成育連携支援加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「成育連携支援加算」って名前を初めて見たんですけど、どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)現在、これは総合周産期特定集中治療室管理料(区分番号A303)の「注3」に規定されている加算です。単独では算定できず、A303を算定していることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
A303が土台にあるんですね。具体的にはどんな場面で加算されるんですか?
あおい(元・医療事務)
胎児が重篤な状態であると診断された、または疑われる妊婦に対して、医師・助産師・看護師・社会福祉士・公認心理師等が共同して必要な支援を行った場合に、入院中1回に限り1,200点が所定点数に加算されます。厚生労働省の告示には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、胎児が重篤な状態であると診断された、又は疑われる妊婦に対して、当該保険医療機関の医師、助産師、看護師、社会福祉士、公認心理師等が共同して必要な支援を行った場合に、成育連携支援加算として、入院中1回に限り、1,200点を所定点数に加算する」と定められています。
みらい(新人医療事務)
「入院中1回に限り」というのがポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。入院期間を通じて1回のみで、複数回のカンファレンスを重ねても算定回数は増えません。この点は取り違えやすいので注意が必要です。
対象になる妊婦の範囲(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
「胎児が重篤な状態」というのは、具体的にどんな状態を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では次の3つが挙げられています。
対象となる「胎児が重篤な状態」(令和8年度)
ア 先天奇形 イ 染色体異常 ウ 出生体重 1,500g 未満
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知には「なお、ここでいう胎児が重篤な状態とは、以下のものである。ア 先天奇形 イ 染色体異常 ウ 出生体重 1,500g 未満」と記載されています。
みらい(新人医療事務)
この3つのどれかに該当すれば、必ず対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
診断された、または疑われる場合が対象です。ただし実際に該当するかどうかは、産科・小児科の医師の判断が前提になります。当院の患者さんがこれに当てはまるかどうかは、診療録・カンファレンス記録の確認が必要です。断定はできませんので、まずは対象になり得るかを確認するところから始めることになります。
みらい(新人医療事務)
もし出生後に「重篤ではなかった」とわかった場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
この点は厚生労働省の疑義解釈資料(令和4年度公表)で示された考え方があります。「区分番号「A303」総合周産期特定集中治療室管理料の注3に規定する成育連携支援加算について、出生後「胎児が重篤な状態」に該当しなかった場合であっても、当該加算は算定可能か」という質問に対し、「可能。」と回答されています。つまり、診断・疑いの時点で要件を満たし、必要な支援を行っていれば、結果として重篤でなかったとしても算定候補になり得るという考え方です。ただし令和4年度公表の資料であるため、現在の運用に変更がないか、算定前に必ず最新の一次資料でご確認ください。
点数・算定条件の確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数とコードを整理して確認したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点の内容をまとめると、こちらの表になります。
| 区分番号 | 加算名 | 点数 | 算定回数 | 前提となる管理料 |
|---|---|---|---|---|
| A303 注3 | 成育連携支援加算 | 1,200点 | 入院中1回に限り | 総合周産期特定集中治療室管理料 |

みらい(新人医療事務)
A303自体を算定していないと、この加算だけを取ることはできないんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。成育連携支援加算はA303の「注」として規定された加算なので、A303(総合周産期特定集中治療室管理料)の算定が前提条件になります。A303自体の点数・算定要件については、総合周産期特定集中治療室管理料の記事で確認できます。
併算定に関する確認事項
成育連携支援加算そのものに固有の併算定除外規定は、当サイトが確認できた一次資料の範囲では見当たりませんでした。他の加算との組み合わせ可否は、算定要件・施設基準の観点から個別に判断が必要です。最終的な判断はレセプト作成時に一次資料および審査支払機関でご確認ください。
施設基準: どんな体制が必要ですか?
みらい(新人医療事務)
算定するには届出が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
必要です。施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等への届出が前提になっています。
みらい(新人医療事務)
具体的にはどんな体制を整えればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の施設基準通知には、院内に「成育連携チーム」を設置することが定められています。
成育連携チームの構成(令和8年度)
(1) 産科又は産婦人科の医師: チームの中心となる医師 (2) 小児科の医師: 出生後の治療方針に関わる医師 (3) 助産師: 分娩・周産期ケアの専門職 (4) 専任の常勤看護師: 5年以上新生児の集中治療に係る業務の経験を有すること (5) 専任の常勤社会福祉士: 福祉サービス等の情報提供を担当 (6) 専任の常勤公認心理師: 妊婦・家族の心理的支援を担当
あおい(元・医療事務)
原文では「当該保険医療機関内に、以下から構成される成育連携チームが設置されていること。(1)産科又は産婦人科の医師 (2)小児科の医師 (3)助産師 (4)5年以上新生児の集中治療に係る業務の経験を有する専任の常勤看護師 (5)専任の常勤社会福祉士 (6)専任の常勤公認心理師」と定められています。
みらい(新人医療事務)
6職種全員が常に揃っていないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
チームとしての「配置」が要件ですが、看護師・社会福祉士・公認心理師については非常勤職員の組み合わせで配置する取扱いも通知に示されています。「当該専任の看護師、社会福祉士又は公認心理師については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤看護師等を2名以上組み合わせることにより、常勤看護師等と同じ時間帯にこれらの非常勤看護師等が配置されている場合には、常勤配置と同様に取り扱う」といった趣旨の記載があります。自院の勤務体制がこの取扱いに該当するかどうかは、施設基準通知の原文で必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
看護師の「5年以上新生児の集中治療」という経験年数は、他の似たような加算とは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこは加算ごとに要件が異なるので混同しないよう注意が必要です。成育連携支援加算(総合周産期特定集中治療室管理料の注3)の専任常勤看護師は「5年以上新生児の集中治療に係る業務の経験」が求められますが、これは他の類似加算の看護師要件とは別の条件です。自院の看護師の経験年数がこの要件を満たすかは、個別に確認する必要があります。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準はわかりました。届出はどうやって行うんですか?
あおい(元・医療事務)
地方厚生局長等へ届出書を提出します。厚生労働省の施設基準通知に基づき、成育連携チームの構成員(氏名・職種・専任か兼任か・常勤換算など)を記載した届出書添付書類を提出する取扱いになっています。
みらい(新人医療事務)
チームの職種が他の加算と兼任できるケースもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
この点も厚生労働省の疑義解釈資料(令和4年度公表)に考え方が示されています。「成育連携支援加算の施設基準における成育連携チームの「専任の常勤看護師」及び「専任の常勤社会福祉士」は、区分番号「A246」入退院支援加算における専任の看護師又は専任の社会福祉士が兼任することは可能か」という質問に対し、「可能。なお、入退院支援加算において各病棟に専任で配置されている「入退院支援及び地域連携業務に専従する看護師又は社会福祉士」が兼任することも差し支えないが、この場合は、入退院支援加算に係る入退院支援及び地域連携業務並びに成育連携チームの業務のみ実施可能であること」と回答されています。入退院支援加算の職員体制と重ねて確認したい場合は、この考え方を踏まえて業務範囲を整理する必要があります。ただし令和4年度公表の資料のため、兼任の取扱いに変更がないかは最新の一次資料で確認してください。
みらい(新人医療事務)
説明のときは、医師・助産師・看護師・社会福祉士・公認心理師の全員が同席しないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
必ずしも全員である必要はありません。同じ疑義解釈資料(令和4年度公表)に「説明を行う際は、医師、助産師、看護師、社会福祉士及び公認心理師の全ての職種が同席する必要があるか」という質問があり、「必ずしも全ての職種が同席する必要はないが、対象となる妊婦及びその家族等の状態に応じ、必要と考えられる者を同席させること」と回答されています。妊婦・家族の状態に応じて、必要な職種を判断して同席させる運用が求められます。
支援内容として求められること
みらい(新人医療事務)
「共同して必要な支援を行う」というのは、具体的にどんなことをするんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準通知の留意事項には、対象となる妊婦とその家族等に対する説明内容が具体的に示されています。「対象となる妊婦とその家族等に対し、分娩方針、母胎の病状、胎児の予後、出生後必要となる治療及び出生後利用可能な福祉サービス等について、十分な説明を行うこと」とされ、さらに「当該説明内容は、成育連携チーム及び必要に応じ関係職種が共同してカンファレンスを行った上で決定するものとし、妊婦又はその家族等に対し、文書により行うとともに、その写しを診療録に添付すること」と定められています。
みらい(新人医療事務)
口頭説明だけでは足りなくて、文書と診療録への添付が必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。カンファレンスの実施、文書での説明、診療録への写しの添付という一連の記録が、算定の裏付けとして重要になります。「妊婦とその家族等の求めがあった場合には、懇切丁寧に対応すること」とも定められていますので、運用体制としてこの流れを整えておく必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、成育連携支援加算そのものの点数・対象疾患・施設基準について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。1,200点という点数、対象となる3つの状態(先天奇形・染色体異常・出生体重1,500g未満)、成育連携チームの6職種構成は、当サイトが参照した令和8年度の一次資料の記載と、それ以前から示されている考え方の間で相違が見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
変更がないなら、確認しなくても大丈夫ということですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、必ず自院で最新の告示・通知を確認してください。当サイトの整理は一次資料の範囲内での確認結果であり、施設基準の細部や運用上の取扱いが更新されている可能性もあります。特に人員配置や兼任の取扱いなど、個別の運用に関わる部分は必ず原文を確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの病院がこの加算の対象になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 総合周産期特定集中治療室管理料(A303)の届出を行っているか確認する
- 胎児が重篤な状態(先天奇形・染色体異常・出生体重1,500g未満)と診断された、または疑われる妊婦が入院しているか確認する
- 産科・小児科の医師、助産師、専任の看護師・社会福祉士・公認心理師による成育連携チームが院内に設置されているか確認する
- 妊婦・家族への説明がカンファレンスを経て文書で行われ、診療録に写しが添付されているか確認する
- 成育連携チームの施設基準について地方厚生局長等への届出(届出書添付書類)が完了しているか確認する

みらい(新人医療事務)
この順番で確認していけば、算定候補かどうか整理できそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし、施設基準の充足状況や個々の患者さんの状態の判定は、自院での確認と専門職の判断が必要です。ここまでの流れはあくまで確認の入り口として使ってください。
よくある取り漏れ
見落としがちなポイント
入院中1回という上限: カンファレンスや説明を複数回行っても、算定は入院中1回に限られます A303の算定が前提: 成育連携支援加算だけを単独で算定することはできません 文書と診療録添付の記録: 口頭説明のみでは要件を満たさない可能性があります。文書化と診療録への添付を確認してください 看護師の経験年数要件: 専任常勤看護師には5年以上の新生児集中治療経験が求められます。他の加算の看護師要件と混同しないよう注意してください
みらい(新人医療事務)
こうして見ると、点数だけでなく記録の整備が大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。算定要件を満たしているかどうかは、点数表の条文だけでなく、カンファレンス記録・説明文書・診療録への添付といった運用の実態が伴っているかがポイントになります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問をまとめてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に確認しましょう。
みらい(新人医療事務)
Q. 出生後に「重篤な状態」に該当しなかった場合、加算は算定できませんか?
あおい(元・医療事務)
A. 厚生労働省の疑義解釈資料(令和4年度公表)では、出生後に該当しなかった場合でも算定可能という考え方が示されています。ただし診断・疑いの時点での要件充足と、必要な支援の実施記録が前提になります。最新の一次資料で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
Q. 説明の際に医師・助産師・看護師・社会福祉士・公認心理師の全員が同席する必要がありますか?
あおい(元・医療事務)
A. 必ずしも全員の同席は必要とされていません。妊婦・家族の状態に応じて必要と考えられる職種を同席させる運用が示されています。
みらい(新人医療事務)
Q. 成育連携チームのスタッフは、入退院支援加算の職員と兼任できますか?
あおい(元・医療事務)
A. 厚生労働省の疑義解釈資料(令和4年度公表)では、入退院支援加算の専任看護師・専任社会福祉士との兼任は可能とされています。ただし兼任の場合、実施できる業務範囲に条件が付されていますので、原文の確認をおすすめします。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
この記事の内容は、どの資料をもとにしているんですか?
あおい(元・医療事務)
主に以下の厚生労働省の公式資料を確認しています。
| 資料名 | 発行元 | 用途 |
|---|---|---|
| 医科診療報酬点数表 A303(総合周産期特定集中治療室管理料)令和8年度改定版 | 厚生労働省 | 点数・算定条件の条文確認 |
| 令和8年度診療報酬改定について | 厚生労働省 | 施設基準通知・留意事項通知の一覧・最新版の確認起点 |
| 疑義解釈資料の送付について | 厚生労働省 | 令和4年度公表分を含む疑義解釈の確認 |
みらい(新人医療事務)
厚労省のPDFって、たまにリンクが変わっていることがありますよね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。改定のたびに文書番号が更新されることがあるので、リンク切れの場合は上記の「令和8年度診療報酬改定について」ページから最新の告示・通知を辿って確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。