みらい(新人医療事務)
先輩、入院してる患者さんで麻薬を使ってる方がいるんですけど、薬剤師さんが「麻薬管理指導加算を算定できるかも」って言ってました。これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
麻薬管理指導加算ですね。これは薬剤管理指導料(B008)の注2に規定されている加算です。施設基準に適合して届け出た保険医療機関に入院している患者さんのうち、麻薬の投薬又は注射が行われている患者さんに対して、麻薬の使用に関して必要な薬学的管理指導を行った場合に、薬剤管理指導料に上乗せする形で1回につき50点を加算するものです(令和8年度)。
みらい(新人医療事務)
「加算」ってことは、単独では算定できないんですね?
あおい(元・医療事務)
そうです。麻薬管理指導加算はあくまで薬剤管理指導料の「注2」に規定された上乗せ分なので、薬剤管理指導料そのものが算定できていることが前提になります。ベースの点数に50点を足すイメージですね。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象になるのは、薬剤管理指導料(B008)を算定している保険医療機関に入院している患者さんのうち、麻薬の投薬又は注射が行われている方です。外来の患者さんや在宅の患者さんはこの区分の対象ではありません。
みらい(新人医療事務)
外来では取れないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが収録している一次資料の範囲では、この麻薬管理指導加算(B008の注2)は入院患者を対象にした規定です。在宅の患者さんについては、在宅患者訪問薬剤管理指導料(C008)という別の区分に、名前は同じ「麻薬管理指導加算」という加算が置かれています。ただしこちらは算定要件の条文が別立てになっている、区分の異なる加算です。混同しないよう、在宅の患者さんについては在宅患者訪問薬剤管理指導料のページで個別に確認してください。
同名の加算にご注意ください
「麻薬管理指導加算」という名称は、入院患者向けの薬剤管理指導料(B008)の注2と、在宅患者向けの在宅患者訪問薬剤管理指導料(C008)の注2の両方に存在します。名前は同じでも根拠となる条文(区分)が異なるため、対象患者が入院か在宅かをまず確認してください。
点数・算定単位
みらい(新人医療事務)
点数のところ、テーブルで整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
まとめるとこうなります。
| 区分 | 点数 | 算定単位 | 年度 |
|---|---|---|---|
| 薬剤管理指導料(B008)「1」(特に安全管理が必要な医薬品) | 380点 | 週1回かつ月4回まで | 令和8年度 |
| 薬剤管理指導料(B008)「2」(1以外の患者) | 325点 | 週1回かつ月4回まで | 令和8年度 |
| 麻薬管理指導加算(注2) | +50点 | 1回につき | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
つまり、ベースの325点か380点に、麻薬を使っている患者さんなら50点が上乗せされるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。条文には「麻薬の投薬又は注射が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、必要な薬学的管理指導を行った場合は、麻薬管理指導加算として、1回につき50点を所定点数に加算する」とあります。ベースの区分(1か2か)にかかわらず、麻薬を使っている入院患者さんへの薬学的管理指導があれば、この50点が乗る形です。
施設基準・届出の考え方
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は別途必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
ここは丁寧に確認したいところです。当サイトが収録している一次資料の範囲では、麻薬管理指導加算そのものに独自の施設基準・届出は定められていません。ただし、麻薬管理指導加算はあくまで薬剤管理指導料(注2)の一部なので、ベースとなる薬剤管理指導料自体が「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」でなければ算定できません。
みらい(新人医療事務)
つまり「加算だけ届出すればいい」わけじゃなくて、薬剤管理指導料の届出が前提ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ここは自院の届出状況しだいなので、麻薬管理指導加算が算定候補になるかどうかは、まず薬剤管理指導料本体の届出状況を確認してください。届出済みであれば、麻薬管理指導加算も候補になり得ます。
よくある確認漏れ
薬剤管理指導料そのものの届出がないまま、麻薬管理指導加算だけを算定しようとしてしまうケースです。加算は本体があってこその上乗せなので、まず本体の届出状況を確認してください。
算定要件・算定タイミング
みらい(新人医療事務)
実際にどんな指導をすれば算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「注2の麻薬管理指導加算は、当該指導料を算定している患者のうち、麻薬が投与されている患者に対して、投与される麻薬の服用に関する注意事項等に関し、必要な薬学的管理指導を行った場合に算定する」とされています。つまり、薬剤管理指導料を算定するタイミングで、麻薬の服用に関する注意事項などについて薬学的管理指導を行うことが要件になります。
みらい(新人医療事務)
記録にも決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知には「注2の麻薬管理指導加算の算定に当たっては、前記の薬剤管理指導記録に少なくとも次の事項についての記載がされていなければならない」として、ア 麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の服薬状況、疼痛緩和の状況等)、イ 麻薬に係る患者への指導及び患者からの相談事項、ウ その他麻薬に係る事項、の3点が挙げられています。
みらい(新人医療事務)
記録が抜けていると、指導はしていても算定要件を満たさない可能性があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。指導の実施だけでなく、記録の中身が条文で挙げられた事項をカバーしているかどうかも確認したいポイントです。
併算定・回数の考え方
みらい(新人医療事務)
他の管理料と一緒に算定できないとか、そういう制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、麻薬管理指導加算に固有の併算定除外は確認できていません。ただし、麻薬管理指導加算は薬剤管理指導料の算定回数(週1回かつ月4回まで)の枠内で発生する加算なので、ベースの薬剤管理指導料自体の回数制限がそのまま影響します。他の管理料との重複算定の可否については、個別の状況次第になるため、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
回数の上限は加算にもそのままかかってくるということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。薬剤管理指導料が週1回・月4回までしか算定できない以上、それに紐づく麻薬管理指導加算もその枠を超えて算定することはできません。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定で何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度診療報酬点数表・留意事項通知)の範囲では、麻薬管理指導加算(B008注2、50点)について、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。長年50点で据え置かれている加算のひとつです。
前回→今回の整理
令和6年度(2024年度)改定時点でも麻薬管理指導加算は薬剤管理指導料の注2として1回につき50点でした。令和8年度(2026年度)改定後も、当サイトが確認できた一次資料の範囲では点数・算定要件に変更は見当たりません。ただし今後の疑義解釈等で運用が明確化される可能性はあるため、最新の公式情報は随時ご確認ください。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな流れで確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 薬剤管理指導料(B008)の施設基準届出があるか確認する
- 対象の患者さんが入院中で、麻薬の投薬又は注射が行われているか確認する
- 麻薬の服用に関する注意事項等について薬学的管理指導を実施したか確認する
- 薬剤管理指導記録に、麻薬に係る薬学的管理指導の内容・患者への指導や相談事項などの事項を記載したか確認する
- 薬剤管理指導料の算定回数(週1回・月4回まで)の枠内であるか確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際の現場で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
取り漏れの例
薬剤管理指導料本体の届出漏れ: 麻薬管理指導加算だけを気にして、ベースの薬剤管理指導料の届出状況を見落としているケース。
記録の記載不足: 麻薬の服用に関する指導は行っていても、薬剤管理指導記録に麻薬固有の事項(服薬状況・疼痛緩和の状況・副作用の有無など)を書き漏らしているケース。
在宅患者との混同: 在宅患者訪問薬剤管理指導料(C008)にも同名の「麻薬管理指導加算」があるため、入院患者向けのB008の要件と在宅向けの要件を混同してしまうケース。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうなことをまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、いくつかまとめますね。
みらい(新人医療事務)
麻薬管理指導加算だけを単独で算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
できません。あくまで薬剤管理指導料(B008)の注2として、本体の点数に上乗せする形の加算です。本体が算定できていることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
外来の患者さんでも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この区分(B008注2)は入院患者が対象です。外来や在宅の患者さんについては、別の区分(在宅患者訪問薬剤管理指導料など)で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
麻薬管理指導加算そのものに施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
加算自体に独自の届出は定められていません。ただし、ベースとなる薬剤管理指導料の施設基準届出が前提になるため、そちらの届出状況の確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)から点数は変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)から令和8年度(2026年度)改定にかけて、点数(50点)・算定要件に変更は確認されていません。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事でご紹介した点数・算定要件は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠にしています。届出手続きや最新の取り扱いは、必ず一次資料でもご確認ください。
参考資料(厚生労働省・令和8年度)
- 医科点数表 別表第一 B008 薬剤管理指導料(令和8年度診療報酬点数表) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 令和8年度診療報酬改定について(令和8年4月以降の改正について・厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00074.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。