みらい(新人医療事務)
今日、先生の往診に同行したスタッフから「今日は患家に2時間近くいたんですけど、これって何か加算になりませんか?」って聞かれたんです。患家診療時間加算というのを見つけたんですけど、これのことですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、それです。患家診療時間加算は、往診料(C000)または在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(C001)を算定する場合に、患家(患者さんのご自宅など)での診療時間が1時間を超えたときに上乗せできる加算です。時間がかかった分をきちんと評価する仕組みですね。
みらい(新人医療事務)
往診でも訪問診療でも、どちらでも対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが収録している令和8年度の点数表(告示第69号)の範囲では、往診料の注2と、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の注5の両方に、同じ文言の加算規定が置かれています。つまり、どちらの基本料を算定する場面でも、患家での診療時間が長くなった場合に候補になり得る加算です。
患家診療時間加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも「患家における診療時間」って、何を起点に数えるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の文言をそのまま確認すると、「患家における診療時間が1時間を超えた場合は、患家診療時間加算として、30分又はその端数を増すごとに、100点を所定点数に加算する」とされています。つまり、患家に到着してから診療が終わるまでの滞在時間が1時間を超えた分について、30分刻み(端数も切り上げ)で100点ずつ積み上がるイメージです。
みらい(新人医療事務)
「端数を増すごとに」というのがちょっと分かりにくいです……。
あおい(元・医療事務)
たとえば1時間ちょうどまでは加算なし、1時間を10分でも超えたら「30分の端数」として1区分分(100点)が候補になり、1時間90分(1時間30分)を超えたら2区分分(200点)が候補になる、という考え方です。具体的な運用は自院のレセプト担当と一緒に、実際の診療時間の記録に照らして確認するのが安全です。
対象になる診療・場面
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関や患者さんに、何か条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
この加算自体は、往診料または在宅患者訪問診療料(Ⅰ)を算定する診療所・病院が対象です。当サイトのデータベースでも、診療所・病院・在宅医療の場面に対応する加算として扱っています。ただし、往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)そのものの算定要件は、加算とは別に満たしている前提です(在宅患者訪問診療料(Ⅰ)は「在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なもの」への計画的な訪問診療が要件とされています。往診料は別の算定要件があるため、あわせて自院で確認してください)。加算だけを単独で算定することはできません。
みらい(新人医療事務)
外来の診療時間が長引いた場合は対象外ですか?
あおい(元・医療事務)
この加算は「患家における診療時間」が対象なので、外来診療室での長時間の診療は対象外の可能性が高いです。ただし、外来管理加算など別の枠組みで評価される場合もあるので、外来で時間がかかったケースについては別途確認が必要です。
点数の考え方(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
まず基本になる往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の点数と、患家診療時間加算の点数を分けて見てみましょう。
| 項目 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|
| 往診料(C000) | 720点 | 患家診療時間加算の対象になる基本診療料の一つ |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)1(同一建物居住者以外) | 890点 | 患家診療時間加算の対象になる基本診療料の一つ |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)1(同一建物居住者) | 215点 | 同上 |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)2(同一建物居住者以外) | 886点 | 同上 |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)2(同一建物居住者) | 189点 | 同上 |
| 患家診療時間加算 | 100点 | 患家滞在1時間超、以降30分(端数含む)ごとに加算 |
みらい(新人医療事務)
加算部分だけを時間の目安で見るとどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
目安として整理すると、こういうイメージです。あくまで「30分又はその端数を増すごとに100点」というルールに沿った機械的な積算の例で、実際の算定可否は診療の実態と記録で確認してください。
| 患家での滞在時間 | 患家診療時間加算の目安 |
|---|---|
| 1時間以内 | 加算なし |
| 1時間超〜1時間30分以内 | 100点(1区分) |
| 1時間30分超〜2時間以内 | 200点(2区分) |
| 2時間超〜2時間30分以内 | 300点(3区分) |
みらい(新人医療事務)
往診料と在宅患者訪問診療料で、加算のルール自体は同じなんですね。
あおい(元・医療事務)
表現はどちらも同じ「30分又はその端数を増すごとに、100点を所定点数に加算する」です。在宅患者訪問診療料(Ⅰ)側の留意事項通知でも「患家における診療時間が1時間を超える場合の加算の算定方法(中略)は、C000往診料における取扱いの例による」とされているので、算定方法は共通の考え方で確認して問題なさそうです。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算のために、何か届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトのデータベース上は、患家診療時間加算そのものについて、追加の施設基準・届出は登録されていません。往診料や在宅患者訪問診療料(Ⅰ)自体を算定できる体制であれば、時間の要件を満たしたときに候補になる、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出は何もいらないってことですか?
あおい(元・医療事務)
加算単体では届出が不要という整理ですが、そもそも往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)自体に、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院かどうかで点数区分が変わる規定などがあります。そちらの届出状況や施設基準は加算とは別に確認しておく必要があります。「加算は不要でも、土台になる基本診療料側は要確認」という切り分けで考えるのが安全です。
確認しておきたいポイント
加算そのものの届出: 当サイトの収録範囲では不要と整理されています。 基本診療料側の届出: 往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の算定区分(在宅療養支援診療所等かどうか)は加算と別に確認が必要です。 診療時間の記録: 患家への到着・退出の時刻を診療録に残しておくと、加算の根拠が説明しやすくなります。
算定タイミングと確認しておきたい注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
まず、「1時間を超えたかどうか」の判定基準です。移動時間ではなく、あくまで患家に滞在していた時間が対象になります。また「30分又はその端数を増すごとに」という表現なので、端数の扱い(切り上げ)を自院内でルール化しておくと、レセプト担当者ごとに解釈がぶれにくくなります。
算定候補としての位置づけ
患家診療時間加算は、診療時間が長くなったこと自体を機械的に評価する加算です。ただし「1時間を超えた」と言えるかどうかは、診療録上の記録(到着・退出時刻、診療内容の経過)で裏付けられている必要があります。記録が曖昧なまま算定候補として扱うのは避け、要確認の状態であれば無理に確定させないことをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
往診と訪問診療、両方をした日に、両方分の加算を取れたりしますか?
あおい(元・医療事務)
そのあたりは個別の診療内容によって整理が変わる可能性があるため、当サイトの資料の範囲では一律にお答えできません。同日に複数の診療形態がある場合は、それぞれの基本診療料の算定要件と合わせて、審査支払機関や自院のレセプト担当に確認することをおすすめします。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、患家診療時間加算の点数(100点)や算定単位(30分又はその端数ごと)についての変更点は確認されていません。往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)という対象の基本診療料の枠組み自体にも、この加算に関わる変更は見当たりませんでした。
改定確認のスコープ
今回の確認は、当サイトが収録する令和8年度の点数表(告示第69号)と留意事項通知の範囲に限られます。令和6年度以前の資料との詳細な突き合わせまでは行っていないため、「変更なしと断定する」のではなく「収録資料の範囲では変更が見当たらない」という位置づけでご理解ください。
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
実際にうちで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
往診または在宅患者訪問診療(Ⅰ)を実施したか: どちらの基本診療料を算定する診療だったかをまず確認します。 患家での到着・退出時刻を記録しているか: 診療録に時刻が残っているかを確認します。 滞在時間が1時間を超えているか: 記録上の時間から、1時間を超えているかを計算します。 超えた分を30分単位(端数切り上げ)で数える: 超過分をルールに沿って区分数に換算します。 算定候補として整理し、必要に応じて確認する: 記録が明確であれば算定候補として扱い、不明点があれば要確認のまま持ち越します。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れのパターンってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
時刻の記録漏れ: 患家での到着・退出時刻が診療録に残っておらず、後から「1時間を超えていたはず」と主張しにくいケース。 端数の切り上げ忘れ: 「1時間20分だから加算なし」と誤って処理してしまい、実際には30分区分1つ分の候補になるケースを見落とすこと。 往診料と在宅患者訪問診療料の混同: どちらの基本診療料に対する加算なのかをレセプト上で取り違えてしまうこと。
みらい(新人医療事務)
逆に、「これは対象外かも」と思っておいた方がいいケースはありますか?
あおい(元・医療事務)
たとえば、外来診療室での長時間の診療は、この加算の対象になる「患家における診療時間」には当たらない可能性があります。ただし個別の状況によって整理が異なることもあるため、「対象外です」と言い切らず、対象外の可能性がある、という前提で自院の記録と照らして確認するのが安全です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
診療時間が1時間ちょうどだった場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の文言は「1時間を超えた場合」となっているため、ちょうど1時間の場合は加算の対象にならない可能性があります。記録上の時間が境界線に近い場合は、自院で慎重に確認してください。
みらい(新人医療事務)
この加算は届出をしていないと算定できませんか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの収録範囲では、加算自体に個別の届出は登録されていません。ただし、土台になる往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の算定要件は別途満たしている必要があるため、届出済みであれば候補になる、という理解で進め、不明点があれば確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)から令和8年度にかけて点数は変わっていませんか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度(2026年度)資料の範囲では、点数(100点)に変更は確認されていません。前回改定(令和6年度)の資料との詳細な比較までは行っていない点にご留意ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や診療時間の記録を整理しながら、確認すべきポイントを一緒に洗い出せます。あわせて、基本診療料である在宅患者訪問診療料(Ⅰ)や、往診料の加算の一つである介護保険施設等連携往診加算もご覧いただくと、在宅医療加算全体の位置づけがつかみやすいと思います。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。