リハビリテーション・栄養・口腔連携加算とは?
みらい(新人医療事務)
「リハビリテーション・栄養・口腔連携加算」って、なんだか名前が長くてドキッとしました。これは入院料に付く加算なんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうですよ。地域包括ケア病棟に入院している患者さんが対象の加算です。リハビリと栄養管理、それに口腔管理を一体的に進めるための体制を評価しているんですね。令和8年度(2026年度)改定で地域包括ケア病棟向けに新設されました。
みらい(新人医療事務)
「リハビリ・栄養・口腔」を一緒にやる、というのがポイントなんですか?
あおい(元・医療事務)
その通りです。お年を召した患者さんは、リハビリだけ頑張っても食べられなければ体力が戻りません。栄養管理と口腔ケアを一緒に取り組むことで、早期に生活の場へ戻れるよう支援するのが目的です。多職種が連携して評価・計画を立て、実施した場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
区分番号はどこになるんですか?
あおい(元・医療事務)
区分番号A308-3「地域包括ケア病棟入院料」の「注14」に規定されている加算です。地域包括ケア病棟入院料の所定点数に加算する形になっています。

点数と算定の基本ルール
みらい(新人医療事務)
点数はいくらになるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点で、1日につき30点です。算定できる期間は、「リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理に係る計画を作成した日から起算して14日を限度」とされています。
みらい(新人医療事務)
14日ですか。計画を作った日から数えるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし一つ注意があります。「やむを得ない理由により、入棟後48時間を超えて計画を策定した場合は、当該計画の策定日にかかわらず、入棟後3日目を起算日とする」という決まりがあります。なるべく早く、できれば入棟後48時間以内に計画を立てることが求められています。
みらい(新人医療事務)
計画を作るタイミングが遅れたら起算日が変わる、ということですね。
あおい(元・医療事務)
正確にいえば、48時間以内に計画を作れれば計画作成日が起算日になります。48時間を超えてしまった場合は、理由のいかんにかかわらず入棟後3日目が起算日として扱われます。早めの計画作成が実務上の鉄則ですね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象区分 | A308-3 地域包括ケア病棟入院料(注14) |
| 点数 | 30点(1日につき) |
| 算定期間 | 計画作成日から起算して14日を限度 |
| 48時間超の場合 | 入棟後3日目を起算日とする |
| 届出 | 必要(地方厚生局長等への届出) |
| 対象施設 | 地域包括ケア病棟を有する保険医療機関 |
栄養サポートチーム加算との関係
本加算を算定する患者については、区分番号A233-2「栄養サポートチーム加算」は別に算定できません。注意してください。
対象医療機関と施設基準
みらい(新人医療事務)
どんな病院が算定の対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
地域包括ケア病棟(A308-3)を持つ保険医療機関が前提です。その上で、定められた施設基準に適合し、地方厚生局長等への届出を行っていることが必要です。届出を行っていない病棟では算定できないため、まず届出の有無を確認してください。
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
主なポイントは2つです。まず1点目は「当該病棟に専任の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること」です。ただし、その管理栄養士が専任として配置される病棟は、1名につき1病棟に限られています。2点目は「当該保険医療機関において、リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有し、かつ適切なリハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る研修を修了した常勤医師が1名以上勤務していること」です。
みらい(新人医療事務)
医師に「研修修了」が必要なんですか。それが意外でした。
あおい(元・医療事務)
そこが本加算の大きなポイントです。ただ配置されているだけでなく、専門の研修を受けた医師がいることが条件になっています。届出を検討している病院は、対象となる医師が研修を修了しているかどうかを確認することが重要です。
みらい(新人医療事務)
管理栄養士の配置と医師の研修以外にも、確認しておくべき基準はありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。施設基準には「院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020分類d2以上)を保有している入院患者の割合」に関する基準もあります。褥瘡ケアの体制も評価対象になっている点は見落とされがちなので、注意してください。確認の頻度については、令和8年度の疑義解釈でも取り上げられています(詳細は後述のFAQ参照)。
施設基準の主なポイント(令和8年度)
(1) 専任の常勤管理栄養士: 当該病棟に1名以上配置。1名につき1病棟が上限。
(2) リハ経験3年以上の常勤医師: リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有する常勤医師が1名以上。
(3) 研修修了: 上記医師が、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る研修(2日以上・12時間以上・修了証が交付されるもの)を修了していること。
(4) 院内褥瘡保有患者割合: 院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020分類d2以上)を保有している入院患者の割合について、基準が定められている。確認頻度は届出以降「毎月」ではない(FAQ参照)。
(5) 届出: 別添7の様式5の5を用いた届出が必要。
研修の具体的な内容
みらい(新人医療事務)
「研修修了」が必要とのことですが、どんな研修を受ければいいんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の疑義解釈(その6)によると、現時点では「日本リハビリテーション医学会の急性期病棟におけるリハビリテーション診療・栄養管理・口腔管理に係る医師研修会」および「日本リハビリテーション病院・施設協会の包括期病棟におけるリハビリテーション・栄養・口腔の一体的取組に係る医師研修会」が該当するとされています。
みらい(新人医療事務)
特定の団体が開催する研修なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。研修の要件は「医療関係団体等が開催する、早期からのリハビリテーション医療等に関する理論・評価法等に関する総合的な内容を含む研修であり、2日以上かつ12時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの」とされています。どの研修が対象か不明な場合は、地方厚生局等への確認が必要です。
研修修了は届出前に確認を
施設基準で定められた研修を修了した医師がいない場合、届出はできません。届出前に対象医師の研修修了状況を必ず確認してください。AIによる判定はできないため、研修修了証の有無は施設側での確認が必要です。
算定上の注意点(GLIM基準・栄養管理)
みらい(新人医療事務)
管理栄養士がいれば算定できる、という単純な話ではないですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。本加算の算定には、実際に多職種で取り組んでいることが求められます。特に管理栄養士の役割が具体的に定められています。
あおい(元・医療事務)
通知では、専任の管理栄養士が次の取組を実施する場合に算定候補となるとされています。原則として入棟後48時間以内に患者に対面し、入院前の食生活や食物アレルギー等の確認と、GLIM基準を用いた栄養状態の評価を行うこと。また週5回以上、食事の提供時間に低栄養等のリスクの高い患者を中心に食事状況を観察することも求められています。
みらい(新人医療事務)
GLIM基準って何ですか?
あおい(元・医療事務)
GLIM基準は国際的に用いられる低栄養の評価基準です。詳細な判定方法については各専門学会の定義をご確認ください。本加算の算定要件では「GLIM基準を用いた栄養状態の評価」が明記されており、管理栄養士が実施することとされています。
管理栄養士に求められる主な取組
入棟後48時間以内: 患者への対面と食生活・食物アレルギー等の確認、GLIM基準による栄養評価
週5回以上: 食事提供時間に低栄養リスクの高い患者の食事状況を観察
計画の作成: リハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る計画の策定(多職種と協働)
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
実際に「うちも算定できるか?」と確認するとき、どんな順序で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で確認するといいですよ。
自院で確認する順番
- 地域包括ケア病棟(A308-3)を有しているか
- 当該病棟に専任の常勤管理栄養士が1名以上配置されているか(1名につき1病棟が上限)
- リハビリテーション医療に3年以上の経験を持つ常勤医師が自院にいるか
- その常勤医師が、定められた研修(2日以上・12時間以上・修了証交付)を修了しているか
- 届出(別添7の様式5の5)を地方厚生局長等に提出しているか
- 多職種が協働して計画を作成し、実際に取り組みを行っているか
みらい(新人医療事務)
ステップ3と4は、医師の確認が必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。医師の経験年数と研修修了状況は、医師本人や人事担当と連携して確認する必要があります。AI(このサービス)では、特定の医師が要件を満たすかどうかは判定できませんので、施設側での確認をお願いします。
前回改定(令和6年度)からの変更点
みらい(新人医療事務)
今回の令和8年度改定で、この加算は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、大きな変化がありました。地域包括ケア病棟向けの「リハビリテーション・栄養・口腔連携加算」(注14・30点)は、令和8年度(2026年度)改定で新設された加算です。
あおい(元・医療事務)
前回の令和6年度(2024年度)改定時点では、地域包括ケア病棟(A308-3)にこの加算は存在していませんでした。同様のコンセプトの加算は「A233」や地域包括医療病棟(A304)向けに存在していましたが、地域包括ケア病棟に特化した注14の加算は令和8年度改定で初めて設けられました。
みらい(新人医療事務)
つまり令和6年度まではなかったということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年度(2026年度)診療報酬改定において、地域包括ケア病棟においてもリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的取組を推進する観点から新設されました(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要」)。届出を検討する場合は、令和8年度の施設基準通知・告示を確認してください。
前回改定(令和6年度)との対比
令和6年度(2024年度)時点: 地域包括ケア病棟(A308-3)の「注14」にリハビリテーション・栄養・口腔連携加算は存在しなかった
令和8年度(2026年度)改定で新設: 地域包括ケア病棟(A308-3)の注14として、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算(30点)が新設された
よくある疑問
みらい(新人医療事務)
管理栄養士が複数の病棟を掛け持ちしている病院では、どうなりますか?
あおい(元・医療事務)
施設基準では「当該専任の管理栄養士として配置される病棟は、1名につき1病棟に限る」とされています。複数の病棟を掛け持ちしている管理栄養士は「専任」とはみなされません。この病棟専属で専任配置されているかどうかが重要です。
みらい(新人医療事務)
栄養サポートチーム加算(NST加算)を算定している場合、両方は取れますか?
あおい(元・医療事務)
本加算の算定患者については、区分番号A233-2「栄養サポートチーム加算」は別に算定できないと定められています。どちらの算定がより自院の体制にあっているか、要件とあわせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
計画は誰が作るんですか?
あおい(元・医療事務)
医師、看護師、当該病棟に専従の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、当該病棟に専任の管理栄養士、その他必要に応じて他の職種が協働して、評価と計画の作成を行います。多職種チームでの取り組みが前提です。
みらい(新人医療事務)
口腔管理の部分は、歯科医が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の直接の要件として「歯科医師の配置」は明示されていません。ただ、口腔管理を実施するにあたっての体制整備は求められています。口腔ケアの実施体制について、疑義が生じた場合は地方厚生局等への確認をお勧めします。
みらい(新人医療事務)
施設基準にある「院内で発生した褥瘡を保有している入院患者の割合」という基準は、届出した後は毎月クリアしていないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年7月17日の疑義解釈(その10・問1)で確認方法が示されています。届出月、および施設基準等の適合性を確認して報告する月(8月・以下「報告月」)の前月の初日を調査日として、その時点で入院後に院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020分類d2以上)を保有している入院患者の割合が要件を満たしていればよいとされています。毎月ずっと満たし続けなければならない、というものではありません。
みらい(新人医療事務)
もし報告月に基準を満たしていなかったら、どうなりますか?
あおい(元・医療事務)
その場合は変更の届出を行う必要があるとされています。ただし、報告月以後にあらためて調査を行い基準を満たしていれば、再び届出をすることは可能です。実際の運用は自院の状況次第なので、地方厚生局等にも確認しておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が算定候補になるか、もう少し具体的に確認したいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。