死亡診断加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、レセプトで「死亡診断加算」という項目を見つけたんですけど、これってどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)現在の診療報酬では、往診料(C000)または在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(C001)を算定している患者さんが在宅で亡くなり、死亡日に医師が往診または訪問診療を行って死亡診断をした場合に、200点を所定点数に加算するものです。
みらい(新人医療事務)
「在宅で亡くなった場合」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。当サイトが収録している一次資料では「患家において死亡診断を行った場合は、死亡診断加算として、200点を所定点数に加算する」(往診料の告示)、「死亡診断を行った場合(1を算定する場合に限る。)には、死亡診断加算として、200点を所定点数に加算する」(在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の告示)と、それぞれ書かれています。
みらい(新人医療事務)
往診料と在宅患者訪問診療料、どちらでも算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、条文上はどちらの区分にも同じ200点の死亡診断加算が定められています。ただし、算定の可否は診療の流れ(往診で対応したか、訪問診療で対応したか)や、後で説明する看取り加算との関係によって変わってきます。断定はできないので、自院のケースに当てはめて確認が必要です。
点数・算定コードの確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数とコードを整理して教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点の点数はこちらの表の通りです。
| 区分 | コード(区分番号) | 加算名 | 点数 | 算定回数 |
|---|---|---|---|---|
| 往診料 | C000 注5 | 死亡診断加算 | 200点 | 死亡診断を行った場合に1回 |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ) | C001 注8 | 死亡診断加算 | 200点 | 死亡診断を行った場合に1回 |

みらい(新人医療事務)
どちらも200点で同じなんですね。
あおい(元・医療事務)
点数は同じですが、算定の土台になる基本料(往診料720点か、在宅患者訪問診療料890点等か)は別物ですし、後述する併算定の除外規定も参照する注番号が異なります。同じ200点だからと一律には扱えない点に注意してください。
みらい(新人医療事務)
在宅患者訪問診療料の告示に「1を算定する場合に限る」とありましたけど、これはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
在宅患者訪問診療料(Ⅰ)には、通常の訪問診療である「1」と、他の医療機関から紹介された患者に対する「2」の区分があります。告示の条文は「死亡診断を行った場合(1を算定する場合に限る。)には、死亡診断加算として、200点を所定点数に加算する」となっており、「2」を算定するケースは対象に含まれていません。この区分の違いは見落としやすいので、レセプトで「1」を算定しているかどうかを確認することが必要です。
算定要件: いつ算定候補になりますか?
みらい(新人医療事務)
具体的にどういう場面で算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料(留意事項通知)には、往診料の死亡診断加算について「患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診を行い、死亡診断を行った場合に算定する」と書かれています。在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の死亡診断加算についても「在宅での療養を行っている患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診又は訪問診療を行い、死亡診断を行った場合に算定する」とほぼ同じ趣旨で規定されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、死亡日当日に医師が実際にご自宅に行って死亡診断をした、という事実が必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。死亡日以外の訪問や、死亡診断そのものを行っていない場合は、この加算の対象にはなりません。「たぶん取れるはず」で処理せず、診療録に死亡診断を行った事実と日付が記載されているかを確認することが大切です。
算定候補になり得る場面(令和8年度・要確認)
在宅で死亡した患者に対応した場合: 往診または訪問診療で死亡日に対応したケースが対象になります。 死亡日当日に死亡診断を行った場合: 死亡診断の実施日が死亡日と一致していることが前提です。 看取り加算を別に算定していない場合: 次章で説明する併算定の除外規定に該当しないかを必ず確認してください。
看取り加算との関係(併算定の除外)
みらい(新人医療事務)
さっき「看取り加算との関係」って言ってましたけど、これが一番混乱しそうです。
あおい(元・医療事務)
ここは条文の言葉をそのまま確認するのが確実です。往診料の告示には「5 患家において死亡診断を行った場合は、死亡診断加算として、200点を所定点数に加算する。ただし、注4に規定する加算を算定する場合は、算定できない。」とあり、この「注4に規定する加算」が看取り加算(3,000点)を指します。
みらい(新人医療事務)
つまり、看取り加算を算定した患者さんには、死亡診断加算は別立てで請求できないということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、条文上はそうなります。留意事項通知にも「『注5』に規定する死亡診断加算は、患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診を行い、死亡診断を行った場合に算定する。ただし、『注4』に規定する看取り加算には、死亡診断に係る費用が含まれており、『注5』に規定する死亡診断加算は別に算定できない。」と明記されています。看取り加算の点数の中に死亡診断の費用が含まれている、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の場合も同じ考え方ですか?
あおい(元・医療事務)
考え方は同じですが、参照する注番号が違います。在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の告示は「8 死亡診断を行った場合(1を算定する場合に限る。)には、死亡診断加算として、200点を所定点数に加算する。ただし、注7に規定する加算を算定する場合は、算定できない。」となっていて、この「注7に規定する加算」が在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の看取り加算(3,000点)を指します。往診料の「注4」と在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「注7」、どちらも看取り加算ですが、条文上の呼び方が異なる点に注意してください。
併算定の除外に関する注意(令和8年度・断定不可)
死亡診断加算は、同じ患者・同じ死亡について看取り加算を算定する場合は、条文上は別に算定できません。「両方とも取れるはず」と思い込まず、看取り加算の算定要件(事前の説明・同意、死亡日の往診または訪問診療、患家での看取り)を満たしているかどうかから確認することをおすすめします。個別のケースでの最終判断は、自院の記録と公式資料をもとに行ってください。
ICTを利用した死亡診断の特例(在宅患者訪問診療料のみ)
みらい(新人医療事務)
医師が間に合わなくて、看護師さんが立ち会うケースがあるって聞いたことがあるんですが。
あおい(元・医療事務)
それは「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」に基づく特例のことですね。在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の留意事項通知には、一定の要件を満たす場合、「ICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行う場合には、往診又は訪問診療の際に死亡診断を行っていない場合でも、死亡診断加算のみを算定可能である」と書かれています。
みらい(新人医療事務)
医師が現地に行かなくても、死亡診断加算だけは算定候補になり得るということですか?
あおい(元・医療事務)
条文上はそういう特例が用意されています。ただし、この特例は在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の留意事項通知に規定されているもので、当サイトが確認できた一次資料の範囲では、往診料(C000)側の同種の記載は確認できていません。往診料での対応を想定している場合は、この特例をそのまま当てはめず、条文の適用範囲を必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
この特例を使う場合、何か書類上の対応が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
レセプトの摘要欄に、ICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行った旨を記載することが求められています。ガイドラインに沿った事前の体制整備等の要件を満たしていることも前提になりますので、実際に使う場合は公式資料の要件を1つずつ照合することをおすすめします。
施設基準・届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、事前の届出みたいなものは必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、死亡診断加算そのものについて、外来感染対策向上加算のような個別の施設基準の届出は確認できていません。往診料または在宅患者訪問診療料(Ⅰ)を算定できる体制であれば、死亡診断加算自体に追加の届出は不要というのが条文上の整理です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ何も確認しなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
いえ、そうとは言い切れません。往診料や在宅患者訪問診療料(Ⅰ)自体には、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院かどうかで点数区分が変わる仕組みがありますし、看取り加算・在宅ターミナルケア加算など併せて算定する加算には別の要件があります。死亡診断加算単体では届出不要でも、土台となる往診料・訪問診療料側の算定要件は満たしているか、確認は必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、この加算に変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが保有している令和8年度の一次資料(医科点数表・留意事項通知)の範囲では、死亡診断加算の点数(200点)、看取り加算との併算定除外の規定、ICTを利用した死亡診断の特例のいずれも、令和8年度時点の条文として確認できていますが、令和6年度時点の同一条文との個別の突き合わせ資料までは、今回(2026年7月時点)の確認範囲に含まれていません。
みらい(新人医療事務)
つまり、変わったかどうかは分からないということですか?
あおい(元・医療事務)
正確に言うと、「今回参照した一次資料の範囲では、変更点を積極的に確認できていない」という状態です。断定的に「変更なし」とも「変更あり」とも言えないため、前回改定からの正確な差分を知りたい場合は、厚生労働省が公表している「個別改定項目について」等の改定対比資料でご確認いただくことをおすすめします。
自院で確認する順番(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
実際に自分の診療所で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
こちらの流れで確認するのがおすすめです。

自院で確認する順番(令和8年度)
- 患者さんが在宅で死亡したか(往診後に在宅以外の場所で死亡した場合の扱いは、別途在宅ターミナルケア加算側の規定になるため区別する)
- 死亡日に往診料(C000)または在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」(C001)を算定して死亡診断を行ったか
- 同じ患者について看取り加算(往診料の注4/在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の注7)を別に算定していないか
- 該当すれば死亡診断加算の算定候補。診療録・レセプトへの記載内容も併せて確認する
みらい(新人医療事務)
この順番でチェックすれば、取り漏れも防げそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特に3番目の看取り加算との重複は、レセプト点検で指摘されやすいポイントなので、優先して確認することをおすすめします。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実務でありがちな取り漏れって、どんなパターンがありますか?
よくある取り漏れ・確認ポイント(令和8年度)
看取り加算と死亡診断加算を両方請求してしまう: 条文上は併算定できない扱いのため、どちらか一方になっているかの確認が必要です。 在宅患者訪問診療料の「2」で死亡診断を行い加算してしまう: 告示は「1を算定する場合に限る」としているため、「2」の区分では対象外の可能性があります。 死亡診断加算そのものは取れても、看取り加算の要件を満たしているかの確認を後回しにしてしまう: 看取り加算のほうが点数が大きいため、要件を満たすなら看取り加算側での算定候補も含めて検討する余地があります。
みらい(新人医療事務)
どちらの加算が該当するかを先に整理しておくと安心ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。死亡診断加算と看取り加算のどちらの要件に当てはまるかを、診療の実際の流れ(事前の説明・同意の有無、往診・訪問診療の回数など)から確認するのが確実です。
関連加算も確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
この加算と関係が深い加算、他にもありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、在宅医療の看取りに関連する加算として、こちらもあわせて確認しておくと理解が深まります。
| 関連加算名 | 主な関係 |
|---|---|
| 看取り加算 | 死亡診断加算と併算定できない関係にある加算 |
| 在宅ターミナルケア加算 | 往診料の看取り加算の算定要件(注3)とつながる加算 |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ) | 死亡診断加算の算定の土台となる基本の診療料 |
みらい(新人医療事務)
死亡診断加算だけを見るんじゃなくて、こういう関連の加算もセットで見たほうがよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。在宅の看取りに関する加算はお互いに算定要件が絡み合っているので、1つずつ単独で判断せず、関連する条文をまとめて確認することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
では対話形式で整理しますね。
みらい(新人医療事務)
病院でも死亡診断加算は算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが収録している一次資料の整理では、往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)を算定できる診療所・病院のどちらも対象に含まれています。ただし、実際の算定可否は個々の診療内容によりますので、自院での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんにも適用されますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、死亡診断加算は在宅医療(往診料・在宅患者訪問診療料)の加算です。入院中の患者さんの死亡診断は対象になりません。
みらい(新人医療事務)
死亡診断加算と在宅ターミナルケア加算は同時に算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅ターミナルケア加算と死亡診断加算は別の区分の加算ですので、条文上は死亡診断加算との直接の併算定除外は確認できていません。ただし、看取り加算とは別に算定できないという規定があるため、看取り加算・在宅ターミナルケア加算・死亡診断加算のどれに該当するかは、それぞれの要件を個別に確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。