みらい(新人医療事務)
あおいさん、「乳幼児呼吸管理材料加算」って加算を見つけたんですけど、これって何のための加算なんですか?名前だけだと全然イメージがわかなくて…。
あおい(元・医療事務)
これは在宅で呼吸管理をしている6歳未満のお子さんについて、在宅療養指導管理料に上乗せできる材料加算ですよ。対象になる管理料が決まっていて、その管理料を算定するときに一緒に付けられる加算、というイメージです。
みらい(新人医療事務)
「一緒に付けられる」ということは、単独では算定できないんですね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。単独で算定する加算ではなく、特定の在宅療養指導管理料とセットで初めて算定候補になる加算です。まずはどの管理料とセットなのか、公式資料の文言から確認していきましょう。
乳幼児呼吸管理材料加算とは
みらい(新人医療事務)
セットになる管理料って、具体的にはどれなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表(告示)には、こう書かれています。「6歳未満の乳幼児に対して区分番号C103に掲げる在宅酸素療法指導管理料、C107に掲げる在宅人工呼吸指導管理料又はC107-2に掲げる在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定する場合は、乳幼児呼吸管理材料加算として、3月に3回に限り1,500点を所定点数に加算する。」
あおい(元・医療事務)
つまり対象になる管理料は3つです。在宅酸素療法指導管理料(C103)、在宅人工呼吸指導管理料(C107)、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)のいずれかを算定している6歳未満の乳幼児が対象になります。
みらい(新人医療事務)
3つのうちどれか1つでもよくて、6歳未満であればいい、ということですね。
あおい(元・医療事務)
公式資料の文言どおりに読むとそうなります。年齢は「6歳未満」と明記されているので、6歳の誕生日を迎えた時点で対象から外れる、という理解でよさそうです。ただし実際の運用でのカウント方法(算定日時点の年齢かどうか等)に迷う場合は、審査支払機関に確認するのが確実です。
対象になる管理料の点数(背景として)
みらい(新人医療事務)
セットになる3つの管理料自体の点数も気になります。
あおい(元・医療事務)
同じ令和8年度の点数表から拾うと、こうなっています。乳幼児呼吸管理材料加算はこれらの所定点数に「上乗せ」される加算だという位置づけを意識してください。
| 対象管理料 | 区分番号 | 点数 |
|---|---|---|
| 在宅酸素療法指導管理料 | C103 | チアノーゼ型先天性心疾患の場合 520点/その他の場合 2,400点 |
| 在宅人工呼吸指導管理料 | C107 | 2,800点 |
| 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 | C107-2 | 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1 2,250点/2 240点 |
みらい(新人医療事務)
乳幼児呼吸管理材料加算そのものには、区分番号のような専用コードは付いていないんですか?
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。この加算は点数表の「区分」ではなく「通則」という、材料加算全体の共通ルールを定めた部分に書かれています。つまり単独の区分番号を持つ加算ではなく、対象管理料を算定したときに通則の規定として上乗せされる、という位置づけです。
点数と算定回数(1,500点・3月に3回)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数と回数を整理してください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点でこうなっています。
乳幼児呼吸管理材料加算の基本情報(令和8年度)
点数: 1,500点 算定回数: 3月に3回に限る 対象年齢: 6歳未満の乳幼児 対象管理料: 在宅酸素療法指導管理料(C103)/在宅人工呼吸指導管理料(C107)/在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)のいずれか
みらい(新人医療事務)
「3月に3回」ってちょっと独特な数え方ですね。月1回までとは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、違います。「3月に3回」は、3か月の期間の中で合計3回まで算定できる、という規定です。月ごとに必ず1回、という縛りではありません。実務でのカウント開始月の起算方法まで迷う場合は、レセプトの返戻・査定の実例と合わせて審査支払機関に確認しておくと安心です。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
ここは正直にお伝えします。今回確認した令和8年度の点数表(告示)の本文には、乳幼児呼吸管理材料加算そのものについて、施設基準や届出を求める記載は見当たりませんでした。対象となる在宅酸素療法指導管理料・在宅人工呼吸指導管理料・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の基本部分についても、同じ資料の範囲では届出を必須とする文言は確認できていません(管理料の中に含まれる一部の上乗せ加算、たとえば遠隔モニタリング加算などは別に施設基準の届出が必要と明記されていますが、これは乳幼児呼吸管理材料加算そのものとは別の話です)。
届出・施設基準は必ず自院で最終確認を
点数表の本文だけでは届出の要否を断定できません。留意事項通知や施設基準関連の告示・通知まで含めて確認しないと、「届出不要」と言い切ることはできない可能性があります。実際に算定する前には、自院が届け出ている在宅療養指導管理料の内容と、地方厚生局への確認を必ず行ってください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、「資料に書かれていないから不要」と決めつけちゃダメなんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。書かれていないことは「不要」の証明にはなりません。届出台帳や過去のレセプト、審査支払機関への確認と合わせて、自院の状況で判断してください。
算定タイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
まず大前提として、在宅酸素療法指導管理料・在宅人工呼吸指導管理料・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料のいずれかを算定した月でなければ、そもそも乳幼児呼吸管理材料加算の対象になりません。管理料を算定していない月に、この加算だけを算定することはできない、という理解で読み進めるのが自然です。
みらい(新人医療事務)
他の材料加算と一緒に算定できるかどうかも気になります。
他の材料加算との併算定は要確認
在宅療養指導管理材料加算には、乳幼児呼吸管理材料加算以外にも複数の加算区分があります(たとえば携帯型精密酸素濃縮器加算や在宅持続陽圧呼吸療法材料加算など)。今回確認した資料の範囲では、乳幼児呼吸管理材料加算と他の材料加算との併算定可否を明記した一文は見つけられていません。実際に複数の材料加算を同時に算定したいケースでは、レセプトコンピュータの設定や審査支払機関への確認を優先してください。
あおい(元・医療事務)
もう一つ、点数表の通則には「本款各区分に掲げる在宅療養指導管理材料加算は、第1款各区分に掲げる在宅療養指導管理料のいずれかの所定点数を算定する場合に、特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する」という原則も定められています。乳幼児呼吸管理材料加算はこの原則どおり「3月に3回」という個別の規定を持つ加算です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
乳幼児呼吸管理材料加算そのものの規定を、令和6年度(2024年度)の医科点数表と令和8年度(2026年度)の医科点数表で見比べてみました。
前回改定(令和6年度)との比較
令和6年度(2024年度)改定時点: 「6歳未満の乳幼児に対して…乳幼児呼吸管理材料加算として、3月に3回に限り1,500点を所定点数に加算する」(同一文言) 令和8年度(2026年度)改定時点: 「6歳未満の乳幼児に対して…乳幼児呼吸管理材料加算として、3月に3回に限り1,500点を所定点数に加算する」(同一文言) 確認結果: 対象年齢・対象管理料・点数(1,500点)・算定回数(3月に3回)のいずれも、公式資料の文言上は変更が確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
全く変わっていないんですね。
あおい(元・医療事務)
この加算個別の規定に関しては、令和6年度改定・令和8年度改定のどちらでも同じ文言でした。ただ一点補足すると、在宅療養指導管理材料加算グループ全体に適用される原則の回数(通則の一般ルール)は、令和6年度改定時点では「月1回に限り算定する」となっていたのに対し、令和8年度改定時点では「3月に3回に限り算定する」に変わっています。乳幼児呼吸管理材料加算はもともと個別に「3月に3回」という規定を持っていたため、この原則側の変更による影響は確認されていません。
改定差分の位置づけについて
ここで触れている令和6年度(2024年度)改定時点の情報は、あくまで乳幼児呼吸管理材料加算という同じ加算の前回改定時点の状態を示す比較目的の記載です。現行の算定基準は本文全体を通じて令和8年度(2026年度)点数表に統一しています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医療機関で確認するとしたら、どういう順番で見ていけばいいですか?
自院で確認する順番
対象患者の年齢を確認する: レセプト算定日の時点で6歳未満の乳幼児かどうかを確認します。 対象管理料の算定状況を確認する: 在宅酸素療法指導管理料(C103)、在宅人工呼吸指導管理料(C107)、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)のいずれかを、その月に算定しているかを確認します。 過去の算定回数を確認する: 直近3か月で乳幼児呼吸管理材料加算をすでに何回算定しているかを確認し、3回を超えていないかをチェックします。 届出・施設基準を確認する: 対象管理料の届出状況を院内の届出台帳で確認し、不明点は地方厚生局や審査支払機関に問い合わせます。 併算定の有無を確認する: 同じ患者に他の在宅療養指導管理材料加算を併せて算定する予定がある場合は、レセプトコンピュータの設定や審査支払機関の見解を事前に確認します。
よくある取りこぼし
みらい(新人医療事務)
現場でよく見落とされがちなポイントって、どんなところですか?
取り漏れやすいポイント
年齢の見落とし: 6歳未満という年齢条件を見落とし、6歳に到達した後も同じ運用を続けてしまうケース。 対象管理料の未確認: 在宅酸素療法指導管理料・在宅人工呼吸指導管理料・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料のどれを算定しているかをレセプト担当者が正確に把握していないケース。 回数超過: 「3月に3回」という上限を、月1回のつもりで運用してしまい、気づかないうちに超過してしまうケース。
あおい(元・医療事務)
特に「3月に3回」という数え方は、他の加算の「月1回」という感覚と混同しやすいところです。カレンダーやレセプトコンピュータ側で回数管理をしておくと安心です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
6歳未満かどうかは、いつの時点で判断するんですか?
あおい(元・医療事務)
公式資料の本文には、判断基準日(算定日時点かどうか等)についての具体的な記載までは確認できませんでした。ここは自院のレセプト実務や審査支払機関の見解に沿って判断してください。
みらい(新人医療事務)
対象になる管理料を算定していない月に、乳幼児呼吸管理材料加算だけを算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
公式資料の文言は「対象管理料を算定する場合は…加算する」という書き方になっているので、対象管理料の算定を伴わない単独算定は想定されていないと読めます。実際の判断は自院の算定状況と照らして確認してください。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は本当に必要ないんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した点数表本文の範囲では、乳幼児呼吸管理材料加算そのものに個別の届出を求める記載は見当たりませんでした。ただし、これは「届出不要」を保証するものではなく、留意事項通知など他の資料まで含めて自院で最終確認していただく必要があります。
関連する加算もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
似たような在宅の材料加算も他にあるんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。同じ在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)に関連する在宅持続陽圧呼吸療法材料加算や、在宅の呼吸管理でよく話題になる気管切開患者用人工鼻加算も、あわせて確認しておくと、自院の在宅呼吸管理まわりの加算をまとめてチェックできます。
参考にした公式資料
| 資料名 | 発行 | 年度 |
|---|---|---|
| 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) | 厚生労働省 | 令和8年度 |
| 別表第一 医科診療報酬点数表(令和6年度改定版) | 厚生労働省 | 令和6年度(比較目的) |
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の年齢や算定している管理料を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。