
点数はいくら?(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
実際の点数はどれくらい違うんですか?普通の休日加算と比べて。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、初診料に上乗せする休日加算は通常250点ですが、6歳未満の乳幼児の場合は365点になります。再診料の休日加算は通常190点のところ、乳幼児の場合は260点です。いずれも115点前後、乳幼児側が高く設定されています。

| 区分 | 通常の休日加算 | 乳幼児休日加算(6歳未満) |
|---|---|---|
| 初診料に加算する場合 | 250点 | 365点 |
| 再診料に加算する場合 | 190点 | 260点 |
| 小児科外来診療料に含める場合(初診相当) | 135点 | 250点 |
| 小児科外来診療料に含める場合(再診相当) | 120点 | 190点 |
みらい(新人医療事務)
小児科外来診療料のところだけ点数が低いですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。小児科外来診療料は診療内容の多くを包括して1日単位で算定する仕組みなので、そのまま休日加算の点数を乗せてしまうと二重評価になってしまいます。そのため医科点数表では、初診料の注7・注8にあたる加算点数から115点を、再診料の注5・注6にあたる加算点数から70点をそれぞれ差し引いた点数を、小児科外来診療料の加算として算定する、という調整規定が置かれています。結果として初診相当が250点、再診相当が190点になる、という計算です。
みらい(新人医療事務)
地域包括診療料とか、小児かかりつけ診療料でも乳幼児休日加算って出てくるって聞いたんですけど。
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが収録している医科診療行為マスターの整理では、乳幼児休日加算に相当する区分は初診料・再診料・外来診療料だけでなく、小児科外来診療料、小児かかりつけ診療料、地域包括診療料、外来腫瘍化学療法診療料など、あわせて24区分にわたって存在し、点数は190点から365点の範囲に分かれています。自院がどの診療料をベースに算定しているかによって、当てはまる点数区分が変わってくるので、レセプトコンピュータ側の設定と合わせて確認しておくと安心です。
点数は診療料ごとに異なります
乳幼児休日加算は単独の点数ではなく、初診料・再診料・小児科外来診療料など、算定のベースとなる診療料によって加算点数が変わります。自院が実際にどの診療料に対して加算しているかを確認したうえで、該当する点数区分を突き合わせることをおすすめします。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算、届出とか施設基準は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
休日加算や乳幼児休日加算そのものは、外来感染対策向上加算のような個別の施設基準届出を前提とする加算ではなく、診療時間の掲示や実際の受診状況といった運用面の要件で判断される加算です。ただし「届出が一切不要」と言い切れるわけではなく、小児科標榜医療機関としての特例を使う場合は、自院が小児科を標榜医療機関として扱われているか、診療時間をきちんと掲示しているかといった点の確認が必要です。届出の要否は自院の状況によって変わり得るため、最終的には地方厚生局や審査支払機関に確認しておくのが確実です。
みらい(新人医療事務)
小児科を標榜していないクリニックだと、算定はかなり難しくなりそうですね。
あおい(元・医療事務)
難しいというより、確認すべき項目が増えるという方が正確です。小児科を標榜していない医療機関の場合は、休日に受診した患者が「救急医療の確保のための受診」または「やむを得ない事情での受診」のいずれかに当てはまるかどうかを、カルテ等で説明できる状態にしておく必要があります。単に休日診療をしていたという記録だけでは、算定根拠として弱い可能性があるので、要確認のポイントとして残しておくとよいですね。
併算定の注意点(乳幼児加算との関係)
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた「乳幼児加算」と「乳幼児休日加算」って、両方同時に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは特に間違えやすいところです。初診料の注6には「6歳未満の乳幼児に対して初診を行った場合は、乳幼児加算として75点を所定点数に加算する。ただし、注7又は注8に規定する加算を算定する場合は算定しない」という規定があります。注7・注8が、まさに時間外加算・休日加算・深夜加算(乳幼児休日加算を含む)にあたる部分なので、乳幼児休日加算を算定する休日の受診では、通常の乳幼児加算(75点)は別途算定できません。
みらい(新人医療事務)
つまり「乳幼児加算」+「休日加算」を別々に足し算する、という発想は誤りなんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。休日に6歳未満の乳幼児を診た場合は、乳幼児加算75点ではなく、乳幼児休日加算として一体化した点数(初診なら365点)を算定する、という整理になります。この2つの加算名は名前が似ていて紛らわしいので、レセプト点検の際に両方を計上していないか、あわせて確認しておくと安心です。
取り違えやすい加算名
乳幼児加算(75点): 時間内の通常初診に対する加算。休日・時間外・深夜の加算とは併算定しません。 乳幼児休日加算: 休日加算のうち6歳未満の乳幼児向けの点数区分。乳幼児加算とは別枠として扱われます。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この加算の点数って変わったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している令和8年度の一次資料(医科点数表・留意事項通知)の範囲では、乳幼児休日加算にあたる点数区分について、前回改定(令和6年度)からの変更を示す記載は確認されていません。初診料・再診料本体の点数改定にともなって関連する加算点数が見直される場合はありますが、乳幼児休日加算固有の新設・廃止・要件変更を裏付ける一次資料は、今回の確認範囲では見つかっていません。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と言い切っていいんですか?
あおい(元・医療事務)
言い切るのではなく、「令和8年度時点で確認できた資料の範囲では変更が見当たらない」という言い方にとどめています。改定のたびに細かい取り扱いが更新されることもあるので、気になる場合は自院が契約しているレセプトソフトの改定対応情報もあわせて確認してもらえると、より確実だと思います。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの場合はどこから確認していけばいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
順番に見ていくのがおすすめです。まず対象年齢と受診日、次に医療機関の標榜状況、そして併算定の有無、という流れで確認すると整理しやすいですよ。

自院で確認する順番
患者が6歳未満の乳幼児かどうかを確認する 受診日が日曜・祝日・年末年始の休日に該当するかを確認する 自院が小児科を標榜する医療機関かどうかを確認する(標榜なしの場合は救急対応・やむを得ない事情の要件も確認する) 同じ受診で乳幼児加算(75点)を重複計上していないか確認する 算定するベースの診療料(初診料・再診料・小児科外来診療料等)に応じた正しい点数区分を確認する
みらい(新人医療事務)
全部確認できたら、算定候補と考えていいんですね。
あおい(元・医療事務)
候補にはなりますが、最終的な判断は自院のレセプト担当や審査支払機関との確認を経てからにしてください。特に「やむを得ない事情」の該当性は個別の受診記録に左右されるので、機械的に判断しきれない部分が残ります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、休日に受診した6歳未満の患者に対して、通常の休日加算(250点や190点)をそのまま算定してしまい、乳幼児向けの上乗せ分(365点・260点への引き上げ)を反映し忘れているケースです。年齢の確認が漏れると、点数が本来より低いまま計上されてしまいます。
よくある取り漏れ①: 年齢確認の抜け
受診日時点で6歳未満かどうかは、誕生日を挟むタイミングで判断が揺れやすいポイントです。休日診療の受付時に年齢確認を徹底しておくと、点数の取り漏れを防ぎやすくなります。
みらい(新人医療事務)
逆に、算定してはいけないのに算定してしまうケースもありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。先ほどの乳幼児加算との重複のほか、小児科を標榜していない医療機関で、救急対応でもやむを得ない事情でもない「通常の休日診療の延長」のようなケースにまで乳幼児休日加算を当てはめてしまう例です。休日に開けていること自体は加算の根拠にならないので、受診の経緯を記録に残しておくことが大切です。
よくある取り漏れ②: 対象患者要件の未確認
小児科を標榜していない医療機関では、休日加算の対象患者要件(救急医療確保のための受診/やむを得ない事情での受診)を満たしているかどうかを、カルテ等で説明できる形にしておく必要があります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
病院とクリニックで扱いは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
医科点数表の規定自体は病院・診療所を区別せず、6歳未満の乳幼児と休日という条件で判断されます。ただし小児科標榜医療機関としての特例が使えるかどうかは、病院・診療所どちらであっても標榜科の状況次第です。自院の標榜科の届出内容を確認しておくとよいですね。
みらい(新人医療事務)
深夜や時間外の場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
深夜や時間外にも、それぞれ乳幼児向けに引き上げられた点数区分があります。初診料の場合、通常の時間外加算85点・深夜加算480点に対して、6歳未満の乳幼児ではそれぞれ200点・695点になる、という構造です。休日加算と同じ考え方で、時間帯ごとに区分が分かれていると理解しておくとわかりやすいと思います。
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)ではどうだったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)時点の点数体系との詳細な比較は、当サイトが今回確認した令和8年度の一次資料だけでは裏付けが取れていません。過去分の点数まで正確に照合したい場合は、当時の告示・通知など該当年度の一次資料にあたって確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。