みらい(新人医療事務)
C003って聞いたことあるんですが、在宅がん医療総合診療料って普通の在宅医療の加算とどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
C003は「末期の悪性腫瘍の患者さんを対象にした、在宅での包括的な診療料」です。訪問診療と訪問看護を合わせて週4日以上提供することを前提に、1週間単位で要件をチェックして算定する仕組みになっています。訪問診療だけ、看護だけでは算定の条件を満たせないのが大きな特徴です。
みらい(新人医療事務)
週4日以上、ということは毎週かなりしっかり関わる患者さんが対象なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。在宅での終末期がん医療を支えるための診療料で、計画的な医学管理のもとで総合的な医療を提供した場合に算定候補となります。通常の在宅時医学総合管理料(C002)とは別の体系で、算定した月はC002は算定できません。
C003 在宅がん医療総合診療料とはどんな診療料か
みらい(新人医療事務)
改めて、どんな場面で使う診療料なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養支援診療所(在支診)または在宅療養支援病院(在支病)が、がんの末期で在宅療養中の通院困難な患者さんに対して、計画的な医学管理のもとで訪問診療と訪問看護を組み合わせて医療を提供した場合に算定するものです(令和8年度)。
みらい(新人医療事務)
がん末期、在宅療養、通院困難、の三つが揃った患者さんということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、その通りです。厚生労働省の留意事項通知(令和8年度・C003)では「在宅での療養を行っている通院が困難な末期の悪性腫瘍の患者…であって、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、連絡担当者の氏名・連絡先電話番号・担当日・緊急時の注意事項等について文書により提供しているものに対して」と明記されています。24時間対応体制の整備と文書提供も要件に含まれています。
みらい(新人医療事務)
施設の側にも条件があるんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。算定できるのは在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院に限られていて、さらに施設基準に適合しているとして地方厚生局長に届け出ていることが必要です。在支診・在支病の届出があっても、C003に関する施設基準の届出が別途必要になる場合もあります。届出の状況は必ずご確認ください。
対象患者・対象医療機関の要件
みらい(新人医療事務)
対象患者と対象医療機関の要件をもう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
まず対象患者ですが、「在宅での療養を行っている通院が困難な末期の悪性腫瘍の患者」が対象です。ただし、医師または看護師等の配置が義務付けられている施設(特定の入居施設や入所施設)に入居または入所している患者さんは原則として対象外になります(給付調整告示等に規定する場合を除く)。
みらい(新人医療事務)
施設入居者は対象外になるケースが多いんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、在宅療養というのが前提なので注意が必要です。次に対象医療機関ですが、在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院であって、施設基準に適合しているとして届け出た医療機関に限られます。C003の算定を考えている場合は、まず自院の届出状況を確認する必要があります。
対象かどうかの確認ポイント
- 患者側: 末期の悪性腫瘍(がん末期)であること、在宅療養中であること、通院困難であること
- 患者側の除外: 医師・看護師等の配置が義務付けられた施設への入居・入所(原則除外)
- 医療機関側: 在支診または在支病として届出済みであること
- 医療機関側: C003に係る施設基準の届出状況の確認(要確認)
- 体制: 往診と訪問看護による24時間対応体制の確保、担当者情報等の文書提供
算定要件(週単位の判定)
みらい(新人医療事務)
週4日以上という条件、具体的にどう数えるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知に具体的な基準が示されています。「ア 訪問診療又は訪問看護を行う日が合わせて週4日以上であること(同一日において訪問診療及び訪問看護を行った場合であっても1日とする)。イ 訪問診療の回数が週1回以上であること。ウ 訪問看護の回数が週1回以上であること。」という3つの条件があります。
みらい(新人医療事務)
同じ日に訪問診療と訪問看護を両方やっても1日にしか数えられないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。延べ日数ではなく「訪問した日の数」で数えます。たとえば月曜に訪問診療+訪問看護(1日)、水曜に訪問看護(1日)、金曜に訪問看護(1日)、土曜に訪問診療(1日)という組み合わせなら4日。訪問診療1回、訪問看護3回でア・イ・ウすべて満たすことになります。
みらい(新人医療事務)
なるほど。3つの条件を全部その週に満たせば、その週に算定できるということですか?
あおい(元・医療事務)
はい。「1週間(日曜日から土曜日までの暦週)を単位として当該基準を全て満たした日に算定する」とされていますので、その暦週のすべての要件を満たした日に算定します。3つのうちどれか1つでも満たせなかった週は算定できません。
算定タイミングの注意点
- 週単位の判定: 日曜〜土曜の暦週で、3つの要件(ア・イ・ウ)すべてを満たした週のみ算定
- 1日として算定: 1日につきの点数ですが、週単位で要件判定します
- 処方箋の有無: 1週間のうちに院外処方箋を交付した日がある場合は、その週全体を「院外処方箋を交付する場合」の点数で算定します
- 診療開始・終了週: 週の途中から診療を開始・終了した場合は、対象日数分を算定します
点数区分(令和8年度・6区分)
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
「機能強化型かどうか」「病床を有するかどうか」「院外処方箋を交付するかどうか」の組み合わせで6区分になっています(令和8年度)。厚生労働省告示(令和8年度・C003)の点数をそのままお伝えします。
| 区分 | 院外処方箋を交付する場合 | 院外処方箋を交付しない場合 |
|---|---|---|
| 機能強化型在支診・在支病(病床あり) | 1,800点 | 2,002点 |
| 機能強化型在支診・在支病(病床なし) | 1,650点 | 1,852点 |
| 在支診・在支病(機能強化型以外) | 1,495点 | 1,687点 |
あおい(元・医療事務)
上記はいずれも1日につきの点数で、1週間単位で算定要件を判定します(令和8年度・告示C003)。
みらい(新人医療事務)
処方箋なしの機能強化型病床ありだと2,002点なんですね。2,000点ではなくて。
あおい(元・医療事務)
そうです、正確には2,002点です。告示の原文にもそのように記載されています。点数の記録や請求では正確な点数を使ってください。機能強化型か通常型かは届出の区分によって変わりますので、自院の届出状況を確認することが必要です。
みらい(新人医療事務)
機能強化型かどうかはどうやって判断するんですか?
あおい(元・医療事務)
特掲診療料の施設基準に定める「別に厚生労働大臣が定めるもの」として届け出た在支診・在支病が機能強化型になります。また病床を有するかどうかも施設基準の区分によります。いずれも届出内容で確定しますので、レセプト担当者の方は必ず自院の届出区分をご確認ください。

加算・追加算定項目
みらい(新人医療事務)
C003には加算もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、主に3つの加算があります。告示の注文で定められています。まず「死亡診断加算」として、死亡日に往診または訪問診療を行い死亡診断をした場合は200点を加算します(注2)。
みらい(新人医療事務)
亡くなった日に診察された場合に加算があるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。次に「在宅医療充実体制加算・在宅療養実績加算1・2」として、施設基準に適合しているとして届け出た場合に、それぞれ300点・110点・75点を加算できます(注5)。これもC003の届出とは別の届出が必要です。
みらい(新人医療事務)
もう一つは?
あおい(元・医療事務)
「小児加算」として、15歳未満の小児(小児慢性特定疾病医療支援の対象の場合は20歳未満)に対して総合的な医療を提供した場合は、週1回に限り1,000点を加算します(注6)。C003はがんの末期が対象ですので、小児のがん患者さんが在宅療養する場合に適用となります。
加算の確認ポイント
- 死亡診断加算: 死亡日に往診/訪問診療して死亡診断を行った場合 +200点(注2)
- 在宅医療充実体制加算: 施設基準の届出が必要 +300点(注5)
- 在宅療養実績加算1: 施設基準の届出が必要 +110点(注5)
- 在宅療養実績加算2: 施設基準の届出が必要 +75点(注5)
- 小児加算: 15歳未満(特定疾病対象は20歳未満)の小児患者 週1回まで +1,000点(注6)
併算定の注意(C002との関係)
みらい(新人医療事務)
C003を算定した月はC002は取れないと言っていましたが、詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知(C002 (15))に「C003在宅がん医療総合診療料を算定した日の属する月にあっては、在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料は算定できない」と明記されています。同じ患者さんの同じ月に、C003とC002を両方算定することはできません。
みらい(新人医療事務)
月単位で排他なんですね。週単位ではなく。
あおい(元・医療事務)
そうです。月の途中でがんと診断されてC003の算定に切り替えた場合や、月をまたぐ場合は注意が必要です。レセプトチェックでこのあたりは必ず確認する項目になります。
C002・C002-2との併算定は不可
C003を算定した日が属する月は、以下の算定ができません。
- C002 在宅時医学総合管理料
- C002-2 施設入居時等医学総合管理料
同一患者・同一月での重複算定に注意してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定でC003は何か変わったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた一次資料(厚生労働省告示・留意事項通知・令和8年度診療報酬改定関係資料)の範囲では、C003の点数区分・算定要件・対象患者・施設基準に関する大きな変更は確認されていません(2026-06確認・厚労省一次情報ベース)。令和6年度(2024年度)の改定時と同様の6区分・要件が継続しています。
みらい(新人医療事務)
安定して運用できているということですね。
あおい(元・医療事務)
点数や要件が変わった場合は必ず一次資料でご確認いただく必要があります。また在宅医療充実体制加算や在宅療養実績加算など周辺の施設基準関連の届出要件については、改定ごとに見直しが行われることがあります。改定時には関連告示・通知をあわせてご確認ください。
自院で確認する順番(チェックリスト)
みらい(新人医療事務)
実際に自院でC003を算定するには何から確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に確認していくとスムーズです。
自院で確認する順番
まず、自院が「在宅療養支援診療所」または「在宅療養支援病院」として届出済みかを確認します。これが大前提になります。
次に、C003(在宅がん医療総合診療料)に係る施設基準の届出状況を確認します。在支診・在支病の届出があってもC003の算定には別途の届出が必要です。
機能強化型か通常型か、病床を有するかどうかを届出内容で確認し、自院の区分(6区分のどれか)を把握します。
対象患者(末期の悪性腫瘍で在宅療養中・通院困難)を特定し、24時間対応体制と文書提供の要件を満たしているか確認します。
週単位での要件(訪問診療+訪問看護の合計週4日以上・訪問診療週1回以上・訪問看護週1回以上)を記録・管理する運用を整えます。
院外処方箋の交付有無を週単位で確認し、点数区分が正しいかレセプト請求前にチェックします。
よくある確認ポイントと取り漏れ事例
みらい(新人医療事務)
実際の現場で気をつけることってどんなことですか?
あおい(元・医療事務)
一番多いのは「週4日の計算のしかた」と「C002との月単位の排他関係」の見落としです。
みらい(新人医療事務)
週4日の計算ミスというのは?
あおい(元・医療事務)
同一日に訪問診療と訪問看護の両方を行っても1日としか数えられません。2日分として数えてしまうと要件を満たしていない週に算定してしまうことになります。記録段階から日数を正確に管理する仕組みが必要です。
みらい(新人医療事務)
C002との関係はさっき教えてもらいましたが、切り替えのタイミングで混乱しそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。月の途中でC003に切り替えた月や、逆にC003からC002に戻る(がんの診断が変わった等)場合は特に注意が必要です。月単位での排他関係を意識したレセプトチェックの運用を整えることをお勧めします。
取り漏れ・ミスが起きやすいポイント
- 週4日の日数カウント: 同一日に訪問診療+訪問看護を行っても1日(2日と数えない)
- 3要件の全充足確認: ア(週4日以上)・イ(訪問診療週1回以上)・ウ(訪問看護週1回以上)をすべて確認
- 処方箋の有無の週単位確認: 週に1日でも院外処方箋を交付した日があれば、その週全体が「交付する場合」の点数
- C002・C002-2との月単位排他: 同月算定不可
- 小児加算の対象年齢: 小児慢性特定疾病医療支援対象は20歳未満(通常は15歳未満)
- 加算の届出確認: 在宅医療充実体制加算・実績加算1・2は別途届出が必要
よくある質問
みらい(新人医療事務)
訪問看護が別の事業者の場合でもC003の要件に含められますか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の一次資料の範囲では、訪問看護の回数の計上に関する詳細は確認が必要です。一般的には在宅患者訪問診療料等と組み合わせた体制を前提にしていますが、関係する通知や疑義解釈もあわせてご確認いただき、審査支払機関にお問い合わせすることをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
がんで在宅療養中でも、週4日の要件を満たせない週はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
週4日以上の訪問(訪問診療週1回以上・訪問看護週1回以上を含む)という3つの要件を全て満たせなかった週はC003を算定できません。その週はC003の算定対象外となります。要件を満たした週だけ算定するという運用になります。
みらい(新人医療事務)
C003を算定している患者さんが月の途中で亡くなった場合は?
あおい(元・医療事務)
亡くなった日に往診または訪問診療を行い死亡診断を行った場合は、死亡診断加算として200点を所定点数に加算できます(告示注2)。また診療を終了した週については、その週の対象日数分を算定するとされています。詳細は審査支払機関にご確認ください。
みらい(新人医療事務)
機能強化型在支診と通常の在支診の違いはどこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
特掲診療料の施設基準に関する通知と、地方厚生局への届出内容で確認します。一般的には、複数の医師が在籍していること、緊急往診件数・看取り件数の実績要件などが機能強化型の基準になっていますが、最新の基準については施設基準通知をご確認ください。

自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院がC003の算定候補になるかどうか、もう少し具体的に確認したいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制の情報を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。C003は届出区分・週単位の要件判定・C002との排他関係など確認事項が複数ありますので、活用してみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・留意事項通知・施設基準通知)・審査支払機関の判断でご確認ください。